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プロローグ（クラッシュ編）
2013/01/12（土）22：46：47（11年前） 更新
ただ、ちょっと寂しげだ･･･。
ここは南の島、タスマニア島。その中で、「ヘンテコドッキリ島」とも呼ばれることがある、平和な島の砂浜で、1匹のバンディクーがゆったりと昼寝していた。
クラッシュ（以下クラ）「はぁ～やっぱり今日も平和なのだ～。気持ち良い天気、穏やかな波、豊かな緑。オイラの片手には幸せのりんご。オイラって満たされてるなぁ～。」
ひどくのんきにしているが、これでも
『悪をた～おすハ～イパ～ヒーロー！』『実は地球～を救うヒーロー！』（『クラクラババン』）
である。うそではない。悪の科学者やら宇宙人やら別次元の鳥類やらが襲ってきても解決してきたヒーローだ。･･･最大の悩みは全く女の子に（いい意味で）キャーキャー言われないことらしいが･･･。
クラ「ん～～･･･」
所ちょいと変わって、ここはクラッシュの家の庭。いつもだったらクラッシュの妹、ココがここに元気でいるのに･･･ほら、そこ失笑しｎ(ry
ココ(以下ココ)(←変わってねーだろw）
「いつまでふざけてるのよ！！！」
･･･はい、ごめんなさい。話に戻って、
ココ「はぁ･･･」
浮かない顔をしていた。お気に入りのオーバーオールを着ていて、きれいな花も髪飾りにしているが、なんとも落ち込んでいる様子。実はこんなことがあったのだ･･･
（いつだったかしら？クランチが･･･）
クランチ(以下クラン）「クラッシュ、ココ、アクアク、ちょっと俺の話を聞いてくれ･･･」
クラ「何?」
アクアク(以下アク)「不安そうな明るそうな、よく分からん表情をしとるのぉ～」
クラン「実は･･･、俺、旅に出ようと思うんだ!」
クラ、ココ「ええ～～っ！？」
アク「なんじゃ、急に。ワシらにうんざりしたのか？こやつらと接するのが飽きたのか？」
クラ、ココ「･･････」
なんとなくだがこの兄妹からアクアクに向かって、殺気だっているとも取れる視線が出ているように思えた。
クラン「まさか！俺はクラッシュやココを、素晴らしい仲間だと思っているし、誇りだよ。･･･あとアクアクもよぉ」
アク「なんじゃ、ワシゃおまけかい。オ～マイガってか？」
暖かい島のはずなのに、一瞬、寒気が感じられた。アクアクの（ある意味）不思議なパワーが爆発したのだろうか。
クラン「･･･俺はみんなに、あのコルテックスの野郎から解放してくれたおかげで、ものすごく充実した、楽しい毎日を送るようになった。まぁたまに宇宙人にさらわれたり、追っかけられたり、氷漬けにされたりもあったけど･･･」
クラ「だからって、昔、急いでるオイラに無理やりバーベル上げさせることもなかったじゃん。」
ココ「お兄ちゃん！」
クラ「･･････」
彼は少し眉をひそめて、舌を出してみせた。
クラン「まぁそれも含めて･･･。俺は幸せを、自由を！感じていた･･･。だけど、最近少しずつ感じるようになったんだ。助け出されてからずっとこの家に居候させてもらってるけど、ちょっと迷惑かもしれないし･･･」
ココ「そんな！全然思ってないわよ！ねぇ、お兄ちゃん！！」
彼女は少々ヒステリック気味に兄に訴えた。
クラ「もちろん！クランチといたら楽しいよ！」
アク「クランチとのダイエット話とか、おもしろかったぞよ。」
クラン「その気持ち！･･･本当にうれしいよ。･･･話に戻ろう。俺は一度、自由ってやつを謳歌してみてぇんだ！この島でずっとのんびりするのも悪くない選択だろう。だが！俺は知りたい。真の自由ってやつを･･･。」
アク「それで、旅を･･･」
クラ「そっか。クランチが行きたかったらオイラは平気だよ。まぁ寂しい所もあるけど。ココも大丈夫だよな？」
ココ「・・・・・・」
ずっとうつむいていた。
クラ、クラン「ココ･･･？」
ココ「･･･ごめん、みんな･･･うん、クランチ、歓迎するわよ！」
クラン「ホントか？」
ココ「あたしが嘘つくとでも？」
クラン「な、なら良いんだ、よし。」
クラ「こうと決まったらお祝いだ～！」
アク「ん、なんのじゃ？」
クラ「決まってんだろ？いい旅ををするようにっていう意味だよ！」
クラッシュは常に元気そうだった。
クラ「オイラ、早速りんごとってくる～！」
クラン「･･･ま、こんな時ぐらいりんごも食うか！」
ココ「あたしがお料理作りましょうか？」
クラン「俺がいなくても星の1つぐらい守れるだろ！！俺がいなくてもがんばってくれよ！」
･･･てな感じでポーラ、プーラ含めて盛大なパーティーを開いて無事終わった。そして、
クラン「神さんよぉ、俺の旅、うまくいってくれ･･･！」
と巨大なトーテムポールに祈って、舟に乗り旅立っていった。「探さないでくれよ、気まぐれで帰るから」という伝言を残して。
ココ「（やっぱりしょんぼりよ･･･お兄ちゃんはいつもどおりだけど…）」
彼女はあれからへこんでいた。
そんな彼らに新しい災難の数々が降りかかろうとは、誰も知らなかった…。
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