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クラッシュ・バンディクー8 深紅の野望と漆黒の友
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第4話
2015/08/14(金)23:34:58(9年前) 更新
さて、皆さんお待ちかねの本編でございます!w(
「…何か叫び声のようなものが聞こえますね」
ティアが呟いた。
「ひゃっほおおおおおおおおお!!!!!!!!」
遥か上空にいる者から発せられているようだった。
「うっせぇな…なんだあの鳥」
ポイズンが迷惑そうに言う。
「でもなんかこっちに向かって来てない?」
「…んん、急降下してきたぞ!」
ココとクランチがそう言った途端、クラッシュたちの近くに一羽の鷹が砂浜に着地した。
「よっと…なんだ、探す手間が省けたな」
その鷹は喋った。
「誰だ貴様は…名を名乗れ」
ティアが鋭い視線を向けながら言った。
「そんなに怒らなくたっていいじゃねぇか。俺はフレイホーク、あのハゲオヤジの手下さ」
「ハゲオヤジ…コルテックスか!」
クラッシュはハゲオヤジと聞いて連想したのがコルテックスだった。
「残念だが、俺はお前らを倒して褒美のハンバーガーを貰う約束してんだ。覚悟しとけよ?」
「ほう…わざわざ敵のほうから出向いてくれるとは、こっちとしてはなかなか都合がいいんじゃねぇか?」
「そうだな。コイツを倒してコルテックスたちの情報を聞き出せば、後々楽になりそうだしな」
ポイズンとクランチが話し合っていた。
「やっとあたしの出番が来たみたいだね!」
フォウヘンは初戦闘ということもあり、結構張り切っていた。
「へっ、お気楽でいいなぁお前らは。言っとくけど俺は誰が相手でも容赦しないぜ?それに、俺だけじゃないしな」
「何じゃと?」
アクアクが訊き返した瞬間、フレイの後ろから車が向かってくるのが見えた。
「援軍か」
「まぁそういうこった」
ポイズンの問いかけにフレイは答えた。
「やっと追いつきました。ここにいたんですね」
「遅かったじゃねぇか」
フレイは女性に向かって言った。
「フレイさんが早すぎるんですよ…それで、あの人たちが敵ですか」
「そうだ」
「ケッ、かったるいなァ…さっさと終わらせて帰るぞ」
男性はクラッシュたちを睨んだ後、フレイたちに向かって言った。
「皆、気を引き締めて行こう!」
クラッシュはココたちに向かって言った。ココたちは無言で頷いた。
「行くぞ!」
クラッシュが向かってきた。
「なら、ここは私が」
男性がクラッシュに向かっていった。
「スピンアターック!!」
「…スピンアタック」
2人はほぼ同時にスピンアタックを繰り出した。
「えっ!?」
お互いぶつかって弾かれたが、ダメージは少ないようだ。
「私はあなたのコピーのような存在……あなたの戦術もとうに見切っています」
「なんだって…!?一体、誰なの…!?」
「…私は…クレイド・バンディクー」
クレイドはそう言った直後、天に向かって腕を上げた。すると突然今までに見たこともないような武器がクレイドの手によって握られていた。
「…!?」
「さぁ、行きますよ」
武器を持ったクレイドがクラッシュに近づいてきた。
「ダブルグレイザー!」
持っている武器の名前であろう言葉を叫びながらクレイドは水平に槍を斬りつけてきた。
「おっと!」
クラッシュはダブルジャンプをしてギリギリで刃を避け、そのまま竜巻スピンアタックを繰り出す。
「そう来ましたか」
「食らえー!」
「…トリプルジャンプ」
クレイドはそう言った直後、空中で2回ジャンプした。
「えっ…!?」
クラッシュはクレイドが避けることは愚か、三段ジャンプをすることさえ予想もしてなかった為、着地後少し体勢を崩してしまった。
(まずい、今攻撃されたら…!)
クラッシュは急いで振り向き、クレイドに向かってスライディングを仕掛ける。
「くッ」
クレイドは自分の目の前で槍を振り回し、クラッシュの攻撃をストップさせた。
「一体何なんだ…あの人…」
クラッシュは一旦クレイドから距離を置き、落ち着いた。見るとクレイドは少し疲れているようだった。肩で呼吸をしている。
「まだです…必ず倒します…!!」
金髪で隠れた左目からも、鋭い視線がクラッシュに向けられていた。
「おいおい、アイツはもう電池切れか?」
クラッシュとクレイドの戦いを見ていたフレイはそう呟いた。
「どこを見ている!相手はオレだぞ!」
クランチが腕を振りかぶりながらフレイに向かって突進してきた。
「生憎、俺は敵に真正面から向かっていくほど馬鹿じゃねぇんだ」
フレイは空気銃を拡散モードに切り替えて構え、引き金を引いた。直後、銃口から突風が吹いた。
「何っ!?」
クランチは腕を顔の前でクロスさせて防御態勢を取ったが、風圧のほうが勝りクランチは後ろへ吹き飛ばされた。その間にフレイは空気銃をいじる。
「今度はコイツだッ!」
集中モードに切り替えたフレイは、今度はしっかりとクランチに狙いを定め引き金を引いた。そして先ほどよりも強い風がクランチを襲う。
「そう簡単に負けてたまるか!!」
クランチは地面に伏せたまま右へ転がり、風を避けたつもりだった。
「ぐッ…」
クランチの左肩に風が当たり、その箇所から流血してしまった。
「かまいたち現象をうまく利用したものだったんだけどな。まぁいい」
フレイは再び空気銃を拡散モードに切り替え、引き金を引く。
「確実に仕留めてやる」
突風がクランチを襲う。しかしクランチは突風が作った風の流れに逆らい、走ってきた。
「いい気になるなよこの野郎!!」
「なッ!?」
クランチは体勢を低めにし、思い切りフレイに向かってタックルした。フレイは吹っ飛ばされてしまった。
「……ヘッ、こんなもんで終わる俺じゃねぇぞ」
そう言いながらフレイは立ち上がったが、案外ダメージが大きかったためか少しよろけていた。一方のクランチも左肩を抑えている。
「俺はあんなヤツらみたいにすぐに傷を負ったりはしねぇ。さっさとてめぇを片づけてやるよォ!!」
「ふん、それは俺のセリフだ」
セリカとポイズンはそう言って、それぞれハンドガンとサーベルを構えた。
「そらよッ!」
セリカはハンドガンの引き金を引いた。そして銃口から弾丸がポイズン目掛けて飛び出した。しかしポイズンはいとも簡単にサーベルで弾丸を切り落とした。
「そんだけか?なら、こっちからも行くぜ」
そう言ってポイズンはサーベルを持ってセリカに接近していく。
「こっからが俺様の本領発揮だぜ…」
セリカはそう呟き、一瞬目を瞑った。
「あぁ?避ける気あるのか、お前」
その間にもポイズンはセリカの目の前にまで迫ってきていた。この距離からサーベルを振り下ろせば斬れる、そんな距離だった。
「…喰らえッ!!」
セリカは先程と同じように引き金を引いた。だが、先程と決定的に違う箇所があった。
「ぬおッ!?」
今セリカが撃った弾丸は明らかに前の弾丸とはスピードが段違いだった。およそ3倍ほどだろうか。
「ケッ、だから言ったろ」
ポイズンは危機一髪のところで弾丸を回避したが、大幅な隙が出来てしまった。
「おらッ」
セリカはそのままポイズンを蹴った。
「くっ…」
ポイズンは背中から地面に落ちてしまった。
「随分あっけなかったなァ?終わりだ」
セリカはハンドガンをポイズンに向ける。まさに引き金を引こうとしたときだった。
「そう簡単に死ぬかよ!!」
「何ッ!?」
なんとポイズンは足払いを繰り出し、セリカを転ばした。ポイズンは立ち上がって距離を置く。
「正直言って危なかったぜ…だが、もう慣れたさ」
「…フッ」
2人の闘争心に火が点いたようだった。
「さて、わたしはこの子の相手でもしようかな」
「…ユナを甘く見ないほうがいいよ」
「ふーん、結構生意気な子なのねー」
ココはファイティングポーズをとった。ユナもボーガンを構える。
「それっ!」
ユナはボーガンで家を2本発射してきた。ココの両肩に向かう。そして時間差でもう1本の矢を腹目掛けて撃つ。
「こんなものこうしちゃうから!!」
両肩に向かってきた矢は両手でキャッチし、2本の矢を重ねて折ってしまった。腹のものは足を振り上げて蹴り落とした。
「へぇ、結構運動神経いいのね。体力の少ないインテリ系かと思ってたけど」
「こう見えてもカンフー映画が好きなのよ!」
ココはそう言いながらユナに向かって走ってきた。
「これでも食らっときなさいっ!」
飛び蹴りを繰り出してきた。
「単調な攻撃ね」
ユナはいとも簡単に避け、ココの背中を目掛けて矢を発射する。不運にも矢は背中のど真ん中に当たってしまった。
「痛っ…もう!!」
ココは背中に手を回し、矢を引っこ抜いて地面に捨てた。服に血が滲んでいる。
「許さないんだから!」
再びココは走り出した。
「また飛び蹴りでもするの?」
しかしココはそのまま走り寄って来る。
「…!?えぇい!」
ユナは若干焦りながらも矢を連発する。しかしココは動体視力で何本もの矢を避けてきた。そしてユナの目の前まで来た。
「はああぁぁぁ!!!」
強烈なミドルキックを繰り出し、ユナの脇腹にヒットさせた。
「うっ…」
その衝撃でユナは転んでしまい、痛みでボーガンを握っていた手を離してしまった。ボーガンはユナの近くに落ちた。
「まぁこんなものかしら?」
ココは少し自信ありげに言った。しかしユナは起き上がると、ココのミドルキックが当たった脇腹に右手を添えた。
「…?何を…?」
そう言った瞬間、ユナの右手から眩い光が溢れ出した。
「え!?まさか…」
ココが思った通り、ユナは傷を癒した。回復したのだ。
「…これでよし」
「…へぇ?なかなか面倒くさい能力を持っているものねぇ」
ユナは立ち上がり、ボーガンを拾って再び構えた。ココもファイティングポーズをとり直す。
「貴様、何を企んでいる…」
「? 私自身は何も企んでいないわよ」
「なら何故戦う…?」
「コルテックスに協力してくれ、と頼まれているから…これで気が済んだ?」
「やはりそうか…なら、ここで倒していくのみ…!!」
ティアはそう言うと鞘から刀を抜いた。日本刀が光を反射して輝く。
「日本刀使い?科学者だけど、私も日本刀を持っているわ」
シエラはそう言うと鞘から刀を抜いた。日本刀が光を反射して輝く。
「…行くぞ!!」
ティアは自身の脚力と瞬発力の高さを利用し、一気にシエラの前まで迫ってきた。
「ほう」
シエラは刀を斜めに構えてティアの攻撃を受けた。2人は鍔迫り合いにもつれ込んだ。
「なかなか素早い動きね。でもこれはどうかしら」
シエラはスカートのポケットからレーザー銃を取り出した。そしてレーザー銃の引き金を引いた。
「…くッ」
ティアは急いで避けたが、一歩間に合わず頬に掠ってしまった。血が重力に従って滴る。ティアは一旦シエラから距離を置いた。
「賢明な判断だと思うわ」
シエラは少し笑いながら言った。ティアは暫く考え、ある行動をとった。
「…?何をする気?」
突然ティアは日本刀を鞘にしまった。そして目を瞑る。
「素直に負けを認めるって事?残念だけど倒さないといけないのよね」
シエラは容赦なくレーザー銃の引き金を引いた。レーザーはまっすぐティアに向かっていく。
「!!!」
目を開け、レーザーを避けた。
(…何?さっきよりもスピードが速い…!)
シエラがそう思ったときには、既にティアの刀がシエラの腕を斬っていた。
「ッ……自分の血を見るのは久しぶりね」
「…」
シエラは腕の、ティアは頬の傷を気にしながら互いに集中していた。
「やっと戦えるよ~…待ちくたびれちゃった~」
「だいぶお気楽そうな方と当たってしまいましたね…まぁすぐに終わらせてあげましょう」
舞姫は傘を取り出した。
「なぁに?今は雨なんて降ってないよ~?」
フォウヘンは不思議に思った。
「私がただの傘を取り出すとでも思いましたか?」
舞姫がそう言うと折りたたんだ傘の中心部分から数十発のライフル弾が発射された。
「えぇ!?弾丸?でも大丈夫!」
フォウヘンは翼を広げ、弾丸と同じ数の羽根を飛ばした。羽根にぶつかった弾丸は空中でスピードを失い、地面に落ちた。
「羽根…ですか。それならその翼を切り落としてしまえばいい話」
舞姫は傘を持ち、フォウヘンに向かって走り出した。
「そう簡単に切れるかな?」
フォウヘンは再び羽根を数十発飛ばしてきた。全てが容赦なく舞姫に向かう。
「大丈夫です」
舞姫は走りながら傘を振り回した。すると向かってきた羽根は真っ二つに裂かれ、哀れに散った。なおも舞姫は傘を構えて走ってくる。
「剣?へぇー凄いねその傘…でもあたしだって飛べるからね」
近づいてきた舞姫の傘を避け、空に飛びあがった。
「空に逃げるなんて…」
「ショータイムよ!!」
フォウヘンはそう言うと空から舞姫目掛けて羽根を飛ばした。
「まだまだです」
舞姫は急いで傘を開いた。傘は盾代わりとなり羽根を防いだ。全ての羽根が傘に刺さった後、舞姫は傘を振って羽根を落とした。
「届きませんね…ライフルを撃っても避けられるか…仕方ありません」
そう言うと舞姫は傘をフォウヘンに向かって投げた。
「まさか投げるなんて!」
そう言いながらもフォウヘンは避けた。傘は地面に落ちた。舞姫は傘を取ろうとした。
「おっと!そう簡単に戻させるもんですか!」
取ろうとした舞姫に羽根を飛ばした。羽根は避けたが、なかなか傘を取れない。
「なら、ずっと飛ばしてみては?」
「敵にアドバイス?」
舞姫は走りながら飛んでくる羽根を避けた。そして逃げ回りながら傘を取り、すぐさまライフルを何発か撃つ。
「食らわないよ!」
フォウヘンは弾丸を羽根で撃ち落としたつまりだったが、一発が翼に当たってしまった。
「痛っ…まずいかも」
右翼を抑えながらよろよろとゆっくり、舞姫から距離を置くように地面に着地した。
「まだ、これからですよ」
舞姫は傘を構えた、その時だった。突然クラッシュたちの頭上に大きなブラックホールが出現した。
「な、なにこれ!?」
「よそ見してる暇あんのか……って、何だ…?」
「これは…?」
「あァん?あのハゲオヤジたちが来たんじゃねェの」
「…なんか空が黒いね~」
「そんなのんきなこと言ってる場合じゃないと思うけど…」
クラッシュ、クランチ、シエラ、セリカ、フォウヘン、ユナはそれぞれ呟いた。そしてそのブラックホールから何か機械らしきものが降ってきた。
「危ないですね…」
「んだよこれッ!?」
「…厄介ですね…」
「またなんか面倒なのが増えちまったな」
「どういう事です…?」
「まさかアンタたちの仕業!?」
クレイド、フレイ、ティア、ポイズン、舞姫、ココもそれぞれ呟いた。どうやら機械はロボットのようだ。ざっと、500体はいるだろう。
「な、なんじゃコイツらは…」
アクアクが呟いた。それと同時に距離的に一番クラッシュたちに近いロボットのうちの1体が喋りだした。
「我々ハ命令ニヨリ貴様ラヲ倒ス」
「…おいおいおいお前らこんな兵器も隠し持ってたのか?」
ポイズンはたまたま近くにいたフレイに訊いたが、フレイも困惑の表情を浮かべている。
「そんなわけねぇだろ。ハゲオヤジがお前らを倒すために投入したのかと思ったが、コイツらは俺にもお前にも顔向けてんじゃねぇか」
「…そうだな。どっかの馬鹿が俺らを狙ってるってことか?」
「ま、そういうこったな」
「2人とも何喋ってるの!!来るわよ!」
ココがそう叫ぶと、周りの皆も身構えた。
「行ケ」
その瞬間、最前列の100体は拳を前に突出し、発射してきた。その後ろの列の100体は合間からビームを撃ち出してきた。後部から炎が噴射する拳と光線が容赦なく飛んでくる。
「えええぇぇぇ!?」
「ボヤボヤしてられねぇぞ!!」
クランチは光線を避け、飛んでくる拳をダイナミックなスピンアタックで撃ち落とした。
「これでも食らっとけ!!」
そしてクランチは走りながら拳を一旦後ろに引き、勢いに任せて力いっぱいのラリアットを繰り出した。
何体かのロボットは頭部や体に多大なダメージを負い、沈黙してしまった。
「ヘッ、やるじゃねぇか」
フレイは敵ながら天晴れ、という感じの目線をクランチに送りながら、自身は空気銃を集中型モードに切り替えて引金を引いた。
猛烈な突風がロボットを襲い、拳諸共吹き飛ばされてパーツがバラバラになった。
一方、クランチやフレイとはかなり遠く、かなり敵からも離れたところに2人がいた。
「ねぇねぇあなた、ここはあたしと協力しない?」
「…?」
フォウヘンは本来は敵であるはずのユナに話しかけた。
「こういう時こそさ、力を合わせないとダメじゃん。そう思わない?」
「…まぁそうだけど、よくそんな事敵に言う自信があったね…」
「えへへ、それほどでもないよ」
「いや…別に褒めてないけど……」
そう言いながらも2人は協力して攻撃していた。フォウヘンは羽根、ユナは矢を連射してそれぞれの味方の近くにいるロボットに攻撃を加えていく。
「えぇい、これでも食らいなさーい!」
ココは華麗にミドルキックや飛び蹴りを繰り出し、近くの何体かのロボットに当てて倒していた。
ロボットは着地したココをタイミングよく狙い、拳を飛ばしてきた。
「へへーん、避ければ大丈夫だよ!」
とっさにしゃがんで拳を避けたが、予想に反して拳はまたココの方に戻ってくる。
「えっ嘘!ホーミング!?」
ココは再びしゃがみ、今度は目を瞑った。当たると思ったが、何秒か経っても体に痛みは来なかった。
「…?」
恐る恐る目を開けると、ロボットの拳とそれに刺さった十数本の羽根があった。
まさかと思い立ち上がって振り向くと、遠くにフォウヘンが嬉しそうに飛び跳ねながらココに手を振っていた。
「…ありがとう」
そう呟いてココは拳を撃ちだしてきたロボットにローキックを食らわし、バラバラにした。
と、ここでロボットの三列目の100体が動き始めた。今度は腕をレーザーソードに変形して走ってきた。
「今度はそれで来るか」
「あのような無駄に近代的な剣に負けたりは致しません」
「…そう来るなら、こちらもこれで対抗しようかしら」
ポイズンはサーベル、ティアとシエラは日本刀を構えた。そして3人ともバラバラに分かれ、それぞれに向かってくるロボットの相手をする。
「やられる前にやれって話だ」
ポイズンはロボットのレーザーソードを避けながらサーベルを振り回して次々と切り刻んでいった。
「…」
ティアは集中して心を研ぎ澄ませる。ロボットが近づき、まさにレーザーソードを振り下ろそうとしたときだった。
「……!!!」
一瞬で刀を抜き、抜刀術を繰り出した。一気に周辺のロボットが横に真っ二つになり、崩れていった。
「社長も戦っておられるのに、秘書の私が戦わなくてどうするのですか……!!!」
その後もティアは日本刀を巧みに使い、瞬く間に多くのロボットを倒していった。
「ふーん…物騒なものね」
シエラもまた日本刀を片手に持ち、ロボットに真正面から突っ込んで次々と倒していく。
「…オイル臭い」
日本刀に付いた油を掃い、シエラは鞘に戻した。代わりにレーザー銃を持ち、辺りに向かって乱射していった。
発射されたレーザーに当たったロボットは焼け焦げ、機能停止した。
「だりィな…」
そう言うとセリカはポケットからタバコを取り出して口に銜えた。
「すぐに終わらせてやるよ」
セリカは超能力を発動させた。するとロボットの1体の挙動がおかしくなった。あろうことか味方である他のロボットたちにレーザーソードを斬り付けたのだ。
「へっへへっ、予想以上の効力だな…そのままやっちまえよ!!」
「セリカさん、私も手伝います」
セリカの傍に舞姫がやってきた。
「安心しろ、お前の助けが必要なほど俺は弱くねェよ」
「いや…手伝わせてください」
「…ヘッ、勝手にしろ」
その言葉を聞くと舞姫は傘を構え、ライフル弾を何発か発砲する。ユナの放った矢も加勢し、ロボットたちは体に穴が開き力尽きて倒れた。
「と、とりあえずオイラも戦わなきゃ…!」
「待ちなさい」
突然クレイドがクラッシュを呼び止めた。
「な、何…?」
「このような敵の大群に、何の考えも無しに突っ込んでいくのは無謀です。私と協力しましょう」
「協力…?」
「皆さんを見て下さい。敵同士であるにも関わらず手を組んで、この敵の大群を倒しています。1人で行くのはあまりに危険すぎる…」
言われてみれば、とクラッシュは落ち着いて辺りを見回した。
「そうだ…皆協力して立ち向かっているんだね……そういうことならオイラ、協力するよ!」
「…ありがとうございます」
「えっと…」
「クレイドです」
「クレイドさんか…オイラはクラッシュ。よろしく!」
2人は改めて自己紹介をした。
「さて…では行きましょうか」
「うん!」
2人は並び、同時に竜巻スピンアタックを繰り出した。次々とロボットたちを薙ぎ倒していく。
「う~ん、ホントに多いな~」
「なかなか手こずらせてくれますね…」
クラッシュはスライディング、クレイドはダブルグレイザーを使って体力をできるだけ温存しつつ戦っていった。
その頃、コルテックス達は戦いに行ったフレイ達を探していた。
「…アイツら、どこまで行きおったんだ」
「なかなか見つかりませぬな…」
コルテックスの呟きにエヌ・ジンがすかさず反応する。
「つか何でオレっち達まで来なきゃいけねぇんだよ」
「ホントだぜ、来る意味あんのか?」
ディンゴとコングが愚痴を零し始める。
「ないとは思うが、もしアイツらがしくじっておったら、ワシらでケリを付けるだけだ。その為にお前らは連れてきた」
「スス、そういう事かいッ!」
「そんなことまで考えてるんだったら最初からオレ達が行けばよかったんじゃねぇのか?」
「その通りなんだな、わざわざあの6人を行かせることはなかったと思うんだな!」
コルテックスの言い分にコモド兄弟とピンストライプが言葉を返した。
「えぇい!!無駄口を叩くな!!さっさと探せ!!!」
なかなか見つからない事にイライラしてきたのか、ウカウカが怒号を飛ばした。
「ふ~む、なかなか彼らをファインドできないね…これをユーズするとしよう」
「何ですか?それは」
ブリオがトロピーに訊く。
「これはレーダーさ。これで彼らをルックフォーすることがイージーになる」
「最初からそれを使えよ!!!!!」
トロピー以外の全員がツッコんだ。
「ファーストからユーズしてしまったら、小説的にファニーでなくなってしまうでしょう?」
「……そういう発言はよせ」
コルテックスが静かにトロピーに対してツッコミを入れる。
「…ソーリー」
突然電子音が聞こえてきた。どうやら無意味なツッコミをし合っているうちにレーダー装置に反応があったらしい。
「ここからノースウエスト…北西の方角にいるみたいだね」
「距離はどれぐらいでランスか?」
トランスが訊く。
「そんなにファーではなさそうだね…ざっとワンハンドレットメーターと言ったところか…」
「ガウ!もう少しで着く!!」
「にょほほほ~~~!!ここから北西に100メートルと言ったら、浜辺があるのにぇ~~!!!」
「浜辺だったら広いし、そこで戦ってるんじゃない?」
「そうやね…どのみち近いことやし、早いとこ行きまひょ」
タイニー、リパー・ルー、ニーナ、リラ・ルーの順でトロピーに対してそれぞれ言った。
「そうだな」
コルテックスが頷いた。
しばらくしてコルテックス達は浜辺近くまで来た。
「やっと見つけたぞ……おいお前ら……!?」
コルテックスを始め、その場にいた一行は驚きの光景を目にした。
「は…?」
ピンストライプが思わず呟く。
「どうなってんだよこれ」
ディンゴはとりあえず問いかけてみたが、その問いかけに答えられる者はこの場にはいなかった。
「あのロボットは何だ…?まさか…」
「せ、拙者はあのような物など造っておりませぬぞ!」
コルテックスが訊くが、エヌ・ジンは急いで否定した。
「さっぱりこのシチュエーションがアンダースタンできないねぇ…」
トロピーも含め、とりあえず全力で何が起こっているのかを理解しようとしていた。
「…ってちょっと!!何か飛んできたわよ!!」
ニーナが突然そう叫んだおかげで、一行は一斉に前方を見た。そして次の瞬間四方八方に散り散りになって避けた……はずだった。
「フンギャ!!!」
運悪くもろ顔面に被弾してしまったリラ・ルーが悲鳴を上げた。まぁどちらかといえば注意力散漫だったほうが悪いのかもしれない。
「だ、大丈夫ランスか…?」
トランスが気に掛けるが、リラ・ルーは完全にノびてしまっていた。
「ん?拳が戻っていくんだな!!」
モーはリラ・ルーに当たった拳が自動でスルスルと戻っていくのを見た。
「ロケットパンチ、ってヤツじゃないですかね…?恐らく…」
「ガウ!!タイニー早く戦いたい!!」
「スス、そうだな!ここで悩んでいてもシシ、仕方がねぇだろう!!」
ブリオの発言を遮るかのようにタイニーとジョーが自身のやる気があることを表明する。
「そうだな、それも一理ある……よし、行ってこいお前ら!!」
「了解しました!!」
コルテックスのその発言に快く返事をしたのはたった1人、エヌ・ジンだけだった。エヌ・ジンは1人で戦場に飛び出して行ってしまった。
「っておい!!お前も戦えや!!!」
ジョー、ディンゴ、コング、ピンストライプが即座に反抗した。
「うるさいッ!!ワシはここで戦闘の指示をせねばならん!早く行け!!」
コルテックスは怒鳴り散らしたが、次の瞬間背後に殺気のようなオーラを感じ取った。
「……わ、ワシも行って参ります、ウカウカ様!……おい、早くついて来い!!」
ウカウカに無言で脅され、コルテックスはある1人を除いた全員を引き連れてエヌ・ジンの後を追った。
「貴様はいい加減起きろ!!」
ウカウカはノびていたリラ・ルーに怒鳴った。
「…はッ!コ、コルテックスはんはどこに…?ワイをおいてかないで~!」
リラ・ルーは急いでコルテックスたちの後を追った。ウカウカもその後を渋々ついていく。
「はぁ、倒しても倒しても減ってないような気がする…」
「大丈夫かクラッシュ?少しバテてるんじゃないのか?日頃のトレーニングが足りてない証拠だぞ」
クラッシュはこんな状況でもクランチはこんなことを言ってくるのか、と思いつつスルーした。
「ハンッ、世界のヒーローはそんなもんか?」
会話を耳にしたフレイが突っ掛ってくる。
「ち、違う!オイラはまだやれる!!」
「そう来なくっちゃ!」
フォウヘンも話に加わってきた。
「ケッ、お気楽そうでいいじゃねェか」
「放っておきましょうよ」
たまたま近くにいたセリカと舞姫は特に気にしていないようだった。
「…あれ?あれって…」
ユナは誰かがこっちに向かってくるのに気が付いた。
「…エヌ・ジン!?」
「何だって!?」
ココがそう叫ぶとクラッシュとクランチは同時にエヌ・ジンのほうを見ながらそう言った。
「!? コルテックスたちにウカウカまで……一体どういうことじゃ!?」
アクアクがそう言った。
「せ、拙者たちはアヤツらの様子を見に来たのだが…まさかこんなことになっておろうとは…」
エヌ・ジンはフレイやユナのほうを見ながら言った。
「勘違いするなよ?決して貴様らの援護をしに来たわけではないからな!!行くぞお前らああぁぁ!!!」
「うおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」
コルテックスを筆頭にその部下たちはそれぞれ拳や武器を構えながら残りのロボットたちに向かって突撃していった。
「…え?」
クラッシュたちは呆気にとられていたが、すぐに戦闘に戻ってロボットたちと戦う。
「これでも食らえ!!」
コルテックスは手当たり次第に光線銃を乱射し、近くのロボットが攻撃してくる前に機能停止にさせた。
「危ねぇじゃねぇか!ちっとは味方の事も考えろや!!」
ディンゴはやはり火炎放射器を使い、辺り一面を燃やし尽くした。
「おめぇも人の事言えねぇだろ!!」
「ガウー!タイニー、ロボット壊す!!」
コングとタイニーは己の拳を使い強烈なラリアットを繰り出した。当たったロボットは一気に砕け散った。
「よぉし、オレ様のチョーカッコいいラリアットが決まったぜ!」
「ガウ、違う!!今のはタイニーがトドメ刺した!」
「違ぇだろ!!これはオレ様の手柄だ!!」
「ぬぁにケンカシシ、してんだ、おめぇらはァ!」
「そうなんだな!兄貴とオラのコンビネーションを見習うんだな!」
コングとタイニーの口喧嘩を余所に、コモド兄弟は力を合わせて合体技を繰り出した。
「秘儀、トルネード・ソード!!!」
2人は横に並んで手を繋ぎ、片手に剣を持って回転しながら突進していった。見る見るうちにロボットが切り刻まれていく。
「フッ、兄貴…決まったんだな…」
「あぁ、モーよ……少し休もうぜ」
「そうするんだな…」
2人は当然目が回ってしまい、小休止することにした。
「おい!!何勝手に休んでんだよ!!」
「ガウ、タイニーもっと倒すー!!」
そう言ってタイニーは再び拳を構えて更に突撃していった。
「お前はちょっと待てええぇ!!!」
タイニーに手柄を取られまいとコングも走り出し、後を追いながら攻撃していった。
「これまでに鍛えてきた、拙者の光線銃の腕を舐めないほうが良いぞ!!」
エヌ・ジンはここぞとばかりに光線弾を的確に当てていった。
「ラッキー!ストレス発散には持って来いね!!」
「そうだな、オレもここ最近ぶっ放してなかった……久々に腕が鳴るぜ!!」
ニーナは鋼鉄の腕をぶん回しながら、ピンストライプはマシンガンを撃ちまくりながら敵を倒していく。
そしてロボットの四列目の100体が動き出した。なんと上半身部分が分離して上空に浮かび上がり、空から半分は拳を発射し半分はビームを撃ち出してきた。
「うむ……!パワーがチャージできた!!」
トロピーが音叉を前に突き出すと、自身の周りに半透明のバリアが形成された。
「トランス!今のうちにやるのだ!」
トロピーは音叉から光線弾を発射し空を飛ぶロボットに次々と当てて撃ち落としていった。
「了解でランス!オレの催眠術をとくと味わえランス!!」
トランスは目を瞑って何かを唱え始めた。それに連れて体のグルグルマークの回転が徐々に速くなっていく。
すると突然宙に浮くロボットの1体の挙動がおかしくなり、周りの味方のロボットを攻撃し始めた。
「フッフッフ……思いのままランス。そのまま攻撃するランスよ!!」
トランスに操られたロボットは次々と味方にビームを連射していった。
「…あれっ?やべっ、燃料尽きちまった!!」
どうやらディンゴの火炎放射器の燃料が切れてしまったようだ。
「ほなディンゴはん!ワイと一緒に戦ってほしいんやけど!」
「お、リラ・ルー!丁度よかったぜ、オレっちとシッポのコンビネーションアタックだ!!」
「よっしゃ、やったるでー!ってその前にブリオはん!例のアレやねん!」
リラ・ルーはブリオに何かの薬品が入ったフラスコを投げ渡すと、ディンゴと共にシッポ攻撃でロボットを叩き壊していった。
ブリオはそれを危なっかしくもなんとかキャッチした。
「助かりましたよリラ・ルー…ワタシも活躍せねば…!」
そう言うとブリオはフラスコの中身を飲んだ。
「フ、フフ…力が…漲ってくる…!!!」
途端にブリオの体が巨大化し、筋骨隆々の怪物に変身した。
「グオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!!!!」
怪物化したブリオは雄叫びを上げながら地上に残っているロボットを豪快に掴み、宙に浮いている別のロボットに投げつけた。
ロボットは粉々に砕け散り、残骸が辺りに散らばった。
「にょほほほほ~~~~~~~!!!!アチキ特製のニトロ爆弾で何もかも木端微塵だにょ~~~~~!!!!!!」
「おい馬鹿待て、やめろ!!」
リパー・ルーのニトロ爆弾攻撃を止めさせようとウカウカ、コルテックス、エヌ・ジン、コング、ピンストライプ、ジョーが叫んだが、遅かった。
ニトロ爆弾が地面に着弾した瞬間、とてつもないほどの爆発が生じた。
「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
コルテックスの味方どころかクラッシュ達までも爆発に巻き込まれ、全員あらゆる方向にぶっ飛ばされた。リパー・ルーを除いて。
もちろんロボット達もぶっ飛ばされ、まだ起動すらしていなかったロボットもほぼ全てが大破して機能停止した。
「にょ~~~~???お前さん達一体どうかしたのかにょ?」
「100%お前のせいだわ!!!!!」
その場に居合わせていた全員が倒れながらも口を揃えて言った。
「けど、これで全部倒せたのかな…?」
クラッシュは体を起こして辺りを見回す。
「ぬぅ……確かに、やったかもしれん」
コルテックスも体を起こした。
「しかし、一体何だったのでしょうね…突然私達を襲ってきて」
ティアがそう言ってクラッシュの元に来た。他のメンバーも起き上がり、集まってきた。
「ケッ、手間かけさせやがって…メンドくせーったらありゃしねェ」
「だがこれで全部片付いたじゃねぇか」
「数が多いだけで、そんなに強くなかったね…」
「そうだな、オレたちにかかればこんなもんだろ」
セリカ、ポイズン、ユナ、ピンストライプの順に話し合った。コルテックス側のメンバーも集まってきた。
「…ってかちょっと待て。すっかり忘れてたが、なんでコルテックスたちが居るんだよ?」
クランチがすかさずコルテックス達を睨みつける。
「おぉそうじゃった。そりゃもちろん貴様らを倒すためだ」
コルテックスがそう言うと、クラッシュ達も再び戦闘態勢に入った。
「フレイ達に貴様らを倒すように命令したのだが、とんだ邪魔が入っていたようだな。さぁ、今度こそ倒すのだ!」
互いに攻撃しようとした、その時だった。
「お待ちください」
謎のロボットがクラッシュ達の前に現れた。
「な、何だ貴様は!」
「まだ残党がいたとは…!」
「ちょっと待って!何か様子がおかしいわ」
コルテックスとエヌ・ジンをココが止めた。すると、ロボットが再び口を開いた。
「こちらをご覧ください」
ロボットの目の部分が光ったかと思うと、光が地面に当たり、そこからホログラムの立体映像が映し出された。
その場にいた全員が注目する。そこには、白衣を着た長身の男の姿が映っていた。
「初めまして、英雄、そして悪役諸君」
映し出された白衣の男は言った。
「お前は…誰だ?」
その場にいた全員の意見を代表するようにクラッシュが訊いた。
「俺は……まぁ『クリムゾン』、とでも名乗っておくとする」
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