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クラッシュ・バンディクー 死亡短編集
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青と緑2
2017/01/18(水)22:18:42(8年前) 更新
~番外編~
「『LPGメンバー更生計画』?」家にいる全員が思わずくり返した。
「そう、LPGに所属してる精霊達を更生するっていう、文字通りの計画なの!」ちょっと前に家に来たアリスが大きな声で説明する。…って言うかさ…何で…
「その前にちょっといい?」「…何でアリス、ここにいるの?」
あ、やっぱりココもそう思った?オイラも思った。クランチとアネットも思ってたみたいで、静かに親指を立ててた。…やっぱみんな思ってたんだね、何かホッとした。アリスの方を見てみると、凄い良い笑顔で言った。
「アクアクさんいるところに私あり!」…家の中が変な空気になった。アクアク爺さんが苦笑いしてる。多分昔からこうなんだろうなぁ。「それより!」そう言ってアリスが話を戻す。
「この計画で、あなた達にやってほしいコトがあるの。そのために私は今日ここに来たのよ!」
「やってほしいコトって何なんだ?」クランチが聞く。
「この手帳に書いてある精霊を探すのを手伝ってほしいの。私のメールアドレスと電話番号は、手帳の一番後ろのページに描いてあるから。出来れば捕まえるとか固め技使って動けないようにするとかしてくれると助かるんだけど…。あ、何か質問あるかしら?」
「えーっと…何でアリスは携帯電話持ってるの?」ココが遠慮気味に言った。
「え?だってホラ、今は一人一台の時代でしょ?」…えっと、うん。多分ココが聞きたいのはそういう事じゃないと思うんだけど。
「突っ込んだら負けじゃよ」そっとアクアク爺さんが言う。「昔からじゃが、アリスはぽやんとしたとこがあっての、話がかみ合わないことがあるうえに、話がかみ合っていないコトに気がつかないんじゃ。これ以上話していても、ココが求める答えは聞けないと思うぞよ…」「あ、そうなの…じゃあいいわ…」
「他に質問あるかしら?」「あのさ…まずLPGって何なのだ?」オイラがそういった瞬間、水無月が勢いよく扉を開けて入ってきた。どこから来たんだろ、この人。
「LPGっつーのはねー、精霊とか敵役のキャラクターが入っているグループで、ゲームの主人公、この場合クラッシュね。そいつから残機を奪うのが仕事なんだよ。残機を一つ奪うたびに、ソイツの口座に一定の金額が振り込まれるってシステム。あと、C箱も一回使用するたびに、一定額(残機を奪った人の半額)が振り込まれるんだよ。ちなみにそれを払ってんのはコルちゃんだよ。わかった?」
「え、う、うん…」オイラが頷くと、満足そうな顔をして帰ってった。まさか、このためだけに来たの?暇人だなぁ。
「他に質問はある?」アリスが何事も無かったかのように言う。なんで平然としてられるんだろ。
「そいつらを捕まえるってのはわかるけどよ、更生ってどうやるんだ?」
「他の仕事を紹介するの」「…はい?」クランチ声裏返ってるよ、大丈夫?
「大体LPGにいる精霊はね、すっごくお金に困ってる人(精霊)が多いの。だからお金のために仕方なく…っていう精霊だけでも、別の仕事を紹介してLPGを辞めてもらうのよ」へぇ、精霊も金欠とかあるんだ。精霊なのに。
アリスが帰って行った後、さっそく手帳を開いてみた。LPGメンバーの名前が、綺麗な字で書いてあって、その横に似顔絵が描いてある、というものだった。いつかの緑の可愛こちゃんと、青い髪の男の人も載っている。…それにしても、アリスって絵、上手いんだね。あとメンバー多すぎ。何か見てるだけでクラクラしてくる。手帳の最初のページから、アドレスの書いてあるページの前までびっしりだ。
「…ねぇ、コレってやっぱちゃんと探さないとダメかな?」あんまりにもメンバーが多いから、アクアク爺さんに聞いてみる。「んー、まぁ一応は探してみた方が良いと思うぞ?」あ、やっぱり?薄々は思ったんだよ、薄々は…
とりあえず街に出てみる。今日は土曜日だから、結構賑わってる。たとえここにいたとしても、この人だかりから探すのは結構面倒くさそ「ねぇクラッシュ、あの人たちって…」アネットが指をさしたのは、すぐ近くのオープンカフェ。テーブルを見てみると、見覚えのある緑の髪の可愛こちゃんと、青い髪の男の人。パラパラと手帳をめくってみると、3ページ目に載っていた。「ニトロ・グリセリン(爆破担当)」「チェック・ポイント(蘇生担当)」…いちゃった。いちゃったよ。捜索開始からわずか30秒だよ。見つけちゃったよ。二人ともあの時とは打って変わって、死んだ魚みたいな目してるんだけど。
「…どうしよっか…?」「見つけちゃったからねぇ」「連絡した方が良いかもねぇ」遠慮がちにココとアネットが言う。「でも何か、目が死んでるんだけど…」「ちょっと様子を見た方が良いんじゃねぇか?」そうだよね、だって悪い人っぽく見えないもん。(オイラのコトあの時殺しまくったけど。まだその辺恨んでるけど。)
と言うわけで、ちょっと離れたとこから会話を聞いたり、様子を見たりしてみることにした。それに気付いてるのか気付いてないのかはわからないけど、死んだ魚みたいな目をした二人、ニトロとチェックはコーヒーをすすりながら話をしていた。
「最近出番無いよねー、最盛期はもう嫌になっちゃうくらい忙しかったのにさ~…」
「しょうがねーよ、いろんな絡みがあるんだからさ。出番がないときはもうバイトで食いつなぐしかねーな、仕事無い時は収入が無くなるから」
「一応今週5でコンビニのバイトやってるけどさー、やっぱキツイよね…」
「もうバイトの方が本業みたいな感じになってるよなw」
「確かにwww フリーターってやつ?俺達フリーター?www」
「来週からは内職もやってみるか」
「稼ぎのいいヤツあるのかなー」
…こんな会話を2分くらい聞いてるうちに、アネットが耐えきれなくなったらしく涙目になりながら携帯電話を白衣のポケットから出して、アリスにメールを送った。アネットがメールを送信して5分後くらいに、アリスがやってきた。それに気付いたみたいで、ニトロとチェックは物凄く動揺し始めた。
「ちょ!ニトロちゃん、何か上流階級っぽい感じの精霊が来たんだけど!(注意:アクアクやアリスと言った、どこか地域を守る精霊や、精霊達の世界の王様と血縁関係にあった精霊=上流階級の精霊、それ以外=下級精霊と言うコトになってます。基本的に、下級精霊より上流階級の精霊の方が強いです)…確か噂で、LPGに入ってる精霊を無理やり辞めさせるとかってコトを、上流階級がやってるって聞いたんだけど…」青い髪の人、確かチェック。動揺してて声が大きい。ここからでもすっごいよく聞こえるよ。
「逃げるぞ!ただでさえ今稼ぎが悪いっつーのに、LPGを辞めさせられたら、あたし達マジでバイトで繋ぐことになるぞ!」そう言って緑の髪の可愛こちゃん、ニトロはチェックの手を引いて走り出した。何この人、いや精霊。すっごい速いんですけど。スピードシューズでも使ってんの?慌てて追いかけるけど、全然追いつかない。後を追ってるといつの間にか街を出て、オイラたちの家の近くを走っていることに気がついた。
「止まって!」アネットが大きな声で叫んだ。そういえば最近、この辺に暴走イノシシが出るってんで、アネットが罠を仕掛けておいたんだっけ。それを思い出して、オイラたちは止まったけど、ニトロとチェックは止まらなかった。その結果、暴走イノシシ用の罠(網)に掛かって動けなくなっていた。逃げようともがくけど、二人とも抜け出せないようだ。それからすぐにアリスが来て、動けなくなった二人に駆け寄り「あなた達はLPG所属のニトロ・グリセリンとチェック・ポイントね、違う?」と問いかけた。「ハイソウデス」…2人とも声が合成音声みたいになってるよ。人生諦めた顔してるし。「…別に無理矢理LPGを辞めさせるわけじゃないのよ?別の仕事を紹介してあげる。紹介された職につくか、LPGにいるかはあなた達の自由だけど」「え?」…シンクロした、今。
「丁度ね、ボン・クラッチ モーターワールドでレースクイーンとりんご汁の新しい売り子さんを募集してるのよ。2人にピッタリだと思うんだけど…どう?」
アレから数週間後。なんとなくテレビをつけると、ちょうどモーターワールドのレースの中継がされていた。
「スポーツ中毒の皆さん!いい加減、起きやがれ?」相変わらず爽やかに毒を吐くチック。どうやらモーターワールドは最近ビックリするくらいお客が来ていて、さらにたくさんのレーサーがモーターワールドでのレースに参加するようになったらしい。オイラたちがレース参加した時は誰も参加しないから、びっくりするくらい寂れてたってのに、凄い変化だ。
「それもこれもちょっと前に来たりんご汁の新しい売り子とレースクイーンのおかげだよなぁ!前はこんなに賑わってなかったのによォ!」「ははっ、そうだねスチュー。せっかくだから、その2人にインタビューしてみようか?」「良いねぇ!さっそく行こうぜェ!」
インタビューを受けているニトロとチェックは、あのオープンカフェでの表情がウソみたいに、明るく幸せそうに笑っていた。
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