精霊アリスの目覚め

2015/02/14（土）20：38：18（10年前） 更新

第一章～精霊と少女～

ある日の事。ウカウカの怒鳴り声が、コルテックスの要塞に響き渡っていた。
「何故だ…何故いつまでたっても世界征服が出来んのだ！コルテックス！」
「ウ、ウカウカ様！いつもあのクラッシュが…！」
「その言い訳はもう聞き飽きた！あいつに気づかれる前に、征服する事はできんのか！全く、無能な奴だ！」そう言いながら、ウカウカはどこかへ行ってしまった。
「どうしていつも上手く出来ないのだ…。」そう言ってコルテックスは、ウカウカが要塞の外に行った後、頭を抱えていた。

その頃、ウカウカは、魔神たちのもとへ行っていた。
「何故いつもいつも世界征服が出来ないのだ…。」ウカウカが呟いた。すると、炎の魔神が、ふとある事を言った。
「ウカウカ、お前確か、アリスを支配しただろう？なら、アリスを、アリスを人間にとりつかせる等して、アリスの力で人の心を操ってしまえばいいだろう。」「おお！」ウカウカは思わず言った。アリスは、パワーストーン、ダイヤをつくったほどの強い力の持ち主だ。だが、肝心なコトに気がついた。ウカウカがアリスを支配したために、アリスは悪に染まり、後にどこかの地下迷宮に封印されてしまったのだ。ウカウカはその地下迷宮の場所を知らない。
「だが、アリスの封印されている場所をワシは知らん。一体どこなのだ？」
炎の魔神は答えた。「ここのすぐ隣に、地下迷宮への入口である洞窟がある。進んでいけば、アリスの封印されている最深部に行けるだろう。」
この言葉を聞いて、ウカウカはすぐに洞窟に行った。

洞窟は暗く、とても長く続いていたが、やがて明るい迷宮の入口にたどりついた。「ここを進んで行けば、アリスが…。」ウカウカは呟く。
ウカウカは迷宮の中を進み、どれくらいの時間がたったのかわからなくなるほど進んだ頃、迷宮の最深部であろうところにたどりついた。
そこには小さな札のようなものがたくさん貼られた箱があった。ウカウカはその箱を壊した。すると、中から、鎖でぐるぐる巻きにされた少女の姿が現れた。「アリス！」ウカウカは叫んだ。
アリスは何も答えなかった。どうやら、鎖のせいで力を発揮出来ないらしい。ウカウカは、鎖を引きちぎった。すると、うーん、とうめいてアリスが目を開けた。そして、
「ウカウカ…様…？」と言った。その後、ようやく状況が理解できたのか、
「ウカウカ様、私に何の御用で？」と聞いた。アリスは、まだウカウカの支配下にいるらしい。ウカウカは答えた。
「アリス、お前の力を借りたい。お前の力が必要なんだ。」

• 前へ
• 次へ

この小説TOPに戻る

6844