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勇者と王女と魔王
2015/02/12(木)16:07:34(9年前) 更新
~その他~
「勇者カモミールよ、よく来てくれた!実は君に頼みがある」
「はい」
「先日さらわれてしまった、我が娘オレガノを救い出してほしいのだ。どうやら魔王と名乗る人物にさらわれたようだが…手掛かりは、この置き手紙しか…。救い出してくれれば、お前に娘を嫁がせよう」
「え、ホントですか、フェンネル王様!?」
「ああ、本当だとも。頼んだぞ!」
「はい!」
…こうして勇者カモミールは、魔王と名乗る人物にさらわれた王女、オレガノを救う旅に出たのです。ですが、魔王の置き手紙以外、手掛かりは何もありません。ので、とりあえず勇者は、魔界にそう言った人物がいないか知るために、知り合いの魔女、ベルガモットを訪ねるコトにしました。
「くっそ~…ベルガモットのヤツ、引っ越したんなら手紙よこせよ…!」
実は勇者が旅に出る2か月ほど前に、魔女ベルガモットは、ここアーティチョーク王国を出て、海の向こうのアネモネという国の首都エーデルワイスに引っ越していたのです。しかも、彼女は勇者に手紙を出したりなどしていませんでしたので、勇者は彼女が引っ越したことを全く知りませんでした。アーティチョーク王国からアネモネ王国まではかなり遠いのですが、オレガノ姫のため、勇者はベルガモットのもとへ行くことにしました。それまでの道のりはとても厳しいもので、1年もかかってしまいましたが、なんとかベルガモットのもとへとたどり着くコトが出来ました。
「あらぁ、カモミールじゃない。久しぶり~♪」
「久しぶり、ベルガモット…ってそうじゃない!」
「あら、『おひさ』の方が良かった?」
「そうじゃなくて!何で引っ越したこと教えてくんねーんだよ!」
「え?…ああ、まだ手紙出してなかったかしら?ごめんなさいね、つい♪」
「・・・・・」勇者はこの時微妙に、ベルガモットに対して殺意を抱いたそうです。
「それで?何か用があって来たんじゃないの?」
ようやく目的を思い出した勇者は、出された紅茶をすすりながら、今までのいきさつを話し、魔界に魔王と名乗る人物がいないか、それを知らないかを聞きました。
「魔王?さあ、知らないわね。でもこの手紙に書かれてるこのマーク…確か魔界の貴族のマークか何かだったはずよ。魔界に行ってみれば、何かわかるんじゃない?魔界とこの世界を繋ぐ入口は、隣の国のラピスラズリ王国のサファイアってとこにあるわよ。ただ、運が悪いと帰れないかもしれないから、慎重に決めなさいよ…って言っても、多分行くんでしょうけど?相手があのオレガノ姫なんだから」
こうして勇者は、ラピスラズリ王国サファイアにある、魔界の入口へ向かうコトにしました。その途中、アーティチョーク王国からの使いが来て、オレガノ姫救出の旅をやめて帰って来るように言われました。が、勇者はそれを断って、旅を続けました。実は勇者は、昔オレガノ姫を一目見てから、ずっと姫のコトが好きだったのです。その姫を救出してくれば結婚させてもらえるわけですから、やめるわけにはいかなかったのです。
ラピスラズリ王国サファイアにある魔界の入口にたどりついた勇者は、何もためらうことなく、魔界へと足を踏み入れました。そして、聞き込みをしているうちに、手紙に書かれたマークは魔界の貴族のアークトゥルスと言う者のマークであるとわかり、アークトゥルスの家の場所もわかりました。
「アークトゥルス!出てこい!」そう言って勇者はアークトゥルス邸のドアを叩きました。が、扉から顔を出したのは召使いのようで、
「アークトゥルス様は今、不在でして…良ければ、中でお待ちください」と言われ、促されるままに、立派で美しい客間の様な部屋に通され、1時間ほど待った時、黒い服を着た、魔王と言うイメージとはかけ離れた、美しく若い男性が入ってきました。
「私がアークトゥルスです、何かご用でしょうか?」
声をかけられる直前まで、勇者はぼーっと彼を見つめていましたが、声をかけられた瞬間、目的を思い出し、強い口調でこう言いました。
「お前がアークトゥルスか!俺はアーティチョーク王国からの使いだ!オレガノ姫を返せ!」
アークトゥルスはきょとんとした顔をして、数秒考え込んだ後、
「ああ、そうですか。少々お待ちください、連れて参りますから」
と言い、ドアを開けどこかの部屋へと向かいました。それから数分後、オレガノ姫と思われる女性を連れて戻ってきました。一目で彼女がオレガノ姫とわかりましたが、勇者は目を疑いました。彼女はアークトゥルスと腕を組み、にこにこと笑っていたのです。そして、
「彼女があなたの仰っていた、『オレガノ姫』です。ですが、彼女は私と結婚するにあたって改名し、現在はミザールと言います」
と言われた瞬間、勇者はその場に崩れ落ちました。なんと、オレガノ姫は『魔王』と結婚していたのです。しかも、ミザールと言う名前に改名し、『魔王』と一緒に住んでいたのです。
「すみません、アーティチョークの姫君が、魔術に興味があると言う話を耳にしたので、観光をお勧めしたいと思いまして、部下に連れて来てもらおうとしたところ、部下がふざけて『王女はいただいた』などという置き手紙をしてしまいまして…しかも、事前にアーティチョークの国王様に話を通してからにするつもりが、手違いで姫君をいきなり連れてきてしまいまして…ですが、その後きちんと国王様に話を通しましたし、私達の結婚も認めていただけました。で、えーと…ミザール…オレガノ姫に何かご用で?」
アーティチョークから使いが来たのは、彼らの結婚を王が認め、勇者にそれを伝えるためだったことを理解した勇者は、一言
「すいません…帰ります」
とか細い声で言って、アークトゥルス邸を後にしました。
こうして『魔王』アークトゥルスと『オレガノ姫』は、魔界で幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたs
「めでたくてたまるかぁぁぁ!」
「あら、カモミール。おかえり~♪魔界はどうだった?」
「…失恋の辛さを学んだ」
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