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クラッシュ・バンディクー 死亡短編集
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その6
2017/01/18(水)21:44:16(8年前) 更新
~本編~
『拝啓、私の大切な人たちへ
お久しぶりです、元気ですか?…なんて、ちょっとおかしいですよね。私は今、色々あって海賊船に乗っています。実は…』
「あーあ、どうしようかしら…」
乗っていたココマリンは、砲弾が当たったせいで完全に使い物にならなくなってしまった。仕方なくココは、近くの小島に泳いで向かい、そこで途方に暮れていたという訳だ。幸い、ヤシの木があったし、魚もいるからとりあえず餓死する心配はなさそうだけど、いつまでもここにいるわけにはいかない。パワーストーンを見つけるのが目的だったのだから。が、他の島まではそれなりの距離があるし、海にはサメもいる。ここに着く前だって結構危なかった。サメに出会ったあの時、もう少し逃げるのが遅かったら、今頃…なんてことも結構あった。ふぅ、とため息をつく。他の場所への移動は無理だし、行ったところでどうしようもない。だから、ここにいるしかない。それはわかっているけど…
どうしようもないことを延々と考えていると、頭がおかしくなって来そうだ。いや、もうおかしくなっているのかもしれない。時間の感覚は日の動きでしかわからないし、潮の香りを嗅ぎ過ぎてか臭いもよくわからなくなってきている。口の中はカラカラで、まぶたは重い。なんとなく体もだるい。一隻のボートがこちらに近づいて来たように見えたが、これは幻想だろうか。ボートに乗っている人は私を見て何か呟き、私をボートに乗せた。どうやら現実ではあるらしい。…もしかして、助けてくれたのかな、なんて思っているあたり重症かもしれない。ボートはいつの間にやら海賊船に近づいていて、私はその人と一緒に海賊船に乗っていた。
「どうだい、船長?なかなか可愛い娘だろ?俺の娘にそっくり!近くの無人島にいたんだけど、弱ってるみたいだったから連れて来たんだ!」ボートの人が船長っぽい人に言うのを、私はボンヤリ見ていた。船長っぽい人は私を見て言った。
「なんで君は無人島なんかにいたんだい、お嬢ちゃん?」海に探し物があるのだが、乗り物が壊れたから避難していたのだと、何となく事情を説明した。すると、船長は私を舟に置いてやると言ってくれたのだ。行く宛もなかったのでしばらく置いてもらうことにした。
『船長も船員の人たちもすごく親切で、特に船長とボートの人(ラッセルというんだそうです)は、私のことを本当の娘みたいに可愛がってくれていました。』
拾われてから恐らく数週間くらいはたったであろうある日、船長に言われた。「もうすっかり元気なようだけど、お嬢ちゃん、まだここにいて良いのかい?何か探し物があって海にいたって言っていたじゃないか」そう言われ、自分は初めて、そう言った覚えはあるけれど、探していたそれが何だったのかを全く覚えていないことに気が付いた。首を傾げると、船長は優しく私の頭を撫でて言った。
「思い出せないのか。まぁ良いさ、思い出すまでここにいると良い。クルーたちもお嬢ちゃんのことを気に入っているし。あぁ、そう言えば、名前を聞いていなかったね。今まで皆も私も、『お嬢ちゃん』と呼んでいたからな。何と言うんだい?」…いくら考えても思い出せなかった。それすらも思い出せなくなってしまった自分が情けなくて、泣いてしまった。
「泣くんじゃない。そうか、思い出せないのか。じゃあ、君は今日から『ドリー』だ、わかったね?」
『こうして私はドリーという名前をもらい、置いてもらう代わりに海賊船で働くことにしました。海賊船での暮らしは結構楽しくて、このまま思い出せなくても良いと思いました。
それから数年後、優しかった船長が病気になって死んでしまいました。新しい船長には、私が選ばれました。それから少しして、ラッセルさんも逝ってしまいました。今まで私を本当の娘みたいに可愛がってくれた船長とラッセルさんのため、舟を守っていこうと誓い、私なりに努力して来ました。だから、ここに来るまでのことなんて気にもかけていませんでした。ですが、最近になって、私の名前、目的、そして大切な人たちのことを、朧気に思い出して来たので、こうして手紙を書いてみました。でも、宛先もわからないので、瓶にでも入れて海に投げておこうと思います。もしかしたら、潮の流れであなた方に届くかもしれないので。私の大切な人たちへ、私は海賊船で元気にやっています。船長もラッセルさんもいなくなったけど、それでもそこそこ幸せです。ただ、今の私の生きる目的は宝石探しではなく、今いる海賊船を守っていくことなので、多分私はもともとの目的を果たす事はできません。あなた方にも、会うことは無いと思います。ごめんなさい。でも、私はあなた方のことが大好きです。何十年という時が流れても、そのことは変わりませんし、私は船でそこそこ元気に、幸せにやっています。だから、心配しないでくださいね。もしも会えたらその時は、私がいなくなった時から、今の今までのことをお話ししたいと思います。もしも、のその時を楽しみにしています。どうかお元気で。さようなら。
あなた方の大切なココ(ドリー)より』
思いの全てを託したそれは、波に揺られながらゆっくりと船を離れていった。さようなら、昔の私。さようなら、ココの大切な人たち。さようなら、昔の私。
…みたいな。ココマリン大破した後、ココはどうなったのか考えたらこうなりました。多分、この後もココは海賊として生きて行くと思います。次回も見ていってくださいね。
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