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哀れな華
2013/10/13(日)12:16:32(12年前) 更新
ここからが本編です
毒ガス室から出た後のニトロは、まるで抜け殻のようで歩く時もふらふらとしていた。目は虚ろで、目もとには涙の痕がある。あの青い髪の男が処刑されたことによって、精神的におかしくなってしまったのだろう。無理もない。あの男とニトロは毎晩楽しそうに話をしていて、しかも2日前は自分をかばって捕えられ、最後までそれをつらぬいて死んだんだからな。
2日前、いや、正確に言えば3日前か。3日前、あの男が捕えられたあの時、俺はクレアラに同行していて、部屋の外ですべてを聞いていた。あの男が、「話していたのは俺です。」「彼女が起きていたのは偶然です。偶然精霊が起きてしまうことも無いわけではないでしょう。」と言った時、悲しくなった。
…なんて優しく、そして酷いのだろうか。おそらくあの男は『ニトロにこれ以上苦しんでほしくないから』という理由でやったのであろうが、ニトロはきっと、『死ぬのならこいつ(この青い髪の男)と一緒に死にたい』と思っていることだろう。
それならば、今この男が考えていること、しようとしている事は、ニトロにとって一番悲しく、苦しいことだろう。それがわからないほど、きっとこいつは馬鹿じゃないはずだ。なのに、何故それをする?
…可哀想なニトロ。お前の大好きな青い髪の男は、きっと殺されてしまう。殺されなくとも、洗脳をもう一度されて苦しみ、そしてお前の知っていた男ではなくなってしまう。もう二度とこいつと話して笑うことも、こいつに寄り添うようにして眠ることもできないだろう。そうなってしまった後のニトロを考えると、胸が張り裂けそうになった。だが、俺が言ったところでどうにもならない。コルテックス以外の命令はきかない女だ。俺が言ってもこいつは殺されるか、洗脳し直されるかのどっちかだ。
クレアラが男を引きずって部屋から出てきた。俺は言った。
「こいつはどうするんだ?」クレアラは冷たく言った。「牢に入れ、翌朝に何を話していたのか聞きます。コルテックス様のご命令によりますが、言わなければ拷問します。拷問しても言わなければ恐らく死刑となるでしょう。」
何て無情なのだろうか。せめて洗脳されてもとの奴ではなくなるくらいなら、いくら無情で酷い者になったとしても、まだニトロはこいつと一緒にいられる。だが死刑となると…もう二度とニトロはこいつと一緒にいられない。間違いなくニトロは精神的におかしくなるだろう。
俺は、あの男の死刑が確定してから、コルテックスに言い続けた。あの男の処刑をやめるように。今日もコルテックスに言った。「あいつは確かチェック箱のリーダーだろ?殺さずとも洗脳すればいいじゃないですか!」コルテックスは呆れたように言った。「お前もニトロと同じか。あいつのかわりなんていくらでもいる。かわりがいるのなら、あいつを生かす意味なんてない。だろう?それに、もうあいつの処刑なら終わった。あいつは死んだぞ。」その言葉を聞いた後、毒ガス室前でニトロの姿を見つけた。思っていた通り、彼女は悲しげな顔で、目には涙の痕があった。なんて可哀想なのだろうか。
その日の夜中、俺は毒ガス室にそっと行って、あの男の遺体をそっと担ぎ、コルテックス城の外に出た。幸い誰にも見つからなかった。そして、コルテックス城のすぐそばに穴を掘り、男を埋葬した。それは、一人の女を救い、悲しげな顔で死んだこの青い髪の男への、俺からのせめてもの慰めだった。
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