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ブレインレーサー計画 ~天王寺明良&星野舞姫~
2012/04/08(日)08:12:47(12年前) 更新
――――PM10:02 群馬県 赤城山――――
夜空に星がきらめく標高1400メートル。
群馬県赤城山の峠ではいつもどおり走り屋のドリフトダンスが繰り広げられていた。
走り屋1「おーい!見たかぁ、今のオレのドリフト!」
走り屋2「ははっ。俺ならもっと角度をつけたドリフトできるぜ。」
いつもの光景、いつもの仲間達、いつもの日常・・・だった。
あいつらが来るまでは。
星野「アキラ君、麓から見慣れないチームの車が何台か上がってくるそうよ。」
天王寺「へぇ~。交流戦でもしに来たのか?取り合えず、話を聞こうと思うから、何人か一緒に来てくれ。」
天王寺たちは、いつもバトルのスタート地点で使う駐車場に来た。
見慣れないクルマたちはこの駐車場のところで止まり、何人か車から降りてきた。
なんだか変わった人たちが多い。
やがて、向こうのチームのリーダーと思われる人物が話しかけてきた。
コルテックス「うむ。私はチーム『BRX』のリーダー、ネオ・コルテックスだ。今日は、われわれのプロジェクトの協力者を探しにやってきた。」
天王寺「そうですか。では、そのプロジェクトの内容とは?」
コルテックス「それは・・・そうだな。実際に見たほうが早いだろう。」
星野「・・・?」
コルテックス「早速だがバトルの準備を頼む。」
天王寺「わかりました。」
天王寺は自分の車を引っ張り出した。
スタート地点まで車を動かしながら、相手のチームの動きを見た。
天王寺(なんだ?この感じ・・・)
スタート地点に2台が並んだ。
天王寺は相手のクルマに異変を感じた。
天王寺「あの、そっちのクルマは誰が運転するんですか?」
コルテックス「ふっふ・・・それはな・・・コイツだ!」
コルテックスは自分のクルマの運転席から小さなパーツを取り、こちらに見せてきた。
星野「えっ・・・これ・・・ICチップ・・・?」
天王寺「あんた、これはふざけすぎだろ!」
コルテックス「ふざけてなどいない。これこそが、われわれのプロジェクト!」
ブレインドライバー計画――――
コルテックス「ふざけているかどうかは、このバトルで分かる。そして、この計画が何を意味するのかは、時が立てばいずれ分かるだろう。」
天王寺「人が乗らないで機械が運転するなんて、バカバカしいにも程がある!」
コルテックス「その言葉はこのバトルにそちらが勝ってからゆっくりと聞こう。」
天王寺「チッ・・・」
天王寺 明良 & インテグラ TYPE―R
VS
ICチップ & スカイライン GT―R(R33)
in 赤城 下り (晴)
天王寺「星野、カウントを頼む!」
コルテックス「いや、カウントは要らない。そちらが好きなタイミングでスタートして構わない。」
天王寺「それじゃァ、こっちが有利すぎるぜ!ホントに良いのかァ!」
コルテックス「構わん。今すぐスタートしてしまっても良いんだぞ。」
コルテックスは不敵な笑みを見せた。
天王寺「ふんッ!どーなっても知らねーぜ!」
言い終わると同時に天王寺はクルマをスタートさせた。
コルテックスは笑みを崩さず、ICチップにスタートさせる指示を出した。
星野「アキラ君・・・」
感情的になりすぎている天王寺を見て、星野は不安を募らせた。
きらめく夜空は西の方から曇り空に塗りつぶされ始めた。
コルテックス「さてと。《エヌジン、ブリオ。レース中の細かい管理は任せたぞ。》」
バトル序盤、不意打ち的なスタートで、天王寺は圧倒的な差を開くことが出来た。
左右に緩く曲がるコーナーの直後、左のヘアピンコーナー。
サイドブレーキを使ったドリフトで見事にクリアした。
走り屋「行っけー!リーダー!」
数秒遅れて、コンピューター制御のR33が左のヘアピンコーナーに入った。
ドリフトはしなかったが、それでもかなり速いコーナリングをしているのが誰にでも分かった。
走り屋1「何だあれ、人が乗ってねぇぞ!」
走り屋2「聞いた話だけど、全部コンピューターで運転してるらしいぜ。」
走り屋3「それはそれで気持ち悪ぃけど、なんたって気持ち悪いのはサ、あの天王寺さんよりも速かったって事だよ!」
今度は右・左・右と続く、難易度の高い3連ヘアピン、天王寺は赤城の誰よりも速いコーナリングでその先のストレートに向かう。
だが、直後にヘアピンに入ったR33は、天王寺よりも速くコーナーをクリアした。
短いストレートだが、天王寺はバックミラーにR33のヘッドライトが映ったのを見た。
天王寺「何ィ!?スタートであれだけの差をつけて、もう追いついてきやがったのか!?」
再び左のヘアピンコーナー。対向車線を気にしながら、道幅を目いっぱい使ってドリフトをした。
短めのストレートで、更に差が縮まっているのを天王寺は確認した。
天王寺「クソッ!赤城は前半はコーナーが多いが、中盤からは長いストレートが多くなってくる。このままじゃヤベェぞ・・・!」
少し緩いS字コーナーから、直後に右ヘアピン。短いストレートを挟んで左ヘアピン。
赤城のコーナーの多い前半部分はここで終わる。
この先は長いストレートの多い中盤区間だ。
後ろのR33との差を上手く開くことが出来ずに、前半区間は終わってしまった。
ストレートに入り、かなりのスピードで差が縮まってきた。
天王寺「ウソだろ・・・何なんだその加速はァ!!」
あっという間に追い抜かれた。それも、かなりの速度差で。
天王寺「一体何キロ出てんだ!化け物かよ!テメェはァ!」
左の中速コーナー。天王寺の目の前で、見たことも無いようなスピードでR33のテールランプが消えうせた。
見失うまいと、天王寺もかなりのスピードでコーナーに入った。
アクセルを再び踏み込み、次の右ヘアピンに向かおうとしたとき・・・
天王寺「――――ッ!いない・・・前方のR33を・・・見失ったッ!!??」
R33は彼のクルマの100メートル以上前方を走っていた。
今まで体感したことの無い焦りを感じ、次の右ヘアピンはかなりの速度で進入した。
走り屋「オーバースピードだ!天王寺さんッ!」
いつもは60キロで曲がるコーナーだが、このときは100キロ以上の速度で曲がろうとしていた。
当然、曲がるわけも無く彼の車は崖に激突した。
天王寺「チキショォォォォォォォォ!!!!!!!!」
天王寺 明良 & インテグラ TYPE―R クラッシュ――――
走り屋《星野さん!大変です!天王寺さんが・・・天王寺さんが・・・ッ!》
星野「えっ!どうしたの!?」
走り屋《・・・ク・・・クラッシュ・・・しました。》
星野「――――ッ!!」
赤城の山全体に衝撃が走った。
曇り空は夜空を完全に多い尽くし、遠くの方から雷が鳴った。
コルテックス「赤城の走り屋の諸君。我々の力が分かっていただけたかな?」
誰も、言葉を発しなかった。
コルテックス達の力が身にしみて分かった。沈黙は長く続いた――――
しばらくして無人の白いR33が帰ってきた。
コルテックスの目の前で止まった。
コルテックス「よし。クルマにもコンピューターにも異常は無い様だな。あとは、データを送信して・・・よし。」
エヌジン《コルテックス殿、データの受信を確認しましたぞ。本日の計画で、残るは『協力者の引き抜き』のみでございます。》
コルテックス「よし。最終段階に入るぞ。」
コルテックスは星野達に近づき、計画の協力者を仰いだ。
星野の仲間たちは次々とコルテックスの側についた。
残る仲間が少なくなったとき、誰かが走ってこっちに近づいてきた。
天王寺だ。クラッシュしたときの怪我があちこちに残っている。
天王寺「お前ら・・・済まねぇ・・・負け・・た・・・。」
星野「アキラ君・・・」
天王寺「それにしても、どういう事だ?何でお前ら、あいつらの側についたんだ?」
少し沈黙が流れたが、やがて一人の走り屋が答えた。
走り屋1「俺達は・・・強い方につきます。」
走り屋2「すいません・・・でも、こんな圧倒的な力を見せられたら、俺達はもう抗えません・・・」
コルテックス「おっと、無理に協力しろとは言っていないぞ。だが、敗者についていくか勝者についていくかは、君たちの自由だ。」
天王寺「お前ら・・・そんな・・・」
星野「コンピューターが運転すれば、ドライバーの個性は消えてしまうのではないですか?」
コルテックス「そんな事は無いそ。ドライバーの癖を我々が作ったコンピューターならしっかり記憶してくれる。運転しているのはコンピューターだが、一人一人の癖を反映すればこれまで通りの個性的なレースが出来るぞ。」
個性的・・・その言葉で更に多くの仲間がコルテックス側についた。
星野「コンピューターに運転させれば、レースで事故死することはなくなりますか?」
コルテックス「もちろんだ。当たり前のことだろう。」
天王寺「皆、だまされるな!自分でステアリングを握ってこそ走り屋だろう?」
天王寺の言葉に一瞬揺らいだが、星野の言葉ですぐに元に戻った。
星野「私、協力します。」
天王寺「えっ・・・」
星野「私、車で人が死んでしまうのがイヤなんです。レースなら、なおさら・・・。」
天王寺「ま、待てよ!車と人間はパートナーなん・・・」
星野「アキラ君、今日、バトルの最中にクラッシュしたんでしょう?下手をしたら、今ここには居なかったかもしれないんだよ。」
天王寺の全身の傷がうずいた。
確かに、クルマで死んだら元も子もない。
だけど・・・
天王寺「だけどオレは・・・」
星野「走り屋の皆に死んで欲しくない。だから私、あの人たちに協力する。」
星野を最後に、赤城の走り屋はほとんどコルテックスの側に着いた。
コルテックス「我々に協力していただけるのは、この人数でよいかな?そろそろ出発しなければならないものでな。」
星野「ごめんね、アキラ君。でも、いつかきっと、アキラ君も分かってくれると思うよ。」
天王寺「・・・」
コルテックス「・・・時間だ。それでは撤収といこうか。」
コルテックス側のクルマが赤城の山を下っていった。
多くのクルマのエキゾーストが遠ざかり、代わりに雷雨がやってきた。
残された者は数えるほどしかいなかった。
天王寺はその場に崩れ落ちた・・・。
彼はその場で叫んだ――――
彼と一緒に泣き叫ぶ空に向かって――――
分厚い雲に消されてしまった輝く星たちに向かって――――
そして、きらめく夜空を彼の視界からさらって行った真っ黒な雨雲に向かって――――
終わり
星野舞姫のよく分からない用語解説
皆さん、どうやら私の過去を知ってしまったようですね。
一体誰が、BRXレーサー担当のこの私の過去を公にしてしまったのでしょうか。
メンバーの過去は機密情報です。書いた本人は処罰を免れないと思います。
しかし、専門用語が飛び交うこの記録、皆さんは読みづらかったでしょう。
仕方ありません。皆さんにだけは特別に、私、星野舞姫が今回登場した用語を、本文に登場した順で解説したいと思います。
【群馬県赤城山】
群馬県の中央部に位置する、標高1827mの山です。今回の舞台では赤城山にある【群馬県道4号前橋赤城線】と言う道路が舞台です。本文には標高1400mと書いてありますが、それは私達のチームが集まっている場所の標高です。
参考映像です。0:15付近で映る交差点のような部分が今回のスタート地点です。【http://www.youtube.com/watch?v=Rh3Jq8vGURA&feature=related】
【ドリフト】
車体を滑らせながら曲がることです。後輪だけ滑らすタイプや四輪全て滑らせるものなど、さまざまな種類があります。度胸と技術を要しますが、上手く決めることが出来ればとても格好良いです。あなたも是非やってみては?
参考映像その2。【http://www.youtube.com/watch?v=WrBb2N53s2U】
【交流戦】
2つの走り屋のチームが、お互いの交流を深めることを一番の目的として対戦をすることです。
【バトル】
走り屋の間ではクルマでレースをすることを指します。喧嘩ではありません。
【BRX】
今回のオリジナル用語です。『コルテックス』と言う方が組織するチームです。それ以上のことは企業機密ですので、あまり詮索しない方が身のためだと思いますよ。
【ブレインドライバー計画】
コルテックスの考案した計画です。こちらも詳細はお教えできません。
【インテグラ TYPE―R】
日本の『ホンダ』と言う自動車会社から発売されていたスポーツカーです。通称は『インテグラ』又は『インテR』と呼ばれています。無改造で200馬力を発揮し、ポテンシャルも高いので世界的に高い評価を得ています。現在、前期型は2001年、後期型は2006年に生産終了していますが、中古車でも今なお高く取引されているようです。ちなみに天王寺明良の物は前期型です。余談ですが、スポーツカーの中では盗難が多いようです。購入をお考えの方はお気をつけて。
【スカイライン GT―R(R33)】
日本の『日産』と言う自動車会社から発売されていたスポーツカーです。通称は『GT―R』又は『R33』と呼ばれています。無改造で馬力規制枠いっぱいの280馬力を誇ります。世界的なレースにも出場するほど、非常に高いポテンシャルを持っています。余談ですが、280馬力と紹介しましたが、それはさまざまな部品で馬力を抑えているだけであり、馬力を抑えずに測れば300馬力は超えているでしょう。規制などあって無いような物ですね(笑)
【カウント】
スタートまでのカウントダウンのことです。それ以上でも以下でもありません。
【サイドブレーキ】
主に停止した状態で使うブレーキです。停止状態から車が勝手に動かないように固定するためのブレーキですが、ドリフト走行のきっかけに出来るので、皆さんもドリフト走行の際はお試しあれ。
【コーナー】
一般的に言う『カーブ』の事です。走り屋は『カーブ』では無く『コーナー』と言う表現を好みます。その方が、なんだかカッコよくありませんか?
【ヘアピンコーナー】
コーナーの一種です。U字型に曲がるコーナーのことを指します。上から見た様子が髪留めのヘアピンに似ていることから、その名前が付いたようです。走り屋にとって勝負どころになることが多いので、この場所では皆さんそろってテンション上がってます。
【ヘッドライト】
クルマの前方のライトです。夜間は必ずつけましょう。走り屋でなくても罰せられてしまいますよ。
【ストレート】
直線のことをカッコよく表現したときに使います。
【オーバースピード】
コーナーにあまりにも速すぎるスピードで入ってしまったことを意味します。簡単に言えば『ミス』の一種です。強引にドリフトに持ち込むことで回復が出来るかもしれませんが、大抵の場合は速度が落ちるのを待つしかないのです。
【クラッシュ】
走り屋の世界では車が壁などに激突して大破することを言います。我々『BRX』の敵、『クラッシュバンディクー』の方と混同しやすいのでご注意を。
・・・と、今回登場した用語はこのくらいでしょうか。
私は時間が無いのでこの辺りで失礼させていただきます。
《終わり》
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