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Lute com o velho amigo ~Dark Assassin Cyclone Bomber~
2012/04/13(金)22:28:58(12年前) 更新
「よォし、今日こそは勝ってやるぜ!」
「そう言ってまた負けるなよ?ほら、来い」
「…フッ、そうさせてもらうぜ!!」
「いつも言ってるが、手加減はするな。全力を出せ」
朝から2人の男は何をやっているかというと、バトルだ。戦闘の腕をあげるため、訓練をしているらしい。いわゆる「スパーリング」だ。
男の名はDark Assassin Cyclone Bomber。相手をしているのはCrimson Eyes Mad Scientist。2人はワルワルスクール生のときからの旧友で、DACBはクリムゾンの研究所に居候している。
「…またストレートに来たのか?もうちょっと頭を使え」
「うっせェ!そんな暇があったら拳を出したほうが遥かにいいだろうが!」
「やれやれ、結局また同じ戦法か…」
あっけなくDACBの拳はクリムゾンの左掌の中に収められた。科学者だが、こう見えても実戦豊富で、頭の良さだけじゃない。
そこから更に彼は右足から蹴りを繰り出した。DACBは拳を振り払って避けようとしたが、クリムゾンの握力が強すぎて抜けない。
「くそッ、痛ってェぞ!!」
半ばヤケクソになりながら頭突きをしようと頭を振りかぶった。が、それを見切っていたのかクリムゾンは素早く拳を離し、右手でアッパーをDACBのあご目がけて放った。
クリーンヒットし、DACBは0.7秒ほど宙を舞った。そのあと、後頭部を強かに打ち付け、倒れた。
しばらく痛みに耐えていたが目を開けると、青空を徐々に侵食していくドス黒く、分厚い雨雲が視界に入ってきた。恐らく雷雲だろう。その証拠に、遠方から稲妻が落ちたような音が聞こえてくる。
「天気が悪くなったな…今日は中止するか?DACB」
「はァ!?雷が落ちたところで俺様には関係ねェな!続けるぞ!!」
「…やれやれ、仕方ないな」
そのまま続行した。雨も風も雷も、気にしなかった。
「コイツはどうだァ!?」
DACBは連続で回し蹴りを繰り出したがクリムゾンはそれを避け、DACBに向かって走り出した。
そしてDACBにちょうど手の届く距離のところで止まると、次の瞬間左手で手刀を作った。
「喰らえ」
首にチョップを浴びせかけてきた。が、DACBはそれをしゃがんで避けた。すると同時に右足で足払いを繰り出した。
そこまで予想はしていなかったのか、クリムゾンは攻撃を受けてしまい後ろに倒れそうになったが、バックステップで距離を取り体勢を立て直した。
「ほう、この短時間でだいぶ学習したんじゃないのか?」
「ヘッ、当たり前だろッ!俺様はモノにするのは得意だからなァ!」
「じゃあこれはどうだ?」
そういうとクリムゾンは何故か実験で使うようなゴーグルを懐から出し、目に装着した。
「…は?何をする気だァ?」
続いて白衣のポケットから何かを取り出した。そしてそれを地面に投げつけた。
「なッ、そんなのアリかよ!?」
何かが地面にぶつかると、そこから爆発が起きた。彼が投げたのは爆薬の入ったフラスコだった。
薬独特の刺激臭と煙幕がその場を包んだ。その刺激臭を嗅いだ瞬間、DACBは直感的に両目を手で覆った。だがその刺激臭が彼の判断を一瞬遅らせた。もう覆っても無意味だった。
猛烈な目のかゆみに襲われてしまったのだ。涙があふれ出てしまって戦闘体勢どころか直立することもできそうにない。
「うあああああァァァァァァ!!!!!」
「まぁこれを防げてたら流石の俺も驚きを隠せそうになかっただろうがな…悪いが、俺としては計算通りと言ったところだ」
実はこれは催涙効果のある薬だった。DACBはこれによって目がやられ涙がドバドバ出てしまっている。
煙幕や刺激臭は先ほどからの雨風によっていつの間にか薄れて消えていたが、DACBは未だ目を抑えている。
「ちくしょう…てめぇ武器使っていいなんて言ってねェだろ!?どういう事だよ!!」
「武器を使ってはいけないとも言ってないぞ、俺は」
「……はああァァッ!!?」
DACBは逆ギレした。目はもう抑えていない。
「とにかく、今日はもうやめるぞ。さすがにこの天気じゃ危ないだろう」
「そんなことねェ……俺には、あの能力がある」
「何?能力だと?」
「見てやがれ…ッ!!」
すると突然風が止んだ。直前まで突風が吹いていたのにもかかわらず。
「……どうやらその能力とやらは本当みたいだな…そんなもの、いつ身につけた」
「さァ……俺様はただ風とともに走り回ってただけだがなァ…」
更に不思議なことが起こった。これには流石のクリムゾンも驚きを隠せなかった。
「…!?晴れた…だと?」
「どうやら俺様は風を操る能力を授かったみたいだなァ、おてんと様からよォ」
「風を起こして雲を流したのか?俄かには信じられんな…こんな短時間で」
「まァそういうこったな。よし、明日もう一度勝負だ…武器を使っていいのなら、俺様はもうちょっと準備をするぜ?」
「わかった。今日はもうやめるとしよう。明日は俺も武器を使うからな。本気でいくぞ」
「望むところだ!」
2人は研究所に戻った。頭の中で戦闘の順序を組み立てながら、どうやって攻撃を効率よく仕掛けていくか。そしてその時何の武器を使うのか。作戦を練りまくった。
「とりあえず武器は…メリケンサックと爆弾でいいか。俺様には能力があるしな…それを応用すればうまくいくはずだ…」
それからDACBはこっそり外に出て森の奥まで行って、一人で修行した。ひたすら木に向かって拳を打ち込んだ。
そして夜が明けた。2人は外に出て再試合だ。
「さて…一日経ったが、どこまで実力を上げたのか見せてもらうぞ」
「おう…今度はてめぇを倒してやるからなァ!」
両者構える。
「来い」
「いんや、てめぇが来いよ」
「ふん…いいだろう。後悔するなよ」
そういってクリムゾンは走って向かってきた。レーザーソードを手に持ちながら。しかしDACBは目を瞑り、神経を集中させていた。
「どうした、怖気付いたか?」
「…出でよ」
「あ?」
「ウィンド!!!」
次の瞬間、DACBはクリムゾンと鍔迫り合いになっていた。
「…どういう事だ」
「俺様の風の能力で空気の刃を作り出したのさ」
「全く、お前は本当にわけのわからない奴だな。思考が読めん」
「俺様も日々進化してるってこった。そんじゃあもっと俺様の能力、見せてやるよ」
その直後DACBは鍔迫り合いをやめ、ジャンプした。するとどうだろう。
「また意味のわからない……どこまで跳んでいく気だ?」
少なめに見積もっても、恐らく10メートルは跳んだ。おおよそ4階建ての家の窓が見えるぐらい跳んだ。いや、むしろ漢字では「跳ぶ」より「飛ぶ」のほうが合うかもしれない。そう思えるほど跳んだ。
「俺様はジャンプ力もついたんだぜ?」
そんな声が空から降ってきた。と、同時に爆弾も降ってきた。
「くっ、こうするしかなさそうだな」
クリムゾンは仕方なさそうに爆弾にぶつけるようにして何かを投げた。そう、昨日と同じ催涙効果のある薬が入ったフラスコだ。2つが接触した途端、一際大きな爆発が起こった。
辺りは爆発で薬の刺激臭と催涙効果のある煙幕が漂い、更に砂埃が舞い上がった。そしてここで突然DACBが何かを思いついた。急いでメリケンサックを両手に装着する。涙が出るが、我慢する。
「この砂埃を利用してやろうじゃねェか…」
そう呟くと刺激臭と煙幕と砂埃が舞い上がっているところから脱出して離れ、そこから両手を地面と平行に上げて高速で回り始める。
「くそ、目がかゆいが…そんなことは言ってられないか?」
「そォらアアァァ!!!」
クリムゾンが言い終わった瞬間にDACBが叫んだ。その声を聞いて顔を上げたとき、もう避ける術はクリムゾンにはなかった。
DACBは高速回転している最中に自身の風の能力を付加させ、なんと小さな竜巻を起こしたのだった。
その竜巻は刺激臭も、煙幕も、砂埃も、クリムゾンも、その辺一帯全てを巻き込み、吹き飛ばした。
クリムゾンは2.3秒ほど宙を舞った。そのあと、後頭部を強かに打ち付け、倒れた。昨日のDACBのように。
しばらく痛みに耐えていたが目を開けると、そこには昨日とは違い雲一つない快晴の青空が広がっていた。竜巻はいつの間にか小さくなり、消滅していた。
「……そうか、俺は負けたのか」
「すまねェなクリムゾン、俺様はそれなりに本気を出したつもりだ。俺様なりの作戦を立て、環境を利用し、勝った…」
「完敗だ。よく強くなったな、DACB。それでこそ俺の親友であり、ライバルだ」
「…ハッ、んなほめても何も出ねェぞ、照れんだろうが……ほら、立てよ」
「お前が手を貸すなんて珍しいな、どういう風の吹き回しだ?」
「う、うるせェ!!いいから立てよ!!」
クリムゾンは立ち上がってDACBの顔を見た。DACBは笑っていた。クリムゾンもそれにつられて笑った。
終わり
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