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人生の“最低な”歩み方 ~ゴルブ・フォックス~
2012/04/09(月)22:43:42(12年前) 更新
人生をどうやって生きていくかなんて人それぞれだ。俺は偶々、こういう道を選んだだけだからな。
子供の頃、俺の家庭は正直裕福ではなかった。俺の両親と俺、そして兄ちゃんの四人で住んでいた家もボロボロ。
父親は酒にタバコ、更には薬物に溺れてしまって廃人状態。最早社会復帰なんて出来る体じゃない。
このクズがこうなっちまった詳しい話は長くなるからやめておくが、簡単に言えばリストラによるショックって奴だ。
母親は元々病弱だったから仕事なんて出来るわけも無い。
俺なんてまだ学校にすら行ける年齢じゃなかったのに、金を稼ぐなんて出来るわけがない。
こんな家庭を支えてくれていたのは、就職して安定した地位に着いた兄ちゃんの稼ぎだけだ。
兄ちゃんはこんな俺達のために汗水流して働いてくれていた。
俺は兄ちゃんを心から信頼していた、あの日が訪れるまでな・・・
ある日の晩、兄ちゃんはやたらと嬉しそうに家に帰ってきた。
俺は兄ちゃんに、何か嬉しいことでもあったのかって聞いた。
「まぁ、ちょっとな。ガキのお前にはまだ早い話さ」
ガキ扱いされたことに少し腹が立ったが、それ以上にあんなに嬉しそうな兄ちゃんを見たことがなかったので俺は少しびっくりしていたんだ。
兄ちゃんはそれから毎日が楽しそうだった。でも、いくつか変な点があった。毎日家に帰ってくる時間がどんどんと遅くなっていったんだ。
それに伴って、家の貯金がみるみる少なくなっていった。母親が通帳を見て悲しそうにため息をつく姿が脳裏に焼きついている。
そして、兄ちゃんが遂に家に帰ってこなくなっちまった。俺と母親は心配して兄貴を待っていたが、兄貴が帰ってくる気配は無い。
兄ちゃんの稼いだはずの給料も、家には全く入ってこなくなった。そんな状況で、家族が暮らしていけるわけが無い。
俺は街のホームレスと一緒になってゴミ箱を漁ったりして毎日を過ごした。道を歩く野郎共から財布をスったりもした。
そうしないと、俺と母親は飢えて死んでしまう。近くに住む者達には後ろ指を刺されたが、こっちは生きていくためにこうするしかなかったんだよ。
そんな時だった。いつものように街をふら付いていた俺の目に、見覚えのある姿が映った。
(兄ちゃん・・・兄ちゃんか!?)
そう、兄ちゃんだ。高級そうなスーツを着ていて一瞬分からなかったが、顔を見ればすぐに兄ちゃんだと分かった。
俺はその時、憎しみよりも兄ちゃんを見つけることが出来たという喜びでいっぱいだった。
俺は兄ちゃんに向かって駆け寄っていった。
「兄ちゃん、兄ちゃん!」
だがその時、兄ちゃんの近くに一人の女性が近寄ってきた。
「お待たせ!」
女性は香水のきつい匂いを振りまきながらそう言った。兄ちゃんは女性のほうを向いた。
「俺も今来たところだったんだ。さて、今日はどこに行く?」
おかしい、兄ちゃん、俺のことが見えてないのか?
俺は兄ちゃんの足元に近寄った。
「兄ちゃん!俺だよ、ゴルブだよ!ねぇ!」
すると女性が俺のほうを向いた。
「うわ、きったねぇガキ!」
女性は俺に向かってそう言い放った。正直、言われ慣れていたのでどうって事無かった。
だが、次の一言は俺の心に深く突き刺さった。
「チッ、クソガキが・・・スーツが汚れるだろ!」
兄ちゃんはそう言うと、何と俺を思いっきり蹴り飛ばしたんだ。
宙を舞っていた俺は、何が起きたのか全く理解できなかった。
「ここ、ホームレスがいっぱいで嫌ね!早くどこかに行きましょ!」
「ああ、せっかくのスーツが台無しだよ。それじゃあ、これから高級フレンチでも・・・」
二人は俺を無視して、仲良く話しながらどこかに行ってしまった。
その時、俺の心の中には悲しみも、憎しみも何故か生じなかったんだ。
子供とは思えないほど冷静にあることを悟ったんだ。信頼できるものなんて、無いって。
結局それ以来兄ちゃんとは出会ってない。父親は精神病院で自殺、母親は餓死しちまった。
俺は一人で街をうろついていた所を保護されて孤児院に入った。
そこでの暮らしは最悪だった。教官による体罰は当たり前。孤児同士の虐めなんて日常茶飯事だった。
でも、俺はそこである一つの教訓を得ることが出来た。強い奴に媚を売れば、俺が損を被る事はないっていうな。
教官に好かれるような言動を言えば、教官共は俺にだけチョコレートをくれる。
孤児のリーダーの言うことを聞いて、他の孤児を袋叩きにすれば、俺は次からリーダーの隣で威張ることが出来る。
そうやって俺は着々と孤児院で自分自身の評価を稼いで、どんどんと偉くなって行った(気がした)。
そして、俺は孤児院を出て、また街で生活を始めたんだ。
でも、一人ではなくて、孤児院で集めたクズ共と一緒にな。
正直、この生活はかなり楽だな。
金を持ってそうな奴に尻尾を振って服従したと見せかけてそいつを殺して金を奪ったり、
他の不良グループと友好関係を気づいたと思わせてリーダーを血祭りに上げて、他のメンバーを根こそぎ奪ったり、
可愛い女なんて集団でかかればイチコロだからな。
でも、最近俺はとある組織に御呼ばれしている。
正直聞いたこと無い組織だったが、金と権力はありそうだぜ。
その組織のトップも、見た感じ年老いてそうだったから、適当に尻尾振ってりゃあいい地位には就けそうだ。
トップの名前は・・・ネオ・コルテックスだったと思うわ。変な頭だけが印象に残ってやがる。
終わり
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