人見ています。 |
オリキャラ短編集
|
- TOP
- >
- オリキャラ短編集協会
- >
- オリキャラ短編集
- >
- とある昼間の公道競走(ストリートレース) ~セリカ&星野舞姫~
もみみ(4年前)
バート・ラマー(5年前)
2199(6年前)
2199ノークラ(6年前)
クラットン2(6年前)
ココバンディクー(7年前)
水無月ニトロ(7年前)
RITAL(8年前)
イエクラ(8年前)
asRiche3j8bh(8年前)
テトラピアノ(8年前)
asRichp4zuit(8年前)
オリキャラ短編集協会(8年前)
asRichg3gtwn(8年前)
わいるどた~ぼ(8年前)
asRichajohom(8年前)
ショートケーキ(8年前)
asRichw7ffmu(8年前)
スティックス・ザ・バジャー(8年前)
asRichqi316v(8年前)
asRichct3qjk(8年前)
リボルバー(9年前)
ぽぴゅらあ(9年前)
りんごっち(9年前)
sasuke(10年前)
回転撃(10年前)
ルイカメ(10年前)
ヴァイオレット(10年前)
えぞももんが(/・ω・)/(10年前)
隼人 (10年前)
まんじねーしょん(10年前)
CURA(10年前)
ハートオブハート(11年前)
フレイム(11年前)
ゲーマー(11年前)
クラットン(11年前)
ひろき(11年前)
ひろき(11年前)
HIROKI(11年前)
GGGGGGGGG(11年前)
IA・N(11年前)
かめちき(11年前)
霧雨(11年前)
てんし(11年前)
昇太/神馬当瑠(12年前)
風のクロノア(12年前)
オリキャララジオ放送社(12年前)
ここなっつココ(12年前)
いお太(12年前)
テクノしん(12年前)
リレー小説委員会(12年前)
ここなっつ(12年前)
気まぐれCocoちゃん(12年前)
たクラッシュ(12年前)
ダークネス(12年前)
早川昇吾(12年前)
しんごwww(12年前)
サム(12年前)
クランチバンディクー(12年前)
闇っぽいけど闇じゃない。永遠の炎の神様メフィレス(12年前)
イエクラ.com(12年前)
イエクラ@山手(12年前)
回転撃(12年前)
とある昼間の公道競走(ストリートレース) ~セリカ&星野舞姫~
2012/04/11(水)21:10:55(12年前) 更新
―――――――――――――――――――
ユーザーネーム
:celica-XX
パスワード
:*********
―――――――――――――――――――
・
・
・
・
・
・
吉田「よしッ!入れた!ワルワルスクール入っといてよかった~。これからコイツの過去を洗いざらい探ってやるぜ!」
首都高速道路 湾岸線――――
警察車線で止まっている黒い車の中で、吉田耕一はノートパソコンでハッキング行為を行っていた。
これから起こるであろう戦いのために、敵の組織から情報を引き出そうとしていたのだ。
組織のコンピューターの中枢に入り込もうとしたが、更に複雑なパスワードを入力しなければならないようだ。
時間が無い。今見れるだけでも情報収集しておこう。
吉田は適当にクリックしまくって情報を引き出した。
ユーザー名【celica-XX】の過去を・・・
ワルワルスクールで共に過ごした友の過去を――――
―――――――――――――――――――
俺様の名は?
そう、セリカ。
スペイン語で『天上の』とか『神々しい』とか言う意味を持つ、あのセリカだ。
お前らが今読もうとしているのは、吉田の奴が引き出した俺様の輝かしい過去の一部だ。
まぁ、こんな過去知られても、俺様が困ることは何も無ぇ。
情報漏洩になっちまうが、こんなもの情報のうちに入らないだろ。
特別に見せてやる。
7月25日――――
俺達の組織に赤城山の新入りたちが入って10日ほどだ。
レベルが高いとか噂されていた赤城山の走り屋諸君は、俺から見たらハッキリ言ってお話にならない。
新人の奮闘を眺めているのも正直飽きた。
城のバルコニーからタバコを投げ捨て、午後から始まる世界征服の戦略会議に備えて昼飯を食いに行った。
午後 コルテックスによる戦略会議――――
コルテックス「・・・・・・と、言うわけで、私は競技人口の少ないレースを選んだのだ。いまどきクルマを進んで乗るものなど居ない。我々に歯向かえるのはプロレーサーくらいだろう。」
何だかワルワルスクールの講義を今更もう一度受けているみたいでかったるい。
寝ないようにするだけで精一杯だ。
一体何分経っただろうか。そろそろ限界だ。10秒起きている事も出来ない。
ポケットに隠しておいた眠気覚ましのガムをこっそりと噛んだ。
辛味が適度な刺激となって、あと一分は起きていられそうだ。
意識がハッキリしてきて、周りの音や匂いも俺の脳ミソに入ってきた。
同時に俺は左隣から異様な感じがした。
ちらりと見てみると、いかにも『文化系です』って面をした女が少し下を向いて目に涙を浮かべていた。
セリカ(何だァ?この女・・・涙堪えていやがる。馬ッ鹿じゃねェの?)
左隣の異様な光景で、すっかり俺の目は覚めてしまった。
話を聞いてもしょうがないし、俺はこっそりと携帯でゲームをすることにした。
コルテックス「・・・・・・よし、今日の会議はこの辺にしよう。」
日もほとんど沈みかけたとき、やっと戦略会議が終わった。
この先晩飯まで自由時間なので、皆それぞれ行動している。
いつもなら俺の専属チューナーのレビンと言う少女と自分の部屋に戻るのだが、今は何だかそんな気分ではない。
セリカ「・・・・・・」
会議が終わってもその場に座って涙を堪え続ける女が気になって仕方が無いのだ。
俺は仕方なくその女にハンカチをやった。
セリカ「めそめそ泣いてんじゃねェ。これだからオンナってのは・・・」
女「・・・すいません。」
交わした言葉はそれだけだ。
異様な感じはそのままだ。
俺はその場をあとにして、晩飯までバルコニーで一服することにした。
セリカ「何だったんだ?アイツ・・・」
バルコニー――――
庭のテストコースで走り屋諸君が奮闘している。
エヌジンやブリオみたいな、BRX主要メンバー以外は下手糞な走りを見せていた。
エヌジン「うむ。あとはここを調節すれば・・・」
ピンストライプ「ふん、俺様にかかればこのコースは1分もしないで一周できる。」
ジョー「おい、モー。クルマを軽くするより先にお前が軽くなった方が・・・」
気付けばタバコを切らしていた。
『思い浮かべたことが現実になる』超能力を持っている俺だが、タバコを速く吸いたいがためだけにわざわざ超能力は使わない。そういう力はここぞと言う場面で使うべきだ。
タバコを部屋に取りに戻ろうと振り向いたとき、丁度女が目の前に来た。
女「すいません、星野です。先ほどは、ハンカチを有難うございます。」
セリカ「あァ、それか。洗って返せ。」
星野「あ、洗いました。これでよろしければ・・・」
俺は女からハンカチを奪うようにして取った。
確かに石鹸のにおいがする。
星野「あの、本当に有難うございました・・・えっと・・・」
セリカ「セリカだ。」
星野「セリカさん、有難うございました。よろしければ、お礼にと買ってきたのですが・・・」
丁度今さっきまで俺が吸っていたタバコと同じ銘柄がその手にあった。
ますます異様な雰囲気だ。
これが気遣いという奴だろうか。こんなことが出来る奴はこの城にはいないだろう。
俺はこの不思議な女に少し興味がわいてきた。
星野「あ、あの・・・。」
セリカ「あァ?何だ?」
星野「食事のあと、この棟の最上階のバルコニーで待っていてくれませんか?少し相談したいことがあるので・・・」
セリカ「・・・分かった。」
食堂――――
俺は食堂の2階の、一部の上層部しか入れない特別食堂で晩飯を食った。
飯を食い始めてから数分後に、コルテックスが隣に座ってきた。
コルテックス「セリカ、隣、失礼するぞ。」
セリカ「ああ、構わねェ。」
コルテックス「ふぅ、やっと飯にありつけたわ。ところでセリカ、お前、さっきの会議で居眠りしかけていただろ。」
セリカ「居眠りしない努力はしたぜ。」
コルテックス「まぁ、お前はこの計画の当初からのメンバーだから、今更あんなことを話すまでもないんだが、以後、気をつけろよ。」
でました。食事中の上司からの説教。
上司の行動の中で一番不愉快なのがこれだろう。表の世界では多くの若手社員がそう感じているらしい。
この城でもその不愉快は一緒だ。
コルテックス「それでだ。セリカ。お前にデータ取りのために、一週間後アメリカに向かってもらう。」
セリカ「はァ!?」
コルテックス「向こうの警察とカーチェイスをやってもらう。」
セリカ「何でそんなことすんだよ?」
コルテックス「一般道でのデータと、カーチェイスのデータを取ってもらおうと思ってな。」
セリカ「俺をハメようとしてるのかァ?」
コルテックス「そんなつもりはないぞ。何なら、何人かおとりを連れて行っても良い。」
セリカ「わーッたよ。やりゃァ良いんだろ、やりゃァ。」
そういって、晩飯を丁度平らげた俺は最上階のバルコニーに向かった。
最上階 バルコニー――――
急いだつもりではあったが、すでに星野がさきに居た。
星野「すいません、急がせてしまいましたか?セリカさん。」
セリカ「別に急いでなんかいねェよ。あと、『さん』は付けなくても良い。んで?話って何だ?」
星野「はい、私、やっぱりここを辞めたいのです。」
セリカ「アァ!?」
星野「ひっ・・・でも、やはり私、世界征服なんてしたくありません。」
これが表の人間か。
セリカにはこれが人として普通のことだと言うことは分かっている。
だが、一度裏の道に足を踏み入れたものは、表の世界に逃げても狙われてしまう。
この大人しそうな女が、その恐怖に耐えられるとは思えない。
セリカ「お前はここに残ってろ。」
星野「そんな・・・」
セリカ「お前を逃がすのは出来る。だがよォ、その先は俺にァどうすることも出来ねェ。」
星野「じゃぁ・・・どうすれば・・・世界征服なんて・・・そんなこと・・・」
セリカ「『世界征服』ってよォ、いかにも悪人って感じに聞こえるかもしれねェが、こう考えるのはどうだ?」
バラバラのパズルみてェな国や地域を――――
俺達が一つにすんだよ――――
『世界征服』の名の下に――――
セリカ「アホみてェな争いばっかのこの世界を、俺達が強引にひとまとめにしてしまえば、そんな馬鹿なもの見なくて済むんじゃねェか?」
星野「・・・・・・そ、そうですかね?」
セリカ「そうに決まってる・・・多分な。」
星野「そ、そうですね・・・多分。」
星野は少し微笑んだ。
涼しく、心地よい夜風がバルコニーを優しく吹きぬけた。
星野「私、この場所に残ります。有難うございますッ!」
セリカ「そうか。じゃ、そのお返しとして、一週間後、アメリカに一緒に来てくれ。」
勿論、おとりの為ではない。むしろ、おとりが居る方が面倒だ。
それに、アメリカの警察のカーチェイスにも興味があった。
奴ら、結構何でもありな感じでかかってくるからな。
おとりなんて、居るだけ邪魔だ。
セリカ「お前のスキルアップも兼ねて、アメリカに来い。」
星野「は、はいッ!」
セリカ「・・・じゃァ、俺はこの辺で失礼するぜ。」
帰り際にたまたま余っていた缶ビールを渡した。
どうせ飲むなら、今はコーヒーの方が良いと思った。
ちなみに、このあと缶ビールを飲んだ星野がベロンベロンに酔っていたのはまた別の話・・・。
三日後――――
セリカは朝早くに星野を呼んだ。
二日酔いも醒めたらしく、元気そうだ。
セリカは自分のガレージに星野を連れて行った。
セリカ「シャッター、開けてみろ。」
星野「はい。」
ガラガラ・・・と、金属音が朝の空に響き渡る。
徐々に中の様子が見えてくる。
星野「・・・ッ!これは・・・ッ!」
セリカ「裏ルートで入手した。これからコイツがお前のクルマだ。」
シボレー・コルベット C6 ZR-1――――
セリカ「ぶったまげるぜェ。647馬力。無改造でだ。」
4日後に迫ったアメリカ警察とのバトルに向けて、星野はコルベットを乗りこなそうとした。
今まででは考えられないほど、走りの腕は上達していった。
4日後 アメリカ サンフランシスコ――――
2台のクルマが、真昼間から公道競争(ストリートレース)をしていた。
1台はセリカが乗る銀色のクルマ【セリカXX】
もう一台は、メタリックブルーに塗装された、星野操る【シボレー・コルベット】
二人は町を疾走する――――
猛烈なスピード違反で――――
猛烈な悪意の野望の下で――――
バラバラのパズルが一つになるまで――――
―――――――――――――――――――
吉田「・・・成る程な。ってかこの【celica-XX】ってワルワルスクールのあのセリカか。へぇ~、アイツあの頃は車なんて全然興味なかったのに。変われば変わるモンなんだな。
ん?今回もよく分からない用語があるって?そんじゃぁ、俺が解説してやるよ。」
吉田耕一のよく分からない解説
【セリカXX(A60型)】
日本の『トヨタ』から1981年に発売されたスポーツカーだ。通称は『セリカXX』又は『XX(ダブルエックス)』ワルワルスクールの方の『セリカ』と間違えないように注意してくれよな。今で言うカーナビのような優れたコンピューターを装備していたため、スポーツカーであると同時に高級車としても位置づけられていた。無改造で約170馬力で最高速度は200km/hだ。
【コルベット(C6型)】
アメリカの『GM(ゼネラルモーターズ)』と言う会社の『シボレー』と言うブランドから発売されているアメリカンスポーツカーだ。通称は『コルベット』。先代のC5型から欠点を徹底的に洗い出し、改良を重ねた『コルベット』の最新モデルだ。C6型には様々なバージョンがあるが、星野が乗るのはC6型最強バージョン【ZR-1】。非常に攻撃的なデザインで、あの大人しい星野には似合わないような気がするが、気にしないで置こう。セリカの奴が少しだけ解説してたが、馬力は647馬力。無改造でも300km/hは行くだろうな。
そんな【シボレー・コルベット C6型(ZR-1)】。価格は100,000$と非常にお買い得でない価格だが、カッコつけたい人には是非ともお薦めしたい1台だ。
吉田「と、まぁこんな感じかな。おっと、もう午前1時過ぎか・・・」
そういうと、吉田はノートパソコンを閉じ、後部座席に置いた。
目を瞑り、深呼吸をした。目を開いたとき、彼は18年前の『黒影』としての吉田耕一となった。
吉田「これから先の戦いは、仲間の力が必要だ。今の首都高の走り屋が、どれだけ仲間と戦えるか・・・そいつを見せてもらうぜ。大原清・・・」
大嵐の中、吉田はクルマを発進させた。
《終わり》
18198