人見ています。 |
オリキャラ短編集
|
- TOP
- >
- オリキャラ短編集協会
- >
- オリキャラ短編集
- >
- 短命の詩 ~ポフィーネ・フランテア・クランツ3世&クレチアス・フレイラ・コモド~
もみみ(4年前)
バート・ラマー(5年前)
2199(6年前)
2199ノークラ(6年前)
クラットン2(6年前)
ココバンディクー(7年前)
水無月ニトロ(7年前)
RITAL(8年前)
イエクラ(8年前)
asRiche3j8bh(8年前)
テトラピアノ(8年前)
asRichp4zuit(8年前)
オリキャラ短編集協会(8年前)
asRichg3gtwn(8年前)
わいるどた~ぼ(8年前)
asRichajohom(8年前)
ショートケーキ(8年前)
asRichw7ffmu(8年前)
スティックス・ザ・バジャー(8年前)
asRichqi316v(8年前)
asRichct3qjk(8年前)
リボルバー(9年前)
ぽぴゅらあ(9年前)
りんごっち(9年前)
sasuke(10年前)
回転撃(10年前)
ルイカメ(10年前)
ヴァイオレット(10年前)
えぞももんが(/・ω・)/(10年前)
隼人 (10年前)
まんじねーしょん(10年前)
CURA(10年前)
ハートオブハート(11年前)
フレイム(11年前)
ゲーマー(11年前)
クラットン(11年前)
ひろき(11年前)
ひろき(11年前)
HIROKI(11年前)
GGGGGGGGG(11年前)
IA・N(11年前)
かめちき(11年前)
霧雨(11年前)
てんし(11年前)
昇太/神馬当瑠(12年前)
風のクロノア(12年前)
オリキャララジオ放送社(12年前)
ここなっつココ(12年前)
いお太(12年前)
テクノしん(12年前)
リレー小説委員会(12年前)
ここなっつ(12年前)
気まぐれCocoちゃん(12年前)
たクラッシュ(12年前)
ダークネス(12年前)
早川昇吾(12年前)
しんごwww(12年前)
サム(12年前)
クランチバンディクー(12年前)
闇っぽいけど闇じゃない。永遠の炎の神様メフィレス(12年前)
イエクラ.com(12年前)
イエクラ@山手(12年前)
回転撃(12年前)
短命の詩 ~ポフィーネ・フランテア・クランツ3世&クレチアス・フレイラ・コモド~
2012/07/28(土)20:14:41(12年前) 更新
ある少女は広い草原の中をさまよっていた。
その少女の体はひどく衰弱していて、歩くのがやっとだった。
彼女の名前はポフィーネ・フランテア・クランツ3世。
クラータ帝国という国の女帝だ。
クラータ帝国の『クラータ』とはポフィーネの祖母の名前だ。つまり、クラータは建国者かつ初代女帝だったというわけだ。
優秀でクラータ帝国を発展していくのに成功したが、病気のため25歳ぐらいの若さでこの世を去った。
また、クラータには4人の子供がいたが、そのうちの3人は10歳の誕生日を迎えることなく早世した。また、残った1人はその後、ポフィーネの母となった。
彼女は母であるクラータの後を継いだが、30代後半でこの世を去った。その時のポフィーネは10歳だった。
ポフィーネが女帝になった後、クラータ帝国はすさまじい勢いで栄えたが、何らかの理由で国と国民を失って彼女だけが取り残されてしまった。
その理由で、ポフィーネは広い草原の中をさまよっていた。
そんな彼女は今、15歳。国を失い、短命家系である彼女の将来は決して長くない。
建国を考えながらさまよっている途中、ポフィーネは倒れてしまった。
その時のポフィーネの顔は土色で、動くこともままならなかった。彼女の意識がどんどん遠のく。
これで私の15年の人生は終わった…。
建国しようとか…、民がどうしようか…、そんなのはもう、どうでもいい…。
終わる…、嗚呼、短い人生が終わる…!
やっと…天国で家族に会えるんだ…、私は幸せだな―…。
「うっ……!」
気がつくと、ポフィーネは病院にいた。彼女の体には手術した跡があった。
「……。(私、生きてたんだ…。)」
ポフィーネは少しほっとしたものの、体は衰弱したままだった。
そう、国と国民を失ってからポフィーネはある重い病気にかかってしまってたのだ。
その時、どこからか声がした。
「やあ。こんなところで会うなんて奇遇ですね、ポフィ殿。」
「あなたは…、クレチアス!…なんでこんなところに…?」
どこかの教皇であるクレチアス・フレイラ・コモドはポフィーネの隣のベッドの上で横たわっていた。さすがにポフィーネは驚いた。
「革命軍から命を狙われているんでね…、運悪く彼らの銃が僕の胸部に当たったのさ…。」
クレチアスは淡々と話す。それに対して、ポフィーネは顔を青ざめた。
「…大丈夫なんですか?」
「大丈夫に決まってんだろ!…じゃなかったら、僕はこの世にいないんだぜ?!」
クレチアスはかっこつけて、威張ってみた。これ以上、ポフィーネに心配をかけたくないからだろう。
ポフィーネはもう1つ、気になっているものがあった。クレチアスのベッドの近くにある机の上にあるロケットだ。
ロケットはオープンとなっており、そこにはクレチアスともう1人のコモドドラゴンの少女が笑顔で写ってある写真があった。
「この子は…?」
ポフィーネの質問にクレチアスは暗い表情を見せた。
「うっ…、ああ…!」
クレチアスは突然、涙を流した。
「!!…すみません、まさか、こんなにつらいこととは思いもしませんでした…!」
それを見て、ポフィーネは慌てた。
「…別に気にすることはありませんが…。」
少し落ち着くとクレチアスは話し始めた。
「その子の名前はエリナ。僕の義理の妹だ。一途な性格なところが大好きだったけど、ある日事故に巻き込まれて死んでしまったんだ…。…だからさ、一目見て僕はポフィ殿のことが好きになってしまったのさ…。妹に似てるから。」
「―…っ!!」
ポフィーネは赤くなった。
「いきなりこくはっ…うっ!!」
「あっ…、話が長くなっちまった…!すまない…!!」
「あっ、ありがとう…。」
つらそうな顔をしながらポフィーネは荒く呼吸をした。しかし、ポフィーネはうれしかった。
それから1週間後―…
今日はポフィーネの誕生日だ。だからと言って、病院から出られるかと言えばそうではなかったが…。
「…今日はそういえば、私の誕生日だったんだわ…。」
ポフィーネは窓から空を見ながらため息をついた。
ポフィーネの体調は今日も優れなかった。とは言えど、倒れてすぐの頃よりかはマシなのだが…。
「ぐっ!!げほっ!!がはっ!!!」
ポフィーネは喀血した。それと同時に鼻血も大量に出てしまった。
「ひっ…!」
人がいないのを確認した後、急いでハンカチで手などを拭いた。
しばらくも経たないうちにクレチアスがポフィーネがいる病室に入ってきた。
「誰かと思ったら…、クレア!!」
ポフィーネは一瞬、バランスを崩した。そこからクレチアスはポフィーネを支えた。
「大丈夫ですか…?」
「…。」
ポフィーネは少し意識を取り戻した。
「頼むから…、僕からのプレゼントを見るまで生きてくれ…!」
クレチアスは涙声で訴えた。ポフィーネが死ぬことがよっぽど悲しいだろう。
「プレゼ…ント…?」
ポフィーネは少し体を起こした。
「空を見てごらん…。」
「空…?」
すると、空から1羽の鳥が飛んできた。
「何?!」
「隼です…。クラータ帝国のシンボルだと聞きまして。」
「てか、助けて!!こちらに迫ってきます!!…!!きゃあああ!!」
襲われるかと思ったら、隼は意外とポフィーネになついていた。それに対してポフィーネはより驚きの表情を見せていた。
「かわいいでしょう?」
「えっ、ええ…。でも…、何で?」
「実は、この子はあなたが助けた隼の元雛なんです…。」
とは言えど、会ってからそんなに間が無いと言うのにこんなになついているのは不思議だ。これは、何かしらの運命なんだろうか―…。
「名前はあなたが決めてください。」
「もう決まってます、この子はアルム。…アルムは今は亡き私の母の名前なんです…。」
それを聞いて、クレチアスは少し感心しているかのようだった。
「アルムか…、いい名前ですね…。」
「ありがとうございます…。」
ポフィーネは心からうれしそうな顔をした。
それから3週間後、ポフィーネとクレチアスは退院した。そして、それぞれ違う道を歩んだ。
私は母とおばあちゃんのために―…
僕は(義理の)妹のために―…
明日を生きる!!
これから、この2人は短い人生を歩んでいく。
互いに―…
ありがとう……。
また、会う日まで……。
おしまい
18194