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手錠の貴公子と音楽少年 ~マカロン&リンネ~
2012/08/27(月)15:54:58(12年前) 更新
また…、人を殺した…。
これで何人目だろうか…?
大雨の中、手錠を持った1人の少年は亡骸の前で呆然と立ち尽くしていた。
死体は頭を取られて、上半身と下半身の間が切断されて無残な姿になっていた。
リンネ…。
僕の可愛いいとこよ…、どこへ行ったんだ…?
彼は…、10年前に会ったきりのいとこよ…、どこへ…?
少年はしばらくさまよった後、ばったりと倒れてしまった。
「…そうだった…。僕は1週間の間、ほとんど何も口にしていなかったんだ…。」
悔し涙を流しながら少年は意識を失った。
僕は幼い頃、戦争で両親を失った…。
その後、僕の両親を殺した組織に捕らわれて、売られる身になってしまった。
手錠をつけられ、鞭で打たれる毎日―…。
捕らわれてから10日後、手錠が外れた。つまり、僕は誰かに買われたのだ。
そうなってからすぐに僕は手錠を持って、人売り場にいる人たちを皆殺しにした。
その後、行き場がなくさまよっているとポフィーネに出会い、お供として働くことになった。しかし、幸せは長く続かず、国は滅んでしまった。
そして、今に至る―…。
『マ…、チス…!マチス…!お願い、死なないで…!』
その涙声が希望になることを彼は知らなかった―…。
「つっ……!!」
気がつくとここは病院だった。彼の近くには大きな猫耳を持った少年、リンネがいた。
「リンネか…!」
「マチス…!」
リンネはうれし涙を流しながらマチスを抱きしめた。
そう、僕はマチス・カルタッド・ロングゲート。みんなからマカロンと呼ばれている。
僕のことをマチスと呼ぶのはいとこであるリンネ・アグリッパ・ツィンズチェリーだけだ。
マカロンは少し赤面しながらリンネに聞いてみた。
「つっ…!!///リンネ…、今日はどうして…?///」
「マチスが倒れていたのを見たと聞いて、心配して病院に来たんだよ…。」
「っつ…。強いと言われていた僕が…?」
「死んじゃうよりマシじゃないか…!」
マカロンの言葉にリンネは即答した。
「ちょっ…!苦しいって!!」
それから1週間も経たないうちにマカロンは退院した。
そこから、「どこへ行きたい?」という話題に発展した。
「リンネと一緒にどこへって…、言われても…。////」
マカロンは戸惑っていた。それを見てリンネは苦笑いをした。
「友達と一緒にデートする感覚でいいよ…。」
「デートだなんて、したことない…。」
マカロンは戸惑っていた。リンネはその様子に戸惑っている。
「ごめん、僕が悪かったよ…。」
何なんだ?…この今までにない感覚…!?
まるで、将来妻になる予定の娘に会えたみたいな感覚だ…。
―…これは、『恋』っていうものか…?!
「まず、どこへ行きたい?」
「腹減ったし…、まずレストランですね…。」
マカロンにしてはめずらしい答えだ。というのは、彼は自分で「空腹だ」とは言わないからだ。
「確かにそうだね、まずあそこに行こうか…。」
リンネとマカロンはファミレスのようなレストランに入った。
入るとすぐに、リンネとマカロンは他の客から見られた。
軍服らしいのを着た、猫耳の小柄な少年と長身で絶世の美男子のコンビが目立たないわけがなかった。
「あっ……///」
マカロンは顔から火が出る思いをした。
「大丈夫だって…。」
とは言えど、リンネも恐ろしい思いをしていた。
そう思いながら、2人は席についてメニューを見ることにした。その席の隣にたまたまクレアのこと、クレチアス・フレイラ・コモドがいた。
「クレア!!!」
2人はあまりにも偶然に声をそろえた。
「お久しぶりです、マカロンさんにリンネ君。2人そろってこのようにご覧になるのは生まれて初めてです。」
クレアの言葉に2人は戸惑っている。
「リンネ、注文は決まった?」
「うん…。まあ、僕はハンバーグにするよ。」
「それならば…、僕は…。」
そのようにして注文を決めている中、クレアは口を挟んだ。
「それにしても、あまりお金がなさそうだから…、2人で1人前のハンバーグと1杯のジュースを飲んでみたらいかがですか?」
このような爆弾発言に2人はさらに困惑した。
「…。(なんで金がないことを知ってるんだろう…。)」
「…。(クレアって、別の意味で怖いな…。)」
2人が注文してしばらくすると、1人前のハンバーグと1杯のジュースが2人の前に来た。
「どうしたらいいんだろう…。」
「まず、2分の1にしたらいいかも…。」
「ジュースはどうやって?」
「あ…。」
リンネはマカロンの質問に絶句した。マカロンは仕方なく、2本のストローをジュースにさした。
「なんだこれ、恥ずかしい…。」
「気にすることはありません。いとこ同士の絆を再建するチャンスではありませんか…。」
マカロンのささやきに対して、クレアは淡々と話した。
「もっとやだ…。(頼むから、黙っといてくれ!)」
「クレアさん。お願いだから僕達をそっとしてくれませんか?」
「リンネ君がおっしゃるなら仕方ないです。」
クレアはスパゲッティを食べることを再開した。
リンネとマカロンは2人で1杯のジュースを飲み始めた。
「…。(変な光景だな…。)」
リンネとマカロンは食事を済ませた後、デパートに行こうとした。
その時、リンネは何者かにさらわれてしまった。
「!!!」
「こんなところに行くの、生まれて初めてだな…。」
デパートの中を眺めながらマカロンはつぶやいた。
「リンネ、どこへ行きたいか?…リンネ?」
マカロンはリンネがいないことに気づいた。
「どこへ行ったんだ?リンネ!リンネ!!」
連呼しているうちにマカロンは青ざめていった。
「…まさか…?!」
「だから、僕はお金なんてないって!!」
その頃のリンネは10人の男に追い詰められていた。リンネの後ろは壁だ。
「無いって?!」
リーダーがそういうと他の9人の男は笑い出した。その後すぐにリンネは他の男に蹴られた。
「いたっ!!」
「ちびのくせに生意気だぞ!」
「弱虫は黙っときな!」
「ちびで弱虫でどこがいけないんだー!?」
リンネは泣きながらリーダーと思われる男にパンチを繰り出したが、あまり効いてるようではなかった。
「遊んでるつもりか?」
その男はリンネを蹴飛ばした。リンネは壁に叩きつけられて気を失いそうになった。
「うっ…、助けて…。」
そうつぶやいたとたん、男達の悲鳴が次々と上がった。
「何をする!ぎゃああああああ!!!」
「あああああああ!!!」
「えっ…?」
リンネは血のしぶきを上げながら男達が次々と倒れていく場面を見た。
「リンネ…、遅くなってごめん…!」
透き通った男性の声でリンネは反応した。
「マチス!!」
リンネはうれしそうな顔をした。
「おっと、リンネは引っ込んどいてくれ。こいつは僕が仕留めるから…。」
そういった後、マカロンは残ったリーダーと思われる男を見つめた。男は恐怖のあまり声が出なくなっている。
「そこの君、どこを切断したいかという注文は聞きますけど、どうします?」
その後、マカロンは血のついた手錠を男に見せた。男はマカロンの質問を全部聞く前に逃げていった。
「逃げられないよ?」
マカロンが手錠を構えたのを見たリンネは彼を止めようとした。
「もうやめよう…。マチスが強いのはよく分かったし、もう勝負はついたからさ。」
「…リンネがそう言うなら仕方が無いな…。」
そうささやきながら、マカロンは手錠をしまった。
「そして、僕を助けに来てくれてありがとう…。」
「リンネが無事でよかったよ…。」
そう言いながらリンネとマカロンは互いにキスしあった。
その翌日―…
「マチスはどうする?」
「僕は他に行くところが無いんだし…。リンネは?」
「僕は研究所に戻るんだ?」
「えっ?!教会に住んでたんじゃなかったのか?」
「前は教会に住んでたけど、今は研究所に住んでるんだ。あそこにはすごい科学者がいるんだよ。マチスも来る?」
「えっ?いいのか…?!言っとくけど、僕はあの人にとっては全く知らない人なんですよ?!」
突然の展開にマチスは困惑している。
「そこは分かってるよ。だから、僕がその人に事情を話すから。」
リンネはあっさりと返した。
「…。リンネ…。」
向こう見ずな言葉を聞いて、マカロンは少し笑った。
「だから、行こう!」
「なっ?!」
リンネはマカロンの腕を引っ張って、研究所へ向かった。
その時のマカロンは少し戸惑いながらも笑っていた。
マカロンはこの時、初めて幸せを手にした。
最強の手錠の貴公子、猫耳の天才作曲家、共に歩んでいく―…。
これからずっと一緒だよ、リンネ…。
…だから、もう互いに……1人じゃない!!
最初から最後までいてほしい―…。
それが僕の願いでもあり、リンネの願いでもある―…。
おしまい
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