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おおかみおとこの最重要指名手配(モスト・ウォンテッド) ~ザナヴィ・ゼクセル~
2012/08/23(木)17:31:41(12年前) 更新
???「よし、そのままベルトで固定だ。」
いかにも悪そうな男のその声で、俺は目が覚めた。どうやら俺は何者かに捕まってしまったらしい。
動こうと思ったが、なにやら俺の体は固定されているらしく、身動きが取れない。
それに、動くたびに体の色々な所が痛む。
俺(抵抗はムダか・・・こいつはもうどうしようもないかな・・・)
俺は大人しく抵抗をやめた。そしてあきらめた様に目を閉じた。
???「コルテックス様、『エヴォルヴォレイ』の準備が整いました。」
コルテックス「うむ、作業を始めよう。」
ガコン、と、機械の音が響き、俺は狭い空間に閉じ込められた。
そして、目を瞑っても分かるくらいに明るい光が当てられ、俺の意識は遠のいていった。
コルテックス「狼か。なかなか期待できそうだぞ。」
――――どこかの雪国――――
俺「おらぁ!!」
ターゲット「うわぉ!」
俺は今戦っている。2本の足で走り回り、2本の腕で人間の使う武器を使って。
ターゲット「そ、そんな長い刀、反則じゃないか!?」
俺「ルールもレギュレーションも無いだろう。行くぜ!」
あのコルテックスとかいう親父にもらった刀を勝手に改造して作った、俺のオリジナルの刀。
そいつを使って、指定されたターゲット【クラッシュ・バンディクー】を倒すのが、今回の俺の任務だ。
クラッシュ「くそー、こうなったら本気を出してやる!」
俺「ほう、お前の力、見せてみろ!」
物干竿のように長い刀で連続でヤツに斬りかかるが、どういうわけか全てかわされてしまう。
俺「なるほど、見かけで判断して、少し侮っていたようだ。」
刀を構えなおしたとき、突然吹雪があたりを襲った。
何の前触れも無く天候が変わり、二人は戸惑った。
吹雪は思ったよりも強く、一寸先は闇、というか真っ白だ。
クラッシュ「そこだ!」
俺「何ッ!!」
俺の真後ろからターゲットが現れた。
この絶望的な視界の中で、一体どうやって俺の居場所が分かったんだ!?
クラッシュ「スピンアタック!!」
俺「くそぉぉぉ!!」
背中に激痛を感じ、降り積もる雪の中に俺は倒れた。
一寸先は真っ白とか、下らないギャグ考えてるんじゃなかった。
クラッシュ「何度も世界を救ってきたオイラをなめるなよ!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、目が覚めたみたいですよ。」
いかにも優しそうな女性のその声で、俺は目が覚めた。
ここはどこかの民家だろうか。ゆっくりと体を起こすと、そばには着物の女性と白衣の医者がいた。
医者「僕は、医師の島陸です。偶然通りがかったそちらの女性が、倒れているあなたを見つけたようです。後で、お礼を言っておいてくださいね。」
そうか、俺は吹雪の中でアイツにやられて・・・
そうだ!!あいつを倒さなくては!!
島「まだ動かないで。2,3日ほど休めば全快だ。それまで休んでいたほうが良い。」
俺「だけど、俺にはやるべきことが・・・」
島「だめです。傷自体はそれほど重くないが、しっかりと治さないと重傷に発展する恐れがある。だから休んでいるんだ。」
インテリ風な医者に言われ、俺は仕方なく休むことにした。
あがいても仕方ないし、今から帰ってもあのオヤジに怒られるだけだ。
島「2,3日、彼女の家でゆっくりしていくんだ。それじゃ、僕は村の宿のほうに戻るよ。容態が急変したりしたら、すぐに知らせてくれ。」
女性「はい。」
島は民家から出て、民宿へと向かっていった。
女性「あの、急いでいるのかもしれないですけど、あせらないで。この家でゆっくりしていってください。あ、私、雫石こまちです。」
俺「ありはとう。俺は、ザナヴィ・ゼクセルだ。」
彼女は優しく微笑み、俺もなんとなく笑った。
翌朝――――
歌が聞こえる・・・
ザナヴィ「あの子が歌ってるのか・・・?」
この民家の2階から聞こえてくる。
繊細で響きのある歌声だ。俺は自然と2階へと引き寄せられるように上がっていった。
声の元に近づくにつれて、歌ははっきりと聞こえてくる。
ザナヴィ(巧い・・・技術じゃないんだ・・・曲そのものが持つやさしさが、こっちの心に響いてくる。)
俺は思わず駆け足になり、声のする部屋へ走り気づけば扉を開けていた。
雫石「あ、どうなさったんですか?」
ザナヴィ「あ、声がしたから、何かなって思って。」
雫石「今度の村のお祭りで歌う歌を練習していたんです。」
ザナヴィ「へぇ~、てか、真冬なのに真夏の歌を歌うの?」
雫石「この村、一年中雪が降り止まないんです。村の人たちが歌う歌は自然と冬の歌が多くなってしまって。だから、私がみんなの知らない歌を歌って、みんなの心の中にいろんな景色を見てほしいなって思って。」
俺は彼女の意外な面を見た。
彼女は村のために歌っているのだ。なんと献身的なことか。
一年中雪景色のこの村に、向日葵を咲かせるために。
向日葵もうつむく事があることを知らせるために。
冬のように寒い時代でも、みんなの気持ちが未来も運命(さだめ)も変えていくことができると伝えるために。
ザナヴィ「ふーん、すげぇな。なぁ、そのお祭りっていつなんだ?」
雫石「来週なんです。もう、この村にはいらっしゃらないですよね。」
ザナヴィ「そうだな。じゃぁさ、俺の変わりにこの歌をそのお祭りで歌ってくれよ。」
雫石「えっ?」
ザナヴィ「いいから聴けって。あ、ギターってある?」
雫石「昔使っていたのなら、あります。」
雫石は少し戸惑いながら物置から古びたギターを取り出した。
ザナヴィ「サンキュー。(クラシックギターか。大丈夫かな。)」
俺は一通り音階を引いてみた。大丈夫。俺の腕があればいける。
ギターをかき鳴らして歌った。
争いの消えない、クソッタレの世界のために
バラバラのパズルを強引にひとつにまとめて、世界中の人々が笑って暮らせるように。
この歌を歌っているときはいつだって、俺のことを思い出してほしい。
願いをこめて、俺は歌った。
二日目――――
俺は医者の島に呼び出されて、彼の止まっている宿の駐車場に来ていた。
ザナヴィ「お医者さん、話って何だい?」
島「君が倒れていた場所に日本刀が落ちていたんだ。」
ザナヴィ「あ、それ、俺のです。」
島「それから、もうひとつ、興味深いものが落ちていたよ。」
そう言って島は白衣のポケットから、俺がコルテックスに与えられた携帯を取り出した。
島「失礼を承知で一つ聞こう。君はネオ・コルテックスの勢力の一員かい?」
調べられたのか、あの携帯を・・・
確たる証拠を突きつけられている。下手な言い訳で逃れられそうに無い。
それにしても、この男は何故コルテックスのことを知っているのか。
ザナヴィ「そうだ。俺はコルテックスの野郎の部下だ。だったら何だい?俺を警察に突き出そうってのかい?」
島「まさか。君は今は患者だ。患者を相手にそんな事はしないよ。僕はただ、君に忠告を言おうと思ったんだ。あの男についていくのは止めたほうが良い。」
ザナヴィ「どういう事だ。」
島「そのままの意味だよ。彼についていったところで、君にはメリットは少ないだろうし、今回もあの男は何か企てているようだけど、それもおそらく失敗するだろうね。」
メリットが少ない?作戦は失敗する?
何が何だかよく分からないが、妙に自信を持って言っている。
メリットが少ないというのは何となく分かる。
俺はまだ新入りで地位もそれほど高くない。
作戦を一つ成功させたくらいで、入ってくる報酬は「まぁ、不満ではないな」くらいのレベルだ。
だが、作戦が失敗するというのは何故だ?
今迄で最強の布陣のはずだ。新たな動物兵、コルテックスの学生時代の知り合いたち、ピンストライプやディンゴの親父さんも、今回の作戦に参加すると聞いた。
それに、俺はこの作戦を通して成し遂げたいことがある。
ザナヴィ「悪ぃけど、あんたに言われても、俺は止めるつもりは無いね。」
島「何故だい?」
ザナヴィ「俺にはやるべきことがある。誰に何と言われようと、俺の思いは止められない。」
島「そうか。それ相応の理由や目的があるんだね。」
そういうと、携帯を俺に返してきた。
一瞬戸惑ったが、とりあえず怪しい所が無いかだけ軽く調べてからポケットにしまうことにした。
そして、宿の壁に立てかけてあった日本刀も返してくれた。
島「わざわざ話までしてくれてありがとう。今日までゆっくり休んで、明日の正午くらいには治るだろう。お大事にね。」
ザナヴィ「あぁ・・・」
結局何がしたいんだか分からなかったが、どうやら後々立ちふさがる敵になると俺は思った。
3日目――――
俺は荷物をまとめて任務に戻る支度をした。
3mの日本刀を持ったときに、俺はあの島という医者と戦うことに決めた。
雫石「あ、もう行かれるんですか?」
ザナヴィ「あぁ。俺にはやるべきことがあるからな。」
雫石「そうですか。お気をつけて行って下さいね。」
ザナヴィ「ありがとう。じゃぁな。」
俺は彼女の家を後にした。そして、島の泊まっている宿に向かった。
宿に来ると、島は丁度俺の具合を見ようとしていた時らしく、宿の入り口で会うことができた。
島「どうしたんだい。正午に見に行くまであまり動かない方が良いと思うけど。」
ザナヴィ「長いこと体動かしてないんだ。リハビリがてら・・・」
俺は持っていた日本刀を前に突き出して言った。
ザナヴィ「俺と戦おうじゃないか。」
島は一瞬驚きを見せたが、すぐに冷静さを取り戻し、白衣の内側から二刀流の剣を見せた。
島「良いだろう。君がどちらにつくべきなのかをここで教えてあげよう。」
――――村のはずれ――――
いちめんのゆき
いちめんのゆき
いちめんのゆき
いちめんのゆき
・
・
・
って言うくらい真っ白でだだっ広い場所に来た。
ここなら誰にも迷惑をかけずに、純粋にタイマンのバトルができる。
島は白衣を脱ぎながら言った。
島「勝負は3分間だ。それ以上は君と戦わないよ。リハビリだから、いきなり全力で対決する訳にはいかない。少しずつ感覚を取り戻しながら戦うんだ。」
ザナヴィ「まだ医者面しようってのかい?」
島「患者のリハビリに付き合っているだけさ。」
ザナヴィ「ナメるなよ。」
俺は地面を踏み込み、瞬間移動バリの高速居合斬りを繰り出した。
島は腰につけた鞘から二刀流の剣を抜き、俺の刀を弾いた。
ザナヴィ「へぇ、意外と素早いんだな。インテリって面してるから戦いはからっきしかと思ったんだがな。」
島「そっちこそ、本当に凄い刀だね。まるで佐々木小次郎だ。」
ザナヴィ「じゃぁ、二刀流のアンタは宮本武蔵に当たるわけかい。」
島「最初はあまり気が向かない戦いだったが、やってみればなかなか面白いね。現代版・巌流島の決闘みたいで。」
島は素早くガードの体制から攻撃態勢に入った。
2本の剣を交互に振り、若干大振りな動きながら、二刀流を活かした隙の少ない攻撃を仕掛けてくる。
俺は3mの日本刀でどうにか防ぐ。
そして一瞬の隙を突いて、俺は日本刀で剣を弾き、その間に間合いを少し取った。
ザナヴィ「隙の無い攻撃ならこっちも負けてないぜ。」
リーチを活かして中距離から攻撃した。
日ごろから訓練で鍛えていたので、腕力を活かして刀をぶん回す。
だが、やはり2本の剣で巧みに受け流されてしまう。
島「そろそろ本気を出した方が良いんじゃないかな。君は何か力を隠しているというのは分かっているよ。」
ザナヴィ「やっぱ気づいてたか。医者ならそりゃぁ、俺の体が普通と違うって分かるよな。」
島「君の血液中に人間の成分と違うものが混入していた。あれは何か別の動物のものじゃないかな。」
ザナヴィ「大正解。だけど、別に好きで隠しているわけじゃないぜ。発動条件ってのがあるんだ。」
島「そうか。なら良いんだ。決闘を続けよう。」
島は両腕を広げ、島自身を軸に剣をプロペラのように回転させて突撃してきた。
俺は刀では防ぎながらバックステップで間合いを維持した。
島の回転攻撃が終わると同時に、俺は再び高速居合斬りで突っ込むと同時に、勢いを利用して背後を取る。
居合斬りの方はガードされたが、背後からのバックアタックは島も予想外だったようで、斬撃が彼の左腕をかすめた。
島「やるね。感覚戻ってきたみたいだね。」
ザナヴィ「それもあるが、やっぱアレだな。『動物としての闘争本能』ってヤツかな。」
島「君が何の動物と合成されたのか、興味が沸いてきたよ。」
ザナヴィ「ま、そいつはまた今度って事で。」
俺は本能のままに刀を振り回した。
斬撃が次第に島を圧倒するようになり、状況は一方的になりつつあった。
そして、島の剣のうち一本を弾き飛ばし、それは何mか吹っ飛んだ後、降り積もる雪に刺さった。
島「どうやら発動条件ってやつを満たしてしまったみたいだね。」
ザナヴィ「えっ・・・!?」
俺は自分の腕を見た。さっきまでよりも2倍近い太さで、銀色の体毛が生えている。
狼の姿だ。でも何故・・・
島「日食か。太陽の光が遮られ、月が一時的に世界を支配する。」
ザナヴィ「マジかよ。これは俺も知らなかった。ま、今は好都合なハプニングだがな。」
狼の姿になり、身体能力が人間のときよりも格段に上がった。
今の状態ならパワーで圧倒するのは容易い。簡単にガードを崩すことができる。
島「仕方ない。僕もそろそろ本気を出そう。」
島は雪に刺さったもう一方の剣を拾い、柄をいじり始めた。
すると剣が変形し、刀身が縦にスライドするように開き、中から銃口が現れた。
島「『ガンブレード』。刀身の中に銃を搭載することで、近距離戦と遠距離戦の両方に通用するように改造した剣だ。」
ザナヴィ「すげぇな。自分で改造したのか?」
島「『地獄の武器職人』と呼ばれる人に依頼したんだ。依頼料は新車のクラウン一台分くらいかな。」
ザナヴィ「ったく、医者にもなると資金力も桁違いだな。」
筋力に任せた連続斬りで島の攻撃を潰そうとするが、島は片方のガンブレードで受け流しながら、もう片方のガンブレードを構えた。
銃口が火を噴く。
俺は刀で銃弾を叩き斬ったが、ガンブレードが連射できることを知らずに油断してしまい、銃弾が頬をかすめ、左肩に一発受けた。
ザナヴィ「ッ!・・・連射できるのかよッ!」
だが、今見た感じだと連射の速度はそれほど速くない。隙を見極めて銃を破壊すれば・・・
俺は刀を構えなおし、反撃のチャンスをうかがう。
島は今度は2本のガンブレードで銃撃してきた。俺は全力で走り銃撃をかわした。
島「あと20秒で終わりだ。そろそろ決着をつけよう。」
ザナヴィ「そうだな。」
俺は狼の脚力を活かして高くジャンプし、刀を大きく後ろへ構えた。
この一撃で、俺の信じてきたものが、俺の願いが、正しいものだと証明するッ!
落下の勢いを利用して刀を振った。
バーサーク・イェーガー――――
俺が敵を仕留める時の大技だ。
島はそれを紙一重でかわし、2本の剣を振りかぶった。
殺陣(デュエル・バウト)――――
二人が至近距離で剣で斬りかかる。
そして地面に積もっている雪が舞い上がる。
お互いに背を向け合い、刀で斬りつけた後の状態から動かない。
空気が張り詰める――――
凍りついた時間を最初に砕いたのは、ザナヴィの倒れる音だった。
斬撃を足に受け、バランスを崩してしまった。
ザナヴィ「ちっ・・・」
島「3分だ。君の身の程がよく分かっただろう。まぁ、リハビリにしてはよくやったと思うよ。」
島はガンブレードを鞘に収め、白衣を着てから鞄を持ってザナヴィに近づいた。
この戦いで受けた傷を応急処置するようだ。
ザナヴィ「この位の傷、何とも無いさ。ほら、ちゃんと立てる。」
俺はよろめきながら冷たい雪の上に立った。
日食が終わり、次第に人間の姿に戻っていった。
島「すぐに治した方が良いよ。いつ敵に襲われるか・・・」
島は白衣のままガンブレードを抜き2本を連結させると、ライフルを持つように構えて山に向かって引き金を引いた。
島「ッ・・・分からないからね。」
ザナヴィ「あれは・・・ピンストライプ・・・?」
目だけはまだ狼だったので、ライフル銃と赤いスーツの鼬の男が遠くに見えた。
島が銃撃を入れてからは、ピンストライプは退避したようだ。
島「まずいね。敵に居場所が割れてしまったようだ。」
島は独り言ではなく、しっかりと俺の目を見ていった。
ザナヴィ「あんたが3日間も同じ場所に留めたからだろ。でも、敵を撃つならなんで俺が近くにいる状況で・・・?」
島「君を巻き込んでも良くなった・・・といったところかな?」
ザナヴィ「それって・・・つまり、俺はもうコルテックスの勢力ではないと言うことか?」
島「だから君に向かって『まずいね』と言ったんだ。君の携帯から情報を盗んだのがいけなかったかな。」
ザナヴィ「じゃぁ、あんたのせいじゃないか!!」
島「そう。だから、しっかりと責任は取るつもりだよ。ちなみに、今、自分の足で走れるかい?」
ザナヴィ「当たり前だ。」
そう言うと、島は村のほうに駆け足で戻っていった。
俺も刀を担ぎながらついて行った。
後に詳しく調べてみれば、俺は情報流出の疑いでコルテックスから最重要指名手配(モスト・ウォンテッド)に登録されたそうだ。
てか、警察じゃないのに指名手配って・・・
終わり
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