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男を装った公家少女 ~明日葉珠良~
2012/10/10(水)22:59:56(12年前) 更新
明日葉家―…
それは、平安時代の公家の末裔となる一族の1つ―…。
そこに1人の子がいた。
その公家はある日、笛を吹きながら階段を下りていった。その前で3人の男が隠れていた。
「おいおい…。公家が1人で歩いているぜ?」
「部下なしでか?!それはすごいチャンスじゃねぇか、金がいっぱいありそうだし。」
「のん気に笛を吹いてるしやるか?」
そう言った後、3人の男はその公家に襲い掛かってきた。
しかし、その公家は冷静に笛を吹くのを止め、尺を日本刀に、笛を諸刃の剣に変えた。
ドカァァァァァ!!!
「そなたら…、相手を間違えたようでござるな…。」
その公家は3人の遺体を冷たい目で見下ろしていた。
その時、別の方向から声が聞こえてきた。
「お前、かっこいいじゃねぇか!!」
「?!」
その公家は再び日本刀と諸刃の剣を構えた。
「そなたは何者でござるか?」
「オイラはクラッシュ・バンディクー。別にお前を襲わないから心配するなよ…。」
クラッシュはその公家の前にいた。もちろんその隣にココ、クランチもいた。
「クラッシュ…?」
「それにしても、お前は誰なんだ?見かけない格好をしているけど…?」
「いきなりなんでござるか?…まろは明日葉珠良…。この格好通り、公家さ…。」
「何かと思ったら、貴族か…。俺はクランチ。」
「私はココ。クラッシュの妹なの。」
珠良は2つの剣をしまった。その後、階段から降りると、急にふらついて座り込んだ。
「おい、大丈夫か?」
「あはは…。まろは少し疲れたでござるよ…。」
少し疲れたと言ってる割にはかなり顔色が悪かった。
クランチは珠良の額をそっと触れてみた。
「いきなりどうしたんだ、クランチ?!」
クラッシュはそれを見てぎょっとした。
「…こいつ、すごい熱だぞ…!」
「えっ?!ここは確か、周りに病院が無いんじゃ…?!」
「まず、その子の家はどこか聞いてみたほうが…。」
その時、何人かの家来がクラッシュ達のほうに走ってきた。
「珠良様がいたぞ!」
「見かけない奴ら…。まさか、珠良様を誘拐するつもりか?!」
それを聞いて、クラッシュ達はドキッとした。
「違う!!おいら達はこの子を家まで送ろうとしただけだ。でも、この子の家がどこだか分からなくて…。」
「えっ?!…どういうことか?」
「…あなた達、その子の家来ですよね?その子の家まで案内してくれませんか?」
家来達はその事情を聞いた後、珠良まで案内することにした。
……
まろは女であるが、男として育てられた。
父上は政治家である剣豪。母上は学者。そして、兄がいた。
しかし、まろの兄は生まれる前に幼くして病没し、母上はまろが生まれてすぐに強盗に襲われ、命を落とした。
…それからだった…。
3年前、珠良はポフィーネが治めるクラータ帝国まで旅をした。
「痛い!!」
入国してからしばらくもしないうちに珠良は誰かとぶつかってしまった。その後、慌てて転がってしまったりんごを拾った。
「あっ、申し訳がありません。大丈夫でござるか?」
「大丈夫…。」
「りんごが転がったでござるよ。」
「ありがとうございます…。」
珠良は1つのりんごを1人の少女に返した。そして、その少女はさらに聞いてきた。
「あの…、私、友達がいなくて…。よかったら…。」
「友達ですか…、それなら、よろこんで。」
「私、ポフィーネ・フランテア・クランツ3世。この国の女帝です…。ポフィと呼んでくだされば…。」
「女帝ですか…、こりゃたまげた。まろは明日葉珠良。日本から来たでござる。」
それからポフィと仲良くなった。男として装いながらも。
そして、別の日。ポフィーネは3人の男子を呼び出した。1人目は軍服を着た若い男子で、2人目は鳥を連れた若い男子で、3人目は軍服を着た可愛らしい猫耳少年だった。
「…君がポフィ様の友達なんですね。始めまして、僕はマカロン。ポフィのお供さ。ちなみにあちらがモーリス、こっちはいとこのリンネ。」
「始めまして。」
「珠さん、始めまして。」
マカロン、モーリス、リンネの順に自己紹介をした。
「始めまして…。」
珠良はぎこちなく挨拶をした。
「普通に挨拶していいんだよ。逃げたりしないからさ。」
ポフィーネがそう言うと、珠良は自信を持ったのか、前よりも大きめな声で言った。
「まろは明日葉珠良でござる!日本から参りました!」
「よろしく…。」
マカロンは優しげに微笑んだ。その時の彼は本来からのかっこよさが惜しみなく出ていて、それを見た女子は一瞬で惚れてしまうだろう。
しかし、珠良はマカロンではなく、近くにいるモーリスに惚れていた。
「…?どうした?!」
モーリスは珠良が近づいていくのを見てぎょっとした。
「…あの…、モーリスさんでござるな…?」
「そうだけど…。」
「まろと仲良くしてくださいませ…?」
惚れている珠良を見たモーリスはぞっとした。モーリスから見たら、珠良は完全な男なのだ。
「モーリス?」
マカロンは尋ねた。
「…頼むから来ないでくれるかな…?」
「何でござるか?」
モーリスが引いていくのを見た珠良は不思議に思った。
珠良は女であるが、珠良本人は『自分は女である』ことがこの時、言えなかった。
「…一緒に散歩しない、珠良さん。」
「えっ?!」
ポフィーネが言うと、珠良は驚いた。
「ポフィ様、僕らがお供します。」
モーリスはまるでポフィーネの家来の1人のように挨拶をした。
「はいはい…。」
ポフィーネは微笑みながらモーリスを見ていた。
珠良はポフィーネ達と一緒に街の中を散歩した。
女帝に公家、軍服を着た絶世の美男子、猫耳少年、鳥を連れたイケメン青年…。さすがにこの集団は目立つ…。
「…こういうの、初めてでござる…。」
街の人に見られていると分かった珠良はわずかながら恐怖を感じた。
「怖がることないよ。みんな優しいから…。」
ポフィーネは冷静に説得した。
「だといいでござるが…。」
珠良はポフィーネの言葉に苦笑いをした。
その時、街の人たちの叫び声が聞こえた。叫び声によると強盗集団が来たようだ。
「金になるものはないか?」
「何もございません…。」
強盗の言葉に街の男性は震えながら答えた。
「無いだと~?!やっちまえ!!」
「はっ!!」
強盗のリーダーが言うと、その部下達は震えている男性の首を斧で刈ろうとした。
「お待ちなさい!!誰かと思ったらあなた達なのね?!」
ポフィーネは強盗集団をにらみつけながら言った。
「何だと、小娘が…!」
「女帝陛下に対して無礼を働くとは何事だ!」
「くそガキがー!!」
強盗は斧でモーリスの首を切り落とそうとした。
「モーリス!!」
ポフィーネが泣き叫んでいたその時、珠良は日本刀で斧を押さえた。
「珠良!!」
ポフィーネとモーリスは言った。
珠良はそして、日本刀で強盗を1人払い飛ばした。
「まろの友達に手を出すなでござる…。」
強盗をにらみつけながら、珠良は言った。その目にはかなりの迫力がある。
「ぐっ…。」
「だったら、その猫耳のガキだけでも…!」
別の強盗がリンネを剣を持って襲い掛かってきた。リンネの前でマカロンが手錠で押さえつける。
「君…、僕の可愛いいとこをいじめたらどうなるか…、分かってるよね…?」
「ひっ!!」
強盗は恐怖のあまり、悲鳴を上げそうになった。マカロンは手錠でその強盗を捕らえた。
「マカロン、ここで殺さないでくれます?…まず、裁判を行いますので。」
「僕は一言も『殺す』なんて申してませんので、ご安心を。」
ポフィーネの命令にマカロンは微笑んだ。その微笑の中にはかなりの邪悪さがあった。
その表情に珠良は身の毛がよだった。
そして、マカロンが捕まえた強盗達は裁判送りになった。
そして、珠良はその翌朝、クラータ帝国から家に帰ることになった。
「…本当に行ってしまうんですね…。」
ポフィーネは少し寂しそうに言った。
「ええ…。楽しかったのですが、いつまでもここにいる訳には行かないでござる…。…大丈夫、また会えるから…。」
珠良はなだめる様に言った。
「そうですね…。もう二度と会えないわけではありませんし、珠良にも都合というものがありますので。」
「ありがとう…。ごきげんよう、珠良…。」
「こちらこそ、ありがとうございます…。では…。」
ポフィーネ達に見送られながら珠良は去っていった。
まろはこの時、初めて友達ができた―…。
でも、そのような幸せは長く続かなかった…。
友達ができてから半ヶ月もたたないうちにクラータ帝国は滅んでしまい、友達はばらばらに散ってしまった。それから、その友達の消息が絶ってしまった―…。
珠良はその知らせを聞いたとたん、涙を流した。
「―…どうして…?」
それから2年。やっと、希望の光が見えてきた。
モーリスからの手紙が届いたのだ。
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珠良へ
寂しい思いをさせてごめん…。僕はドードーのティルと一緒に旅をしています。
他の3人はどうしているかって?
リンネは天才音楽家として活動し続けながら、マカロンと一緒に暮らしている。ポフィーネは帝国の再建をするための努力をし続けている。
ポフィーネの体はかなり弱っているが、今は元気に暮らしている。彼女だけでなく、僕もリンネもマカロンも―…。
(1部省略)
また、会えることを楽しみに待っている…。
僕の愛する友達、明日葉珠良―…。
モーリスより
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それを読んだ珠良の目から涙があふれた。
彼らは無事だったんだ…。また、会える―…。まろは1人じゃないんだ…。
そう思ってる珠良の心にはひそかにモーリスへの恋心が芽生えていた。
その手紙はかなり小さかったが、今でも大切にしまってある。
この手紙は珠良の大切な宝物なのだから―…。
……
額に乗せてあったタオルが布団の上に落ちたその時、珠良は気がついた。
「うっ…。なんでここにいるで…ござるか…?」
「…大丈夫か?」
クランチの声に珠良はびくっとした。
「えっ…?!」
「お前が高熱を出して倒れてしまったものだからびっくりして…。」
クランチのそばにいたクラッシュは話した。
それを聞いた珠良はきょとんとしていた。
「会ってすぐの人たちに看病されるなんて―…。」
そう思った珠良は恥ずかしく思った。
「…オイラ、さっき気づいたけど…。お前、本当は女なんだね…。」
「何でそんなこと…?!男として振舞っていたのに…!うっ…!」
クラッシュのささやきに珠良はぎょっとした。
「あまり無理するな…!お前はまだ熱が…。」
クランチが言ってる途中で、珠良は力尽きて布団の中に倒れこんでしまった。
「何で…?」
珠良はあえぎながらクラッシュをにらみつけた。
「お前が着ていた服って、あれだろ…?」
クラッシュが珠良の服に向かっ指を指した。
そこには烏帽子、男性の公家が着るような服の他に上身を覆うよろいのようなものがあった。それで彼女は女であることを隠すことができたんだ。
「…まさか…?!」
珠良はこの2人が自分の服を着替えさせたと思うとぞっとしたが、抵抗しても無駄だと思って何も言わず、布団に入って眠ることにした。
珠良が目覚めた時はもうすでに夜になった。
熱が下がったのか、少し体が軽く感じた。
「珠良…、具合はどうだ…?」
「あっ、父上…。少し調子がよくなったでござる…。…あの方達は…?」
「クラッシュ達なら珠良が眠ってる間に帰って行きました。『ちょっと用事が出来たから』という言葉を残しまして…。」
珠良は父の言葉を聞いて、少し寂しく感じた。
彼らは珠良の新しい友達なのだ…。
「どうした、珠良…?友達がいないことで寂しいと感じているのか?」
「そっ、そんなことではないでござる…。」
珠良は赤面して慌てて答えた。
「素直でないところは相変わらずだな…。」
「ちっ、父上~…。」
珠良はしょんぼりしてしまった。
直接言える訳ではないけれど…、ありがとうでござる…。
そして、モーリスにいつ会えるんだろうか…?
そう思いながら珠良は月が出ている夜空を眺めていた。
今日は満月だった―…。
The End
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