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Crash's fairy story ~運命の帝国によるファンタジー~
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第3話
2013/06/23(日)19:31:37(11年前) 更新
~コモナー・オブ・クラータ編~
ここはクラータ帝国に住んでいる住民達の世界。
その住民達は普段、活気的で、のんびりしていて、平和に暮らしている。
そして、瞬く間にその平和と言うものが消えていく―…。
暖かい昼の日中、クロワはいつものようにテーブルの上を拭いていた。
「今日は暖かいわねー。散歩したくなっちゃうよー。」
そう言いながら、背伸びをしていた。
その時、ドアに飾られているベルが鳴った。
「あら、お客さんかな…?」
店の中に入ってきたのは、タイニーとパサディーナだった。
「ガオー!!タイニーだぞー!!」
「お金、ちゃんと持ってきた?!」
「タイニー、お金忘れなーい!!!」
タイニーとパサディーナとの会話を聞いて、クロワは微笑ましくなった。
「いらっしゃい、ご注文はあるー?」
クロワは2人に尋ねてみた。
「コーヒーでいいわ…。」
「タイニーはジュース!!」
「注文はそれだけ?分かったー、すぐ持ってくるよ!」
2人がそう言うと、クロワはいつものごとく台所へ向かった。
「…最近、ちらちらと怪しい連中を見るわね…。」
クロワが台所に入ったところを確認したパサディーナは早速本題に入った。
「怪しい連中って…、どんなの?!タイニー、これだけじゃ分からない!!」
「ほら、ずっと前来たでしょ。若い軍人の猫ちゃんが…。」
「確か、ルーシェと言ってた覚えがある…。それがどうしたの?」
パサディーナはタイニーが相手の名前を覚えていたことに少し驚いていた。ルーシェが本部に入ってきたのは、およそカラージャが出張する1週間前だったのだ。
「ひょっとしたら……。」
パサディーナが話そうとした途端、クロワがコーヒーとジュースを持ってきた。
「お待たせしました~。コーヒーと自家製ジュースです。」
コーヒーはパサディーナに、自家製ジュースはタイニーの前に差し出した。
「ガゥ~…変な臭いがする!これな~に?」
タイニーは赤いジュースを見て、嗅ぎ出した。
「これはアップル村のトマトジュースだよ~。うちの自家製ジュースは日替わりなんだ~。」
クロワは普通に答えた。
「トマト~?!!」
タイニーはショックを受けた。
「タイニー、そんなにトマトが嫌いだったのか…。」
その様子を見たパサディーナは思った。
アップル村はその頃も平和だった。
「今日もトマトは豊作だぁ~。」
村長であるアーネストはいつものごとく、せっせと農作物の収穫を行っていた。
「お客さん、来ないかな~…。」
と、つぶやいていたその時、ほうきに乗った魔女が通りすがった。
「君は確か、トレイアさんではありませんか?」
アーネストは彼女に尋ねた。
「そうだけど、だから?」
トレイアはぶっきらぼうに答えた。
「今日もヴァリアスのABCDに会いに行くんだね。でも、今日はやめといた方がいいよ。夜に大雨が降るらしいからね。」
アーネストは続けた。
「分かったわよ。行かなければいいでしょ!」
トレイアはしぶしぶと地上に下りた。
ここからヴァリアス帝国の本部が存在するアバスまでかなりの距離があったことは、トレイアも分かっていた。
「アーネスト、話変わるけど…。『クラッシュとココというあいつらが何日かかけてここに来るらしいよ。準備しててね』と、ネリーが言ってたわよ。」
「クラッシュとココか…。何年ぶりに会えるんだろう…。」
トレイアがそう言うと、アーネストは再会することが楽しみになった。
その時の空は昼の割には若干暗めだった。
クラッシュとココがもくもくと働いている途中、目の前に走り続けていた馬車が止まった。
「美鈴様、気分はいかがですか?」
「気分はとてもよろしいです、クランチさん。」
クランチと美鈴のやり取りを2人は聞いていた。彼女が言うには、クランチは貴族で評判の馬車引きらしい。
「…あの…。どうかなさいましたか。」
クラッシュがそう言うと、クランチと美鈴はクラッシュに目をやった。
「あ、あなたが確か…。この街に訪れてきた商人さんでしたね。」
「初対面なのによく知ってるな。誰から聞いたんだ?」
「リック君からよ。この子はよくネリーさんの所に訪ねていきますので。」
美鈴とクラッシュとの対話はしばらく続いた。
「そう言えば、自己紹介はまだでしたね。私は美鈴。この国の貴族の1人です。」
「オイラはクラッシュ。こちらは妹のココ。」
「よろしくお願いします。」
「俺はクランチ。馬車引きで忙しくてなかなか会えないけど、よろしくな。」
美鈴、クラッシュ、ココ、クランチの順に自己紹介をした。
「そういえば、私達はこの仕事が終わったら今すぐアップル村に行かなくっちゃ行けないんだったわ。」
ココは思い出したかのように言った。
「この種を届けるために…。」
そう思いながら、普通にしてはやや大きめの謎の種を見つめていた。
その種は豆サイズで、赤や緑があるなどかなりカラフルであった。商売している途中で出会ったダイゴがどういう目的でアーネストに届けるかは分からなかった。
「だとしたら、この仕事が終わったらすぐに俺を呼びな。アップル村に連れてってやるからさ。」
「ありがとうございます。」
クランチがそう言うと、ココはお礼を言った。
「貴族の送り迎えは大丈夫なんですか?」
「俺の仕事は送り迎えだけじゃないんでね!」
ココがそう言うと、クランチは声を出して笑った。
今日の仕事は珍しく早く終わり、すぐにクランチを呼んだ。すると、クランチはすぐにクラッシュの方に来て2人を馬車に乗せた。
馬車はアップル村へ向かって行った。
アップル村ではアーネストはトレイアとともに自分の家にいた。
「…何か、暗くなるの早くない…?」
「確かにちょっと早いような気がする…。うわっ!!雷が!!!!」
「雷ぐらいでびびってんじゃ無いわよ!わっ、風が強くなったわよ!」
「え~!!せっかくのトマトが~!!」
アップル村では暗くなるとすぐに大雨が降り、瞬く間に嵐と化した。
「トレイアさん、何とかならないんですか?」
アーネストは助けを求めた。というのはトレイアはこの帝国の唯一の魔法使いなので、みんなから頼られているだからなのだ。
「しょうがないわね、今回だけよ!!」
トレイアはしぶしぶと魔法で天気を晴れにした。
「わ~、ありがとうございます。さすが、帝国一の魔法使いですね。」
「魔法使いとしてはそれは基本よ。これでやっとDACB様に会えるわー。じゃあねぇ~。」
トレイアは用が済むとほうきに乗ってヴァリアス帝国へ向かった。
アーネストは彼女を見送っている中、何故か曇ったような表情でこう思った。トレイアがDACBに会いに行くのは今回が初めてではないのだが…。
「あの人はもしかするとクラータ帝国の裏切り者になるかもしれない…。」
トレイアの姿が見えなくなると、アーネストは再び農作業に移った。
その一方、クラッシュ一行は途中で大雨にあいながらアップル村に向かっていた。
「すげぇ雨だなー。これじゃ、しばらくかかりそうだ。」
クランチは言った。
大雨であるため、視界が悪く進みづらかった。馬車を引いてる馬も大変そうだった。
「頑張ってくれ、頼む!」
そう言うと、クランチは馬に鞭を打った。
「ちょっと大丈夫かよ…、クランチ…。」
クラッシュは不快そうに言った。そう言いながらも馬車は確実にアップル村へ向かっていた。
「~♪」
アーネストはその頃、いつものように鼻歌を歌いながら茄子の収穫を行っていた。
その時、アーネストの後ろで人々の断末魔が響いてきた。
「えっ…?」
アーネストは驚いて、後ろを振り向いた。
その時には、人々の首の無い遺体がゴロゴロと転がっているだけだった。
「……どういうことだ…?!」
アーネストは怯えながらへたり込んでしまった。
「…お前がこの村の村長のアーネストか…?」
ヴァリアス帝国の兵士と思われる男は尋ねた。
「ひっ…?!…おっ、お前か…。僕の村人を殺したのは…?!」
アーネストは怯えながらも男ににらみつけて、指を指した。
「コーディル副隊長が『アップル村の人々をホロコーストせよ』と命令したもんでね…。アーネスト、ここで死んでもらうぞ…。俺達の仕事だからな…。」
兵士の男は剣をアーネストに向けた。
「うわー!!嫌だー、僕はまだ死にたくないー!!!」
アーネストは必死で命乞いをした。
しかし、男は動揺せずアーネストに剣を振るった。
「うわーっ!!!!」
アーネストは断末魔を上げたが、その時に助けに来るものは誰もいなかった。
彼の息が絶えると、男はしばらく村長の亡骸を見つめた。
「よし、死んだ!これで、報酬はたくさんもらえるぞ~!」
男はそう言うと、何事も無かったかのようにアップル村を後にした。その男の左手には内臓のようなものがあった。
その2日後、クラッシュ一行はついにアップル村に着いた。
「やっと着いたわ…。久しぶりね~。」
ココは馬車から降りると背伸びをした。
「さてと、この種を届けなくっちゃなー。おい、アーネストぉ~!」
クラッシュは馬車を降りるとすぐにアーネストを呼んだ。しかし、彼からの返事は無かった。
「アーネスト…?」
クラッシュは不審に思いながらアーネストの家に訪れた。
「隠れてないで出て来いよー!!」
クラッシュがそう言いながら、アーネストの部屋を調べて言った。
しかし、寝室に行くとクラッシュはすぐに彼を見つけた。その時のアーネストの頭の無い遺体が横たわっていた。
「えっ…?!!」
クラッシュはショックのあまり種を落としてしまった。
「…嘘だろ……?!」
クラッシュは愕然とした。
「お兄ちゃん…。」
ココは涙声でクラッシュのところに来た。
「どうしたんだ、ココ?!」
「この村のみんなが…。」
ココはその後、説明し始めた。
「―…そんな…。」
クラッシュは震えた。
その一行が村が壊滅したということを知ったのはずいぶんと後だった。
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