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Crash's fairy story ~運命の帝国によるファンタジー~
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第1話
2012/08/19(日)23:55:11(12年前) 更新
~クラータ・パレス編~
ここはクラータ・パレスに住んでいる上流階級の人たちの世界。
皇帝の下で楽しく有意義に過ごしてきた幸せな生活に終わりを告げる。
そして、彼らはある悪夢を見ることになる―…。
ゴーン…ゴーン…ゴーン…
クラータ帝国の時計塔は厳かに鳴っている。今は午後10時だ。
クラータ・パレスで1人の男性が外の様子を眺めながらつぶやいていた。
「今日は曇ってて月が見えないな…。」
その時、1人の女性がその男性がいる部屋の中へ入ってきた。
「ピンストさん…。」
「誰かと思ったら、美鈴か…。」
ピンストライプはベランダから部屋の中へ入った。
「どうしたんだ?」
「ユナちゃんがあなたを探しています。」
「えっ?!ユナが…?」
ピンストライプが部屋から出るとすぐに、ユナと鉢合わせになってしまった。
「えっぐ…。兄貴…、ユナ、寂しかった…。」
「わりぃ、お前を長い間ほったらかしにして…。」
ピンストライプが言った後すぐに、ユナはピンストライプの足にしがみついた。
「おっ、おい!」
「よっぽどあなたのことが好きみたいですね。」
美鈴はそれを見て微笑んでいた。
「…ユナ、俺のことが好きなのは分かるけど、そこどいてくれないかな?」
ピンストライプがそう言うと、すぐにユナは放してくれた。
「やれやれ…、世話が焼ける…。」
ピンストライプは少しほっとして、ため息をついた。
「よし、今日は上手くいってるぞ。」
クラータ・パレスの地下にあるカジノで茶髪の男性がガッツポーズをしていた。今日は大金を稼げたらしい。
「スプレンダーさん…、いい加減カジノはやめたほうがいいですよ…。」
「仕方ないな…。今日はかなり金を稼いだから良しとしよう…。」
スプレンダーはしぶしぶとカジノをやめることにした。というのは、カジノで金を使いすぎると女帝からの雷が落ちてくるのだ。
彼は、カジノでは負けがめったに無いほど強いらしい。
スプレンダーともう1人の男性はカジノを後にした。
「吉田、一緒に飲もうか…。」
「そうします…。」
スプレンダーと吉田はクラータ・パレス内にあるバーへ行くことにした。
「いらっしゃいませ。」
ワイングラスを拭きながら、マスターは挨拶をした。
「マスター、クラータ・ワインをオーダー。」
「かしこまりました。」
「早っ!」
店に入るとすぐにスプレンダーは注文した。彼の注文を決める早さに吉田は驚いた。
スプレンダーと吉田がカウンターの席に座るとすぐにマスターは『クラータ・ワイン』をスプレンダーに差し出した。
『クラータ・ワイン』はクラータ帝国で一番人気の白ワインらしい。
「この香り、たまらないな…。」
スプレンダーはワインの香りを楽しみながら、ゆっくりと味わっていた。その様子を見ながら、吉田はジュースを飲んでいた。
「…ユナ、お前はお酒は飲めないからジュースにしとけ。」
「うん…、分かった。」
「誰かと思ったら、ピンストさんにユナちゃん。」
吉田はやり取りを聞いて、誰かというのが分かった。2人のやり取りはこれが日常茶飯事なのだ。
「マスター、クラータ・ワインとアップルジュースをオーダー。」
「かしこまりました。」
注文されるとすぐに、マスターはお酒とジュース作りに取り掛かった。
「敵軍が来るって…、本当なの?」
「美鈴もザナヴィもそう言ってるし…。」
ユナの質問にピンストライプは不安になってしまった。
「敵軍が来るって本当なのか?」
吉田は驚いて食いついた。
「詳しいことは分からんが…、そうらしいな…。」
スプレンダーはワインの香りを楽しみながら、吉田にささやいた。
「…敵軍、どんな人達なの?」
ユナの質問にピンストライプと吉田は困惑した。
敵軍のことヴァリアス軍が存在するのは知っているが、会った事がないため、どんな人達かというのは分からなかった。
「…。…敵軍と言われてるから…、俺達を狙ってるのは確かなことなんだ…。」
「どうしてユナ達を狙うの…?」
「それは…、分からないな…。」
ユナの質問に答えていく度にピンストライプは不安になった。
ピンストライプはクラータ・ワインを一口飲んだ。
「敵軍ですか…、面白い相手だったらいいな…。」
クラータ・ワインを飲みながら、スプレンダーはつぶやいた。
「確か…、アシュとか、マカロンとか、クリムゾン等がブラックリストに載ってたはずだが…。」
ピンストライプはつぶやくスプレンダーに対して返事をした。
「名前は…聞いたことありますが、詳しいことはあまり知らないな…。」
吉田はため息をついた。
「…詳しいことは分からないにしても、こいつらが多くの人々を殺していることだけは確かだな…。」
「ほう…。それが本当なら、芸術品にするかいがありますね…。」
スプレンダーは少し興奮しながら答えた。
酒に少し酔ってるのか、好戦的な性質から来てるのか、この場合はよく分からない。
その時のバーの時計は11時30分になっていた。
突然、美鈴がバーに入ってきた。
「いらっしゃいませ。」
マスターはいつものごとく、ワイングラスを拭きながら挨拶をした。
「美鈴、どうしてここに?!」
ピンストライプは美鈴が来店したことに驚いていた。実は、美鈴がここに来ることはめったにないのだ。
「なんかの成り行きです。」
美鈴の答えにピンストライプは苦笑いをした。
「マスター、ジュースのおかわり、あるー?」
「ユナ、これくらいにしとけ。」
「えーっ。」
「えーじゃないだろ、まったく…。」
おかわりをしようとするユナをピンストライプは止めた。
「マスター、レモンティーはあります?」
「ありますよ。」
「ならば、それをお願いします。」
美鈴が注文すると、マスターはレモンティー作りに早速取り掛かった。
「…。美鈴、レモンティーを飲み終わったら、ユナを寝かせてやれ…!」
「あ、分かりました。」
美鈴が答えた頃には、レモンティーが美鈴に差し出されていた。
彼女はレモンティーを楽しみながら、ゆっくり味わった。
「この香り、久しぶりですね…。」
「今日は去年よりおいしくなりました…。」
マスターは酒を作りながら、ゆっくり話していた。
「……。」
ピンストライプは酒を飲み続けるスプレンダーのことを少し気にしながら、クラータ・ワインを味わっていた。
美鈴がレモンティーを飲んだ後、ピンストライプは「ユナを一緒に寝室へ連れて行ってくれ」と頼んだ。
その時のユナは時々、船を漕いでいた。時刻は12時近くになっていた。
「…ピンストさんはこれからどうします?」
「俺はスプレンダー、吉田と少し話して寝る。美鈴は?」
「私はユナちゃんと一緒に寝ます。それでは、お休みなさい。」
「お休み、美鈴。」
美鈴はユナを背負い、バーから出た。ピンストライプとスプレンダー、吉田耕一はバーにしばらく残ることになった。
翌日の朝、ピンストライプが寝室から出ると、すぐにユナとばったり会ってしまった。
「兄貴、おはよう…。」
「おはよう、ユナ…。」
「どうしたの?顔、真っ青だけど?」
「いや、何でもないぜ…。」
この前の夜に何があったかは知らないが、ピンストライプの顔は真っ青だった。
「ねぇ…。昨日の夜、美鈴お姉ちゃんが、『明日晩餐会開く』と言ってたよ。」
「!!」
ピンストライプはそれを聞いて驚いた。そう、今日晩餐会があるんだった。
「ユナ、すぐに支度しろ!」
「うん…。」
ユナは首をかしげながらも部屋に戻って、着替えることにした。
「兄貴…、どうしちゃったんだろう…?」
着替えを済ませるとすぐに部屋から出た。
「兄貴、終わったよー!」
「今日もよく似合ってるぜ…!」
ピンストライプはユナの可愛い姿に微笑んだ。今日はピエロとゴスロリを足して2で割ったような格好だ。
「さてと、皇帝両陛下に挨拶しなければな…。」
ピンストライプはユナを連れて、大広間へ向かった。
「…今日も平和ですね…。」
皇后は少し欠伸をしながら言った。
「全くだな…。」
それを見て皇帝は微笑んでいた。
「ビスカント公、今日は客が来る予定は無いですか?」
「今日は…。」
その時、タイミング悪く、ピンストライプとユナ、スプレンダーの順に大広間に入ってきた。
「何事ですか?」
皇后の問いかけに3人は戸惑った。
「申し訳がございません…。」
と言いながら、その3人は頭を下げた。
「大事な話をされてることを知りませんでした…。」
「こら!」
ピンストライプは小さな声でユナに喝を入れながら、彼女の口をあわてて抑えた。
「まあ、これは仕方がありませんわ…。」
皇后は少しため息をついた。
「…まず、3人とも面を上げよ…。」
皇帝の一言で、3人は頭を上げた。
「ビスカント公、すまなかった。さっきの話を続けてくれ。」
「えっ?!あ…、はい…。」
皇后の一言で、ビスカントは戸惑った。
「今日の昼に、大将カラージャ・オールド・ファッション様がこちらに参ります。」
「カラージャ…、ここで会うのは3ヶ月ぶりですね…。」
ビスカントの言葉を聞いて、皇后はつぶやいた。
「カラージャだと…?!」
スプレンダーとピンストライプは思わず声をそろえて言った。
「どんな人…?!」
その後、ユナは問いかけた。
「この帝国の護衛隊の隊長を務めている女性さ…。」
ユナの質問にビスカントは答えた。
確かにビスカントの言う通りではあるが、ビスカントの警備を担当しているのも事実であった。そのような人が何故、皇后に3ヶ月ぶりに会うことになるのかは謎だった。
「これ、何ぼーっとしてるの?!早く晩餐会の準備に取り掛かりなさい!」
「はい。」
皇后の一言で、3人は口をそろえて返事をした。
それからピンストライプとユナ達は晩餐会の準備に取り掛かった。彼らがそうしている中、昼が来てしまった。
昼になると、皇帝両陛下の前にカラージャが現れた。
「皇帝両陛下、こんにちは…。」
「お久しぶりです、カラージャ…。」
「こちらこそ…、お久しぶりです…。」
カラージャはぎこちなく皇帝両陛下に挨拶をした。
「今日は何の御用ですか?」
「街の様子はどうなってますか?」
皇后、皇帝の言葉を聞いて、少し間を置いた。
「街は…、いつも通り、平和です…。」
「そうか…、ならいい…。」
「しかし、いつでも戦えるように準備したほうがよろしいと思います。」
「そうだな…。」
カラージャの言葉を聞いて、皇帝はつぶやいた。
この街が平和であったとしても、ヴァリアス帝国がいつ、ここに侵入してくるのか分からないことには変わりはなかった。
「そうですね…。ここに座っていても仕方がありませんし…。」
「皇帝である俺も戦えるようにしたほうがいいな…。」
そういった後、皇帝、皇后の順に席から立ち上がった。
「カラージャ、俺の相手になってくれる奴、いるか?」
「コモド・ジョーですね…。この街で一番強い剣豪の一人だと言われています。」
「コモド・ジョーか…、面白そうだな…。」
カラージャに案内されながら、ダークは口の周りを舌で嘗め回した。
「いい餌が来たもんだな…。」
そのような事を考えていることに知らないカラージャは地下へ案内し続けた。
この地下にある通路はコロシアムへ続いていた。
門の前に着くと、カラージャはコロシアムの扉を開けた。
「…着きました…。」
コロシアムは殺風景だった。カラージャ、皇帝、皇后の他は誰もいなかった。
「まだ、相手は来てないようです…。」
「ダーク、準備のほうは?」
「嗚呼、ばっちりだぜ…、ポフィ。」
ダークは剣を持って、一回振ってみた。
「相手が来たようですね…。」
ポフィーネはコロシアムの向こうを眺めながら言った。
「兄貴…、無茶しちゃダメなんだな…。」
「戦いに無茶も何もあるかー!!!」
コモド・ジョーは弟を連れてコロシアムに入ってきた。
「これが俺の相手か…、こいつは面白そうだな…。」
それを見たダークはにやりとした。
「行かないの?」
「今からさ!」
ダークは1人で降りて行った。
その頃のピンストライプとユナ、スプレンダーは晩餐会の準備をしていた。
「兄貴、今日は何のために晩餐会を開くの?」
「これは夜のお楽しみって、訳でね…。」
ピンストライプはその場をごまかすことにした。
そして、貴族たちは晩餐会だけでなく、戦いの準備もすることになった…。
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