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Crash's fairy story ~運命の帝国によるファンタジー~
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第1話
2012/08/14(火)10:00:13(12年前) 更新
~コモナー・オブ・クラータ編~
ここはクラータ帝国に住んでいる住民達の世界。
その住民達は普段、活気的で、のんびりしていて、平和に暮らしている。
そして、瞬く間にその平和と言うものが消えていく―…。
ある日の昼当たり、2人の商人がリアカーの上に乗ってりんご村からアルヴァートへ向かっていた。
「アーネストの奴、気が利くなぁ~。」
そう言いながら、1人の商人はりんごをかじりながら寝転んでいた。
「ちょっと、お兄ちゃん!仕事の準備をしたらどうなの?」
「なんだよ、ココ。せっかく気持ちよく寝てたのに…。」
1人の商人はしぶしぶと体を起こした。
「クラッシュさん、ここからアルヴァートに着くまで後3日かかりますよ。」
リアカーを引いてるおじさんはクラッシュに忠告した。
「そんなにかかんの~?!」
クラッシュはげっそりした。
「当たり前でしょ…。」
ココは呆れたかのようにささやいた。
「その代わり、その前に小さな村がありますが…。寄りますか?」
「あ、寄ります。」
おじさんの親切な言葉にココは答えた。
クラッシュたちはリアカーに乗って、小さな村の宿屋へ向かった。
宿屋に着くと、すぐにテーブルの周りにココとクラッシュは互いに隣に、ココの向かい側におじさんが座った。
ココはアルヴァートの情報をおじさんから聞き出そうとした。
「アルヴァートって、どんな街ですか?」
「アルヴァートですか…。クラータパレスで有名な街で、みんな平和に暮らしてますよ。治安がいいし…。」
ココは少しほっとした。その一方、クラッシュはつまらなさそうにしている。
「お兄ちゃん、少しは関心を持ちなさいよ…。」
「だって~…。」
言い訳を言う前に通りすがりの若い2人の女性がぺちゃくちゃと話し合っていた。
「あの貴族達…、何だろうか…。」
「貴族なのに…、変わってますね。…あの人…。」
「あの人だけの問題じゃないんじゃない…?」
それを聞いたココは少し驚いている。
「街の治安が悪くなってるんじゃない…?」
少し不安になっているココに対して、クラッシュは女性2人に声をかけた。
「そこのお嬢さん、オイラと…。」
その続きを言う前にココは空手キックを繰り出して、クラッシュを気絶させた。
「ごめんなさい。気にすることではございませんので…。」
ココはクラッシュを引きずりながら退却した。
「大事な時だって言うのに、何してんの?」
「あはは…。いつもの癖で…。」
愛想笑いをするクラッシュに対してココは呆れかえっていた。クラッシュは急にあることに気づいた。
「ココ…、頭の髪飾りは?」
「えっ?!」
ココは自分の頭にある髪飾りがない事に気づき、青ざめてしまった。
「うそ…?!落としちゃったの…?」
「…。この髪飾り、貴方のですか?」
ある青年が髪飾りらしきものをココに見せた。ココはそれを見てほっとした。
「これ、私の…!ありがとうございます。」
「そういえば、名前はなんていうんですか?」
「あ、ごめん。俺は行かないと行けないんで…。」
青年は急いでその場を立ち去ってしまった。
「待って…!」
ココが言った頃には、すでに青年の姿はなかった。
その夜、クラッシュとココは同じ部屋で泊まることにした。
ココはいすに座りながら紅茶を飲んでいて、クラッシュはベッドの上で寝転んでいた。
ココはチラッと新聞を読んでみた。
『ヴァリアス帝国のアバスでテロ 21人が死亡』
この見出しがでかでかと載ってたので、思わず内容を読んでしまった。
ヴァリアス帝国はクラータ帝国の兄弟のような国だが、クラータ帝国よりは治安が悪いため、皇帝が治安維持のための組織を作ったらしい。それをヴァリアス軍と言う。
そいつらがまた、暴れだしたのか―…?!
クラッシュはベッドから体を起こした。
「ココ、何読んでいるんだ?!」
「何って…、この記事見てよ!」
クラッシュはベッドを起こすとココから新聞を受け取った。その後、読み始めた。
「―…ヴァリアス軍がクラータ帝国に侵入してくるという懸念がある―…。」
その記事を読んだ後、クラッシュはココに尋ねた。
「ココ、侵入されたらどうなるんだ?」
「私達を捕まえて、奴隷にするだろうね…。」
「奴隷になったらどうなるんだ?」
「少なくても一生、りんごが食えないね…。」
ココの言葉を聞いて、クラッシュはショックを受けた。
「そんな…!おいら達、どうしたらいいんだ?!」
「どうしたらいいかって…、言われても…。」
ここから急いでも、1日でアルヴァートに着けるほどの距離じゃないので、ココは困惑した。
その時、リアカーを担当するおじさんがドアを開けて、クラッシュ達に声をかけた。
「お前ら、早く寝ろ!明日、出発が早いぞ!」
「は~い。」
クラッシュとココはベッドに入って、眠ることにした。
その翌日の早朝、クラッシュ達はその宿屋から出発した。
「アルヴァートって、大丈夫なのかな?」
記事の内容を思い出す度、ココは思っていた。
途中で一服しながら、3日後の朝、クラータ帝国の首都であるアルヴァートに着いた。
「おじさん、ありがとうございました。」
「こうやって行き来するのも私の仕事ですから…。」
そう言いながら、おじさんはリアカーを引きながらクラッシュとココがいる場所から去っていった。
「行くか、ココ。」
「そうしましょう…。」
クラッシュとココはアルヴァートの中へ入っていった。
アルヴァートの街はヨーロッパのような街並みで美しく、そこに住む人々は活気的に暮らしていた。
「へぇ~、きれいなところね…。」
ココは思わず見とれてしまった。
「それよりも腹減った~…。」
クラッシュはげっそりしてしまった。
「そうだね…。ここにいる人達に聞いてみるか…。」
クラッシュとココは街の人たちから情報を聞き出すことにした。
「…ったく、親父ったらよぉ…。昨日、酒飲んだだろ…!」
ぶつぶつと文句を言いながら、タンクを背負った男性が家から樽を外に出した。
「あの…、すみません…。」
突然の呼びかけに男性は飛び上がりそうになった。
「ここにおいしいもの、無いかな?」
クラッシュは何の抵抗もなく、そんな質問をした。
「いきなりなんだと思ったら、そういうことか…。」
男性はため息をついた後、続けた。
「レストランなら、あの橋を渡ってすぐにあるぜ…。」
「あの橋って?」
クラッシュがつぶやいたその時、家の中から男性の怒鳴り声が響いた。
「いつまで何やってんだ、このどら息子!」
「げっ、やべぇ…。」
そうつぶやきながら、クラッシュ達に念を押した。
「つまり…、おれっちの家の裏にある橋を渡れば、すぐにあるってわけさ…。」
その後、すぐに男性は家の中に入ってしまった。
それを聞いた後、クラッシュ達はその男性の家の裏の橋を渡ってみた。
すると、すぐそこに何かしらの喫茶店みたいなのがあった。
「あれのことかしらね?」
クラッシュ達はその喫茶店の中に入っていった。
「すみません…って、誰もいないのか…。」
店の中を見たココは言った。喫茶店の中は客も店員もいなさそうな様子だった。
「気味の悪いところだな…。」
「店員さんは1人ぐらいはいるはずだよ?」
クラッシュ、ココがそうつぶやいていたその時、1人の男がクラッシュ達の後ろから、1人の女が店の奥から現れた。格好から見ると男性が客で、女が店員のようだ。
「誰?!」
「わっ、びっくりした!」
クラッシュの問いかけに男性はびっくりした。
「何かと思ったらお客さんですかー。いらっしゃい。まあ、好きなところにお掛けになってよー。」
クラッシュとココはテーブルの周りに座った。その隣にさっきの男性が座っている。
「いきなり何なんだ…?」
クラッシュとココは首をかしげていた。
「あ、いつものことだから気にすることでもない…。」
隣に座っている眼鏡の男性はクラッシュ達の気持ちをなだめた。
しばらくした後、黒髪の女がメニューを持ってきた。
「これがメニューだよー。」
クラッシュとココは早速、店員が持ってきてくれたメニューを広げて見てみた。
そこには何かしらの暗号のような言葉がたくさん並べてあった。
「こ、これは……。」
ABCDと白猫のスパゲッティー
赤蛇のミント仕立て
緑亀の山
赤爆弾のフルーツサラダ
こちら坂坂コーナー
ドンペリ÷サイダー=?
赤ワイン×ハイボール+カクテル=?
・
・
・
「すげぇ…。」
「本当に暗号みたいだわ…。」
このメニューの内容を読んで、クラッシュとココは困惑した。
「あ、教えてやるよ。例えば、『赤蛇のミント仕立て』は『スパゲッティーミートソース』のことなんだ…。」
「最初からそう書けよー、店員さん…。」
クラッシュがだるそうに言ったその時、あの店員が来た。
「ご注文は決まりましたかー?」
「あの…、クロワさん…。あの人達にちょっとこのメニューを説明してやってくれないか?」
「分からないんですかー、仕方ないなー。」
クロワという店員は少しため息をついた。クラッシュ達の隣に座っている男性は常連客なのか、その店員の名前を知っていた。
「えーっと…。ABCDと白猫のスパゲッティーはカルボナーラで、緑亀の山はメロンパフェで、赤爆弾のフルーツサラダはリンゴ丸ごとフルーツサラダ…ですね。」
「……。」
クラッシュとココは呆然としていた。
「それならば、オイラは赤爆弾のフルーツサラダ。」
「私は赤蛇のミント仕立てでお願いします。」
クラッシュとココはクロワに注文した。
「分かったー、すぐに持っていくよー。」
その後、クロワはすぐに調理室へ向かった。
「こんなに複雑なメニューがよく分かりましたね。」
「俺は毎週ここを通ってますから…。」
「ところで、お前の名前は何というんだい?オイラはクラッシュ。」
「私は妹のココ。お兄ちゃんと一緒に商人をしています。」
「俺はマック・ニール。『Nelly's laboratory』に所属する学者だ…。今日も仕事があるんだが、その内容がめんどくせーな…。」
マックはため息をつきながら書類を眺めていた。
「『Nelly's laboratory』はどんなところだ?」
クラッシュの質問にマックは再びため息をついた。
「クラータ帝国で有名な研究所さ…。」
「お兄ちゃん、仕事の邪魔しないの!」
「お、料理が来たそうだ…!」
クラッシュ達がそうしている内にクロワは料理を持ってきた。
「お待たせしました、赤蛇のミント仕立てと赤爆弾のフルーツサラダでーす。」
クラッシュとココの前で料理が差し出された。
そして、2人は早速、料理を口にした。
「これはうめぇ~。」
「おいしい…!」
「自家栽培の野菜や穀物を料理で用いてますのでー。」
「それにしても…、このキャベツ、甘いな…。」
「アーネスト村長さんと協力して野菜を作ってますからねー。」
料理を絶賛する2人に対して、クロワはちょこちょこ解説を入れた。
そうしている内にもう1人の客が訪れてきた。
「いらっしゃい。」
入ってきたのは青く長い耳を持った少年だった。
「まあ、ここに腰かけなよ。」
その客はクラッシュとココよりも遠くの席に座った。
「なんでしょうね…、あの子…。」
それを見てココはささやいた。
「それよりさ、食い終わったんだし、行こうか!」
「お兄ちゃん、お金をちゃんと払ってね。」
「分かってるよ!」
クラッシュとココは席を立って、カウンターのところに行き、クロワに食事代を払った。
「ありがとうございますー。またのご来店、お待ちしておりますー。」
2人はクロワに挨拶されながら、この喫茶店を後にした。
クロワはその後、来客したばかりの少年の注文を聞きに来た。
「いらっしゃい。注文、決まった?」
「嗚呼…、ココアでお願いします。」
「注文はそれだけ?分かったー、すぐ持ってくるよ!」
クロワが調理室に入ったことを確認すると、少年は通信機を使った。
「サッド、仕事は上手くいってるか?」
「うん…、まあまあいってるよ…。クリムゾン…。」
サッドは周りに聞こえないように通信機でクリムゾンと話した。
「そうか…、それはよかった…。次回もその仕事を頼むぞ…。」
「了解です…。」
ヴァリアス軍が忍び込んでいることをクラッシュとココはもちろん、クロワ達も知らなかった…。
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