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新・YOCTO コルテックス編 第2話 13:00~
2013/10/22(火)21:45:05(11年前) 更新
コルテックス編
ここは旧・YOCTOでいうところの1話の中盤あたりです。
文字数ぞろ目の奇跡が起こりましたw
機械の動作音やほかのやつらの会話などでうるさ過ぎる研究室と違って、研究室から1kmほど離れた公園はそれとは対照的な雰囲気だ。言葉で表すならば、平穏無事?もしくは平々凡々?なんだかよくわからないがとにかく研究所で疲れた心を癒すには十分なところである。
だがしかし、一つだけ問題がある。その問題とはこの公園に行きつくまでの経路にある。
そりゃあ、世界を征服しようと目論んでいる研究所だから、それなりに設備は整っている。もちろん、万が一に備えて脱出ルートだってある。だからと言って公園に行くために毎回わざわざ暗くじめじめした地下道を1kmぐらい歩いてさらに普通の道にあるマンホールから出るのはさすがに心に来るものはあるぞ。
流石、脱出経路。万が一以外では使いたくない。
「時にエヌジン」
「なんです?」
「遠回りになってもいいから普通に研究所の正面から公園に行かないか。今後」
「地球征服を目論む研究者が、家チカの公園で心を癒しているなんて知ったら同業者に笑われますぞ」
気持ちは分からなくはないがその代償が重すぎる気がするぞ。
そういや今の研究所(五代目)の設計はエヌジンがやったような気がするぞ。
研究室の見た目を一戸建てにして実際の研究施設は全部地下にあったり、四方八方に無駄に多く脱出ルート作ってあったりするところは、もしかするとエヌジンの趣味の領域かもしれない。
とはいっても、低予算で監視カメラや赤外線センサーや防災壁や鴬張りの床とか、非常時に備えられたところは褒めよう。
褒めつつ悪いところは指摘しよう。
なぜなら今ワシ達が歩いている地下道は下水道である。
恐らく地上ルートで行けば10分程度でつく距離であったのだが、気が付けば家を出てから20分立っていた。
遠回りをする。暗い。そしてくさい。
ホントにこれは非常時の脱出経路なんだなと思いながら、ワシは通りなれた道を歩き、ようやく公園に近いマンホールまでたどり着いた。
幸いにもマンホールのある場所は人が来なさそうな路地裏にあるため、不用意にマンホールから出ても大丈夫だ。もし万が一誰かに見られても『水質調査』とか言っておけば大丈夫だろう。エヌジンが研究室にいる時と同じ白衣だし。
ちなみにワシは気持ちから服装を研究とそれ以外の外出用の私服である。
まぁ、『ユニむら』で買った服だから、上下下着セットで2000円程度のやっすい服装だから、別に下水(兼脱出経路)を通ってもそんなに問題ない。というか、一張羅を着るときはそんなところを通らない。
なお、ワシは服の色は黒か冷色で色の濃いのを好む傾向がある。まぁ、これは白衣の白色から逸脱するための意味合いが強いのだがな。
なお、ワシの好きな色は白である。
閑話休題。
ワシとエヌジンが下水道から出てきたところを見られたとしても、服装からして説明はいくらでもつくから問題ない。仮にもし遠目から見られていたら……まぁ、大丈夫だろ。
ワシとエヌジンはマンホールから路地裏に出て、道路を挟んだ先にある公園にたどり着いた。
ワシとエヌジンは、公園に唯一あったベンチ(一般成人男性2,5人分ぐらいの大きさ、故に、ワシとエヌジンが座っても若干余裕がある。子どもだったら3人は行けるかも)に、いつも通り座ることにした。
「ちなみにエヌジンよ。この公園の名前の由来を知っておるか?」
「ああ、それは拙者が命名しましたぞ」
……ゑ?
まぁ、確かにこの公園の名前が最近変わったのは知っているが、まさか『鋼公園(はがねこうえん)』というそれほど休めなさそうな公園の名に改変(改悪とワシは思っている)した本人がこんなに身近にいるとは思わなかった。
「この前、市が公園の命名権を売っていたのを知ったので、コルテックス殿が開発した育毛剤のスポンサーと話したところ、『何らかの形で、我々の名を出すのであれば費用は出しますよ』とおっしゃっていましたので、僭越ながら拙者が命名させていただきました♪いや~広大な土地を持った感がいっぱいですよ」
というか、そんな話一切開発者であるワシに届いてこなかったのだが。
確かに、よく見るとこの公園の副名称は『LiLyUP(リリーアップ)広場』となっていた。
思いっきり商品名だった。
「それにしても、拙者たちの重要な資金源となっているスポンサーである、大将製薬さんも粋なことをしますな~」
「粋というか、宣伝と開発者の接待をいっぺんに片づけただけの向こうにとって都合の良いことばかりじゃないのか?」
それこそ、さらに開発資金をほしかった。
まぁ、研究所を維持するのに余りあるほどの報酬は常にいただいているのだか。
というか、育毛剤売れすぎだろ。どれだけ禿に悩んでいるんだろうか、この世の中は。
流石、ストレス社会だ。
それを解放させるのも、ワシの世界征服後のプランの一つとして考えておかないとダメなのかもしれないな。
「大将製薬さんもついでにこの公園に芝生を追加して、だんだんにぎやかな公園となりましたね」
「芝生増やすぐらいならもっと公園の遊具を増やしてほしかったのだが。確かに、育毛剤の名前を付けているぐらいだからボーボーになるぐらいの草を生やしまくっているほうが宣伝イメージよいけどな」
とはいっても、この鋼公園(命名:エヌジン)の敷地面積の広さに対してベンチや遊具の少なさが若干気になり、寂しさを感じていたのだが、最近芝生をついたしたおかげで多少はにぎやかとなり、若干前よりかは癒されるようになった(静寂さが減ったマイナス面よりも自然による癒し力が大きいのかな)。
とはいっても、遊具の少なさに関してはそれでもなお気にはなる。まだ鋼公園と命名されるずっと前には、例えばターザンのような遊具があったのだが、そのあたりは安全面を考慮して撤去されたらしい。
今ではそれほど長くも高くもない滑り台と、辺に面積の大きい砂場が2個(内1個は滑り台の着地地点)そして2mあるかないかのプラスチック製ジャングルジムのみ。昔はターザンのも含めて砂場を除いた遊具は5つぐらいあった気がするが、その辺はワシも年なので忘れた。
ちなみにワシは子供のころは若干ケガをしてでも遊びまくれと言いたいので、安全面からの遊具撤去には反対だ。
「時にエヌジン、この公園に遊具を追加するとしたら何がいいと思う?」
「そり立つ壁とかデビルブランコとかですじゃ」
「お前は子供をどうしたいんだ?」
危ない、危なくない以前に将来超人的な身体能力を持つ人が増えそうだ。
というか、子供だけじゃなく大人も楽しめそうな遊具だな。そして、何れはさらに遊具を増やして『120秒以内で俺制覇したぜ!』とかいう遊びがはやりそうだな。
それはそれでワシはいいと思うのだが。案外エヌジンもいいことを言っているのかもしれない。
これも世界征服後のプランとして組み込まないとダメなのかなぁ。
というか、さっきの鋼公園の命名の経緯といい、この柔軟な発想といい、トレントに妙に詳しいといい、いったいエヌジンはワシの知らない間はどんなことをやっているのだ?
もしかすると、エヌジンはワシに気づかないように世界征服後のプランを考えさせようとしているのだろうか。
まぁ、流石にそれはないし、仮にそうだとしてもすでにワシは気づいているのだが。
ああ、ダメだダメだ。全然休んでいないな。こういうことを考えずに、もっとぼーっとしたほうがいいな。
ワシはそれ以来考えるのをやめ、ぼーっとしていた。
ワシがぼーっとし始めると、エヌジンもそれを悟ったかのごとく、同じくぼーっとして会話をすることがなかった。そんな状況が十分少々続いたので、そろそろ移動して公園内をぶらぶらしようか、もしくはエヌジンの博識なところについて質問しようかと再び考えることを始めたところ、ふと周囲を見てみると、鋼公園にある周辺地図をやや過剰に凝視ている気がする少年がいた。
「あの少年、さっきから真剣に地図を見ているのだが、迷子なのかな?」
「少年?拙者には少年すら見えないのじゃが」
「その展開は今後辛いのでできればよく見て見えてほしいのだが」
「いや、拙者も年だからあんな遠くにあるところは見えませんのですじゃ」
半分機械化されたとはいえ、エヌジンもワシも同じ年なのだが。そんなにエヌジンは老化が激しいのか?
というか、年齢については前にも同じくだりがあった気がするが。
ワシも年なので忘れた。
「とりあえず、ワシには少年が見えて、しかも困っているように見えるので助けに行く」
「拙者は少年が見えていないのでここで待機します」
動けよ。
とりあえずワシだけが少年に向かっていった。
「……」
少年は相変わらず地図に向かって凝視をし続けている
「……」
ワシが近づいても全然気づいていない。
「……」
「……」
この場合、ワシから話しかけないといけないのか。
よし、なるべくフレンドリーに話してみよう。
「……」
「よう!何しているんだ?」
「……(チラっ)……」
少年は一瞬だけワシのほうに振り向いたが、軽蔑するまなざしを送りつつまた地図のほうに目線を戻した。
「……」
「……」
ワシは結構凹んだ。いったんエヌジンの所に戻った。
「……」
「どうでした?」
「無視された。結構ええ年したオッチャンがガキに無視された」
しかもワシのキャラにないことを言ったもんだからダメージがより大きい。
「無視する以上はもう関わらないほうがいいのでは?とりあえず向こうサイドもコルテックス殿を必要としていないってことじゃないでしょうか」
「いや、どちらかというと今はやりの『知らない人に話しかけられても答えてはいけないよ』的な教育の問題な気がするのだが」
「それだとなおさらダメじゃないですか」
「いや、ワシがその教育方針を打ち破るほどの対応をしてやる」
なぜかワシは気分が高揚して、その勢いで再び少年のもとへ向かった。
「……」
相変わらず少年は地図を血眼になって地図を見ている。
「何をお探しでしょうか」
ワシはあくまでも低姿勢で尋ねてみることにした。
「……」
少年は振り向かない。
「ワシも協力すれば解決するかもですぞ」
多少言葉が変になっている気がするが、それでもなお少年に話しかけ続ける。
「……」
少年はワシの気にすらしていない。
「早く目的地にたどり着かないと、ワシがこの世界を征服してしまいますぞ」
ウソみたいなホンネを入れつつ、多少言葉が変になっていながら少年に話しかけ続ける。
「…………」
少年は多少ワシのことを気にしたようだが、無視をした。
これは行けるのじゃないのか。さらに続けよう。
「ワシは洗脳マシーンを使って地球上の全生物を洗脳する機械を開発したぞ。しかもこの前の時と違ってエネルギーの問題も改良しているから何度も使用できるぞ」
そう、前回の失敗を踏まえて改良したことを少年に述べた。
「………………」
少年は、何か言いたそうだがあえて無視をしているようだ。
これはいける。
「ワシの洗脳機械はヨクトウイルスという、並の電子顕微鏡ですら見ることができない超極小なウイルスをばらまくんだ。で、風に乗ってこの地球全体までウイルスをいきわたらし、ありとあらゆる生物を洗脳させるという手段だ。もちろん、洗脳完了した生物を操る機械も込みな素晴らしき洗脳機械をワシはもう少しで完成する。どうだ、興味あるだろ」
よくよく考えると外部に漏らすとマズイ話をやっている気がするのだが、少年が気が向きこちらに反応してくれることを願って話してみた。
「………………うぜぇ」
「ん?今何か言ったか?」
「……」
もう一歩なのかもしれない。だがワシも次の一手になるいいネタがない。とりあえず何でもいいから会話を途切れさせないようにせねば。
「あのさぁ……」
「……」
「あのさぁ、お前迷子だろ」
「……」
パッと思いついた言葉を言った後にワシは気づいたのだが、どう考えてもこの状況にはこの言葉が第一選択肢だよな。
今までなんで機密情報を漏らすような遠回りをやっていたのだろうか。
「……」
「迷子なんだろ。おじさんに話せば解決するかもだぞ」
「……話しかけないでください」
「今なんて言った?」
「話しかけないでください。俺はアンタのことが嫌いです」
「いや、だからワシは」
「話しかけないでください。さっきから地図を集中してたのに、くだらない妄想聞かされるとこっちは集中力が切れます。ついでに申し上げますが、お前のことが嫌いです」
「……」
「……」
「……で、凹んでこちらに帰ってきたのですか」
「初対面のガキにいきなり嫌われた。というか一度もこちらに振り向いていないから初対面すらしていないのにいきなり嫌われた。おまけに多少敬語のまま嫌われた」
ある意味無視以上にキツイ。
いい年したオッチャンが少年に無視され、さらに罵倒までされるのはなおキツイ。
「さっきも言いましたが、無視してキッパリと手助けを断ったので、向こうはこちらを必要としていないのでは」
「いいや、ワシは必ず手助けをしなければならない」
なぜかワシは気持ちがさらに高揚してきた。
ついでに怒りもこみ上げているのかもしれない。
「公園で地図を見ていて、拙者には見えずコルテックス殿には見えて、無視され罵倒されるというシチュエーションだと、結果論からいえばコルテックス殿は不幸になると思いますぞ」
ワシも年なのか気分がおかしいのか知らないが、エヌジンに対してのツッコミどころがわからんのだが。
「そして拙者はこの辺の地形わかりませんし、お世辞にも地図を読むのは得意とも言えませんし、何よりこの辺に詳しい知り合いもいませんのじゃ」
「というかエヌジン、本当にそこにいる地図をガン見している少年が見えないのか」
「だって、最近まで体重が著しく少なかった拙者のほうが変だと思ってコルテックス殿には言えないじゃないですか。こんな大切な時期に」
「えっ?!そんなに今大変だったの」
なんだその超展開。
こうなったらエヌジンに蟹の神様がついていたのかもしれない。
……わけでもない。よな。
「ようやく人並みの体重に戻った拙者がまともに着ることができた新しい服、やっぱり一番初めにコルテックス殿に見てほしいのじゃ」
「逆にワシがどんなに頑張って見ても、それは白衣にしか見えないのだが」
しかもローテーションで着ている多少ボロい白衣なのだが。エヌジンは軽い外出程度なら研究所で来ている白衣のまま、外に出ることが多い。
「白衣といえば、今拙者が着ている白衣はローテーションにある白衣の中でも一段と気に入っているのじゃ。中2日か中3日が当たり前なのじゃ」
「そういうのをなんて言うんだっけ?ええっと……確か……」
確か、ちょっと前に流行った曲と同じ名前だった気がするぞ。マジでなんだっけ。
「ええっと……ヘビロテ?」
「このくだりにしては珍しく正解を出していますね。ちなみに、それは略語で正式名所はわかります」
「ええっ!?これ略語なの」
「しっかりしてください。コルテックス殿をはじめ、理系の方々全般にも言えるのじゃが、気になった言葉や新しい言葉に敏感に反応してしっかり調べる癖をつけておかないと、このご時世うまく生きていくことができませんですぞ。まぁ、文系の方でも同じだと思うのじゃが」
その言葉に対しては、意外とぐうの音も出ないなぁ。
ましてや、世界全体に対して影響のある世界征服をやろうとしているにもかかわらず、世間を知らないのは大問題だな。
下手したら世界征服がワシの知らない間に起こってしまったってのはシャレにならないぞ。
「で、コルテックス殿、これから国民的人気アイドルに対しての熱い議論を始めますか?」
「否!はじめないぞ。というか、さっきからずっと話がそれすぎじゃないか」
「アッレーばれちゃいましたか」
「やめろ。お前はそんなキャラじゃなかっただろ」
「キャハ☆」
「だから、そんなキャラじゃないだろって」
「照れ隠し///」
なんだか、エヌジンが、あの少年よりも、心配だ。
「ではいきなり本題に戻りましょう。拙者はコルテックス殿が助けに行くのはやめたほうがいいと提案します(キリッ」
そしてこの切り替えようである。これはこれでいいのだが、やはり心配にはなる。
昨日の食事にちょっと気になるキノコがあった気がするが、それが原因とかじゃないよな。毒とかじゃないよな。
「否!ワシは何としてでもあの少年を助けに行く!!すでに止めようとしているが、ワシを止めるなよ。エヌジン」
「はいはい。わかりました、どうぞご自由に。でも、何か問題を起こすようなことはしないでほしいぞ」
ワシはエヌジンの後半部分を聞く前に少年の所へ三度戻った。
第3話へ続く
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