|
新・YOCTO
|
![]() |
もみみ(5年前)
バート・ラマー(6年前)
2199(7年前)
2199ノークラ(7年前)
クラットン2(7年前)
ココバンディクー(8年前)
水無月ニトロ(8年前)
RITAL(9年前)
イエクラ(9年前)
asRiche3j8bh(9年前)
テトラピアノ(9年前)
asRichp4zuit(9年前)
オリキャラ短編集協会(9年前)
asRichg3gtwn(9年前)
わいるどた~ぼ(9年前)
asRichajohom(9年前)
ショートケーキ(9年前)
asRichw7ffmu(9年前)
スティックス・ザ・バジャー(9年前)
asRichqi316v(9年前)
asRichct3qjk(9年前)
リボルバー(10年前)
ぽぴゅらあ(10年前)
りんごっち(10年前)
sasuke(11年前)
回転撃(11年前)
ルイカメ(11年前)
ヴァイオレット(11年前)
えぞももんが(/・ω・)/(11年前)
隼人 (11年前)
まんじねーしょん(11年前)
CURA(11年前)
ハートオブハート(12年前)
フレイム(12年前)
ゲーマー(12年前)
クラットン(12年前)
ひろき(12年前)
ひろき(12年前)
HIROKI(12年前)
GGGGGGGGG(12年前)
IA・N(12年前)
かめちき(12年前)
霧雨(12年前)
てんし(12年前)
昇太/神馬当瑠(13年前)
風のクロノア(13年前)
オリキャララジオ放送社(13年前)
ここなっつココ(13年前)
いお太(13年前)
テクノしん(13年前)
リレー小説委員会(13年前)
ここなっつ(13年前)
気まぐれCocoちゃん(13年前)
たクラッシュ(13年前)
ダークネス(13年前)
早川昇吾(13年前)
しんごwww(13年前)
サム(13年前)
クランチバンディクー(13年前)
闇っぽいけど闇じゃない。永遠の炎の神様メフィレス(13年前)
イエクラ.com(13年前)
イエクラ@山手(13年前)
回転撃(13年前)

新・YOCTO コルテックス編 第3話 13:45~
2013/10/22(火)21:44:53(12年前) 更新
コルテックス編
当初は11000文字ぐらいで投稿予定でしたが、まさかの3分割で投稿することになりました。
ついでになぜか第3話として掲載する予定だった約11000文字から2000文字ほど増えています。
しかも、さらに増えそう。
「ぐふぁ!!」
気がつくとワシは少年の後頭部に向かって頭突きをしていたようだ。
その勢い、角度から考えるに『スーパー頭突き』と名付けたいところだが、なんだか恥ずかしいのでやめておこう。
「何するんですか!!」
「お前が全然振り向かないからお前が悪いぞ!」
「危害まで加えておいて俺に責任転嫁ですか。傷害罪で訴えます!!」
「ふん。だったらワシは表現の自由でそれを憲法違反として無効だと訴えてやる」
刑法第2編第27章・傷害罪
十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
対してワシは、
日本国憲法第21条第1項
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保証する
つまり、日本国憲法は最高法規に位置付けられており、たとえ刑法違反で訴えられても、その大本が憲法違反だと問題がないというわけだ。
……まぁ、問題大ありなんで、訴えられたら結構ワシはやばいのだが。
というか、日本とか刑法とかを口出している以上、ワシ達のこの小説の世界感がめちゃくちゃになってしまうぞ。
日本で地下施設に下水とつながっている一戸建てなんて無いわ。
「そういやお前、さっきからずーと俺の後ろにいたハゲですね」
「一度もワシに振り向かないのに何でワシがハゲだとわかる」
「ハゲですよ。ああ、ハゲですよ。地図見ているときに反射してたからわかる重度のハゲですよ。ハゲ」
反射って……
というか、この少年は本当にワシのことを嫌っているのかもしれん。
「そんなハゲオヤジが俺に何か用か?先に言っておくが、俺はお前のことが嫌いです」
「ちょっとあっただけですぐに人間の評価をしたらダメだと思うぞ。ワシにどこに行きたいのか伝えると楽になるぞ」
「暴行をふるったハゲオヤジには話したくはありません」
「なにおー」
最近、ワシも疲れているせいか変に怒りっぽくなっている。そのせいか突然こぶしを握り締めて少年を殴ってしまったような。
「いてっ」
ワシの感触に対して少年はダメージを受けていない。
「シャー」
殴られた少年はなぜか奇声を発しながらワシに殴り掛かってきた。
ワシは長年のカンを頼りに、何とかよけることができた。
「やる気か!!」
まさかパンチをよけられるとは思っていなかった少年は多少バランスを崩している。
ここでワシは先ほど開発したスーパー頭突き(仮称)をやろうと身構えた。
と、ここで、
少年の左手がやや光った気がする。
ワシの頭とは違う光り方だった。
そう、少年は
サバイバルナイフを持っていた。
「シャー」
少年の持っているサバイバルナイフがワシに向いた。
「シャー」
「わーゴメン。ゴメン。ゴメン!」
こうなってしまうと、もはや生物学的にとっさに身の安全を図ろうとする。さっきまでの怒りの気分に満ちていたワシでも、一瞬にして我に還り、生命を守ろうとする心理が働き、ひたすら少年に謝った。
ガキが、泣かした友達に対して謝るかの如く謝った。
否、今目の前にいる少年は鳴いている気がする。
それはワシの誤りが原因かもしれない。
「シャー」
急激に目の色が赤色に変わった少年は、おそらく刃渡り10cmぐらいであろう。
ストリームマシェットという言葉がふとワシの頭によぎったのはなんでだろうか。
「待ってくれ、待ってくれ、待ってくれ!!」
「シャー」
少年の左手がワシの脳天めがけて振りかざしてきた。
ワシは長年のカンを活かして少年の左肘よりやや手首に近いところを両手で持って耐えた。
サバイバルナイフはワシの脳天約5cmの所で止まった。
「シャー」
「落ち着け、落ち着け、落ち着け!」
ある意味ワシが少年以上に落ち着かないといけないのかもしれない。
「シャー」
少年はワシの手を振りほどこうとしている。
さっきから鳴いている所を見ると、もはや人間じゃない生物な気がする。
「とりあえず深呼吸をしよう。な、な、な!」
「コホー」
確実に人間ではない呼吸音が少年から聞こえた。
ついでにワシも深呼吸をした。
「ワシがすべて悪かった。謝る。マジで謝る。とりあえずココアおごるからゆっくり話をしような。だから、その手を下してくれ!!!」
ワシは死に物狂いで少年に頼んだ。
「シャー……」
少年は、何とか落ち着きを取り戻したようだ。
目の色も通常の青色に戻り始め、左手の力も抜け出している。
ワシは左手を払いのけて、マッハで自動販売機にてココアを2個買った。
「ウー……」
少年はナイフこそはしまったものの、相変わらずワシに殺意を向けている。
ワシがココアを買いに行く時でも、一定の距離を保ちつつワシついてきていたからな。そりゃあ、ワシも逃げようにも逃げられない状態であった。まぁ、仮についてこなくとも、少年はワシの背中に鋭く刺さるような視線を感じて、逃げることができなかった。
もはや、五寸釘でも打たれているぐらい。否、五尺釘ぐらいの威力のある視線だった。
っていうか、五尺ほどの長さの釘ってあるのか。
「落ち着け!これでも飲め」
「ウー……」
少年はおぞましい声を上げながらココアを受け取り、すぐさま近くにあったベンチ(エヌジンとさっきまで座っていたところ)に座って飲み始めた。
ワシはそれを見て少し安心したが、安心と同時に疲れが出てしまったため、なぜか少年の横に座ってココアを飲み始めた。
「……」
ようやく少年も落ち着いてきたようだ。目の色も元の色に戻ったみたいだが……
「……」
その目の色を見たワシも黙り込んでしまう。
突然目の色が変わったり、狂人化したりするところを除いてはただの人間。いわゆる『真人間』なんだが、特に改造とか何も加工がない人間ではこの辺では目の色が珍しいんだよな。
その少年は緑色の目をしていた。
いや、ワシの思っている緑よりかは結構明るい。というか爽やかそうな色をした緑なんだが。
こういうのはエヌジンが見たら結構詳しく答えてくれそうなのだが、エヌジンはどこに行った。ずーと生命の危機を感じていたからそれどころではなかったが、アイツまさか逃げ出したのか。ワシはピンチな気がするのだが。
「……うめぇ」
「それは何より」
どうやら少年も落ち着いてきたようだ。ワシも同じく落ち着いてきた。
しかし、さっきのはピンチどころかワシの今までの人生の中で一番身の危険を感じた瞬間であろう。そういえば、過去何度も世界征服を阻止された時は、阻止だけをしてワシの命は狙わなかったな。阻止の二次災害的なもので命の危機にはさらされたことはあったが。
さっきの少年に話しかけるネタの遠回りといい、クリティカルな出来事が起きない限りは誤差の範囲として世界は処理し、何事もないようにされていくのかもしれない。
だとするとワシの世界征服計画は、
計画→実行→阻止→失敗
これがワンサイクルとして『誤差』の範囲内として世界は通常通り回るのか。
だとすると、悲しい。
さっきみたいに、ストレートに迷子なのを訪ねるように、ここで何かクリティカルな事象が1つあればいいのだが。
「ココア、ありがとうございます」
「まぁ、これでさっきまでのを水に流してくれ。後、さっきのはスマンな」
「ごめんなさいでした」
第一印象に比べれば、この少年はなかなかの好青年かもしれないな。
でも最初にあった時に素直に迷子なのを言ってくれればなおよかったのだが。
これが現代教育の影響なのか。ワシは結構もったいないと思うぞ。
「ところで、さっきまでちらっと聞いていて、気になったことがありますが」
「何が?」
「世界征服の話ってガチですか?」
「おう!ガチだ」
「だとすると致命的な問題が一つあります」
「なんだ?」
「たとえば、ロボットのような無機物でかつ動力のある物体がいたらどうします?少なくとも『ありとあらゆる生物』ではその枠から外れた存在になりますよ」
「……」
ワシ達の技術力や、エヌジンを見ている手前ではちょっと否定はし切れない。
そういやエヌジンは仮に今のヨクトウイルスで洗脳しようとするとどうなるんだろうか。
「とはいっても、その弱点を突いたところで特に世界征服には影響は出なさそうですが」
「それはなぜだ?」
「だってまず世界征服なんてまさか起こるとは想像できないじゃないですか。ましてや、そんなまさかすぎることに対して莫大な費用や時間を費やすのって無駄すぎるではありませんか」
「でも国がらみとかになってくると、流石に何らかの手段はもうあるんじゃないのか」
あったらそれはワシが困るんだが。
「まぁ、それも否定はしきれないですが、昨今の技術ではロボットの性能としては微妙ではありませんか。まぁ、仮に『世界が征服された時に作動し、その根本的な原因を解決する』までの機能が備わったロボットがあるとしましょう。そしてそちらは『洗脳者を操る機械もある』とおっしゃられていましたよね。まぁ察するにあたって、もしそれがやられるとヤバそうですね」
洗脳者を操る機械を壊されると、クリティカルにやばい……わけではないが、大きな痛手を負うことは確かである。
今回のワシの世界征服計画では大きく分けて『ウイルス散布』と『感染者を操る』の2つがあるのだが、『感染者を操る』のほうの開発が大幅に遅れてしまったので、結果的に『ウイルス散布』と『感染者を操る』の2つを行うのにそれぞれ別の機械を作ることになってしまった。本来ならば『ウイルス散布』と『感染者を操る』の2つともできる機械を作りたかったのだが、まさかワシのヨクトウイルスの実験をしてみたいという好奇心によってクリティカルを回避するとは思わなかった。
だが、さっきのエヌジンの会話で『ヨクトウイルスの効果は永遠ではないかも』という可能性を指摘された手前、2つのうち片方を壊されただけでも十分危険な状況には変わらないはずだ。
とりあえず、ヨクトウイルスの実験を早期に試す必要があるな。
ヨクトウイルスの効果次第ではその後の展開が大きく変わる気がする。
「でもその場合はウイルス発祥地とかを探る機能があったとしても、それを操る機械のありかは別におくぐらいのリスク分散はしているはずでしょう」
言えない。まさか研究所でぼーとしながら洗脳と操りまでやろうとしていたことなんて。
ましてや、ウイルス散布と操る機械を1つにしようとしかけた所まで致命的な計画があったなんて言えない。
「これは俺の好奇心なんですが、実際に誰かが世界征服をやってほしいです。そして誰がどのようにしてそれを阻止しようかと動き出すところが見てみたいです」
「それは本当に好奇心なのか」
「好奇心は第一理由なのは本当ですが、実際裏でどんなことが起こっているのかって気になりますよね」
「まぁ、確かに」
例えば、エヌジンがどのようにしてあの知識を得ているかとかだな。
「人間の心理上、そういうものには興味が出てしまうものですよ。ましてや世界征服なんて現実味のないことならなおさらですよ」
「その辺はUFOとか幽霊とかを信じる、信じないとかと同じような話なのか。確かにそういったものに対してロマンを出すのはわからなくはないぞ」
「おおよそはそれであっていると思いますが、世界征服の場合は影響力がすさまじいですよね。そんじゃそこらの幽霊やUFO程度では、心霊スポットとか写真や動画が話題になる程度で特に影響は小さいじゃないですか。世界征服だったら、流石に誰かはそれを阻止するために『やむおえず』動く方もちらほらいるんじゃないですか。俺はそういった方や、そういった方の行動に特に興味があります」
ワシの経験上では、『そういった方』はクラッシュやその連中のことか。
そういや過去4回の世界征服計画では、なんだかんだで実行までの展開に入っていなかったから、それほど世界への知名度は低いのか。だからクラッシュとその関係者以外は特に動かなかったのか。
それこそ、裏で動いている間に、裏で阻止された。それだから表にいる人たちには伝わらなかったのかも。
だとすると、ワシの知名度は全然低いのかもしれない。
100年後に歴史の教科書に載るなんて、現状では夢のまた夢だな。だがしかし、夢は追いかけるこそ、ロマンがあり、興味があるものである。
「ちなみに、世界征服が実行されて、それを阻止しようとする人を見て、それからお前はどうするんだ」
「ストレートに考えますと、その情報は同じ世界征服を目論む人に渡すのが普通でしょう。同じ目的なんですから、計画者が違っても同じ脅威になることは間違いないでしょう」
「お前、世界征服でも考えているのか」
「それは考えていても他人に言うべきじゃないです。ましてや今回初対面の方に」
ワシは無警戒にベラベラとしゃべった気がするのだが。
「とはいっても、世界にとって一番平穏無事に過ごすためにはそのような世界征服やそれを阻止しようとするものすべてが動かないまま時が過ぎることなんですよね。最悪でも、裏の間にことが解決してくれればありがたいのですが」
それこそワシの過去4回のことか。恐らくワシが世界全体に影響させたことは皆無なんだろうな。今の所。
「そういうことは、いっつも姉から聞いていたんだよなぁ」
少年は突然独り言のようにつぶやいた。
「姉?」
「ああ、聞こえました。俺にも色々ですね」
「色々……」
この年で色々苦労しているのだな。
と、色々な知識を総動員しても、この感想しか生まれてこなかった。
色々ダメなワシだった。
「……」
「……」
その後、沈黙が続いてしまった。
「……ところで、名前を聞こうか」
沈黙が約1分間続いた後、ようやくワシからしゃべりだした。
「まぁ、知らない人に話したくないのですが、別にいいでしょう。その前に、一つ」
「おう、なんだ」
「名前を聞く場合、まずは聞いた側から名乗るのが常識じゃなかったでしょうか」
そういう常識だけは昔も今も変わらないのか。
「ああ。ワシはネオ・コルテックスだ。お前は」
「俺は風魔 葵(ふうま あおい)といいます」
「ふうまあおい?」
「なぜか俺の親はやや女性っぽい名前も付けるのが好きみたいです」
「その名前に文句はないのか。何だか女の子っぽいな」
「なんてことを言いますか!俺はこの親がつけてくれた立派な名前に誇りを持っています!!」
「そうか……それは悪かった」
てっきり、今はやりのキラキラしたネームかと思ったのだが、これぐらいは普通か。
「しかし、お互いの名前を聞いて思ったのですが」
「なんだ?」
「世界観滅茶苦茶ですね。俺は日本って国っぽい名前に対し、コルテックスさんは少なくとも、俺の国とは違う名前つきですよね」
「それは言っちゃだめだ!!」
その辺はうやむやにしておかないと膨大に世界観の説明から入らないといけないからあえてノータッチにしておきたかったところなのだが。
否、本気ですごい小説を書く場合はこの部分はカオスの状態をほおってはおけないのだがな。
「昔出された宿題から仕入れた情報によりますと、どうやら私の『葵』ってのは「『大きな志を持って人生を謳歌せよ』という気持ちを込めて、両親が大好きだった『タチアオイ』という花から、俺の名前は付けられたそうですよ」
「『タチアオイ』?ワシはその花についてはよくわからんが、さぞかし良い花から名前を付けられてよかったな」
「いやー、褒められると鼻が高いですよ」
「うまい!ココアもう一杯!」
ワシは勢いでココアをもう一杯風魔君におごってあげた。
ついでにワシの分のお変わりも買った。
「そらっ」
「ありがとうございます」
そういって風魔君は笑顔でお礼を言ってくれた。
年よりが必ず口にしてしまう言葉ランキングできっと上位にあるであろう言葉、『最近の若い者は』とは無縁すぎるぐらい好青年な風魔君だ。ちゃんとお礼も言うし、(正常な時は)キチンと敬語を使っている。多少不適切な敬語を使っている気はするが、そこは若いという事でこれから修正してもらうことにして目をつぶろう。
ところで、風魔君は好青年という言葉では表しにくいな。純粋無垢な笑顔に、童顔っぽい顔立ちしている割にはどこかしら勇ましいところも感じられる。
まぁ、ようするに『おとこのこ』だよね。
ちなみに、変換するとなぜか『男の娘』となってしまうのでひらがなのまま『おとこのこ』としておく。
まぁ、あたりさわりのない言い方だと『美少年』なのかもな。
そう思いながら、ワシと風魔君は2杯目のココアを飲んだ。
第4話へつづく
2628