人見ています。 |
新・YOCTO
|
もみみ(4年前)
バート・ラマー(5年前)
2199(6年前)
2199ノークラ(6年前)
クラットン2(6年前)
ココバンディクー(7年前)
水無月ニトロ(7年前)
RITAL(8年前)
イエクラ(8年前)
asRiche3j8bh(8年前)
テトラピアノ(8年前)
asRichp4zuit(8年前)
オリキャラ短編集協会(8年前)
asRichg3gtwn(8年前)
わいるどた~ぼ(8年前)
asRichajohom(8年前)
ショートケーキ(8年前)
asRichw7ffmu(8年前)
スティックス・ザ・バジャー(8年前)
asRichqi316v(8年前)
asRichct3qjk(8年前)
リボルバー(9年前)
ぽぴゅらあ(9年前)
りんごっち(9年前)
sasuke(10年前)
回転撃(10年前)
ルイカメ(10年前)
ヴァイオレット(10年前)
えぞももんが(/・ω・)/(10年前)
隼人 (10年前)
まんじねーしょん(10年前)
CURA(10年前)
ハートオブハート(11年前)
フレイム(11年前)
ゲーマー(11年前)
クラットン(11年前)
ひろき(11年前)
ひろき(11年前)
HIROKI(11年前)
GGGGGGGGG(11年前)
IA・N(11年前)
かめちき(11年前)
霧雨(11年前)
てんし(11年前)
昇太/神馬当瑠(12年前)
風のクロノア(12年前)
オリキャララジオ放送社(12年前)
ここなっつココ(12年前)
いお太(12年前)
テクノしん(12年前)
リレー小説委員会(12年前)
ここなっつ(12年前)
気まぐれCocoちゃん(12年前)
たクラッシュ(12年前)
ダークネス(12年前)
早川昇吾(12年前)
しんごwww(12年前)
サム(12年前)
クランチバンディクー(12年前)
闇っぽいけど闇じゃない。永遠の炎の神様メフィレス(12年前)
イエクラ.com(12年前)
イエクラ@山手(12年前)
回転撃(12年前)
新・YOCTO コルテックス編 第5話 15:15~
2013/10/22(火)21:44:19(11年前) 更新
コルテックス編
ようやく動きます。鋼公園から。
まだ敷地を出ていない気がしますが。
ウイルスについての熱い議論が終わり、少し静寂がワシと風魔君に流れた。
風魔君はその静寂が嫌なのかいち早く察知したので、腰を上げ、さっき殺人未遂が起こった地図のあるところに戻ろうとした。
「風魔君よ。もしかすると野暮な話になってしまうかもしれないが聞いてくれないか」
流石に止めにかかるワシ。もし戻ってしまえばさっきまでのがリセットされてしまう。というか、ワシの当初の目的を果たせない。
「聞かないという選択肢は俺にはないでしょうか」
「残念ながら聞かざる負えない」
そりゃそうだ。結果的に命がけでやろうとしていることだからな。
「お前、迷子だろ」
「!!??」
口あけて驚いた顔をするな。風魔君の迷子なのはバレバレを通り過ぎてもはや常識レベルまでになっているはずだが。
「だからお前、迷子だろ」
「い、い、い、いやあー、な、な、な、なんのことでしょうか」
わかりやすっ!
迷子なのはわかっていたことなのだが。
「話しかけた当初は狂人化して力でなかったことにしようとして、その後は永遠と意味もない会話でごまかそうとしていただろ。迷子だってことを」
「……………………グサッ」
口で言うな。年老いているワシですらしっかりと聞こえたぞ。
「重ねて言うかお前、迷子だろ」
「………………………………てへっ★」
んっ?!
「アッレーばれちゃいましたか」
殺人未遂や世界征服計画を(間接的に)相談するような深くかかわったとはいえ、風魔君とはあってわずかしかたっていない。にも関わらず、さっきのは明らかに風魔君のキャラじゃないことを言い出した。
「というか、わかっていたのでしたら最初っから言ってくださいよー」
そういって風魔君は軽くワシの肩をたたく。
なれなれしい上にこれも風魔君のキャラでない(であろう)気がしてならない。
「ワシは言ったぞ。言ったにもかかわらず、そちらは殺しにかかってきたじゃないか」
「キャハ★」
「満面の笑みでごまかすな。後、それは風魔君のキャラじゃないだろ」
「照れ隠し///」
本人にも言ったけど、明らかにキャラじゃないよな。
そこまでして迷子を隠したいのか。だとすると、変なところでプライドが高いな。
「もうそろそろ、あきらめたほうがいいとおもぞ」
「ええー」
「あきらめろ」
「…………。わかりました。俺が迷子であることを認めます」
「ようやっとか。長かったな」
「でも長くなった原因はコルテックスさんにもありますよ。いきなり暴力振るって来たり、俺が落ち着いた後でも一切迷子について聞き出さなかったりしですし」
「人間、テンションが上がると我を忘れることも多い。教訓になった。ありがとう。そしてスマン」
「一人で何悟っているんですか。とにかく、コルテックスさんは俺が迷子だという事を伝えました。そして助けを求めます」
「態度デカいな……まあいいや。さっさと目的地を教えてもらおう」
「教えますけれど、果たしてコルテックスさんにわかるのですかね」
「わかるさ。何でも知っているワシに教えてみな」
「ナニヲイウカ、コノオッサンハ」
「……今、なんつった?」
いきなり風魔君の声のボリュームもトーンも下がったのでワシは聞き取ることができなかった。年なので。と、いう事にしておこう。
「ああ、いえ、なんでもないです。俺は『大将商店街』に行きたいです。確かこの辺にあると思ってきたのはいいのですが、目的地に到着しそうで到着しなかったので、先ほどまで公園の地図をずーっと見ていました」
大将商店街だったら、地図以前にその横にある広告らしきところにデカデカと『大将商店街』のがあるはずなんだが。
しかも、公園をどこにでて、どの道をどのように進めばよいのかもあるはずだぞ。
まぁどちらにしても、書いてあったのになかなかわからずにずーと地図を見る風魔君は地図が読めない子なのか?否、単純に注意力不足だろ。地図を見るまでもないはずなんだが。
「大将商店街だったら大丈夫だが、大将商店街のどこに行きたいんだ?」
商店街っていうのだから、店が連続して並んでいる通りのことを言うのだから、商店街のどこに行きたいのはわからない。もしかすると風魔君は商店街の見つけにくいところを探していたから、地図を見てもわからなかったのかな?
まぁ、仮にそうだとした場合は風魔君にあうアドバイスとしては
『現地行ってから探せよ!!』
と言いたいのだが、我慢しよう。
というか、この質問自体野暮な気もするが。
「大将商店街にある『BAR NANDEYANEN』に俺は行きます。ちなみにそこは商店街入ったらすぐにわかるっていわれました」
「現地行ってから探せよ!!」
そこまでわかっているんだったらここで迷うなよ。
まぁ、風魔君が地図見て商店街の店の位置の詳細まで悩んでいたのかどうかはわからないので言えない言葉なのだが。
いや、思わず言ってしまった気がするが。
「っていうか、バーなんか行ってどうするんだ」
「軽く1杯やろうかと思っています」
「未成年の飲酒、ダメ、ゼッタイ!!」
地上波だったら間違いなく抹消されるぞ。
「嘘です。『旅行先の現地に集合』の『現地』がそこのバーなんです。まぁ兄がそこで働いているので兄の都合に合わせたところになっているだけです」
「兄がいたんだ。ワシもそのバーには時々行くのだが、まさか兄がいたのか」
「いくら名前が珍しいかと言っても、最近兄はそこで働き始めたのでコルテックスさんは知らないかもしれませんね。でも兄は何でもできるのでうまくやっていると思いますよ」
「随分と兄を信用しているのだな。仲良いのか」
「いえ、客観的に見ても兄はよくできた人間ですよ。ホント。俺は一生頭が上がらない誇り高き兄ですよ」
「でも、誇りは埃として消えていく可能性があるから注意しろよな」
「コルテックスさんうまいこと言いますねー」
「さっきのは風魔君が言ったことを丸パクリで言っただけなんだが」
「でも確かに埃の如く飛ぶ可能性もありましたね。なんせ最近会っていなかったので」
「そうか、それだと今日会えるのはさぞかし楽しみだろうな」
「はい」
「うれしいそうだな。いい笑顔で答えている」
「はい。という事でコルテックスさん」
「なんだ」
「とっとと道を教えやがれ。ですぅ」
すごくドスの利いた声が風魔君から聞こえてきた上に、結構甘ったるい語尾までつけられた。
「大将商店街とも言わず、集合場所であるバーまでも教えられるぞ。ただ」
ワシはここから大将商店街への行き方は熟知している。実際、大将商店街へはワシも鋼公園への脱出経路(下水)を通って行くため、ワシがいつも大将商店街に行くルートを教えればいいだけなんだが……しかし。
「おい、まさかここで分からないというオチだけはやめろよ、ああん!!」
甘ったるい語尾の代わりに刺し殺すような語尾が追加してしまった。しかも、顎を若干あげてワシを見下すように(ワシと風魔君の身長及びワシ達の距離からすると見下せないはずなんだが)視線をワシに送ってきた。
さっきの狂人化の時ほどではないが、風魔君怖いぞ。
見た目好青年で美青年な風魔君なんだが、それとは別に声色を一気に変えてあのキレ具合。怖いな。まがいなりにもキチンと敬語を使っていたにもかかわらず、一気にあの口調にもなっているからな。
「知っているにしても知っていないにしても、とっとと吐いて楽になりやがれゴルァ!!!」
年齢がワシの4分の1すらないかもしれない風魔君に軽く脅されてもいる気がする。
まぁ、その脅され内容である大将商店街までの道に対しては確実にわかっているので問題ないんだが、ワシがどうやって風魔君に道を教えるかという問題もある。なぜならば……
公園の東出口を出て、道なりに歩いていけばたどり着く所だからだ。
流石に多少のカーブはあるため、鋼公園からは直接は見えないのだが、曲り道すらないので実質ただ道を歩いていくだけでたどり着くというベリーイージーな場所だ。おまけに、道中に『大将商店街まで後○○m』という看板が数個ある。というか、東出口を出た付近にも看板がある。
ちなみに、この鋼公園は『北出口』『南出口』『東出口』『西出口』の四つがあり、現在ワシ達が座っているベンチは、公園の敷地内の『北出口』と『東出口』側の隅にある。そして地図はこのベンチから『北出口』よりにある。なお、ワシやエヌジンはいつも『南出口』からこの鋼公園にやってきている。
さて、このような状況でワシはどうやったら脅しをかけている風魔君にプライドを傷つけずに教えることができるのだろうか。
というか、意外とここでワシがどのように教えるかによってワシの運命が変わるような気がしてきた。
「もったいぶらずに早く教えやがれですぅ。ああんっ!!」
「風魔君よ。まずは落ち着いてくれ」
「ああんっ!?」
「落ち着いて、よく聞いてくれ。この鋼公園の東出口を出て、その直後にある看板にしたがって道なりに進んでいくだけで目的地の大将商店街につくぞ。ましてや、この公園から大将商店街に行くのだから、商店街のアーチをくぐったすぐの左側の1つ目の店が『BAR NANDEYANEN』だ。一目でわかるから安心しろ」
「……」
「…………」
「………………」
「……………………」
「…………………………。シャー」
たぶん、色々な思いが風魔君の頭に入って処理しきれなかったから狂人化してしまったのだろう。
まだまだ若いな。
って、そんな冷静に分析している場合じゃないぞ!!また風魔君がサバイバルナイフを取ろうとしているぞ。
あのストリームマシェットだぞ。この言葉の意味はまだワシはわかっていないが。
「わー落ち着け。落ち着け!!ここから大将商店街に行くのはしごく簡単だ。否、しゅごくだ」
ワシは噛み噛みだ。こんな危機的な状況に陥れば噛みますとも。
「シャー……」
「…………」
「……あれ?そんなに簡単な道で大将商店街にたどり着くのですか?」
良かった……何とか風魔君に伝わったみたいだ。狂人化が元に戻った。そして案の定驚いた。
「た……助かった……」
「すいません、青春期なもので我を忘れてしまいました」
流石若い。若いっていいなぁ。
若いだけで勢い余って人を殺めそうだからな。
最悪ジャン。
「とにかく、ここからだと超絶簡単な道のりだ。いくら迷い子風魔君でも、これだけ聞けば大丈夫だろ。だが、ワシが唯一心配なのは大将商店街に行くには一回公園内で左に曲がらないと東出口にはいけないことだ。そこが今回の最高難易度だからな」
「そこまで俺をバカにしないで下さいよ。俺も散々迷いマイマイしている間にこの公園の地形ぐらいは熟知いたしました。公園から出ることぐらいはホホイのホイですよ」
「そうか、そうならありがたいが」
イマイチ信用ならないので風魔君が東出口に向かって歩いているのにワシもついていくことにした。
「あっ、すぐそこまでですから」
「いやいや、ワシもちょうど歩きたいところだったから」
「……優しいですね、コルテックスさん。二度も命の危険にさらされながらも、その加害者の悩みを聞いて解決しようとしている所からすると、なんだか失笑してしまいますよ」
……何ィ?
まぁ、上のモノローグは風魔君の発言に対してカッとしたわけではなく、単に後半部分が聞こえなかったからである。突然声が小さくなってきた気がするし。
というか、ところどころ風魔君は声のボリュームやトーンが変わる傾向があるな。これが声変わり真っ最中の若者に良くあるヤツなのか?
でも、仮にそうではなくとしても、わざとやっているとは思えないのだが。
ちなみに、風魔君の声を聴く限りでは声変わりはまだだと思われる。
喉仏も見当たらない。
「閑話休題、コルテックスさん」
「そんな難しい言葉を使うな。なんかごまかそうとしていないか?」
「さ、さ、さぁ、なんのことやら……」
「バレてるぞ。めんどくさいからなかったことにするが」
「助かります」
「そういうところだけ正直だな」
もっと正直になれよとワシは思う。
「それはさておきコルテックスさん、こんな話を知っています?おじいさんが山へ芝刈りに行って、おばあさんが川で洗濯に行く話です」
「それは一般的に有名すぎる『桃太郎』の話じゃないか。それがどうした」
「話としてはおばあさんのほうにいったん話が流れているじゃないですか。その間のおじいさんは何をやっていると思います?」
「何をって、山で芝を刈りに行っているだけじゃないのか」
「そうとは限らないじゃないですか。例えば、山に芝を刈りに行っている途中、光る竹を見つけて、そこから切って出てきた小さな女の子を、浮気相手のおばあさんの所に持って行っているかもしれないじゃないですか」
「いやすぎるぞ!その話は」
たとえ、昼メロですら、
桃太郎のおじいさん=かぐや姫のおじいさん
この設定は重すぎるぞ。
「つまり、全事象からありえないだろうと証明できる事象を差し引いた残りすべてに起こりうる可能性があるってことです。山へ行って亀を助けた可能性もありますし」
ない。といいたいところだが、話の流れ上ではそれを言ったらおそらくダメだろう。
「そして謎が多い物事に対しては特に厄介ですよ。差し引ける事象が少なすぎて、その結果予想していなかったカオスな事象が起こることだってままありますよ。まぁ、でもそれが光る竹とかの一時的なものでしたら、1回きりで済むことですが、それが人間だと辛くありません?たとえば会社や学校で毎回会う人だったら、カオスなことに巻き込まれる可能性も高そうですよ。ましてや親しい人だと、カオスな出来事を避けたくてもなかなかかわせないでしょうね」
「ワシの年齢になるとそんな難しいことを言われても、理解できないぞ」
「コルテックスさんのような方なら流石に理解していただきたかったのですが……これは」
「……」
「……」
その後、ワシ達が無事に東出口につくまで沈黙が続いた。
「……よし、東出口についたぞ。そこに看板があるだろ。後はそれ通りに行けば大将商店街につくぞ」
「ありがとうございます。コルテックスさん」
「でもワシはまだ心配だ」
「ふふっ……そうですか。では、最後に僭越ながら俺がコルテックスさんにアドバイスをいたします」
「何を」
「さっきの世界征服をする小説ネタなんですが、平穏無事に世界征服が完了できるわけがないですよ。カオスな事象が起こって波乱万丈になるのはお決まりですので、要はそこからどのように対処するかですね。世界征服をやろうとしている人がただ慌てているだけでは話になりませんよ」
「……」
「……」
「とりあえず、道を教えていただきありがとうございます。それでは!」
そういって風魔君は振り返ることなく、また看板も見ることなく東出口を出て、迷いなく大将商店街に通じる道に向かった。
「結局なんだったんだアイツ……」
風魔君という少年はいい人っぽそうなのだが、変に謎めいたことが多すぎてやや消化不良感があるのだが……
ともかくワシは公園にて会話することによって気分転換できた……否、さっき研究所で起きた時以上に気分がどんよりしている気がするが。
辺りはそろそろ暗くなり始めてきた。ワシは晩飯の時間までに、このどんよりとした気分を治したくてたまらない。
年寄りには辛すぎるどんよりだ。
第6話へ続く
2366