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新・YOCTO コルテックス編 第7話 17:00~
2013/11/07(木)21:19:09(11年前) 更新
コルテックス編
戦闘シーン?
ワシの気持ちを落ち着かせるまでには、思っていた以上に時間がかかってしまった。
公園へ戻ったワシはまず公衆トイレで顔を洗った。
若干ためらう行為かもしれないが、研究所に帰ったら、エヌジンをはじめ研究所のみんなにワシが泣いていた姿を見られる可能性があるからいた仕方ない。
だが、トイレの近くで片方の男性がつなぎのホックをはずしながら『やらないか』といってもう片方の男性に迫っていたのは、はたしてなんだったのだろうか。
きっと、『屋良内科』という医者の設定でままごとを始めているのだろう。
大学でも『ままごとサークル』ってのがあるらしいので、きっとそれだろう。
ふふん、ワシも結構世の中知っているぞ。
それをワシはスルーして、3杯目のココアを購入してベンチで飲みながら気持ちを落ち着かせた。
顔を洗うのとココアかって落ち着かせる行為は一見すると順序は逆なのかもしれないが、ワシの泣いた顔を一刻でも早くどうにかしたかったので、まずは当面の処理を行いその後、気持ちを落ち着かせ、泣く大本を処理した。
なんだ、ワシもちゃんとできるじゃないか。
一通り泣いた後の処理を行ったワシは、未来に進むべく、研究所に帰ることにした。
ワシは鋼公園の南口から出て1kmほど歩いた先の路地裏にあるマンホールに、念のために誰にも見られていないことを確認してマンホールを開けて中に入った。
下水(兼脱出経路)を通って研究所に帰るルートを選択した。つまり行きと同じルートなんだが、やはり臭う。臭う。原因は完全に下水道だ。
これはこれで泣きたくなるなぁ。
流れる汚水。間違いなくともこれがにおいの原因なんだけどな。
いくらワシでもこれを解決することはできない。
まぁ、流石に人間には限界あるよな。
そう思いながら下水(兼脱出経路)を歩く。
汚水は絶え間なく流れる。
流れる。流れ続ける。
ワシの涙は止まったにもかかわらず、流れ続ける。
その絶え間ない流れを見ると、『川』を思いつく。一応たとえその水が臭う汚水だとしても、一応『川』としての役割ははたしていなくはない。
『川』ねぇ。
えーっと、確か川についてはどこかで話が合ったような、なんだっけな……
『むかしむかし、あるところにエヌジンとコルテックスがいました。エヌジンは謎のタイミングでどっかに行ってしまい、コルテックスは汚水が流れる川をたどり研究所に帰ろうとしました』
そう、そんな感じで昔話の話が風魔君と会ったと思う。
が、こんな昔話だったっけ?全然違うような気がするが。
まぁ、ワシも年だ。ここまで覚えていただけでも上出来だ。しかしながら、とてつもなくらいやな昔話だな。
そういえば、エヌジンはホントにどこに行ったのだろうか。
まさか、光る竹を見つけて浮気相手の家に行っているわけではないよな。
というか、エヌジンは浮気も何もそのような浮ついた話はワシには一切聞かないのだが。
だがしかし、臭う。臭うぞ。これは。
とりあえずワシはさっさと下水(兼脱出経路)を抜け出したいと思った。本当に臭う。何か臭う。変だ。
今日の下水(兼脱出経路)はかなり臭う。その臭いの原因はなんだ。時間帯が悪いのか?
『コルテックスは汚水が流れる川をたどっていると、川上のほうから水死体のようなものがどんぶらこ、どんぶらこ、と流れてきました。』
……!?
ホントに来る時間帯が悪かったかもしれない。
なんだあれは?!だがしかし、ここは落ち着け。ワシ、落ち着け。風魔君からさっきそういわれたはずだ。
これはえーと、あれだ。二時間ドラマとかでよく見るあのあれだ。
そう、いわゆる窒息した人間が水面に浮かぶ水死体だ。水面から出ている部分はおそらくその生物の背中の部分であろう。だが、この物体は少なくとも人間ではない。毛皮らしきものがあるのでおそらく人間以外の動物であるのは確かだ。だが、毛皮と認識したそれにすら、さらに違和感を感じる。でもこれは水で濡れてべたっとなっているからなのだろうか?
動物にしても何かがおかしい。
ワシのカンでは、風魔君とさっき生命の危機を感じた時と同じぐらい。否、それよりかは若干マシなのかも?
とにかく、マズいってのは直感的にわかった。
ワシまたピンチ。
だがしかし、風魔君とは違ってこれは関わらないほうがいい。そのまま流れきってしまえばほかの誰かが処理してくれるだろう。
そう思って川の流れ的に、今来た道を引き返せばワシは今来た道を戻ればやりすごせるだろう。
それからは多少遠回りにもなっていいから地上ルートから研究上に帰ろう。
『コルテックスは川から流れてきた水死体を無視しました』
ワシは今来た道を帰った。
『しかし、水死体は自ら浮かび上がり、コルテックスの前に立ちふさがりました』
「……っ!?」
ワシは一歩後ずさった。落ち着かなくてもその姿は一目見ただけでわかる生物だった。
そう。ワシの過去4回計画した世界征服を失敗にさせた張本人であり、かつワシが生み出した生き物である。
その名も、『クラッシュ・バンディクー』である。
「……」
だが違う。あのクラッシュではあるが、クラッシュではない。
「…………」
着地時の音といい、いかにも毛皮っぽく見える外見といい、ワシの知っているクラッシュではないのはわかった。
「………………」
ましてや、生物として目を守るためや感想を保護する時などに使われる瞬きや、生物として酸素を取り入れ、代謝を行う呼吸など、生物としての基礎中の基礎の動作すら行っていない。
「……………………」
まさか風魔君に忠告されたことをすぐさま利用するとは思わなかった。
普段ならパニックになって下手したら腰が抜けてしまいみじめにへたり込んでいたであろう。だがしかし、風魔君の忠告があったからワシは何とか踏みとどまって観察することができた。
「…………………………」
間違いない。こいつは偽物だ。ただの防水機能がある機械に過ぎない。
ただし、製作者はクラッシュを知っている。
少なくとも、生物的な動作をしないところを除けば外見は完全にクラッシュに仕上げられている。
「………………………………」
とにかく、今は危機的な状況には変わりない。さっきからずーとこちらを凝視(機械なので認識が正しいかもしれない)しているが、なぜか一切向こうは動き出さない。
「故障か」
「……………………………………」
ワシが独り言をつぶやいても反応なし。というか、そんなことをしている場合じゃない。どうする?戦うか逃げるか。
『しばらくお互い膠着した後、コルテックスは逃げ出しました』
逃げよう。一番最初に見た時に思ったのと同じ方法を取ろう。関わらないほうが一番だ。背中を見せることになるが今から全力で走って研究所に逃げ込めば大丈夫だろう。
たまにはランニングも悪くはない。ただ妙齢のワシにどれだけ走れるかどうかはわからないが。
ともかくワシは研究所に向かって走り出した。
『しばらくお互い膠着した後、コルテックスは逃げ出しました。
しかし、川から流れてきたものは逃げ出したコルテックスの足をめがけてスライディングをしました』
「ぐふぁ!!」
ワシは前に倒れこんだ。
サッカーなら間違いなくイエローカード物のスライディングだ。
『そして、倒れたコルテックスに川から流れてきたものはとどめのボディブレスをかましてきました』
……っ!!
『しかし、コルテックスは執念でかわしました』
流石にアレはダメだ。
ワシは転がって何とかかわしてかつ、下水に落ちないようにした。
かわして何とかワシは立ち上がったのだが、
「ぐっ……」
さっきのスライディングによる足へのダメージは思ったよりも甚大だった。
左のふくらはぎのやや下部分にスライディングが当たったが、幸いにも向こうの靴(機械なので足の裏?)がスパイクのような突起物はないので、後で湿布をはれば問題はないと思うが、ダメージを受けた直後の今は歩くことすら厳しい。
つまりこのまま歩く、ましてや走って研究所に逃げるのは難しい。だが向こうはボディプレスからの起き上がりにもたついているため、痛みに我慢すればひょっとしたら……
どうする?向こうもトラブっているから走らなくても逃げたら逃げ切れるかもしれないし、思い切って(あきらめて?)攻撃するのもありかもしれない。が、攻撃するにしてもワシは今武器も何もない上に手負いだ。逃げるにしてもさっきのスライディングを考えると危険だ。次は右でも左でもくらったら終わりだ。もうワシは立てないであろう。
そうなると動ける今が最後のチャンスだ。普段のワシの性格や丸腰であることを加味すれば逃げると思うが、ここはあえて勝負だ!
『そしてコルテックスは反撃に出ました』
左足が負傷している今、ここはあの技しかない。
無意識に風魔君相手に編み出した『スーパー頭突き』をくらわすしかない。
『スーパー頭突きをコルテックスは繰り出し、川から流れてきたものへ突っ込みました』
動力不明、地面に並行して頭が先に飛んでいくワシの頭部を最大限に利用した頭突きだ。これで少なくともなにかは起こるはず……
『川から流れてきたものは、迎え撃つかのようにスピンアタックを繰り出しました』
「ぬっ!」
『川から流れてきたものは、迎え撃つかのようにスピンアタックを繰り出しました。
勢いのある者同士がぶつかり、その結果川から流れてきたもののスピンアタックの力が勝ったため、コルテクッスは吹き飛び壁に激突し、そのまま倒れてしまいました』
「ぐっふぁ!!」
レフトフェンス直撃のライナー。
そんな感じでワシは呻きながら吹き飛ばされ、ただ下水の反対側の壁に激突して力なく倒れるだけだった。
ワシは、少なくとも何もできなかった。
『倒れたコルテックスを確認した川から流れてきたものは、無言でその場から立ち去りました』
ぐっ……所詮は老いぼれのワシだったのか。向こうもかなりポンコツだったがそれでもダメだったか。
薄れていく意識の中でワシは考えた。
なぜ一番最初に発見した瞬間に逃げなかったのだろうか?その後多少冷静になって向こうを分析したところはワシの今までにない良いところだったのだが、明らかにワシは失敗している。
そうしてワシは今まで4回も世界征服を失敗したのもわかる気がする。そして5回目もこのままでは……
だがワシはそんなことを考えているよりも、さっきのクラッシュそっくりの機械について危惧しておく必要がある。
……次に目覚める時があればの話だが……
『コルテックスは誰にも看取られず静かに息を引き取りました。こうして世の中は知らず知らずのうちに世界征服の危機から免れましたとさ。めでたしめでたし』
第8話へ続く
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