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第12章
2014/09/07(日)00:20:11(10年前) 更新
昨日は壮絶な一日だった。昨夜の夢で一日の出来事が何度も繰り返し映し出されたのだから間違いない。コルテックスの頭は朝になっても整理がついていなかった。このままではいけない。
まずは、今の状況を整理しよう。事の発端はドラゴンがコルテックスの部屋から脱走したこと。ここから全てが始まったはずだ。そして逃げ出したドラゴンがあろうことかこの学校の生徒を殺害。
校内中を騒然とさせた。午後の授業は校長の判断により無理やり続行されたが、それが終わるとすぐに全校集会が開かれた。そこで校長は全校生徒に校内の生徒が何者かによって殺害されたことを告げ、今もその原因の究明を急いでいるとのことだった。
となると、やはり教師陣はこの事件の主犯者を捜していることになる。おまけに学校の教師達に加え、第一発見者であるシエラまでもがその原因を究明しようとしている。成程、これは厄介だ。
コルテックスはこの状況下で事を荒立てることなくドラゴンを捕獲しなければならないわけだ。ここまで考えてコルテックスが出した結論は、早急にドラゴン捕獲作戦を実行する必要がある、ということだった。
幸い今日は午前中の間は卒業研究の時間が続く。まずはそのうちに自らの武器を作り上げることと、集まれる者たちである程度プランを組み立てておくべきだろう。
コル「・・・よし、とりあえずエヌ・ジンとブリオに連絡を取ろう」
目が覚めて、見つめる先がいつもと違う風景であることに少し驚く。そこで初めて、シエラは自分が保健室で眠っていたことを思い出す。窓から日の光が差し込んできて、昨日のことが嘘のように清々しい朝だ。
?「やぁ、よく眠れたかい?」
入口の方からそんな声がしてきた。見ると、入ってきたのは教育実習生であるセドリックだった。
シエ「えっと、あなたは確か・・・」
セド「セドリック・スープラ。ま、研修生だしそんな反応してもらえただけでも上出来かな」
シエ「あぁ、あの研修生の・・・」
セド「そう、今は保健室の職員の人手が足りないらしくてね。で、俺が駆り出されたってわけ。ほら、俺薬剤担当だし」
シエ「はぁ・・・」
シエラは半ば当惑した態度だが、セドリックはあくまで気さくに話しかける。
セド「とりあえず温かいスープでもどう?元気が出るよ」
シエ「あ、はい・・・ありがとうございます」
何故か保健室にあったコンロでスープを温めているセドリックに対し、今度はシエラから話を切り出した。
シエ「あの・・・昨日の事なんですけど・・・何かわかりましたか?」
そう言われると、セドリックの表情は急にせつないものに変わり、ため息をつきながら顔を左右に振った。
セド「すまない・・・まだ原因もよく分かっていないそうだ・・・現場にも確証を得られる証拠は見つからなかった」
シエ「そうなのですか・・・」
セド「先生たちは今も原因の調査を続けている。だから何かわかったことがあれば、俺たちに教えてほしい。どんなことでも」
シエ「・・・はい。分かりました」
シエラがそう答えると、セドリックは仕切り直すかのように声の調子を戻して喋りだした。
セド「っと、そろそろスープも温まってきた頃かな。まずはこれでも飲んで、元気を出して」
そう言って彼はシエラにスープを差し出してくる。シエラはそれを笑顔で受け取った。
シエ「ありがとうございます。でも、私もう大丈夫ですから。今日の授業だって、次からちゃんと出られるのです」
セド「そうか・・・強いなぁ、君は」
彼は心底感心した様子でそう言った。
セド「それを聞いて安心したよ。じゃあ、僕はこれで失礼するよ」
シエ「はい」
そして、セドリックは保健室から出て行った。それから、シエラは貰ったスープを飲む。スープを飲み干すと同時に、彼女は改めて決意を固める。
シエ(私も事件の真相を知りたいのです・・・それを調べるためには、まずは自分にできることを考えなきゃ・・・)
エヌ・ジン、ブリオが部屋にやって来たところで、早速ドラゴン捕獲のために作戦を立てる相談を話し始めた。その第一歩が、それぞれが作ろうとしている武器の発表だ。まずは、コルテックスから説明を始める。
コル「まずは、僕が作っている武器について説明しよう。丁度そこに試作品が置いてある」
彼はそう言って窓際の机の方を指差した。見ると、そこには拳銃のような形をしたものが置かれていた。
ブリ「これは・・・銃?」
コル「ああ、だがただの銃じゃない。そいつが出すのは弾丸なんかじゃないんだ」
ジン「・・・と、言いますと?」
コル「まぁ実際に見せた方が早いだろう」
そう言ってコルテックスはその武器を手に取る。少し緊張した面持ちで引き金に手をかける。そして、一瞬一息をついてから一気に引き金を引く。次の瞬間、銃口から出てきたのは確かに、弾丸ではなかった。
代わりに出てきたのは突き刺さるような鋭い音と、眩いばかりの光の塊だ。それを見た2人は驚きの表情を見せる。その頃にはもう既に閃光は部屋の壁に激突し、バチッという音を立てながら消滅していた。
コル「見たろ?僕が作ったのは電撃を出す光線銃だ」
ジン「電撃・・・成程!」
コル「こんなのを作ったのは初めてだったから少々手間取ったが、なんとかここまで形にすることはできた。あとはこれを強化していけば、あのドラゴン相手にも効果は期待できるかもしれない」
ブリ「この短い時間でですか?すごいじゃないですか!」
コル「ま、まぁな・・・」
久々にストレートに褒められたコルテックスは、少々照れながら応えた。しかし、今はこの余韻に長く浸っているのはやめることにした。気分を改めて、淡々と話を切り替える。
コル「さて、次は2人の武器がどうなっているかを聞きたいな」
ジン「では、次は拙者が開発中の武器を説明しましょう」
エヌ・ジンは少し声を弾ませながらそう言ってきた。この時点で、彼が作っている武器はだいたい予想がつく。
ジン「拙者が今回開発しているのは、ターゲットの追尾機能を持ったミサイルです」
案の定、彼が作っていたのはミサイルだった。昔からミサイルは彼の得意分野であるし、ミサイルを作ることに関しては並々ならぬこだわりがある。
コル「ほぅ、追尾機能か・・・」
ジン「実は拙者、前々からこの機能を付けるための研究を続けていたのですが、調度それがコルテックス殿のお役にたてることが出来そうですな」
エヌ・ジンは満足気な表情をしてそう言った。勿論、以前に作ったどのミサイルよりも高い威力を実現させるつもりです、とも付け足した。
コル「そうか。じゃあ、今度はブリオの武器だな」
コルテックスがそう言うと、ブリオは肩をびくつかせながらぎこちなく応えた。
ブリ「あ、はい・・・!」
それから彼は、どうにも自信のなさそうな顔つきで口を開いた。
ブリ「まぁ、私が作ったものは、武器とよべるかどうかは分かりませんが・・・」
消え入りそうな声でそう呟きながらも、ブリオは懐から小さな試験管を取り出した。中には何やら怪しげな色をした液体が入っている。
コル「成程、薬物か・・・で、それは一体どんな効果があるんだ?」
ブリ「実は、もう一つ材料があるのですが・・・」
彼はそう言いながら錠剤タイプの白い薬が入った小瓶を取り出して見せる。そして、ふたを開け、その一つを手に取る。
ブリ「これをこの液体の中に入れると・・・」
そう言いながら試験管の栓を抜き、その錠剤を静かに試験管の中へ落とす。ポトン、という小さな音をたて、錠剤はゆくっり底へと沈む。コルテックスとエヌ・ジンはその様子を固唾を飲んで見守った。
すると、ブリオは試験管を軽く左右に振り始める。錠剤から泡が出始め、ボコボコ、という音が試験管から飛び出してくる。ブリオはさらに試験管を振る。やがてその音は急速に大きくなっていき、ついには液体が破裂し、試験管を突き破った。
2人「うわっ・・・?!」
突然の出来事に驚きを隠せない2人をよそに、ブリオはその床に落ちてきた物体を満足気に眺めている。なんと、先ほどの液体は錠剤の効果によるものなのかゲル状に凝固し、その体積は試験管に収まっていたころよりもはるかに大きくなっていた。
いつだったか、エヴォルヴォレイ装置で肥大化させたネズミと調度同じくらいの大きさだった。さらに、その物体は床を跳ねながら勝手に動き回っている。
コル「こ、これは・・・?!」
ブリ「私特製のスライムです。こいつは自分の意思で動き回りますよ?」
すると、そのスライムはコルテックスの足元まで飛び込んできたかと思うと、器用にその体を変形させて、コルテックスの足に纏わりついてきた。
コル「なっ、何だ・・・?!」
ブリ「そして、そのスライムは強力な粘着性を持っているのです。つまり、このスライムに捕まった者はその場から動くことができない」
コル「・・・!!」
コルテックスはすぐに足に力を入れ、動かそうと試みる。が、動かない。どれだけ全力をこめても彼の足は地面から離れる気配がない。
コル「あっ、ほんとだ・・・!っていうかこれ、どうやって取るんだ?!」
ブリ「これで文字通りドラゴンの足止めをしようというのが私の考えです。といっても、あのドラゴンの動きを止めるには、もう少しスライムを強化する必要があるでしょうけどね」
コル「成程それは名案だな。だが今はそんなことよりもこれを何とかしてくれぇーっ!!」
ブリ「あっ、申し訳ありません!えっと・・・すぐ液状に戻す薬を持ってきますっ!」
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