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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月六日
2012/05/19(土)22:48:47(12年前) 更新
Evil to Defeat the Evil ~PLC編~
街を変えたい、そんな思いの果てに出来た組織「PLC」
決して善い行いではない、しかし悪を倒すために日々努力する彼等。
そんな彼等に絶好のチャンスがやってくる・・・
「ZZZ・・・」
昼前にも関わらず、クラッシュはPLC本部の自分の部屋でいびきをかいて寝ていた。
世間一般では今日は月曜日だ。普通の人なら朝から働いているだろう。だが、マフィアになってからは正直曜日なんてあまり関係がなかった。
その時、部屋に誰かが入ってきた。
そしてクラッシュの寝ているベッドに近づき、布団を引っぺがした。
「さ、寒いって・・・また、ティアさん・・・?」
クラッシュはそう言いながらゆっくりと目を開けたが、そこにはティアではなく、ビットが立っていた。
「モーニングコールは女性のほうが良かった?」
と、ビットが言った。
「ビ、ビットさんか・・・」
クラッシュはそう言ってベッドから体を起こした。
「クラッシュ、早速悪いけど仕事だ。僕と一緒に来てくれないか?」
「仕事・・・内容は?」
「お迎え、って奴。空港まで車で行って、多分来るであろうある一人の男性を本部まで送る。それだけ」
「それだけなのに、何でおいらも行く必要が・・・?」
「ピンストライプさんの命令。逆らうつもり?」
「い、いやそんなことはないです」
「そりゃあ良かった。じゃあ早速支度して、準備が出来たら下まで来て」
「はい・・・」
「じゃあ、待ってるから」
ビットはそう言って、部屋から出て行った。
クラッシュはベッドから降りてクローゼットまで歩いていき、中からいつもの服を取り出して素早く着た。
最初のほうは着るのに時間のかかっていたスーツだが、今はそこそこのスピードで着る事ができる。ちょっとした進歩である。
支度を終えたクラッシュは、急いで下の階に向かった。
下の階ではビットが待っていた。
「お、来たね。じゃあ行こうか」
ビットはそう言って、本部の外に出た。クラッシュもその後を追った。
外には一台の車が既に止まっていた。
ビットは運転席の鍵を開け、中に入った。クラッシュは助手席のほうに回りこんで車の中に入った。
そして、ビットはエンジンをかけ、車を出した。
「こうやって一緒にドライブするのは、二度目だったね」
と、ビットが言った。
「そうですね」
「うーん、やっぱりしっくり来ない。どうも丁寧な敬語は苦手なんだよね・・・もうこの際、敬語じゃなくていいから」
「え、本当!?」
「ティアさんには悪いけど、僕の前ではタメ口オッケーってことで」
「分かったよ」
「そう言えばさ、クラッシュって何処の出身?」
「おいらはオーストラリアから来たんだ」
「オーストラリアか・・・奇遇だね、今回の相手もオーストラリアから来るそうだよ」
「そうなんだ、へぇ・・・おいらの知ってる人かな?」
「さぁ、でもピンストライプさん曰く結構な田舎者っぽいって言ってたけど」
「田舎か・・・おいらも田舎のほうに住んでたんだ。妹と一緒にさ」
「なのに、一人でこっちまで来たんだ。妹さんを一人にして大丈夫?」
「あいつは、多分大丈夫」
「ふーん・・・」
「それと、親戚に農家の人がいてさ。その人から良くりんごを譲ってもらってたんだ」
「りんごが好きなんだ」
「うん、りんごこそ世界で最も美味しい食べ物だと思ってるから」
「今度、クリムゾンさんにでも頼んでりんご料理を作って貰えば?料理のことだったら喜んで引き受けてくれると思うよ?」
「でも、ちょっと怖いかな・・・」
「確かに怖いね。僕もちょっと苦手なタイプだ」
「え、でも仲はいいんじゃないの?」
「そうでもないかな。仕事上絡んでいるだけって感じ。大体彼は住む世界が違いすぎるし」
「住む世界・・・あの人ってマフィアな上に、科学者もやってるの?」
「元々科学者が本職さ。マフィアになった理由は・・・うん、まぁ色々あったそうだよ。僕からはあまり言えないけど」
「何で?」
「彼はあまり過去について触れられるのが好きじゃないんだ。まぁ、本人から上手く聞きだして」
「分かった・・・」
車は南側に向かってどんどんと進んで行き、街の中央部北側から高速道路に入った。
そこから一気に南に向かって進み、数十分後には空港前のロータリーに到着していた。
ビットはそこに車を止めた。
「此処で待ってれば来るはずだから」
「うん」
二人は来るであろう人物を車内で待ち続けたが、一向に来る気配はない。
「暇だね・・・ラジオでもかけようか」
ビットはそう言って、車内のラジオをつけた。
ラジオからは最近流行のポップス系の音楽が流れてきた。
二人はしばらくその曲を聴いていたが、突然曲が途切れた。
「番組の途中で悪いけど、此処で緊急ニュース!
Chaonate City国際空港にて、たった今男性が麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されました。
男性はオーストラリア発の航空機で、ヘロイン約10kgを密輸した疑いだそうよ!」
二人はそのことを聞き、驚愕した。
「まさか、これって・・・」
「クラッシュ、すぐに行こう!」
ビットはそう言って急いで車から降りた。クラッシュもまた車から急いで降りた。
二人は急いで空港の中に入っていこうとしたが、それより先に空港の入り口から警察の集団が出てきた。
その警察に取り囲まれるようにして、真ん中に一人の男性がオドオドしながら歩いていた。
ビットはポケットから写真を取り出した。
「・・・見事に捕まったね」
と、ビットが呟いた。歩いていた男と同じ顔が写真にあった。
だが、クラッシュはそれ以上に驚愕している点があった。
「ア、アーネスト!アーネストだよね!?」
と、クラッシュが男に向かって叫んだのだ。
男はその言葉を聞き、驚いた表情を浮かべてクラッシュのほうを向いた。
「ク、クラッシュじゃないか!何で君が此処に・・・」
と、アーネストと呼ばれた男性が言った。
クラッシュはアーネストに近づこうとしたが、それより早く一人の女性がクラッシュの前に立った。
「それ以上近寄っちゃ駄目よ」
と、女性が言った。
「で、でも・・・その人はおいらの・・・」
「クラッシュ、此処は一旦退こう」
ビットはそう言ってクラッシュに近づき、クラッシュの腕を引っ張った。
「え、ちょ、ちょっと・・・」
クラッシュはそう言いながらもビットに引っ張られていってしまった。
「あんなふうに逮捕された人には近づかないほうが良いよ。関係があると思われて一緒に連行されることもあるからね」
と、ビットが歩きながら言った。
「でも、アーネストはおいらの親戚の農家の人で・・・」
クラッシュがそう言った時、ビットはクラッシュの腕を放して立ち止まった。
「いいかい、キミが一般人だったら別に止めてはない。でももうキミはマフィアなんだから、警察に近づくこと自体危険な行為なんだ。分かってる?」
と、ビットが言った。いつも通りの優しい口調だったが、クラッシュは少し彼が怒っているということを感じた。
「ご、ごめん・・・」
「それにしても弱ったな・・・ピンストライプさんに何て言おうか・・・」
その時、二人の傍に何者かが近寄ってきた。
近寄ってきたのは二人組の男性で、片方は肩にカメラを担いでいた。
「やぁ、そこの君。さっき逮捕された人物に近寄っていたけど、知り合いかい?」
と、二人組の内の一人が言った。
「え、ええ・・・」
「誰も取材して良いなんて言ってないんだけど。とっとと帰ってくれるか?」
と、ビットは二人組に対して言った。
「おいおい、短気だねぇ~!そんなに怒らなくて良いじゃねぇか!」
と、カメラを担いでいた男性が言った。
「・・・情報局のチックとスチューだったよね、確か」
と、ビットが言った。
「こちらの名前を知っているとは。僕はチックで、彼がスチュー」
と、チックが言った。
「キミ達に話すことなんて何もない、分かってる?」
と、ビットが言った。
「冷たいねぇ、噂と違うぜ!俺は優しい上司タイプのマフィアだって聞いてるぜ、ビットさん?」
と、スチューが言った。
「流石情報局だ。でも、その程度の情報を握られてるくらいで動揺すると思ってる?」
「今回の逮捕者は麻薬を輸入しようとしてたそうで。ということは、そちらさんと取引しようと・・・」
チックがそう言おうとした瞬間、突然何かが割れるような音がその場に響いた。
そしてそれと同時に、スチューの担いでいたカメラがバラバラになって地面に落ちた。
「いい加減にしてくれないか?」
と、ビットが言った。彼の手には刀が握られていた。
「お、おいこいつ刀で俺のカメラをぶっ壊しやがったぜ!?何考えてんだ!?」
と、スチューが怒りながら言った。
「カメラで済んだだけマシだと思ったら?」
ビットはそう言って刀を鞘に納めた。
「スチュー、カメラを壊されるとどうしようもない。帰ろう」
「お、おう・・・いいか、こんなことしといてタダで済むと思うなよ!?」
「じゃあ今のうちにこれでも渡しとくよ」
ビットはそう言うとポケットから何かを取り出し、スチューに投げつけた。
スチューはそれを受け取って調べるうちに見る見る顔が変わっていった。
「さ、札束・・・!?ホントに貰って良いんだな!?」
と、スチューが目をキラキラさせながら言った。
「その代わりに今回の取材は全てなかったことにしてもらいたいんだけど」
「こいつをくれるんだったらその位どうってことねぇぜ!チック、今日はキャバクラにでも行ってパーッと遊ぼうぜ!」
「そ、そうだね・・・それじゃあ、僕達はこれで」
そして、チックとスチューはその場から立ち去っていってしまった。
「・・・何なんだろう、あの人たち」
と、クラッシュが呟いた。
「Chaonate Information Stationの連中だよ。ああやって取材しに来る無礼な奴等だよ。まぁ、金を握らせればすぐに帰ってくれるんだけどね」
ビットはそう言って、車のほうに向かって歩いていった。クラッシュもその後ろについていった。
「ビットさん、これからどうする・・・?」
「とりあえずピンストライプさんに報告するのが先かな」
ビットはそう言って車の扉を開け、運転席に乗り込んだ。クラッシュも助手席に乗った。
そして、車はPLC本部に向かって走り去っていった。
「・・・おいおい、嘘だろ・・・」
と、自分の部屋でテレビを見ていたピンストライプが呟いた。
テレビには、アーネストが空港で取り押さえられるシーンが映っていた。
「まさか、一切小細工なしで輸入しようとしたのか・・・幾らなんでも馬鹿じゃないか」
その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「誰だ」
「ティアです」
「入って良いぞ」
ピンストライプがそう言った後、扉を開けてティアが入ってきた。
「ピンストライプ様、例の件はお聞きになりましたか?」
と、ティアが言った。
「今回の取引の件だろ。もうテレビでもやってる」
「そうでしたか・・・こちら側の関係が明らかにならなければいいんですが」
「恐らくビット達と接触はしていないだろうから、取調べであの男が吐かなければ大丈夫なはずだ」
その時、机の上の電話が部屋の中で鳴り響いた。
ピンストライプはすぐに受話器を持った。
「もしもし、ピンストライプだ」
「もしもし、ビットだ。もう話は聞いてる?」
「・・・ああ、そっちは何も面倒事にはなっていないか?」
「情報局に絡まれたけど、金を握らせておいたから多分大丈夫。でも、クラッシュが・・・」
「新入りがどうかしたか?」
「実は、あの取引の相手の男、クラッシュの知り合いらしいんだ」
「何だと・・・ああ、確かに新入りもあの男もオーストラリア出身だったな」
「それで、男が連行されているときについクラッシュが声をかけちゃって、もしかしたら・・・」
「成程・・・まぁ、その程度ならまだ大丈夫なはずだ。とりあえず一旦本部まで戻ってきてくれ。これからのことについて話したい」
「分かった、それじゃあまた」
電話はそこで切れた。
「クソ・・・上手過ぎる話だと思っていたらこんなオチが来るとは・・・」
「まだ取引の最中を狙われなかっただけ幸い、と考えるべきですかね」
「そうだな・・・」
予定調和で進むはずの取引は、想定外の結末で終了してしまうことになった。
しかし、このままで終わらすわけにはいかない、そう思う者が一人残っていた。
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