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クラッシュ・ウェスタン2 ~Leute beim Edelstein~
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第十二章
2012/06/01(金)23:18:15(12年前) 更新
これより下は本編です
夜七時過ぎの港町。既に捕鯨船レオパルド一世は港を離れていた。
辺りは少しずつ暗くなっており、街にいた観光客達も、ホテルに帰っており人気はほとんどなかった。
そんな中、港に三人組の者達がいた。ニーナ、フレイ、カタパルトの三人だ。
「これが最後のチャンスね」
海を見ながらニーナが言った。
「ここであいつ等を倒すことが出来なかったら、あいつ等は俺たちの本拠地に足を踏み入れることになる」
と、フレイが言った。
「そんなことになったらあたいら大目玉よ。最悪リストラもありうるかも」
「ニーナだけはそんなことありえねぇよ。俺とかカタパルトはその可能性は十分だけどな・・・」
フレイはそう言ってカタパルトのほうを見た。カタパルトは海をぼーっと見ていた。
「カタパルト、どうかしたか?」
「・・・悪い、考え事だ」
「そうだ、どうだったんだ、リタイラルって男の件?」
「・・・止めることは出来なかった」
「そうか・・・どうする?その男だけ怪我させないようにするか?」
「その必要はない。別にぶち殺したって構わないさ」
「・・・あんた、家族なんでしょ?本当にいいの?」
と、ニーナはカタパルトに向かって言った。
「確かに家族だ。だが、敵対関係になった以上、手加減はしないということだ」
「・・・全く、仕事に従順な男ね。それだけの意思がある悪党、あんたとごく数人くらいかも」
「・・・この程度の意思、裏の世界で生きていくには必須だと思うが」
「そうかもね・・・さ、おしゃべりは終わり。最後の戦いに向けて出発するわよ!」
ニーナはそう言うと、港に泊まる一隻のモーターボートに乗り込んだ。
「よし、行くか」
フレイはそう言ってボートの運転席に乗り込んだ。
「・・・」
カタパルトは黙ったままボートに乗り込んだ。
「いい、作戦は説明したとおり。まず深夜にこのボートで敵の船に接近、そしてフレイはあたいとカタパルトを抱えて上空から侵入。まずはエンジンルームに忍び込んで爆弾をセット。それもフレイの役目」
「分かってる。飛び切りいいやつを用意してやったぜ」
フレイはそう言って懐から時限爆弾を取り出した。
「オッケー。で、ここからは敵が逃げ出さないように適当に相手した後に脱出。簡単でしょ?」
「・・・催眠装置は使わないのか?」
カタパルトはニーナに聞いた。
「それはもう任せるわ。それじゃ、出発して!」
「はいはいっと」
フレイはそう言ってモーターボートのエンジンをかけた。
「・・・完成だ」
船の厨房で、クリムゾンただ一人が料理を作っていた。
かなり大人数の料理を作るのはさすがにきつかったが、何とか作り終えることが出来たようだった。
クリムゾンは近くの台車に全ての料理を乗せると、皆がいるテーブルに運んでいった。
「うっまそー!!!」
料理を見た瞬間クラッシュは大喜びで叫んだ。
「落ち着け、今から料理の説明をするから」
そう言ってクリムゾンは最初に大量の牡蠣の乗った皿をテーブルのど真ん中に置いた。
「もしかしてこれって、牡蠣のグラタン?」
と、ココが言った。
「その通り。五十個あるから分けて食ってくれよ。そして次はこれだ」
クリムゾンは今度は一人一人の前にロブスターの乗った皿を置いていった。
「ロブスター大きいな。相当高かったんじゃ?」
と、クロックが言った。
「まぁな。こいつはロブスターの蒸し焼き、隠し味が分かる野郎は立派だ。一人一尾だから他人のを取るみたいな真似はするなよ?そして、ヘルゼルの釣り上げた、鮫の登場だ」
クリムゾンはそう言ってテーブルの上に無数のフライが乗った皿を乗せた。
「あの鮫を調理するとはさすがだ・・・」
と、ヘルゼルが呟いた。
「このフライ、何個あるかは知らん。そしてフカヒレは誰が喰うかで喧嘩しそうだからこうした」
クリムゾンはそう言って巨大な鍋の蓋を開け、スープをお椀に寄せていった。
「フカヒレスープじゃねぇか・・・こんな高いもんをこんな場所で食えるとはな」
と、ポトリゲスが言った。
「スープは適当にしてくれ。あとは白米とパンを用意したから好きなほうを取ってくれよ」
クリムゾンはそう言うと自分の席に座った。
「それじゃあ、いっただっきまーす!!!!」
船内に皆の声が響き、皆は料理にがっついた。
「うー、うまい!!!」
クラッシュは様々な料理を飲み込むかのごとく食っていた。
「さすがクリムゾン、料理の腕がすごい」
クロックはロブスターを食べながら言った。
「どの料理にも一切妥協しない。科学者と料理師の相性って案外いいんだな」
ポトリゲスはスープを飲んで言った。
「・・・無駄にうまい」
南は牡蠣を食べながら言った。
「うっめー!」
ロックは鮫フライを食べながら言った。
「この味はさすがだ・・・」
ヘルゼルも鮫フライを食べながら言った。
「どの料理も酒に合う!さっすが!」
リタイラルは酒と料理を交互に食べながら言った。
「泳いでお腹へってたから、いくらでも食べれそう!」
ココはパンを口に方張りながら言った。
「私も疲れていましたから、美味に思えます」
ザジは白米を食べながら言った。
「ホント、クリムゾンさんってお料理が上手ですよね」
シクラメンはスープを上品に飲みながら言った。
「ごぞうろっぷに染み渡るねー。ごぞうろっぷって何か知らないけど」
ペタはロブスターを殻ごと頬張りながら言った。
「料理が出来る人っていいねー」
ザンナーは牡蠣を食べながら言った。
「ただのキザでマッドな科学者かと思ってたけど、やるじゃねぇか」
と、ディンゴが言った。
「俺が認めたコックだぜ?な、クリムゾン?」
ウォーラスはそう言ってクリムゾンのほうを見た。
しかしクリムゾンは何か考え事をしているようで、料理にあまり手をつけていなかった。
「クリムゾン、聞いてるか?」
「・・・あ、ああ。悪い」
「さっきから飯食ってないみたいだけど・・・まさかまた毒を盛ってたりしてねぇよな?」
「この状況で毒を盛っても何の得にもならないだろ。少し考え事をしてただけだ」
クリムゾンは厨房での料理中、ある不思議な出来事に出会っていたのだ。
皆が料理を食べる少し前、クリムゾンは厨房で料理をしていた。
クリムゾンは巨大な包丁で鮫をさばいていた。
「・・・なんだ?」
クリムゾンは鮫の内臓に何かおかしなものが入っていることに気づいた。
内臓なんてすぐに捨てるつもりだったが、興味のわいた彼は早速胃袋を開いた。
中には様々な魚の死体と銀色に光る四角い箱が入っていた。
クリムゾンは箱を取り出した。それはどうやらアタッシュケースのようだ。
「こんなものまで飲み込むとは」
クリムゾンはそう言ってアタッシュケースの表面を水で流し、タオルで拭き、テーブルに置いた。
そして、ロックを外し、アタッシュケースを開いた。
「・・・危険物か」
何と中にはバズーカの弾が入っていたのだ。そして、小さなケースも入っていた。
「このケースには、何が・・・」
クリムゾンはケースを持ち、蓋を開けた。中には名刺が入っていた。
「・・・これは!?」
名刺には信じられないことが書かれていたのだ。
「名前・・・ザンナー・ブリッツだと!?職種は書いてないみたいだが・・・何故ザンナーの所持品がここに?」
クリムゾンは訳の分からない状況に陥った。しかし冷静に判断し、一つの仮説を生み出した。
「ザンナーは船に乗っていたと聞いた。その船が難破して、その衝撃であの女は記憶喪失になったのか・・・?鮫はこのアタッシュケースを餌だと思って食ったのだろう。此処最近で船が難破した情報は・・・フッ、そういうことだったのか。妙な引っかかりが取れた」
クリムゾンはそう呟いた後、名刺をしまい、アタッシュケースを閉めた。
「・・・食事が終わったら、ザンナーを呼び出すか」
クリムゾンはそう呟いた後、食事を再開した。
既に何人かは食べ終わっており、その者たちは続々と自室へと戻っていった。
クリムゾンも手早く食事を済ませた。幸いにもまだザンナーは残っていた。
クリムゾンは立ち上がり、ザンナーの元へ近寄った。
「ザンナー、少しいいか?」
「ん?」
ザンナーはクリムゾンのほうを見た。
「食事が終わったら、話をしたいんだが」
「別にいいけど、どんな内容?」
「それは後で、な。俺の部屋に来てくれ」
クリムゾンはそう言うと自分の部屋へと戻っていった。
「話って何だろう・・・?」
ザンナーはそう言った後、食事を再開した。
「ザンナーさん、クリムゾンさんが何て言ったの?」
と、ココがザンナーに聞いた。
「話したいことがあるから部屋に来てくれって。何だろ?」
「もしかして、愛の告白なんじゃないの!?」
「・・・何故そのような結論になるのやら」
と、ザジが小さな声で呟いた。
「それは絶対にないですよ~。だってクリムゾンさんって、研究とか以外に一切興味なさそうだもん」
と、シクラメンが言った。
「でも、それだと余計に怪しいじゃん」
と、ココが言った。
「ま、あたいが行けばわかるっしょ。んじゃ、行ってくるね」
ザンナーはそう言って立ち上がると、クリムゾンの部屋へと向かった。
「でも、あたしはクリムゾンさんくらいのイケメンなら喜んでつき合えるな」
と、ココが言った。
「だから、何故そんな話に・・・」
ザジは呆れながら言った。
「ああ、私もあの人からの愛の告白を受ける日が来るのかな・・・」
と、シクラメンは上を見ながら言った。
「みんな浮かれすぎー。私はれんあいかんじょうなんて一切ないよー」
と、ペタが言った。
「ペタさんは見れば分かる、そういうことに全く興味ないこと」
と、ココが言った。
「さ、明日も早いことですし、そろそろ部屋に帰りましょう」
ザジはそう言って立ち上がると、自分の部屋へと戻っていった。それに続くように、他の三人も部屋へ戻っていった。
ザンナーはしばらく歩き、クリムゾンの部屋へとやってきた。
「来たわよ」
と、ザンナーが行った。
「入れ」
と、扉の内側からクリムゾンの声が聞こえてきた。ザンナーは扉を開け、中に入った。
クリムゾンは椅子に腰をかけていた。
「まぁ、とりあえずベッドにでも座れ」
そう言ってクリムゾンは近くのベッドを指差した。
「ええ」
そう言ってザンナーはベッドに腰掛けた。
「それで、用件って何?」
「少し見せたいものがあってな」
クリムゾンはそう言うと立ち上がり、近くに置いてあったアタッシュケースを持ち上げると、ベッドの上に置いた。
「それがどうかしたの?」
「開けてみろ」
「・・・分かった」
ザンナーはそう言うとアタッシュケースを開いた。中にはバズーカの弾と小さなケースが入っていた。
「・・・もしかして、あたいに弾薬くれるの?助かるよ!」
ザンナーはそう言うと喜んだ。
「それよりもっと重要なことだ。そのケースの中を見てみろ」
「これのこと?」
ザンナーはそう言ってケースを手に持つと開いた。そして、中に入っていた名刺を見て驚愕した。
「こ、これ、あたいの・・・名刺!?」
「・・・恐らくな」
「これ、どこで見つけたの!?」
「鮫の腹の中だ。恐らく餌と間違えて飲み込んだろうな」
「でも、何で海にあたいのアタッシュケースが・・・」
「お前、確か船に乗っていたらしいな」
「ええ、多分」
「そこから推測するに、お前の乗った船が沈没したか、お前がアタッシュケースを海に落としたかのどちらかだろう。恐らくは前者だろうな。それで、お前は海に溺れた際のショックで記憶障害が発生した、と俺は考えている」
「船が沈没した・・・最近そんな事故はおきてるの?」
「一件な」
「そうなの・・・ありがとう、記憶を取り戻す鍵を見つけてくれて」
「礼には及ばない。話はこれだけだ」
その時、船内にサイレンが鳴り響いた。
「ん、何だ?」
クリムゾンは急いで立ち上がった。ザンナーもアタッシュケースを閉じ、手に持つと立ち上がった。
「船内で不審人物の姿が確認された!Vaterの可能性もあるから、全員いつでも戦えるようにしておけ!」
船内のスピーカーからウォーラスの声が鳴り響いた。
「Vaterか・・・既に俺たちの足取りを掴んでいたとはな」
「さすが巨大組織なだけあって、情報を掴むのが早いわね・・・さ、これからどうする?」
「部屋でじっとしている訳にはいかない。俺は不審人物を捕らえに行く」
クリムゾンはそう言うとハンドガンを構え、部屋を飛び出していった。
「あたいは、とりあえず他の人と合流しよう」
ザンナーもそう言って部屋から出て行った。
「ディンゴ、どこに潜んでやがるか分かるか!?」
「わりぃ、さすがにこんなでかい船じゃあどこにいるか検討もつかねぇぜ」
「クソ・・・捕鯨船を使えば他の船から進入されることは無いと思っていたが、空からだとどうしようもねぇ」
ウォーラスとディンゴは、操縦室で慌てていた。
ウォーラスはついさっき、空に何者かの姿を確認していたのだ。彼はそれがすぐにVaterの三人組だと分かった。
「厄介なことにならなきゃいいが・・・」
ウォーラスは小さな声で呟いた。その時、操縦室にクラッシュが飛び込んできた。
「ウォーラス、侵入者って本当なの!?」
「恐らくな・・・保安官、ディンゴ。もしものことがあったらマズイから言っておく。この船には緊急時用の脱出艇が甲板に積んである。2隻あるから全員で逃げれるはずだ。もしものことがあったら、二人が皆を誘導して連れて行ってくれ」
「連れて行ってくれって・・・てめぇはどうする気だ!?」
「レオパルドは親友の大事な船だ。もしも傷なんかつけられたら困るんだ。俺は今から侵入者を探しに行ってくる。もしも、脱出しないといけなくなっても俺は待たなくていいからな」
ウォーラスはそう言うと、操縦室から出て行こうとした。
「ウォーラス!おいらも一緒に行くよ!」
「俺っちだって行くぜ!てめぇ一人を見殺しになんかできねぇよ!」
クラッシュとディンゴはそう叫んだ。
「ありがてぇ言葉だ。だが、船長たるもの、乗組員の安全を守るのが最優先だ。だから俺一人で行かせてくれ」
ウォーラスはそう言うと、操縦室から出て行った。
「相手が何考えてるかなんて知らねぇが、こういう時に相手が行く場所は限られてるんだよな」
ウォーラスはそう呟くと、エンジンルームに向かって走っていった。
エンジンルームには、上手く船内に忍び込んだフレイがいた。
エンジンルームは非常に広々とした部屋で、フレイくらいなら間単に飛び回れそうだった。
「馬鹿でけぇ船にお似合いなでっけぇエンジンだ・・・この爆弾で大丈夫か?」
フレイはそう呟きながら、爆弾をエンジンにセットした。
そして爆弾のメモリを10に回し、起動ボタンを押した。爆弾は一秒ずつカウントを始めた。
「これでよしっと・・・ん?」
フレイはその時、エンジンルームの扉が開く音を聞いた。
「チッ、勘付かれたみたいだな」
フレイはそう言って物陰に隠れた。
「そこにいるのは分かってやがるんだ!出て来い!」
ウォーラスはエンジンルームに入った後、大声で叫んだ。もちろんどこからも返事は返ってこない。
「一人残らず三枚オロシにしてやるからなぁ!」
ウォーラスはそう言うと、巨大なマグロ包丁を構えた。マグロを解体する時に使用するこの包丁は、威力こそ日本刀に劣るものの、刃が非常に長く、武器としては十分な代物である。
船内での武器としてウォーラスはこの包丁を厨房から取り出していたのだ。
「うっわ・・・物騒すぎるだろ・・・何だよあれ」
フレイは物陰からウォーラスの持つマグロ包丁を見て呟いた。そして、手にグロックを持つとウォーラスの目の前に飛び出した。
「出てきやがったか」
ウォーラスは落ち着いた表情で再度マグロ包丁を構えた。
「イカれた船長のお出ましか?そんな物騒なもん人に向けるなって教わらなかったのか?」
フレイはそう言ってグロックを構えた。
「あんたこそ銃を人に向けるなって教わらなかったのか?とにかく、この船に何をした?」
「此処に来たってことは予想はついてるんだろ?わざわざ俺の口から言わなくたって分かってるくせによ」
フレイはそう言った瞬間、グロックをウォーラスに向けて撃ちはなった。
「人の船に土足で入りやがって・・・ただじゃすまねぇぞ」
ウォーラスはそう言うととっさに左手に鍋の蓋を持ち、正面に構えた。銃弾は蓋に弾かれ、ウォーラスは無傷だった。
「どこのファンタジーだよ」
フレイはそう呟くと翼を羽ばたかせ、その場から飛び立った。
「お空に逃げるなんて、悪い生肉ちゃんだ!これでも食らっとけ!」
ウォーラスはそう叫ぶと、フレイに向けて中華包丁を投げつけた。
「焼き鳥だけはごめんだ!」
フレイはそう言って包丁をサッと避けると、ウォーラスの周りをグルグルと飛び回った。
「うっとうしいんだよ!」
ウォーラスはそう言ってやたらめったらに包丁を投げたが、フレイにヒットすることは無かった。
フレイは空中で体勢を整えると、ウォーラスのほうを向いた。
「鷹の素早さなめるなよっと!」
そう言った瞬間、フレイはウォーラスに向かって凄まじいスピードで突進を繰り出した。
しかし、ウォーラスはマグロ包丁を構えると、その場に突っ立ったまま何もしない。まさに絶好の的だ。
フレイはスピードを緩めずウォーラスに近づいていく。
「海の男の反射神経、なめられちゃ困るな」
ウォーラスは小さな声で呟くとフレイをじっと睨んだ。
そしてフレイとウォーラスの距離がほとんど縮まったその時、ウォーラスは瞬時にフレイを右に受け流し、背中目掛けてマグロ包丁を振り下ろした。
その場に数枚の羽毛が舞い散った。
「な、何だと!?」
フレイは予想外の展開に困惑し、一旦地面に着陸した。
どうやらマグロ包丁はフレイの羽をいくつかかすっただけで、あまり大きなダメージは与えられなかったようだ。
「俺の体に攻撃を与えたの、お前が始めてかもな」
フレイはそう言うとウォーラスのほうを見た。
「さぁ、ここからだぜ?」
ウォーラスは再びマグロ包丁を構えた。
「今度は上手くいかないだろうよ」
フレイはそう言うとその場で飛び上がり、空を飛ぼうとした・・・だが、その瞬間フレイは地面に思いっきり落ちた。
「グヘッ!な、何なんだよ!?」
フレイは素早く立ち上がると、翼を羽ばたかせた。だが体が浮く気配は無い。
「・・・まさか」
フレイはそう言うと左の翼の先端を見た。
「うっそーん!!!風切羽切れちゃってる!!」
何とフレイの風切羽が切断されていたのだ。大多数の鳥は風切羽がなくなると空を飛ぶことが出来ない。それは例えフレイでも同じことだ。
「実は鳥を裁くのも得意でよぉ、どうやったら鳥が飛ばなくなるかくらい知ってたんだよな」
と、ウォーラスは言った。
「クソ!こうなったら仕方が無い。いつかこの借り、返してやるからな!覚えてやがれこのデブ!」
フレイはやけになりながらそう叫ぶと、ポケットから手榴弾を取り出し、地面に投げつけた。
その瞬間、閃光が部屋を覆った。ウォーラスはあまりの眩しさに目を瞑った。
しばらくしてウォーラスが目を開けたとき、フレイの姿はなかった。
「逃げ足だけはさすがだな・・・さてと」
ウォーラスはそう言ってマグロ包丁をしまうと、エンジンの周りを調べだした。
「どうせエンジンぶっ壊して船を沈める寸法だろ?悪人ってホント分かりやすい作戦しか立てないよな」
ウォーラスはそう呟きながら爆弾を探していた。しばらくした後、ウォーラスは遂に爆弾を発見した。
「あったあった・・・よいしょっと」
ウォーラスは爆弾をエンジンから取り外した。その時、ウォーラスは爆弾から電子音がなっていることに気づいた。
ウォーラスはまさかと思い、爆弾を注意深く見た。
「・・・予想はしてたけど、どうすっかな・・・」
ウォーラスは爆弾についていたカウントを見て呟いた。残り時間はあと3分だった。
「爆弾解体の技術なんかねーよ・・・しゃあねぇ」
ウォーラスは爆弾を構えたままエンジンルームを出た。その間にも爆弾のカウントは続く。
甲板に向かう途中、ウォーラスは数人の仲間と出会ったが無視して甲板を目指した。
「ハァ・・・ハァ・・・」
そして遂にウォーラスは甲板に出た。爆弾の残り時間は一分を切っていた。
「よし・・・こんなものはこうしてやる・・・海よ、今回ばかりは許しておくれよ・・・!」
ウォーラスはそう言うと、爆弾を海に向かって思いっきり投げた。爆弾はある程度飛んだ後、海に落ちた。
その瞬間、爆弾は大爆発を起こし、あたりに水飛沫が舞った。
「ヘ・・・ヘヘヘ・・・危なかったぜ」
ウォーラスはそう言うと甲板から船長室に向かった。
一方クリムゾンは、ウォーラスのいる場所とは少し違う所の甲板にいた。
彼は船室から外に出る途中、怪しい人影を見ていた。
「どこだ・・・」
クリムゾンはハンドガンを構えながら辺りを見回した。しかし辺りは暗すぎて何も見えない。
「・・・クソ」
クリムゾンはそう言うとポケットからペンライトを取り出した。そしてそれを使って辺りを照らし始めた。
その様子を見ていた男が一人、船の二階部分のテラスにいた。
「己から光源を照らしてくれるとは・・・殺しやすい」
その男はカタパルトだった。いくらスナイパーの彼とも言えども真っ暗の船では相手の位置を正確につかみ取るのは不可能だった。
だが光源がある今、彼にとって絶好の狙撃チャンスだった。
カタパルトはM70を構えると、クリムゾンの頭に照準を合わせた。
そしてゆっくりと引き金を引いた。その瞬間、弾丸はM70の銃口から回転しながら発射され、クリムゾンの頭部目掛けて確実に飛んで行った。
このまま行けばクリムゾンを仕留めることが出来る・・・カタパルトはそう考えながらボルトを引いた。
だがここで一つの誤算が生じた。何かの影がクリムゾンの前を通り過ぎた。
「・・・邪魔が入ったか」
カタパルトはそう呟くと冷静にM70を構え直した。
何と影が通った瞬間、弾丸が消えたのだ。カタパルトは影が弾丸を消去したと推測していた。
「世話のかかる科学者だ」
影の正体は南だった。南はクリムゾンと合流しようと甲板に来ていたのだが、その時クリムゾン目掛けて弾丸が飛んで行ってたことに気づいた。
そして彼は素早く弾丸を切り払ったのだった。
「・・・悪かった」
クリムゾンはそう言うとレーザーソードを取り出した。
「どうせならこっちで戦おうぜ」
南はどこに敵が隠れているかまでは分からなかったが、近くにいることは分かっていた。
もちろんカタパルトがそんな要求を呑むわけが無かった。
カタパルトは今度は南の頭部に照準を向けようとした。だが、彼はいち早く背後の気配に気づいた。
そしてM70をしまい、両手にM1887を持つと素早く振り返った。
「さっすがスナイパー、背後の気配には敏感だ」
そこにはシカゴタイプライターを構えたポトリゲスがいた。
「・・・褒められるつもりは無い」
カタパルトはそう言った瞬間右手のM1887をポトリゲス向けて撃った。
「おいおい、引き金を引くのが早すぎじゃねぇか?」
ポトリゲスはそう言うと素早く後ろに下がった。散弾の性質上、遠距離ではダメージは少なくなってしまう。
銃声を聞いたクリムゾンと南は、甲板からはしごを使って素早く二階に登った。
「俺を狙撃しようとするとはいい根性だ」
クリムゾンはそう言ってレーザーソードを構えた。
「これで三対一だ。逃げた方が賢いと思うけどな」
南はそう言うと刀を両手持ちで構えた。
「・・・チッ」
カタパルトは舌打ちをすると、三人をじっと睨んだ。
「・・・下がる気は無いんだな」
南はそう言って、カタパルトとの間合いを一気に詰めた。
カタパルトは右手のM1887をリロードしながら左手のM1887で南を撃った。
南はそれをジャンプして避けると、降下の勢いに任せて刀を振り下ろした。
カタパルトは刀を右に避けた。南は地面に着地すると、素早く何回も刀を振り回したが、カタパルトは凄まじい反射神経でそれを軽々と避けていく。
「すっげぇな・・・」
ポトリゲスはカタパルトの反射神経に圧巻していた。
「敵の能力に感激していてどうするんだ。手伝いに行くぞ」
「でも俺様銃しか持ってないから、手伝いなんて出来そうに無いぜ?」
「・・・それでも元ポトルーズか」
「分かった分かったよ。適当に撃ってやるから誤射されても文句言うなよ?」
「・・・当たったら剥製にしてやる」
クリムゾンはそう呟くと、カタパルトに向かって走り出した。
「さすがの強さだ。だがこれでどうだ?」
南はそう言って物凄い速さで刀を横に振り払った。だがカタパルトはそれをジャンプして避けた。
「そこだ!」
ポトリゲスはそう言うと上空にるカタパルト目掛けてシカゴタイプライターを撃った。
距離が離れていたので弾丸は疎らに飛んだが、一発の銃弾がカタパルトの肩に当たった。
「・・・クソが」
カタパルトは一瞬バランスを崩したが、地面で上手く受身を取ると、素早く立ち上がった。
「銃弾が当たっても立ち上がれるとは、お前も化け物じみた体してんなぁ」
南はそう言うと刀を構え、カタパルトの前に立った。
「・・・化け物に言われたくは無いな」
カタパルトはそう言った瞬間右手のM1887を南に向けた。
「フッ、ここらで新作銃弾の実験と行こうか」
南はそう言うと瞬時に左手にガバメントを持つと、引き金を引いた。
その瞬間銃口から強烈な光が放たれた。あまりの眩しさにカタパルトは一瞬目を瞑った。
だが、ここで南にも誤算が生じた。光が強すぎたのだ。
「お、俺としたことが配分をミスっちまった・・・!」
何と南も光の強さに目を瞑ってしまったのだ。これでは何の意味も無い。
「・・・お前のそういうマヌケな所、嫌いじゃないな」
クリムゾンは呆れながらカタパルトに向かって行くと、レーザーソードを振り下ろした。
カタパルトは急いで避けようとしたが、クリムゾンの方が早かった。
レーザーソードはカタパルトの肩にヒットした。流石のカタパルトもレーザーには耐え切れず、その場に肩を押さえながら倒れこんだ。
「わりぃわりぃ、やっぱりこういうのは試し撃ちが必要だな」
南はそう言うとガバメントをホルスターにしまった。
「お、やったな」
ポトリゲスはそう言いながらカタパルトのところに行った。
「・・・とっとと殺せ」
カタパルトは小さな声で呟いた。
「言われなくても、そうするつもりだ」
クリムゾンはそう言うとレーザーソードをしまい、右手にハンドガンを持った。
「ま、待ってー!!!」
突然、三人の後ろから声がした。三人は後ろを振り返った。そこにはこちらに向かって走ってくるリタイラルがいた。
「リタイラル、もう戦いは終わったところだぞ?」
と、南は言った。
「はぁ、はぁ・・・ちょっとどいて!」
リタイラルは三人に近づくや否や、カタパルトの顔を見た。
「やっぱり、やっぱりカタパルトじゃん・・・」
「・・・リタイラルか」
三人は状況があまり把握できなかった。
「まさか、リタイラルの言っていた双子の兄って、こいつのことだったのか?」
ポトリゲスはリタイラルに聞いた。
「そう、彼が僕の双子の兄弟」
「なるほど・・・こいつが荒野でお前たちを仕留めなかった理由が分かった。家族を殺したくなかったわけだな」
と、南が言った。
「・・・」
カタパルトは黙ったままだ。
「死の間際に再会できてよかったな。さぁ、そこをどけ」
クリムゾンはそう言うと、再びカタパルトにハンドガンを向けた。
「ちょ、ちょっと待って!カタパルトを殺さないで!」
リタイラルはそう言うとカタパルトの前に立ち塞がった。
「気持ちは分かるが、そいつは俺達の敵だ。ここで仕留めないとまた命を狙われることになる」
「そうだけど、彼は僕にとって家族なんだ!だから、だから・・・」
「・・・失望した」
突然、カタパルトは声を発した。
「カタパルト!?」
リタイラルはカタパルトのほうを見た。
「所詮御前の決意はその程度か・・・心底見損なったぞ!」
カタパルトはそう言いながら立ち上がると、右手で思いっきりリタイラルの頬を殴った。
いきなり殴られたリタイラルは、訳の分からない状態だった。
「カタパルト・・・だって、僕達、家族じゃん・・・」
「家族・・・くだらない。戦場でそんなことを言ってたら死ぬぞ」
「でも、でも・・・」
「もういい・・・次は無いと思え」
カタパルトはそう言った瞬間素早く下へ降りて行き、闇に紛れてしまった
リタイラルは殴られた頬を押さえながら、呆然と立ち尽くしていた。
「・・・お前のせいだぞ」
クリムゾンは、リタイラルを睨みながら言った。
「だって・・・」
「家族と戦わないといけないのが辛いことぐらい分かる。だが、その思いは自分だけでなく、仲間も危険に晒すことを覚えておけ」
クリムゾンはそう言うと、その場から立ち去っていった。
「・・・僕、悪いことしてしまったね・・・」
リタイラルは、いつもとは全く違うほど小さな声で呟いた。
「クリムゾンは厳しいこと言ったけど、あいつがカタパルトを撃たなかった理由、分かるか?」
と、南が言った。
「・・・分からない」
「あいつは考えていることは狂っているが、それでも人間だ。多少の情けくらい持ってる。だが次は容赦なく殺すと思うぞ」
南はそう言ってどこかに行った。
「ぶっちゃけ、もう戦いたくないんだろ、お前」
と、ポトリゲスが言った。
「・・・そりゃ、兄ちゃんとは戦いたくないよ。でもここまで来たらやるしかないじゃん」
「船が着いたらこの戦いから逃げればいい話だ。別に俺様はそんなことをやっても何にも言ったりしない」
「・・・」
「船が着くまでに考えておけ。半端な心のままじゃ良くないからな」
ポトリゲスはそう言って去っていった。
「・・・僕、一体どうしたら・・・」
リタイラルはその場で悩んだ。
悩んだ末、彼は遂に決断した。
その想いを胸に持ち、彼はその場から立ち去って行った。
ザンナーは、廊下を出て船前方の甲板にいた。そこには巨大なライトが置かれていたり、船首には巨大な槍が置かれていた。
「他の人と合流しようと思ってたけど、見慣れない人影が見えたのよね・・・一人で此処まで着ちゃったけどま、いいか」
ザンナーはそう呟いた後、辺りを見回した。
「あ、こんなところにおばさん見っけ!」
突然、どこかから声が聞こえてきた。
「お、おばさん!?もしかしてあたいのことを言ってるのか!?」
ザンナーは若干怒った口調で叫びながら声の主を探した。
「おばさん、怒るともっと老けちゃうよ?アッハハハハ!」
声の主はそういいながらザンナーの目の前に下りてきた。声の主はニーナだった。
「あんたがおばさんって言ってたのね?悪い子!」
「そんなことより、あたいがだれだか分かってる?Vaterよ?死ぬ覚悟はできてる?」
「死ぬ覚悟?はなから死ぬ気なんてなんだけど?」
「だよねー。あたいみたいなか弱い小娘に殺されるなんて不名誉だしね!」
ニーナはそう言った瞬間、右手をザンナーに向け、勢いよく伸ばした。
「腕が鋼鉄の子が、か弱いとは到底思えないけどね!」
ザンナーはそう言いながら、左手に持ってたアタッシュケースでガードした。
アタッシュケースに右手は思いっきりヒットした。アタッシュケースは若干へこんだものの、特に目立った外傷は無かった。
「あら、戦いの記憶はなくなっちゃいないみたいね?」
ニーナはそう言うと、今度は左手を思いっきり伸ばした。ザンナーはそれを左に避けた。
「記憶?何であたいが記憶が無いことを知ってるのよ!?」
ザンナーはそう言って、アタッシュケースを横に振り回した。
「教えて欲しい?でも教えなーい」
ニーナはそう言って、アタッシュケースをジャンプして避けた。そして、右手を伸ばすと、二階部分の手すりを掴んだ。
ザンナーはその隙に、バズーカを構えた。
「バズーカなんて構えてどうするのよ?ぶっ放したら船まで壊れちゃうんじゃないの?」
「確かに爆発したら危険だけど、爆発したらね!」
ザンナーはそう言うと躊躇無くバズーカを発射した。バズーカ弾はニーナ目掛けて飛んでいく。
「ホントに撃っちゃった!危ないわね!」
ニーナはそう言いながらジャンプして地面に着地した。だが、バズーカ弾は爆発しなかった。
「こういう時のために、爆発しない弾を持っておいたのよ」
ザンナーはそう言って、再びバズーカを構えた。
「そ、そんなことくらい予想してたわよ!爆発するかと思って大きく避けたわけじゃないんだから!」
ニーナは若干ムキになり、ザンナーに向かって左腕を伸ばした。
ザンナーは、左腕をジャンプして避けると、空中でバズーカの引き金を引いた。
バズーカ弾はニーナに向かって飛んでいく。ニーナはさっと右に避けた。
そしてザンナーは地面に着地し、バズーカを構えた。
その時、二階部分から何者かの人影が現れた。
「ザンナーさん、一人じゃあぶないよ!」
そう言って勢いよく一階に降りてきたのはココだった。
「ココさん!」
「あたしだけじゃないんだから!」
ココがそう言ったとき、二階部分からザジ、ペタ、シクラメンが降りてきた。
「これで、五対一ですけど」
ザジはそう言うとニーナに向かってワルサーを構えた。
「たぜいにぶぜいってやつだねー」
ペタはそう言って、銃剣を構えた。
「さあ、これでも戦う?」
シクラメンはそう言ってフラワー・スピアを構えた。
「・・・あーもう分かったわよ!降参降参!」
ニーナは大声でそう言うと、両手を上に挙げた。
だがその時、ニーナの目の前に二人の人影が降りてきた。
「この程度であきらめるなんて、ニーナらしくないぜ?」
「・・・三対五なら勝機は見える」
二人の人影の正体はフレイとカタパルトだった。
「あんたたち!・・・別に感謝なんてしてないだから!これはあえて降参したことにして相手を油断させて・・・」
「とりあえず感謝の言葉を覚えろって話だ」
フレイはそう言うと、グロックをザンナーたちに向けた。
「・・・そうも言ってられない」
カタパルトは、相手の方向を見て言った。
その時、ザンナーたちのいるほうに次々と人がやってきた。南、クリムゾン、ポトリゲスの三人だ。
「ここに逃げてやがったか」
南はそう言うと刀を構えた。
「次は殺す」
クリムゾンはそう言ってレーザーソードを構えた。
「おいおい、八対三だぞ?あきらめたらどうだ?」
ポトリゲスはからかいながら言うと、シカゴタイプライターを構えた。
さらに人はやってくる。リタイラル、クロック、ロック、ヘルゼルだ。
「・・・もう迷いなんか無いよ」
リタイラルはそう言って、M1887を構えた。
「やれやれ、返り討ちにあう気持ちってどんなものだ?」
クロックは呆れながらジェリコを構えた。
「まだ俺は暴れてねーからな!覚悟しろ!」
ロックは指を鳴らしながら言った。
「全員がここに来るよう伝えておいた」
ヘルゼルはそう言うとヌンチャクを取り出した。
そして最後に、クラッシュ、ディンゴ、ウォーラスの三人がやってきた。
「ごめんごめん、向こうで脱出艇の準備してて戦えなかったんだよ」
クラッシュはそう言うとSAAを構えた。
「でもよぉ、これだと逃げる準備なんかいらなかったよな」
ディンゴはそう言って火炎放射器を構えた。
「このレオパルド一世、でかい船に見えて、意外と中は単純でな。こんな風に簡単に仲間との合流ができるんだぜ。さ、無断で船に入った罰だ!」
ウォーラスはそう言ってマグロ包丁を構えた。
「・・・三対十五、潮時ね」
ニーナはあきらめ口調でそう言った。
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