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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月十一日
2015/08/18(火)16:48:24(9年前) 更新
Evil to Defeat the Evil ~PLC編~
街を変えたい、そんな思いの果てに出来た組織「PLC」
決して善い行いではない、しかし悪を倒すために日々努力する彼等。
そんな彼等に絶好のチャンスがやってくる・・・
朝、PLC本部ではピンストライプが受話器を手にしていた。
「そちらはどういった状況で?」
「今部下にショで弟の遺体を母国に送るよう交渉中サッせてるところだ」
「なるほど」
「にッシてもアンタの所もデッケェ事件やらかシてんだなぁ。俺たちの所と対談スる余裕あんのか?」
「それについては、俺が良く使う絶対にばれない会合場所があるから大丈夫だ。もしよければ我々の所から送りを出すが」
「ソいつはありがたい、頼むゼ。俺はレッドブリックにいるから」
「ああ、分かった。手間を掛けさせてすまないな」
「気にスんなって、じゃな」
電話はそこで切れた。
ピンストライプは受話器を戻し、部屋の隅に立っていたティアの方を向いた。
「ティア、一時間後にレッドブリックに車を向かわせろ。目的地は例のバーだ」
「了解」
「後、俺を送らせる奴だが…あの新入りを指名する」
「クラッシュさん…ですか?」
「あいつは新入りのくせに少し厄介事に首を突っ込ませすぎた。色々話しておきたいことがある」
「分かりました」
ティアはそう言うと、ピンストライプに向かって一礼し、部屋を後にした。
「…詫びの手段は色々考えたけど、アレとアレにするか」
ピンストライプはタバコを銜えて一服し、そう呟いた。
「…本日の仕事内容は以上です」
「分かりましたけど…本当にオイラが?」
「ピンストライプ様直々の指名です。ボスの指示は絶対です」
クラッシュの部屋では、スーツに着替えたクラッシュとティアがいた。
「にしてもこの近くにそんな場所があったなんて、知らなかった…」
「あそこは我々が外部の者と密談に使うためのバーです。今現在まで警察や敵対するマフィアにばれたことは一度もありません」
「へぇ…」
「その分、送迎時には尾行されないよう細心の注意を払ってください。本部の場所はまだ警察は知らないはずですが」
「そ、そう言われてもどうすれば…」
「では、私はこれで」
ティアはそう言ってそそくさと部屋から出て行った。
「うーん…ま、普通に運転すればいっか!」
クラッシュもまた、部屋から出て行き、ガレージの方に向かった。
そしてガレージにあった一台の車に乗り込もうとしたとき、外で一人の男が手招きをしていることに気付いた。
「…誰?」
クラッシュはそう言ってその男の所へ行った。
「お前、良いものあるんだけど買わないか?」
男はクラッシュが来るや否やそのようなことを言った。
「良いものって?」
「タバコさ、それもかなり上物のな。自分用に一本だけでもいいし、複数買って転売してもいい」
「ふーん…いくら?」
「一本30ドルだ」
「高!?でもそんなにいいものなの?」
「ああ、そりゃあもちろん…」
「おいおい、人の土地で何勝手に商売してんだ」
突然、クラッシュの後ろからそのような声が聞こえてきた。
クラッシュが急いで振り返ると、そこにはピンストライプがいた。
「な、マジかよ」
男はピンストライプの顔を見て少し焦っているようだった。
「そいつはまだひよっ子で金儲けなんて出来やしねぇ。話なら俺が乗るぞ」
「…いや、いい。悪かった」
男はそう吐き捨ててすぐに姿を消した。
「全く、薬売るならもっと相手を選べってんだ」
「え、薬?」
「タバコっつってただろ?値段的にもどうせ大麻入りのやつだろう」
「ひぇ、買わなくてよかった…」
「見たことない顔だったし、向こうも新人なんだろうな。さて新入り、そろそろ行くぞ」
「は、はい!」
クラッシュはそう言って車の後ろのドアを開け、ピンストライプを中に入れた。
その後、ドアを閉めてクラッシュは運転席に座った。
「安全運転で頼むぞ」
「はい!では、出発します」
クラッシュは車のエンジンをかけて、車を発進させた。
「目的地は聞いてるよな?」
「はい、ティアさんから…」
「ならいい。さて、お前を運転手に選んだのは少しお前と話したかったからだ。お前、この仕事どうだ?」
「どう、と言われても…ただ、やっぱり犯罪行為に手を染めるのは向いてないかも…」
「だろうな、どう見たってお前は悪事を働くのに向いていない性格だ」
ピンストライプの指摘は確かに合っていた。自分はどう考えても今の生活がなじんでいるとは思えなかった。
「そう…ですよね…」
「だが、さっき犯罪を犯すのが向いてないって言っていたな?なら何故ムショであんなことをやらかした?」
「それは…アーネストとは親友だったし、彼が警察に捕まるようなことする訳ないと思ったし…」
「麻薬の密売だぞ?捕まって当然だ」
「でも、それを指示したのは…」
「指示されようと、それを行動に移したのは自分自身だ。当然責任は自分自身にある」
「う、うん…」
「そしてお前もまた、自分自身の手で犯罪行為を犯した。それは何故だ?」
「うーん、おいらがそうやるべきだと思ったから…」
「そうか、お前がやるべきこと、なすべき事をした結果が犯罪行為だったわけだ。つまりお前は正しいことをやったと思っているんだな?」
「うん、社会的には許されないことだと分かっているけど」
ピンストライプはクラッシュの言葉を聞き、少し頬を緩めた。
「安心した。お前がティア達に乗せられてあんなことをやったんじゃないって分かってな」
「え?」
「自分のなすべき事のためなら悪事に手を染めてでもそれを叶える。その気持ちこそこの世界で生きていくのに重要となるものだ」
「は、はぁ…」
「よし、そろそろ着きそうだな」
「あ、はい!では車を停めます」
クラッシュはゆっくりと道脇に車を寄せ、車を停めた。
そして二人は素早く車から降り、辺りを見回した後に近くの建物に入った。
建物の中は薄暗いバーのようになっており、一人のバーテンダーがカウンターの奥に立っていた。
「いらっしゃいませ、ご注文はいかがなさいましょうか」
バーテンダーはグラスを磨きながら、低い声でそう言った。
「サングリアだ」
ピンストライプがそう言うと、バーテンダーは深々と頭を下げた。
「お待ちしておりました。奥の扉は開けております」
「後でコモド・ジョーを乗せた車がやってくる。注文はその時改めてな」
ピンストライプはそう言って、奥の扉に向かって歩いて行った。
クラッシュも後ろからついて行った。
扉を開けると、更に下へ続く階段が待ち構えていた。二人はゆっくりと階段を下りて行った。
そして着いた先には、二人のスーツを着た男が、大きな扉の前で立っていた。
「ボディチェックを」
男はそう呟き、ピンストライプとクラッシュの体を触り始めた。
二人は腰に差していた銃を抜かれ、扉の近くに置かれた金庫の中に銃をしまわれた。
「ボスとはいえ、この場所のルールですのでご了承を」
「分かってるってそのぐらい。俺が何年此処を使わせてもらってるか」
「では、先に席についてお待ちください」
男はそう言って大きな扉を開けた。
扉の先には、一つの円形のテーブルと、その周りに無造作に椅子が置かれていた。
ピンストライプとクラッシュは歩いていき、椅子に座った。
部屋に沈黙の時間が流れる。クラッシュは何か話をするべきか悩んでいたが、ピンストライプの鋭い目を見ると声が出なかった。
「…新入り、入って一週間ほどのお前がこんな場所にいることなんてまずないことだ」
突然、ピンストライプがそう言った。
「そ、そうなんですか」
「相手は一大マフィアのボス。場所、言葉、料理、そして付き人によって話し合いが成立するかどうか大きく異なってくる」
ピンストライプの言葉に対し、クラッシュは少し怖気づいてしまった。
「な、何なでそんなところにオイラを…」
「社会勉強だ。お前は向こうから問いかけがない限り黙っておけばいい。いいな?」
「はい…!」
その時、扉の奥で男たちの声が聞こえた。恐らくジョーが来たのだろう。
二人は改めて席に座り直し、ジョーの入室を待った。
「いやー、待たセちまったな」
そう言いながら、ジョーが入ってきて席に着いた。それに続くようにジョーの付き人が隣に座った。
ジョーは何かの箱を手に持っているようだった。
「いえいえ、こちらもさっき来たところだから」
と、ピンストライプが言った。
「にシても、アンタの所の迎えからもらったけど、こんないいもん本当にもらっていいのかよ」
ジョーはそう言って、例の箱をテーブルの上に置いた。
「今回の一連の騒動のお詫びと言っては何だがこの街の名菓のアップルパイだ。是非もらってほしい」
「悪いなぁ、ケッケッケ」
大の大人、しかもマフィアのボスがアップルパイ程度で何故こんなに喜んでいるのかはクラッシュには分からなかった。
「あともう一つもらったんだが…こいつは何だ?」
ジョーはポケットから一つのカギを取り出して、またテーブルの上に置いた。
「実は、明日この街で市内レース大会が開催される。毎回俺たちは出場しているんだが、例の事件の影響もあって俺たちからメンバーを出せそうにない」
「ほぅ…レース…」
「恐らく弟さんの件で色々大変だと思うが…俺たちの代わりに出てもらえたら幸いだと思う」
「あんた、サイッコウだゼ!俺も弟もシめっぺぇのは大っ嫌いだからな!あいつの葬儀代わりにパーッとやってやろうジャねぇか!」
「本当か…ありがたい。そのカギは今年のレース用にカスタマイズした車の物でな」
「アンタの所は車関係の企業を買ってんだったな、ソいつは期待できソうだ」
「では、早速車を見に行くか?」
「是非頼むゼ!」
「…分かった、いいやつをそろえておくよ」
ブルークレイビルの一室で、ビットは受話器を置いた。
例の事件の事もあって、ブルークレイに入っている企業は一応全店休業状態になっていた。
しかし、ビットとPLCの一部のメンバーはビル内に半ば隠れる形で業務を進めていた。
すっかり見た目がきれいになっていたビットは、携帯を手に持ち、部屋を後にしてエレベーターへ向かった。
「もしもし僕だけど、レースカーの色は赤で、スポイラーはごつくてインパクトの強いものがいい」
ビットはエレベーターに入り、B1のボタンを押しながらそう言った。
「うん、とにかく目立つようにするんだ。PLCの車だとばれないくらいにね。じゃあ、頼んだよ」
そう言ってビットは一度通話を切り、今度は別の人物と会話を始めた。
「もしもし、調子どう?」
「今のところ悪くないな。至って平和だ」
「悪いね、急に見張りなんて」
「金になるんだったら文句ねぇよっと…ん、あれは…?」
「どうかした?」
「あー来たぜ。ありゃ亜貴だな」
「うん、そりゃ来るよね。ごめん、ピンストライプが来るまでに追っ払ってくれる?」
「了解、別料金だけどな」
「はいはい、心配なく」
ビットが再び通話を切ったところで、エレベーターは地下一階の駐車場へやってきた。
それと同時に、一台の真っ赤なスポーツカーがビットの前で停車した。
「お疲れ様です、ビットさん」
そう言いながら、一人の男が運転席から降りてきた。
「お疲れ。にしても要望通りの物がよくあったね」
「ブルークレイに入ってる企業をなめてもらっちゃ困りますよ。この駐車場にない車なんて戦車ぐらいですよ」
「ははは、そりゃ言い過ぎな気もするけど…ん、ちょっとごめん」
ビットはそう言って、また携帯を取り出した。
「もしもし、ビットだけど」
「クリムゾンだ。さっきネイキッドから連絡があって、何とか撒いたそうだ」
「本当かい?それは良かった」
「ただ、陸路は今後交通規制がかかって移動できなく可能性があるとのことだ」
「うーん、それは困るね…じゃあ空路は?」
「空路か、それがいい。ブルークレイ屋上か廃港に、ヘリなり輸送機で帰ってきてもらうか」
「ネイキッドのコネなら、たぶん行けるんじゃないかな。じゃあ連絡どうも、もしブルークレイ屋上を使うなら改めて連絡して」
「ああ、分かった。またな」
そこで通話が切れた。ビットは携帯をしまい、再びスポーツカーのほうを見た。
その時、駐車場に二台の車がゆっくりと入ってきた。
そしてそれぞれの車からクラッシュとピンストライプ、そしてコモド・ジョーとその付き人が降りてきた。
「初めまして、コモド・ジョーさん。僕はブルークレイビルの一応オーナーのビットです」
ビットはそう言ってコモド・ジョーに近づき握手をしようとしたが、ジョーはそれを無視して赤いスポーツカーに走り寄った。
「はぁ…こいつはいいゼ…派手な外見と裏腹に、内装は繊細で美しい…マジでこんないいヤツに乗っていいのかよ!?」
「もちろん。その車は此処の企業が合同でカスタムした一台、性能は指折りだ」
と、ピンストライプは得意げに言った。
「サイッコウだ…あんたサイッコウだゼ…こいつは弟を送るのにフサワッシイ野郎だゼ…」
「気に入ってもらえて幸いだ。ビット、車の仕様書とレースの概要については?」
「助手席にまとめて置いといたよ」
「そうか。じゃあレースについてはそれ通りに動いてくれ。後、PLCとその車は今後一切関係ない、そうしてくれ」
「ああ、分かったゼ。にシても、この街に来てよかったゼ全くよぉ。弟もいい奴と同盟を組んだもんだ…ンジャ、次はレース終わりにでもな!」
ジョーはそう言って、スポーツカーに颯爽と乗り込んだ。そして付き人が助手席に座った後、スポーツカーは爆音をあげて駐車場から去って行った。
「…本国から来たっていうから相当な大物かと思ったら、別の意味で凄い人だね」
スポーツカーが去った後、ビットが呟いた。
「色々と手回ししておいたからな。こちらとしてはスポーツカー一台にダイヤまで失う大損害だが」
「ダイヤって、もしかしてアレまであげたの?」
ビットは驚いた表情を浮かべてそう言った。
「元々今回みたいな不祥事が起きた際の詫びにでも使えればと思って手に入れた代物だったからな。もっとも、あの調子だと車だけで済んだかもしれないが」
「ピンストライプさん、いくらなんでも金遣いが荒すぎるって」
「誰のせいでこうなったと思ってるんだ全く。さて、俺たちもそろそろ戻るとする、ビットも落ち着くまでビルから出ないようにしておけ」
「了解、またなにかあったら連絡を」
ビットはそう言って、ピンストライプに向かって一礼してその場から去って行った。
ピンストライプとクラッシュも車に乗り込み、駐車場から走り去った。
明日開かれるレース、そこに出場することになったコモド・ジョー。
クラッシュは車の中で、明日起こるであろう大波乱はいったいどのようなものかを考えていた。
少なくとも普通にレースを終わらせてくれるほど、この街は温くない。そのことぐらいクラッシュは今までの出来事から分かっていた。
それでもなお、コモド・ジョーにレースを行わせたピンストライプの心情だけは誰にも分からなかった。
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