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クラッシュ・ウェスタン2 ~Leute beim Edelstein~
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- 第十六章・2
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第十六章・2
2012/06/02(土)00:33:15(12年前) 更新
これより下は本編です
ロックとヘルゼルは、広く長い廊下で敵と鉢合わせしていた。
敵の数は非常に多く、二人だけではやや厳しい状況だった。
「ヘルゼル、勝てる見込みはありそうか?」
「・・・素直に言わせて貰うと、ない」
「だよな・・・俺たち近接戦闘しかできないからきっついな」
「でも、ここまで来たらやるしかないだろう・・・」
ヘルゼルはそう言うとヌンチャクを構えた。
「だな!俺たちは前に進むだけだ!」
ロックはそう言ってファイティングポーズをとった。
「あら、あたいの相手はこいつ等?」
どこからか声が聞こえたかと思えば、敵の列の一番前にニーナが出てきた。
「あんたは、たしかニーナだったか?」
と、ロックが言った。
「そう、あたいの名前はニーナ。筋肉馬鹿の癖に記憶力がいいわね?そしてもう一人は二足歩行のできる蜥蜴と」
「馬鹿って言うなよ!」
「・・・二足歩行なんて普通だと思うが」
「まさか、一般人と戦わないといけないなんて思いもしなかったわ。しかも普通の男だし。何かやる気が出ないわ」
「余裕ぶりやがって・・・言っとくが俺は女の子相手でも敵なら容赦はしないぞ!」
ロックはそう言うとその場でシャドーボクシングを始めた。
「手加減しなくたってこっちの余裕勝ちよ。あーあ、あんたたちもついてないわね。おとなしく逃げておけば助かってたのに。しかもこの戦いにあんまり関係のない一般人でしょ?何でこんな所まで来たの?俗に言うドMって奴なの?」
「・・・悪を叩きのめす、正義の役に立つ。それが答えだ」
と、ヘルゼルが言った。
「ヘルゼル、俺の台詞だぜそれは!まぁいいけどよぉ」
と、ロックが言った。
ニーナはヘルゼルの言葉を聞いた瞬間思いっきり吹き出した。
「アハハハハ!何よそれ!今時アニメや漫画でもそんなくっさいこと言わないわよ!ろくに戦いも知らない癖に正義ぶっちゃって!いいわ、あんたたちは作戦に使えそうにないから此処でぶっ殺してあげる!悪に叩きのめされて、屈辱の気持ちで一杯になって死んじまいな!」
ニーナはそう叫ぶと、Vater組員たちの方を向いた。
「あんたたち!あの陣形を組みな!」
ニーナがそう言ったあと、Vater組員はニーナ、ロック、ヘルゼルを取り囲むかのような陣形を作ると、お互いの肩を組み始めた。組員たちの顔はどこか嫌そうだった。
「何だ何だ!?」
「何を企んでいる・・・?」
ロックとヘルゼルは状況が分からなかった。
「Vater名物人間フェンスよ!これでどこにも逃げられないでしょ?さあ、殺戮ショーの始まりよ!」
ニーナはそう言った瞬間、左手をロックとヘルゼルに向けて素早く伸ばした。
ロックはそれを左に、ヘルゼルは右に避けた。
「は、速えぇ・・・正面から食らったら骨がバッキバキに折れそうだ」
と、ロックが言った。
ヘルゼルは、そのままヌンチャクを構えてニーナに向かって走っていった。
そして、ニーナに向かって素早くヌンチャクを振り下ろそうとしたが、ニーナはそれをいとも簡単にキャッチした。
「あらあら、鉄の棒で引っ叩くなんて野蛮ね」
「クソ・・・」
ヘルゼルはニーナからヌンチャクを取り戻そうとしたが、ニーナの鋼鉄の腕の腕力には適わなかった。
そこに、今度はロックが走って行き、ニーナめがけて勢い良くタックルを仕掛けようとした。
だがその時、ニーナはヘルゼルからヌンチャクを奪い取ると、勢い良くそれをヘルゼルとロックに向かって振り回した。
ヘルゼルとロックは思いっきりヒットしてしまい、後ろに大きく吹き飛ばされた。
「ゲホッ・・・ちっくしょー!」
ロックは素早く立ち上がると、地面に唾を吐き捨てた。一方ヘルゼルは地面に倒れたままだ。
「男二人でその程度?もっと楽しませてよ~」
ニーナはそう言うと地面に倒れているヘルゼルに向かって思いっきりヌンチャクを投げつけた。
ヌンチャクはヘルゼルに当たったが、ヘルゼルはびくともしない。
「あーあ、何だかあんたたち相手だとつまんなーい!もうこれで終わらしちゃおうかな!」
ニーナはそう言うと、右手を正面に構えた。
「ま、まさかあの構え方・・・」
ロックは次にニーナがどんな攻撃をしてくるか大体予想がついた。
「ガトリングガン発射!」
ニーナがそう言った瞬間、ニーナの右手から無数の銃弾が飛び出した。
「やっべぇ!」
ロックはそう言って銃弾を横に走りつつ避けた。
銃弾はVater組員に当たり、次々と倒れていったがニーナはお構いなしに撃ち続けていった。
「クソ・・・フェアー、頼む!」
ロックは走りながらフェアーに向かって言った。するとフェアーはロックの肩から降り、ニーナの足元に向かって走っていった。
「あら、可愛いワニじゃないの」
ニーナは右手をロックに向けたまま、近づいてくるフェアーを見た。
フェアーはニーナの足元に近づくと、顎を大きく広げた。
その瞬間、ニーナは銃撃をやめると、フェアーを左手で掴んだ。
「やっぱり小さい動物は可愛いわね・・・ほら、もっと可愛い顔を見せてよ!」
ニーナはそう言うと左手の握る力を強くした。フェアーは手の中で暴れた。
「おい、フェアーに何しやがる!」
ロックはそう叫ぶとニーナに向かって走っていった。
「あんたよりも数倍可愛いじゃない。そんな可愛い子が、ここで死んだらどうなるかしら?」
ニーナはそう言うと更に握る力を強くしようとした。
その時、ヘルゼルのヌンチャクがニーナに向かって勢い良く飛んできた。
ヌンチャクはニーナの左肩に当たった。
「イタッ!」
ニーナはその衝撃で左手を離し、フェアーは地面に着地し、ロックの元に走り寄った。
ロックはフェアーを肩に乗せると、ヘルゼルのほうを見た。
「もっと早く気絶から立ち直るべきだった・・・」
ヘルゼルはそう言うと、ニーナに向かって走っていった。
ニーナは走ってくるヘルゼルに向かって左手を伸ばした。
その瞬間、ヘルゼルはとっさにスライディングをし、左手をくぐって回避すると、地面に落ちていたヌンチャクを拾い、ニーナの足に鎖を絡ませた。
「ちょっと、何するのよ!」
ニーナは足に絡まった鎖を解こうとしたが、中々解けない。
そこに、ロックが右腕を後ろに引きながら走ってきた。
「これでも食らっとけ!」
ロックはそう言うと、動けないニーナに向かって思いっきり右フックを繰り出した。
拳はニーナの頭部にヒットし、ニーナは横に吹き飛ばされ、その場に倒れた。
「痛い・・・」
ニーナは左手で頭を押さえながら言った。
「どうする?まだ戦うか?」
ヘルゼルはそう言ってニーナの足からヌンチャク解き、再び構えた。
「フェアーを苦しめた罪は重いぞ!女でも絶対許さないからな!」
ロックはそう言ってニーナを睨んだ。
「・・・お願い、もうやめて・・・頭が痛くてどうにかなりそうよ・・・」
と、ニーナは涙目で言った。
「・・・ロック、どうする?」
ヘルゼルはロックのほうを向いて言った。
「・・・分かったよ。あんたはまだ若いから、このくらいで許しておいてやる。だから、もう悪いことから足でも洗えよ」
と、ロックが言った。
「ここで容赦なく殺す真似をしない所に一般人らしさを感じるわ。悪いけど、足を洗うなんてまっぴらごめんよ。ほら、あんたたち、道を開けな!」
ニーナの呼び声と共に、生き残ったVater組員は散らばっていった。
「じゃ、俺たちは先に進ませてもらうぜ」
ロックはそう言うと先を目指して歩き始めた。ヘルゼルもその後を追って言った。
「どうせ先に進んだところで地獄を見るのは明らかなのに、ホント馬鹿な連中よ。あの二人は、捕らえ次第即処刑がベストね」
と、ニーナは横になりながら言った。
ポトリゲスとペタは、敵の気配の一切しない廊下を歩いていた。
壁には美術館に飾ってそうな高級な額縁のついた絵や、何千ドルもしそうな花瓶などが置かれていた。
「ねぇねぇ、私たち見当違いの方向に進んでるんじゃないのー?」
と、ペタは銃剣を構えながら言った。
「いや、俺様には分かる。この廊下を進めば何かがあるってな」
と、ポトリゲスはシカゴタイプライターを構えながら言った。
「本当?ポトリゲスの言うことだったら信じちゃうよー?」
「・・・この部屋に誰かいそうだ」
ポトリゲスはそう言って一つの扉の前で止まった。扉の中からは何かがカチカチ動く音と、上品なクラシック音楽がかすかに聞こえてくる。
「ホントだ、何か聞こえるね」
「俺様が扉を開けて突入する。ペタはその後すぐに入って来い」
「オッケー」
「よし、開けるぞ」
ポトリゲスはそう言うと、扉を勢い良く扉を蹴り飛ばすと、シカゴタイプライターを構えて中に入った。ペタもその後に続いて入った。
部屋の中には異様な光景が広がっていた。壁には大小さまざまな時計と、大量のスピーカーが貼り付けられており、スピーカーからは大音量でクラシックが流れていた。
そして、部屋の真ん中ではエヌ・トロピーが椅子に座って優雅に紅茶を飲んでいた。
「ブーーッ!!!」
エヌ・トロピーは突然の来客に驚き、勢い良く紅茶を吹き出した。
「あ、トロちゃん!」
と、ペタはエヌ・トロピーのほうを見て言った。
「汚ねぇんだよ。いいか、午後のティータイムは終わりだ。ゆっくりと手を上げてこっちに背中を見せろ」
と、ポトリゲスは冷静に命令した。
だが、エヌ・トロピーは冷静にハンカチで口元を拭くと、ゆっくりと立ち上がった。
「おやおや、アウトサイドが騒がしいと思えば元ポトルーズのエリートと、ワタクシがリメンバーしていないレディじゃないか」
と、エヌ・トロピーは言った。
「命令に従え」
と、ポトリゲスは睨みながら言った。
「そんなデンジャラスなものを向けないでほしいね。大体ワタクシはVaterに従う気なんて全くないからね」
「はぁ?」
「いかに宝石を奪ってグッバイしようと企んでいた所さ」
「ほぉ、お前も宝石を奪い取ろうとしていた口だったのか。奪って何をするつもりなんだ?」
「ワタクシのドリームは時空を自由にトラベリングすることさ。今のテクニックじゃワープしか無理だからね。もしかしたらそのためのアンサーが宝石にあるかもしれないって思ったのさ」
「トロちゃん、いいこと教えてあげようか?」
と、ペタは言った。
「シャラーップ!トロちゃんって呼ぶのははやめてくれ!」
「えー、もうその呼び方で慣れちゃったんだもん」
「はっきりセイさせてもらうが、ワタクシはユーとは一回もミーティングしていないはずだ。なのに何故そんなにオーバーファミラーなんだい」
「何でだろうねー?」
「うーむ、それを考えるのはワタクシの今後のホームワークになりそうだ」
「・・・おしゃべりはこんくらいでいいか?最後に聞く、生きるか死ぬかどうするんだ」
と、ポトリゲスは言った。
「もちろんアライブさせてもらうよ。そして、君たちには悪いけど、ここでダイしてもらおう」
「・・・戦う気か?二対一だぜ?」
「一人でも二人でも、ワタクシには大差がないさ」
エヌ・トロピーはそう言うと、右手を前に突き出した。
すると、何とエヌ・トロピーの目の前に巨大な音叉が現れた。エヌ・トロピーはそれを掴んだ。
「これで準備はオッケーさ。それじゃあ、ミュージックスタート!」
エヌ・トロピーがそう言った瞬間、今まで流れていたクラシック音楽が止まり、スピーカーから大音量でデスメタルが流れ出した。
激しいドラムの音と、耳鳴りを起こしそうなほどに響くエレキギターの音に、思わずポトリゲスは耳を押さえた。
「チッ、悪趣味な音楽流しやがって・・・何がしてぇんだよ」
ポトリゲスはそう言うと、エヌ・トロピーに向かってシカゴタイプライターを構えた。
「ポトリゲスぅ、とりあえず私が接近戦で挑むから、後ろからお願いね」
ペタはそう言うと、銃剣を構えて一気にエヌ・トロピーに接近した。
だが、エヌ・トロピーは音叉を握ったままじっとしている。
「ヌヌヌ・・・溜まった!」
エヌ・トロピーはそう言うと、音叉を思いっきり地面に打ち付けた。その瞬間、凄まじい力の衝撃波が放射状に広がっていった。
ペタは衝撃波にヒットし、思いっきり後ろに飛ばされた。ポトリゲスも後ろに倒れたが、急いで立ち上がると吹き飛ばされてくるペタを抱きかかえた。
「な、何なんだこの攻撃?」
ポトリゲスはペタをゆっくり地面に降ろしてそう言った。
「仕組み自体はシンプリー。でも、威力はベリーハイ。それが音の力さ」
と、エヌ・トロピーは言った。
「えへ、ちょっと油断しちゃった」
ペタはそう言うと再び銃剣を構えて走っていった。
「まだ来るか!衝撃波アゲイン!」
エヌ・トロピーは再び音叉を地面に叩きつけ、衝撃波を発生させた。
その瞬間、ペタは左手を突き出して光の壁を作った。そして、衝撃波を上手く逃がし、一気に突っ込んで行った。
そして、銃剣の引き金を引くと、さっと縦に振り下ろした。
だが、エヌ・トロピーは音叉を横にして銃剣を受け止めたのだ。
「あらら」
ペタはまさか高周波状態の刃をガードされるとは思ってもいなかった。
「やはりワタクシの予想通り、高周波をユージングするブレードだったようだね。だが、そんな柔なバイブレーションじゃ、音のウェーブに勝てないよ」
エヌ・トロピーそう言って、銃剣を上になぎ払った。
「へぇ、すごーい!」
ペタはそう言うと一旦後ろに下がり、銃剣の剣先を向けた。
そして、銃剣の引き金を引いた。
「ほぉ、今度はガンによるアタックか。中々インタレスティングな構造をしているねぇ」
エヌ・トロピーはそう言うと今度はやや弱めに音叉をたたきつけた。すると、エヌ・トロピーの周りにバリアが発生したのだ。
バリアによって銃弾は弾き返された。
その時、ポトリゲスがペタに近づき、エヌ・トロピーに向かってシカゴタイプライターを構えた。
「音が原因ならこれでどうだ?」
ポトリゲスはそう言うと、バリアを張っているエヌ・トロピーに向かって引き金を引き続けた。
無数の弾丸はバリアに当たり、いたるところに向かって反射して飛んでいく。
ペタはポトリゲスの行動を察知し、即座にペタとポトリゲスを取り囲むように光の壁を発生させた。
弾丸は壁のスピーカーにドンドンとヒットし、スピーカーは音を立てて壊れていった。
すると、エヌ・トロピーのバリアがドンドンと小さくなっていったのだ。
「お、おい!せっかくのバリアがなくなってしまうじゃないか!」
エヌ・トロピーはそう言ってバリアを解除し、ペタとポトリゲスに向かって音叉の先端を向けた。
その瞬間、ペタも光の壁を解除し、一気にエヌ・トロピーに向かって走っていった。
「ワタクシがバリアだけしか撃てないと思っているようだね」
エヌ・トロピーはそう言うと音叉の先端から球体状の波動弾を発射した。
だが、ペタはその場でジャンプしてそれを避けた。
「でも所詮は振動なんだろ?」
ポトリゲスはそう言うと波動弾を簡単にシカゴタイプライターで撃ち落した。
更にポトリゲスはエヌ・トロピーの胸目掛けて弾丸を撃ち込んでいった。
エヌ・トロピーの胸の時計に銃弾はヒットし、時計のガラスが粉々に砕け散った。
そこにとどめの一撃として、ペタは空中で銃剣の引き金を引くと、落下しながらエヌ・トロピーの胸部目掛けて一気に銃剣を振り下ろした。
銃剣はエヌ・トロピーの胸部の時計を引き裂いた。
「ヌォ!」
エヌ・トロピーは音叉を地面に落とし、左手で胸部を押さえて、立てひざをついた。
真っ二つに引き裂かれた時計部分からはバチバチと火花が飛び散っていた。
「俺様達の勝ちだな・・・ほとんどペタの手柄みたいなもんだが」
ポトリゲスはそう言ってペタに近づいた。
「わーい、勝った勝ったー!」
と、ペタはその場で飛び跳ねながら言った。
「ワタクシの計算が狂っていたのか・・・?ユーたちに負けるはずが・・・!」
と、エヌ・トロピーはかき消されそうなほど小さな声で言った。
「さてと、そろそろ楽になるか?」
ポトリゲスはそう言うと、エヌ・トロピーの頭部にシカゴタイプライターを突きつけた。
「ちょっと待って!」
突如、ペタがポトリゲスに向かって言った。
「どうした?」
「あのさ、トロちゃんのこと、もうこのくらいにしておかない?」
「いきなりどうした?敵だぜ、こいつは」
「あのね、私って未来からやって来たでしょ?あんまり過去の世界をいじっちゃうと、タムイパドラッスクが起こっちゃうの」
「・・・レディ、それを言うならタイムパラドックスじゃないのかい?」
と、エヌ・トロピーは小さな声で突っ込みを入れた。
「そうそう、それ!」
「でも、こいつが死んだ所でなんか未来に問題が起こるのか?」
「うん、実はね・・・トロちゃんって、私のお父さんなの」
ポトリゲスとエヌ・トロピーはその言葉を聞いた瞬間驚愕した。
「は、はぁ!?」
「ワタクシが、ユーのファーザー!?」
「いや、実の父親って訳じゃないんだけど、トロちゃんがいなかったら私はうまれてこなかったって言うか・・・とにかく、トロちゃんが此処で死んじゃったら私は最悪この場で消滅してしまうかもしれないの」
「ウェイト!ユーが未来から来て、ワタクシと関係があるのなら、ワタクシはタイムトラベリングのテクニックを完成させたのかい?」
「うん、トロちゃんのお陰で、私やリサがこの世界に来ることができるようになったの。しかも、トロちゃんは宝石の力なんか借りずに、とっても精度の高いタイムマシンを開発したんだから。だから、私からのお願い、聞いてくれる?」
「あ、ああ。ヒアリングしてあげよう」
「これからは悪い研究とか悪い事とかせずに、真面目に研究して。そして、リサって言う私に似た女の子に出会ったら、その子のいう事を聞いて欲しいの」
「そうしたら、マイドリームはカムトゥルーするのかい?」
「うん、私が約束する」
「アンダースタンディング!ユーの言うとおりにするよ」
「・・・ポトリゲスも、銃を降ろしてくれる?」
「何だか訳がわからねぇけど、ペタの言うことなら守らないとな」
ポトリゲスはそう言うと、シカゴタイプライターの銃口を下ろした。
「ああ、まさかこんな所でこんな出会いがあるとはノットゲシングだったよ。ユーたちが何をワンテッドしているか知らないけど、この部屋を出て廊下を更に進めば何かしらアンサーはあるんじゃないかな」
「分かった。それじゃ、トロちゃんも元気でね~」
「早いうちに逃げろよ。見つかったら面倒なことになりそうだしな」
ペタとポトリゲスはそう言って部屋から出て行った。
「さて、私もエスケープの準備に取り掛かるか・・・」
エヌ・トロピーはそう言って傷を押さえながら立ち上がった。
南とクリムゾンもまた、長い廊下をひたすら歩いていた。
二人の後ろには、無数のVater組員の絨毯が出来上がっていた。
「どれだけ雑魚を溜め込んでんだよ」
南はガバメントをいじりながら言った。
「南、さっきから何をやっている」
クリムゾンは南の行動に疑問を持っていた。
「デカ物が出てきたら使ってやるよ。これを見たらションベンちびっちまうぜ」
と、南はニヤニヤしながら言った。
「・・・お前がにやけると実に不愉快だ。今にも殺されそうでな」
二人は廊下を歩き、ついに突き当りまで進んだ。そこには扉が一つあった。
南は扉を勢い良く蹴り開け、中に入った。クリムゾンもその後に続いた。
扉の中は殺風景な光景が広がっていた。大きな障害物も特にないようだ。
そして、部屋の真ん中には紫色の何かがいた。そいつは二人に背中を見せていた。
「フッ、やってきたランスか。待っていたランスよ!」
そいつは二人に背中を向けたまま喋った。
「こっちを見ろ、ピータン野郎」
と、南は言った。
「誰がピータンランス!私の名前はエヌ・トランス!世界最強の催眠術師で・・・」
「黙れ」
と、クリムゾンがいらいらしながら言った。
「ちょっと待てランス!こういう自己紹介は最後まで言わさせるのが礼儀ランスよ!こんな無礼な奴、どんな顔をしているランスか・・・」
エヌ・トランスはそう言いながら振り返り、そして固まった。
「お前のことなんて今更知る必要もない」
クリムゾンはそう言うと、レーザーソードを構えた。
「まぁ早まるなよ、クリムゾン。おいピータン、どうせなら一つ教えろ。アップルタウンの住民の洗脳はお前のちゃちな催眠術が原因か?」
と、南は言った。
「そ、そうランス・・・素人でも簡単に洗脳できるようにした、私の自信作ランス・・・」
「やっぱりな。それじゃあ、やるか」
南はそう言ってガバメントをしまい、刀を構えた。
「や、やる気満々ランスね・・・」
エヌ・トランスは、史上最悪の二人組と戦う羽目になったことを心底後悔した。
「とっとと来い、一分以内でカタをつけてやる」
南はそう言って、エヌ・トランスに向かって左手で手招きをした。
「ムム、あんまりなめられたら困るランス!」
エヌ・トランスはそう言った瞬間、右腕を南に向けると、そこから腕の先端部分を飛ばしてきた。先端部分と腕の部分は鎖で繋がっているようだ。
だが、南は刀を構えたままじっとしている。
そして、右手が南に当たりそうになるくらい近づいた時、南は刀を下向きに構えて振りかざし、右手に向かって思いっきり振り下ろした。
刃は右手をつきぬけ、地面に突き刺さった。
「ウグッ、抜けないランス!」
エヌ・トランスは右手を戻そうとしたが、刀が深く突き刺さっていたのでとても抜けそうになかった。
「さて、終わらすか」
南は、そう言って両手にガバメントを持つと、何かをいじり始めた。
ガバメントは奇妙な形に変形していく。
そして、二丁のガバメントは何と一丁の大きな銃に合体したのだ。
そして更にもう一丁のガバメントも素早く変形させ、銃に取り付けた。
「・・・どうしたらそんな改造になるんだ」
と、クリムゾンは南の銃を見て呟いた。
ガバメントは元の面影もなく、巨大な銃に変化していた。
「よし、お前にはこれをくれてやる」
南がそう言って引き金を引いた瞬間、轟音と共に銃口から無数の銃弾が飛び出していった。
動けないエヌ・トランスは蜂の巣状態になり、無残な姿に変わり果てた。
数秒後、南は引き金を引くのをやめた。エヌ・トランスの息は既になかった。
「重機関銃用の弾薬を使っているのか・・・それでよく銃が壊れないな」
と、クリムゾンは地面に落ちていた無数の薬莢を見て呟いた。
重機関銃の弾は通常の弾丸に比べてはるかに大きく、とても拳銃を使って撃つことのできる代物ではない。
「銃自体はどうにでもなるんだが、反動が強すぎて俺の体が持たないな。腕がいてぇ」
南はそう言うと、銃を背中に背負い、刀を地面から引き抜いて鞘に戻した。
「お前といれば無駄な労力を使わないで済むな。それじゃあ、先に進むか」
クリムゾンはそう言って出口に向かって歩いていった。南はそんな彼の背中をじっと睨んだ。
扉に近づこうとしたその時、クリムゾンは背後からただならぬ殺気を感じた。
「・・・ここでか」
クリムゾンはそう言うと後ろをゆっくりと振り返った。
そこには南が刀を構えて立っていた。
「そろそろお前を消す時だ。これ以上進ませたら何を仕出かすか分からないからな」
「フッ、お前の前では隠し事が通用しないんだったな」
「・・・どうせ宝石を手に入れたら、俺たちをまとめて殺す気だろ?」
「まぁな。あまり俺と接触した者を増やしたくはないからな。何かと面倒なことになる」
「ったく、お前ってホント番狂わせだよな。Vaterも俺たちもお前のせいで何もかもが狂ってきている」
「俺は自らの願望のままに道を歩んでいるだけだ。道の真ん中に障害物があったら、避けて通るか壊すかの二択だろ。俺は壊した方が手っ取り早いからそうしてきただけだ。今回を除いてな」
「それでも仲間意識とか一切湧き出てなさそうなのがお前らしい。さぁ、そろそろ始めようぜ。雑魚の相手ばっかりしてきたから体が鈍ってんだ」
「フッ、お前相手なら楽しめそうだ」
クリムゾンはそう言うと、左手に爆弾を握ると、地面を転がした。
その瞬間、爆弾は大爆発を起こした。
南は後ろに下がって爆風を回避し、クリムゾンも後ろにバックステップをした。
「いつでも来い」
クリムゾンはそう言って、右手にレーザーソードを持った。
「そうさせてもらおう」
南はそう言うと、一気にクリムゾンとの距離を縮めた。
そして、刀を振りかぶり、一気に下に振り下ろした。
だが、クリムゾンはそれを片手で握ったレーザーソードのみで意図も簡単にガードしたのだ。
「その程度か?」
「まだ何も始まっちゃいねぇ」
南はすぐに刀を凄まじいスピードで連続で斬りこみに行ったが、クリムゾンは後ろに下がりながら一発一発を確実にガードしていく。
そして、南の振り下ろした一撃を、クリムゾンはレーザーソードで弾き返した。
南はそのせいで後ろに仰け反ってしまった。
無防備な南の腹部目掛けて、クリムゾンは思いっきり回し蹴りを入れた。南は避けることができずに、後ろに大きく吹き飛ばされた。
南は空中で体制を整えると、地面に着地した。
「さすがだな・・・」
と、南は呟いた。
「お前の実力はそんなものか?もっと楽しませてくれ」
クリムゾンはそう言うと、左手にハンドガンを持ち、南に向かって引き金を引いた。
「まだ前菜しかテーブルに置かれていないさ」
南はそう言って飛んで来る銃弾を刀で斬り落とした。
「ならスープは俺が作ろう、お前の骨でブイヨンを取って、血で色味をつけてな」
クリムゾンはそう言って、即座にハンドガンをしまい、爆弾を放物線上に投げた。
「いや、スープも俺の役目だ」
南はそう言うと、刀をブーメランのように爆弾に向かって投げつけた。
回転しながら飛んでいく刀は、爆弾を真っ二つに切り裂き、爆弾は空中で大爆発を起こした。
そこから南は素早くジャンプをし、宙を舞う刀をキャッチした。
そして、空中で左手に銃を握ると、クリムゾンに向かって引き金を引いた。
「今度は配分は間違えていないはずだ」
その瞬間、辺りに一瞬閃光が広がった。
「グッ・・・俺の瞳にこの光はきついな・・・」
クリムゾンはあまりの眩しさに目を覆った。
もしクリムゾンが普通の目だったらこの程度の光なら耐えることができただろう。だが、紅の瞳では光調節の加減が難しく、強い光が全て目に入ってきてしまう。
南は銃を背中に戻し、落下しながら刀を構えた。
そして、落下の衝撃を利用して一気に刀を振り下ろした。
クリムゾンの胸部から腹部にかけて、深い傷跡が残った。クリムゾンは左手で傷を押さえた。
「・・・これだけ滴ってたら、スープの元にはなる」
南はそう言うと、一歩後ろに下がり、刀を構えた。
「・・・俺の奇麗な肌に、よくも傷をつけてくれたな。幾多の下等人種を斬り付けて来た穢れた刃で俺の体を切るなんて、貴様はとんだ下種野郎だ」
クリムゾンは低い声で呟いた。
「何だ、お前潔癖症か?」
「・・・少し遊んでやったら逃げようかと思ったが、貴様だけは此処でぶっ殺してやる」
クリムゾンはそう言った瞬間、一気に南に近づき、レーザーソードを振り下ろした。
南は刀でガードしたが、反動があまりに大きく、後ろに大きく押されてしまった。
「こいつ、本気でキレてやがる・・・」
南はクリムゾンの一撃の強さに唖然とした。
「ハハハハハ!灼熱の剣に焼かれて死ぬがいい!この畜生が!」
クリムゾンはそう叫び、南に向かって今度はレーザーソードの剣先を一気に突き出した。
南はそれを横に回避し、刀を振り下ろした。
「終わりだ」
南はこれで片をつけれるはず、と思っていた。
だが、事態は思いも寄らない方に向かって行く。何とクリムゾンが左手で刀を受け止めたのだ。
クリムゾンの左手からは血が流れ出ていたが、そんなことお構いなしだった。
「また俺の体に傷がついた・・・お前は本当に悪い子だ・・・」
「お前が勝手に当たりに行っただけだろ」
南は刀を引っ張ったが、クリムゾンの握力の方が勝っていた。
クリムゾンは南の手から刀を奪い取ると、その場に投げ捨てた。
南は即座にもう一本の刀を抜こうとしたが、その前にクリムゾンが素早くレーザーソードを横になぎ払った。
レーザーソードは南の顔面に思いっきりヒットした。辺りに火花が飛び散る。
南は大きく吹き飛ばされ、地面に打ち付けられた。
「グッ・・・顔が・・・!」
南は痛さのあまり顔をおさえ、その場でのた打ち回った。
「ヒャッヒャッヒャ・・・お前も自分の美しい顔に傷がついたら悲しいだろう?俺はそんな苦痛を二回も味わったんだ。だからもう一撃、俺に傷をつけさせてくれるよな?」
クリムゾンはそう言うと、地面に落ちていた南の刀を拾い上げ、両手で構えた。
そして、地面に倒れている南にゆっくりと近づいた。
「相変らず、狂ってやがる・・・」
と、南は小さな声で呟いた。
「狂ってる?俺の前では褒め言葉だ・・・」
クリムゾンはやや落ち着きを取り戻したかのように言うと、刃を下向きになるように刀を持ち、大きく上に振り上げた。
その時、南は横になっている状態から物凄いスピードで居合い斬りを繰り出した。
あまりの速さにクリムゾンも避けることができず、刃はクリムゾンの腹部を見事に掻っ捌いた。
クリムゾンは刀を床に落とし、腹を押さえてしゃがみこんだ。
「顔を怪我したくらいで俺が悲しむと思うな」
南はそう言って立ち上がると、刀の血を拭って鞘に収めた。
南の顔の一部は焼きただれており、特に両目部分の損傷が激しかった。
「ハハハハハ・・・傷だらけだ・・・これだけの傷、一体どのくらいかければ直るだろうか・・・」
と、クリムゾンは呟いた。
南は地面に落ちた刀を拾うと、剣先をクリムゾンに向けた。
「殺すのか・・・俺を殺すのか・・・この醜い身体にまだ傷をつけるか・・・」
「・・・チッ、焦点が合わない」
と、南は言った。どうやら目の傷は想像以上に深く、失明しかけているようだった。
「どうした?殺さないのか?」
クリムゾンはそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。
「待ちやがれ・・・クソ、目が完全にいかれてやがる」
と、南は左手で目を押さえながら言った。
クリムゾンは、優しく南の頭を左手で持つと、南の瞳を覗き込んだ。
南の目には、不気味な赤い何かがぼんやりと映っているようにしか見えなかった。
「・・・剣士生命も終わりだな」
クリムゾンはそう言うと、腹部を押さえながら扉にゆっくりと歩いていった。
「逃がすか・・・!」
南はかすかに見える人影に向かって銃を構えた。
「・・・往生際の悪い」
クリムゾンは振り返ると、再び南に近づいた。
そして、ハンドガンを左手に持つと、南の頭部を思いっきり殴った。
南は気絶してしまい、その場に倒れてしまった。
「・・・面白くない野郎だ。たかが目をやられたくらいでこれじゃあ、俺を殺すことなんてまだできやしない」
クリムゾンはそう言って、南を担ぎ上げた。
「だが、ここであっさり殺すのはつまらない。どうせならもっと殺気に溢れてる所を殺したいからな・・・」
クリムゾンはゆっくりと扉に向かって行った。
「・・・ん?」
南はゆっくりと目を開けた。そこには今まで見たことのない部屋の風景があった。
「ここはどこだ・・・しかも、何故俺は目が見えている・・・?」
南はベットから体を起こし、部屋を見渡した。どうやら医務室のようだ。
床には散らかったカルテと、Vaterと思わしき男の死体があった。恐らく何者かが暴れたのだろう。
南は床に下りると、近くの鏡で自分の顔を見た。
顔の一部に何かを縫った後がある。それ以外に特に変わった場所はなかった。
「誰かが、俺を手術したのか?状況が全くつかめないな・・・」
南は腕組みをしながら言った。
その時、ふと机に何かのメモが置かれていたのを南は見つけた。
南はメモを掴んだ。メモには殴り書きでこんなことが書かれていた。
《狂人の怖いところは、無差別に人を殺す所ではない、何を考えているか分からない所だ》
「・・・チッ、余計な真似しやがって」
南はそう言ってメモをぐしゃぐしゃに丸めて投げ捨てた。
「とっとと保安官と合流するか・・・もうあいつのことは忘れることにしよう」
南はそう言って医務室から出て行った。
「・・・ほう、エヌ・トランスもやられたか」
Vater基地の一室で男が話す。
部屋には男のほかに、ニーナ、フレイ、カタパルト、ザンナーがいた。
「とりあえず、向こうは全員生存、こっちはブリオとエヌ・トランス以外は生存確認できている。予想以上に損害はすくねぇな」
と、フレイが言った。
「まだまだあたい等の作戦は始まったばかりだからね。さて、次はどうするの、おじさん?」
と、ニーナが言った。
「現在、奴等は中央の巨大ホールに向かっている。あそこはエヌ・ジンが開発したロボットが大量に置かれていてな、とりあえずエヌ・ジンにそこを任せるとする」
「・・・全て任せていいのか?今の相手の勢いだと簡単に突破するぞ」
と、カタパルトが小さな声で言った。
「ああ、恐らくエヌ・ジンは負けるだろう。そこで、こちらはある囮を使う。ザンナー、連れてきてくれ」
「分かったわ」
ザンナーはそう言って、どこかに行ってしまった。
しばらくして、ザンナーは何者かを引っ張ってやってきた。
「いてぇ!あまり綱を強く引っ張るな!」
「いいじゃない、あんたは金属の手なんだから」
何と連れられてきたのはクランチだった。
「・・・おい、こいつをどうやって使うってんだ?あいつらの前で拷問にでもかけるのか?」
と、フレイが言った。
「あいつ等?まさか、保安官たちか!?助けに来てくれたのか!!」
と、クランチが叫んだ。
「そう、貴様等を助けに無能連中がここまでやってきた。そこで、君にちょっとお出迎えをしてもらいたくてな」
男はそう言って、クランチに近づき、銃型の催眠装置を向けた。
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