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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月九日
2012/12/27(木)17:55:33(13年前) 更新
The Exitence of Absolute Evil ~Devil Family編~
裏社会を思うがままに支配し、恐怖政治で街を恐れさせる「Devil Family」
だが、その恐怖もまもなく終焉を迎えようとしている。
組織の崩壊の危機は、刻一刻と迫ってくる・・・
朝、ビスカントは自室で新聞を読んでいた。
「へぇ、PLCが此処まで派手なことをしでかすとはねぇ・・・面白い」
ビスカントはそう呟いた後に新聞を机の上に置いた。
「だが、今日はそんな話はどうでもいい・・・アネットちゃん、舞姫ちゃん、朝から呼び出して悪いねぇ」
ビスカントの机の前には、アネットと舞姫が立っていた。
「いえ、今日は例の作戦について色々話があると思ったんで・・・」
と、アネットが言った。
「此処まで大掛かりな作戦となれば、流石に動かないといけませんしね」
と、舞姫が言った。
「やっぱり二人は優秀だねぇ・・・それなのにフレイと来たら、一体何処をほっつき歩いているんだ」
ビスカントがそう呟いたその時、いつも通りフレイが気だるそうに頭をかきながら部屋の中に入ってきた。
「あー、ワリィワリィ。少し寝坊しちまった」
フレイはそう言いながら、机の前までやってきた。
「全く、本当に君って奴は・・・まぁいい。これで今日の作戦の指揮を取るメンバーは揃った」
「し、指揮!?聞いてませんよ・・・!?」
と、アネットはオドオドしながら言った。
「アネットちゃん、これは君にとってのチャンスだよ。此処で頑張れば、君はもっと上に行けるはずさ」
「で、でも・・・」
「大丈夫、君なら絶対に出来るさ」
「あー、また女にはそうやって優しくしてやがるぜこいつ」
と、フレイが嫌味ったらしく呟いた。
「むしろ何で男に対して優しくしないといけないんだ。少しはその鳥頭を使って考えてみたらどうなんだい」
「鳥に対して鳥頭って、別におかしくも何ともねぇだろ?」
「・・・それで、こんなくだらない掛け合いのためだけに私達を呼んだんですか?」
と、舞姫が静かに呟いた。
その時、部屋の中にルミナリーがドタバタと足音を立てて入ってきた。
「言われたとおり資料作ってあげたから、とっとと受け取って」
ルミナリーはそう言いながら、ビスカントの机の上に紙の束をドサッと置いた。
「ルミちゃ~ん、ありがと~。さぁ、紙が熱々のうちに各々手に取りたまえ」
フレイ、舞姫、アネットの三人はビスカントの言う通りに資料を受け取った。
「こんだけ少人数での作戦会議に、資料なんて必要ねぇだろ」
フレイはそう言いながら、資料にざっと目を通した。
「何せ猿でも分かるようにしないといけないから、仕方なかったんだよ。さて、その資料には竜の連中の屋敷の見取り図と、周辺の地図が乗っている」
「よく間取りとかまで分かったな。大工との繋がりでもあんのか?」
「ルミの手に掛かれば、そんくらいの情報なんて簡単に分かっちゃんだもーん」
「一体あの部屋に何があるんだか。で、これを渡されてどうしろってんだ?」
「陽動班については特に説明はいらないだろう。その屋敷の正面から攻撃を仕掛けるだけだ」
「で、暗殺はABCDに任せりゃいいって訳だな」
「それがだねぇ・・・あの男のバイク、昨日あんな無茶をしたせいで壊れたらしくて、屋敷まで送ってもらいたいと頼またんだよ」
「・・・ホンモノの馬鹿だな」
「その配送は・・・舞姫ちゃん、お願いしていいかい?」
ビスカントがそう言うと、舞姫は一瞬嫌そうな表情を浮かべた。
「・・・ボスの命令であれば、従います」
「ああ、頼んだよ~。さて、此処で決めるべきことはこれぐらいだ。猿共との細かい会議は午後二時からイエローストローで行う予定だそうだ。君達三人はそれまでに・・・」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
その時、部屋の扉が荒々しく開かれ、足を引き摺りながらクランチが入ってきた。
「ん、何か用かいクランチ?」
「俺も、その作戦に参加させてください・・・!」
クランチの言葉に対し、その場にいた全員は耳を疑った。
「ク、クランチ、お前本気で言ってんのかよ?その怪我で戦闘なんて・・・」
「この程度の怪我、どうって事無い、ただの捻挫みたいなものだ・・・それよりも、俺はこの作戦に出たいんだ・・・!」
クランチはいつにもなく焦っているような表情をしていた。その顔を見たビスカントは、不敵な笑みを浮かべた。
「クランチ、理由を聞かせてくれないかい?君は何故、この作戦に参加したいのか・・・」
「この作戦が上手く行けば、竜の連中は大きく傾き、最終的に破滅するだろう・・・そうすれば、俺達Devil Familyはこの街での勢力圏を更に拡大できる。
俺はDevil Familyの若頭だ・・・だから、Devil Familyの命運をかけたこの作戦に出ないわけには行かないんだ・・・!」
「成程ねぇ。若頭としての使命、ということか」
「ですから、俺も・・・!」
「・・・フレイ、舞姫ちゃん、アネットちゃん、ルミちゃん。少しクランチと二人で話がしたい。席を立ってくれるかい?」
舞姫、アネット、ルミナリーの三人は顔を見合わせた後にそそくさと部屋を後にした。
その一方でフレイは、ビスカントの発言を無視してペラペラと無駄口をきき始めた。
「おいおい、たかが作戦に出るかどうかで密会かよ。そんなことぐらいパパッと・・・」
フレイは更に言葉を続けようとしたが、ビスカントの目を見て言葉を詰まらせた。
彼の目は、いつもの助平親父のような下心全開のいやらしい目ではなかった。何かとてつもないことを引き起こそうとしているかの如く、恐ろしく真剣な目だった。
ここでいつもみたいに軽口を叩いてはいけない、そう思ったフレイは舌打ちをした後に言葉を続けた。
「わーったよ。じゃ、猿共との会議まで時間潰してくっか」
「ああ、そうしてくれたまえ」
フレイはクランチの顔を一瞬覗いた後、足早に部屋を立ち去り、部屋の扉を乱暴に閉めた。
「・・・まぁ、楽にしたらどうだい。あんまりピリピリしすぎるのも良くない」
と、ビスカントは言ったが、クランチはじっと立ったままだった。
「相変わらずだねぇ、君は。本当に出来た男だよ。若頭なんて言うボスの次に強い権限を持ったポジションについていながらも、常に最前線に立ってグループの拡大を助ける」
「それが、俺が一番輝ける事ですから」
「しかし、最近どうも君は不調続きだ。クリムゾンに撃たれ、女刑事に足を捻られる。今まで完璧に仕事を行ってきた君にしては、ミスが多すぎる気がするねぇ」
「・・・申し訳ございません」
「・・・単刀直入に言わせて貰う。君は本当にこのポジションに満足してるのかい?」
「は・・・?」
「君が此処から一気に持ち返して仕事が全て大成功すれば、もしかしたら私は君にボスとしての座を受け渡すかもしれない。でも、それは君が望んでいることなのかい?」
「ど、どういうことですか・・・もしビスカントさんが俺をボスに選んでくださるとすれば、それほど嬉しいことなんてありませんが」
「私には、君が昇進以外に叶えたい夢があるように見えるんだよ。それも子供が抱いてるようなぼんやりとした夢ではなく、具体的でドス黒い夢をね」
「そ、そんなこと・・・」
「怪我の療養を兼ねて考える時間を与えてあげるよ。昇進か、もう一つの夢か。君自身はどちらを叶えたいのか、じっくり考えてみてくれないか?」
「ですから、俺の夢は一つしか・・・」
「それが決まるまで、君にはDevil Familyとしての活動を一切禁止してもらう」
「なっ・・・!?」
「別にもう決まったんだったら報告してくれてもいいんだよ?もし、その夢と違う夢を叶えようとした時には、それなりの報いを受けてもらうことになるけどねぇ」
「・・・分かりました」
「大人になって、自分と向き合うということはとても大事なことだ。それじゃあ、君の夢が決まる時を楽しみに待ってるよ」
「・・・では、失礼します」
クランチは頭を深く下げた後、ビスカントの部屋から出て行った。
二十二時五十分、街の東南部区域に存在する高級住宅街のある路地に、数人のコートを着た男達が集まっていた。
その中に一人、フレイが気だるそうにしながら携帯をいじっていた。
「にしても、やっぱりクランチは作戦不参加か。当たり前っちゃそうだけど」
と、フレイが呟いた。
この路地に集まっているのは、Roo Familyの鉄砲玉四人とフレイだけだった。
フレイが何か言っても鉄砲玉たちは一切反応せずに、じっと息を潜めていた。
「ヘッ、そんなに静かにしなくても向こうの連中どもは気づかねぇよ。暇なんだからもっとべしゃろうぜ」
その言葉に対し、鉄砲玉の一人がフレイのほうをじっと睨んだ。
「お前みたいなお調子者はすぐに死にそうだな」
と、鉄砲玉の一人が呟いた。
「あ?俺って言うほどふざけてねぇし、てめぇ等みたいに名前も分からないような奴ほど死にやすいだろ」
「・・・鉄砲玉としての役割を持った以上、名前なんてものに何の価値もない」
「そういう事じゃねぇんだけどなぁ・・・お、そろそろ時間だ」
フレイはそう言って、携帯を耳に当てた。
「アネット、時間だ。予定通りに行くぜ」
「は、はい・・・!」
「通話は切るなよ」
フレイはそう言って携帯をポケットに閉まった。
「作戦開始、派手にやろうぜ」
フレイの掛け声と共に、鉄砲玉たちは一斉に路地から飛び出し、道路の向こう側に位置する屋敷の正面口に並んだ。
そして、屋敷の庭目掛けて、フレイが手榴弾を投げ込んだのだ。
放物線上を描きつつ、手榴弾は屋敷の庭に落ちていった。そしてその瞬間、夜の静寂をかき消す爆発音が響き渡った。
それを聞いたのか、屋敷の中から次々と男達が銃を持って飛び出してきた。
数は圧倒的に向こうのほうが多い。武装に関してもこちら側が負けていた。
だが、鉄砲玉たちは臆することなく屋敷に向かってM16を構えた。
「こっからは、まぁ適当にな」
フレイはそう言うと素早く空気銃を構え、敵に向かって引き金を引いた。
それと同時に、鉄砲玉たちがM16を乱射し始めた。
M16から放たれた大量の銃弾は、空気銃の起こした旋風に乗り、様々な方向に飛び散って行く。
「さっすが日本人、空気を読むことだけは立派だわ」
フレイと鉄砲玉たちの予想通り、飛び散った銃弾は大量の敵目掛けて飛んでいった。
手、足、頭、腹。体の一部に銃弾を食らった者は一瞬のひるみを見せるか、その場で倒れこんだ。
それを確認したフレイは素早く携帯を取り出した。
「アネット、いつでもOKだぜ」
「了解です・・・!」
アネットの声が携帯から聞こえてきたのと同時に、屋敷の両サイドで大爆発が起こった。
「・・・おい、俺達の役割はあくまで陽動のはずだろ」
あまりに豪快な一撃を見た鉄砲玉の一人が、M16を構えながら言った。
「そうだけど、何か問題でもあったか?」
「此処までする意味はないんじゃないのか・・・?」
「逃げる時に、追っ手が多いと嫌じゃねぇか。だから、此処で出来るだけ数を減らしておく。そんだけ」
「つまり、皆殺しにするつもりか」
「ま、そんな感じ。双方の壁を破壊して敵を挟み撃ち。元々の作戦だと双方の壁をよじ登っていくつもりだったらしいが、面倒だろ?」
「・・・悪魔だな」
「ごもっとも。さて、そろそろ俺達は屋敷の正面口から退いたほうがいいな」
「・・・は?」
「総員撤退、早くしないと死ぬぜ?」
フレイはそう言うと、翼を羽ばたかせて飛び立った。
鉄砲玉たちも状況が理解できないまま屋敷の正面口から身を退いた。
その瞬間、猛スピードで屋敷に車らしきものが突っ込んでいったのだ。
「ヘッ、おっせぇ車の到着だ」
屋敷の庭を疾走する車は、目の前に人が立っていようとお構い無しに前進していった。
そして、屋敷の玄関で急停車した。
「運賃は無料にしておきますよ」
と、運転席に座っていた舞姫が呟いた。
「ったりめぇだろ!大体、俺様は裏に止めろって言ったのに何で玄関前に突っ込んでんだよ!?」
「・・・早く降りて下さい。作戦に支障をきたします」
「てめぇ、この作戦が終わったら説教してやるからな!」
DACBはそう言いながら扉を開け、助手席から降りた。
そして扉を足で閉め、マントを颯爽となびかせた。
「・・・それにしても、部下の車は相変わらず遅くて困りますね」
舞姫はそう呟き、再びハンドルを握った。
DACBは屋敷の玄関を蹴り開けて、中に進んでいった。
「お、作戦通り中はすっからかんだな」
屋敷の中は、外の騒動とは裏腹に不気味なぐらい静まり返っていた。
DACBはポケットから屋敷の地図を取り出し、ターゲットの位置を確認し始めた。
「恐らく・・・二階のでっかい部屋でガクガク震えながら縮こまってるだろうな」
DACBはそう言って、近くの階段を昇って二階に向かい、廊下を走って目的の部屋にたどり着いた。
そして扉を開け、中を確認した。
部屋の中央には、机と豪華な椅子が置かれていた。椅子には誰かが座っているようだが、背もたれはこちら側に向いており、顔を確認することが出来なかった。
「逃げることすら出来ねぇか、この雑魚め」
と、DACBは相手を挑発するように言ったが、依然として相手は何もしようとはしない。
「ちょっとは反応しろよ、おい」
DACBはそう言いながらずかずかと椅子に近づいていったが、椅子が一瞬動いたので足を止めた。
「・・・この型の椅子は座り心地がいいな。俺の書斎にも欲しいところだ」
椅子に座った人物の声を聞いたDACBは、即座にその人物が今回のターゲットであるコモド・モーでないことを把握した。
更に、DACBはその声の正体を知っていた。
「ク、クリムゾン!?」
「正解だ、流石のお前でも分かったか」
椅子に座っていたのはクリムゾンだった。クリムゾンはゆっくりと立ち上がると、DACBのほうを向いた。
「な、何でてめぇが此処にいやがるんだ!?」
「知ってるだろ、俺達PLCと竜の連中が同盟を組んだことぐらい」
「そこじゃねぇ、てめぇは確か昨日の夜・・・」
「ああ、刑務所で一仕事してきたところだ。心配するな、風呂には入ってきた」
「働きすぎだろ・・・それより、何処で情報を仕入れた!?」
「お前が色んな奴に喋りすぎて、俺にまで情報が回ってきただけだ」
「チッ・・・よりによってクリムゾンにまで回ってやがったなんて」
「お前が情報を教えてくれたお陰で、お前達がビルの中で悠々と会議している隙にモーを逃がすことが出来た。だから、お前達が今やってるのは只の屋敷の破壊だ」
「なら、モーは今何処にいやがる?」
「・・・それ以上は、俺から無理やり聞き出すんだな」
クリムゾンはそう言って、白衣のポケットから棒状の物を取り出し、さっと横に振った。
すると、レーザーの刀身が飛び出してきた。
「い、いいじゃねぇか。俺様だって仕事をミスしたくないからな、てめぇを倒してやろうじゃねぇか!!」
DACBはそう言って、マントの中に左手を突っ込み、鉤爪を装着した。
「悪いが、お前にだけは負ける要素が見つからない。いや・・・声の大きさは負けるか」
「相変わらず馬鹿にしやがって・・・俺様をなめんなよ」
DACBは鉤爪を構えると、クリムゾンに向かって一気に近づき、鉤爪を横になぎ払った。
クリムゾンはそれをレーザーソードの刀身でガードし、一歩後ろに下がった。
「ハッ、昨日仕事してきた割に元気だな」
DACBはそう言いながら、鉤爪を構えようとしたが、左手が異常に軽いことに気がつき、目で確認した。
「お前がどんな武器でどういう戦法を好むかぐらいはこっちだって嫌でも理解している。だから、今回は少し違った戦い方をしようと思ってな」
「て、てめぇ・・・やってくれるじゃねぇか」
DACBの鉤爪は、真っ二つに焼き切られていた。腕本体へのダメージはなかったものの、最早鉤爪としての役割を果たせない状態だった。
「カートリッジ一個分のエネルギーだ。その程度の金属なんて簡単に切り落とせる。その代わり、エネルギーは全て使い果たしたがな」
しかし、クリムゾンの持っていたレーザーソードは殆ど光を放っていなかった。
「成程、これで両方の接近武器が潰れたってわけだ。で、こっからどう来るつもりだ、クリムゾン!?」
「・・・接近武器がなければ、遠距離武器を使えば良い」
クリムゾンはそう言って、素早くモスキートを構えた。
「そういう考えに至るのは、当然だな」
DACBも同じく、Proを右手に持って構えた。
だが、二人とも引き金に力を込めることは出来なかった。此処で安々と銃を撃てば、もしかしたら相手の作戦にまんまと引っかかる羽目になるかもしれないからだ。
DACB自身も、クリムゾンという男を一筋縄では倒せないと確信していたため、尚更動くことが出来なかった。
「・・・どうした?今更人を殺める事を躊躇するのか?」
と、クリムゾンが静かに呟いた。
「・・・ヘッ、そっちだって挑発するだけしといて引き金は引かねぇのか?」
DACBがそう返答した時、部屋の中に二つの着信音が鳴り響いた。
クリムゾンとDACBは、それぞれ片手で銃を構えたまま、もう片方の手で携帯を持った。
「・・・DACBだ、要件を簡潔に言いやがれ」
「あーこちらフレイ、一つ聞きたいんだけど、お前今誰と戦ってんだ?」
「あぁ!?そんなどうでもいいこと、今聞く必要があるのか!?」
「いや、南東部の海岸でモーの死体が発見されたらしくてよ。なのにお前は何で屋敷に篭ったままなのかと思ってな」
「・・・は?」
「ま、そういうことだから、作戦中止ということでとっとと撤退しろよ。んじゃ」
その言葉を最後に、電話は切れた。
クリムゾンも、携帯電話を切った後に白衣にしまった。
「・・・DACB、モーの件か?」
「クリムゾンもだろ?ったく、一体誰が殺しやがったんだ。検討もつかねぇ」
「全くだ。それより、俺達が此処で殺しあう意味もこれで無くなったという訳だ」
「そうだな。じゃ、俺様はそろそろ帰るとしようか」
DACBはそう言って、Proをホルスターにしまった。クリムゾンもモスキートを白衣の裏に入れた。
「ああ、またな。DACB、久しぶりにお前と一戦交えれて楽しかったぞ」
「次戦う時があったら、絶対俺様が勝ってやるからな、覚えてやがれ!」
「・・・出来るだけ覚えておいてやる」
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