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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月十一日
2015/08/25(火)15:05:49(9年前) 更新
The Exitence of Absolute Evil ~Devil Family編~
裏社会を思うがままに支配し、恐怖政治で街を恐れさせる「Devil Family」
だが、その恐怖もまもなく終焉を迎えようとしている。
組織の崩壊の危機は、刻一刻と迫ってくる・・・
早朝、祝勝会も終わり、Devil FamilyとRoo Familyの重役が殆ど去った後のとある高級レストラン。
そこにはビスカントとクランチの二人のみが残っていた。
「…いやぁ、朝まで続くとは思わなかった」
ビスカントはそう言って、テーブルの上に置かれたパンをちぎって食べた。
「同感です。明日の作戦こそ重要なのに、何も今酒盛りする必要などなかったのでは…?」
と、クランチが言った。
「まぁたまにはこういうのも悪くない。さて、クランチ。今日はどういう予定で動くつもりだい?」
「ルミの情報ではそろそろコモド・ジョーが来国するそうなので、そちらの監視を下の者に行わせています」
「そうかい。あくまで仕留めるのは明日だ。今日は何処で何をしているかの情報だけ仕入れたらいい」
「分かりました」
「明日どうやって仕留めるかは、君に一任しよう。なるべく目立つ方法がいい」
「…それはあくまで事故に見立てた上で、でしょうか」
「ああ、もちろん。我々は一切関与していない体で」
ビスカントはそう言うと、手に持っていたパンを皿の上に置き、ゆっくりと立ち上がった。
そして、レストランの大きな窓の所に歩いていくと、そこから外を眺めた。
「クランチ、組織のボスが殺されるぐらい大きな抗争が起きたのはいつ振りだろうねぇ」
「…Devil Familyがこの街でトップになってからは、此処まで大きな抗争はなかったかと」
「そうだ。これまでは我々がこの街のバランスを支配し、大抗争が起こることのないようにしてきた」
「それなのに、何故今回は…」
「…頃合いだと思ってね。クランチ、君は私からこの街を受け継いだとき、邪魔者はなるべく少ない方が嬉しくないかい?」
ビスカントはクランチの方を見ると、ニヤリと口角を上げた。
その笑顔にはとても計り知れない様々な感情が浮かび上がっているようで、クランチは何も言葉を返せなかった。
「…そういえば、パンチの件はどうだい?」
沈黙していたクランチに口を開かせるよう、ビスカントはクランチに尋ねた。
「…昨日グリーンウッドに招いて少し話しました。ただ、やはりこちらとは関わりたくなさそうでした」
「当然だろう。彼の引退の原因に我々が絡んでいたのだから」
「明確な敵意がなかったのは幸いでした。それに、彼のプロ復帰の意思はかなり強かったことも」
「成程、その感じだとファイトクラブに出てくれるのも時間の問題かもしれない」
「そうでしょうか」
「彼に積む金は惜しむな。それ以上の利益が期待できると私は確信している」
「はい…」
朝、フレイは南の店のカウンターで気だるそうに座っていた。
「わりいな、南。連絡が来るまでもう少し待ってくれ」
と、フレイはカウンターの向かいでだるそうにしている南に向かって言った。
「いくらなんでも早くに来すぎだろ。そう焦んなくても仕事は引き受けてやるから」
「俺だってサッと仕事だけ頼んで帰りてぇわ。ったく、早くしろよな」
フレイがそう言った時、彼の携帯が鳴った。
「やっとかよ。あーもしもし?…あいあい、了解。南、これから俺たちの所がコモド・ジョーをレッドブリックから尾行する」
「それで?」
「何処に行くか知らねぇが、恐らく連中はPLCと会談を行うはずだ。で、候補地の一つとして挙げられるPLCの持ちビル、ブルークレイの近くに張り付いてくんねぇか?」
「別にいいけど、そういうのはお前たちの方が得意分野じゃないのか?」
「バカか、今PLCつったらサツに目つけられててメンドくせぇ組織だろ」
「俺が警察と関わっても何も問題ないみたいな言い草だなそれ…っと失礼」
その時、南もまた携帯を取り出すと、そそくさと二階へと上がって行った。
そしてしばらくした後戻ってきて、フレイの方を見てニヤリと笑った。
「似たような依頼が別の所から入った。そちらは二千で引き受けてほしいそうだ」
「…もし、その情報込みで俺が仕事を依頼したら、いくら欲しい?」
「四千だ」
「倍かよ、いやしいヤツ。いいぜ、払ってやろう」
「まいどあり、って言っても向こうはPLCで、ブルークレイに不審者が近寄らないよう監視してほしいって内容だったけどな」
「ヘッ、やっぱりブルークレイで何かやるつもりだな。んじゃ、そこで何があったか大まかでいいから調べてきてくれよ」
フレイはそう言って立ち上がり、手を軽く振って店の出口へと向かった。
「了解、んじゃまた後でな」
という南の声が、後ろから聞こえてきた。
店を出たところで、再びフレイの元に電話がかかってきた。
「もしもし。アネット、様子はどうだ?」
「はい、今コモド・ジョーを乗せた車が北の港町方面に向かって走行中です」
「北だぁ?まあいいか、車は何台なんだ?」
「それがたった一台なんです。しかもコモド・ジョーとその付き人、そして運転手のみです」
「北っつったらどっかにPLC本部があったはずだが、まさかそこで合流しようって寸法か?」
「どうでしょうか…とにかく、尾行を続けて何か分かり次第連絡します」
「ああ、頼んだぜ」
アネットはそこで携帯を切ってハンドルを両手で握り直した。
「はーぁ…舞姫さんは明日のレースの準備で休みだし、私一人で尾行かぁ…上手くいくかなぁ…」
アネットがそう呟くと、彼女の耳元に着けていた無線機からルミナリーの声が聞こえてきた。
「アネットー、ボヤキも聞こえてきてるよー」
「はっ!?すみません、無線機の電源つけっぱなしでした…」
「そんなに心配しなくても、ただ車で後つけるだけだし、簡単じゃん」
「そ、そうですよね!簡単簡単、このくらいできなくちゃ…」
アネットは自分に言い聞かせるように呟きながら、尾行を続けた。
彼女と、コモド・ジョーを乗せた車が走っている北の港町は、廃墟が多い上に道も複雑で迷いやすい。
前方を走る車も幾度となく道を曲がっており、見失わないようにするので精いっぱいだった。
「一体何処に向かうんでしょうか…」
「うーん、その辺はPLCのシマに近いから、よく分かんないんだよねー」
「ルミさんでも分かんないんですか…あ、停まりました」
前方を走っていた車は、ある建物の前で停車した。それに伴って、アネットも離れた場所に車を停めた。
つけていた車からは、コモド・ジョーとその付き人が降りてきて、そして近くの建物に入って行った。
「建物に入って行きました…あそこがPLC本部なんでしょうか」
「えーっと、ちょっと待ってねっと…うーん、アネットの近くの建物にはバーが一つあるだけで、他は全部廃墟っぽいねー」
「バー?そうか、バーで会談をしようということですね!」
「なるほどー!アネット、どうするの?」
「もちろん、中に入って調査を…あれ、フレイさん?」
アネットはその時、車の窓ガラスを叩くフレイに気付いた。急いでアネットは窓ガラスを開けた。
「よぉ、こんなところまで来てたのかよ」
「はい。それより、あそこが…」
「ああ、さっき俺も見たわ。でも、あそこに入るのはやめといたほうがいいぜ」
「え、どうしてですか…?」
「ほら、あれ見な」
フレイはそういうと、港町に高く伸びている変電所を指差した。
しかし、アネットがその方角を見ても何もないようにしか見えなかった。
「…何かありますか?」
「おいおい、見えねぇのかよあのアホ面が」
「アホ面って…あ、確かに人影っぽいものが…」
「ああ、狙撃銃構えて俺たちを見てるぜ」
フレイはそう言って、変電所に向けて中指を立てた。すると即座に弾丸が返ってきた。
弾丸はフレイの顔スレスレを横切り、壁に弾痕を形作った。
「フレイさん、危ないでっすって!」
「ヘッ、相変わらず短気な奴だ」
フレイはそう言って、携帯を取り出した。
「おいもしもーし?」
「何だ、仕事内容の変更か?」
「いや、ABCDのアホウは何であんなところで俺たちを見張ってるのか気になってな?」
「あれは俺が頼んどいた。PLCも色々注文吹っかけて来て俺一人じゃ無理そうだったし」
「成程な。で、あれをやめさせることって出来るか?」
「そんなことしたらDACBの報酬がゼロになっちまって、ブチ切れるぞ?」
「あー、それはダリィな。んじゃ、俺の頼んだ仕事のほうは任せたぜ」
フレイはそう言って電話を切ると、アネットの車の助手席に乗った。
「あの、フレイさん…どうしますか?」
「どーせ次の目的地はブルークレイだろ。俺たちはもう帰ろうぜ」
「ええ!?い、いいんですか…?」
「いーさいーさ、俺権限で今日の仕事終わり!じゃ、運転まかせた」
「は、はい…」
「…ちょっとー、ルミも聞いてること分かってんのー?」
昼前、南はショッピング街にあるビルの屋上で双眼鏡を持って立っていた。
南は震える携帯を取り出しながら、隣のブルークレイビルの監視を続けていた。
「もしもし…今のところ悪くないな。至って平和だ…金になるんだったら文句ねえよっと」
そう言った時、南は監視していたブルークレイ入り口に一人の女性がいるのに気付いた。
「ん、あれは…あー来たぜ。ありゃ亜貴だな…了解、別料金だけどな」
南はそう言って電話を一度切ると、素早く別の人物に電話を掛けた。
「もしもし、ゴルブ聞こえるか?今どこだ?」
「南さんに言われた通り、ビル裏の路地っすよ」
「デカが一人ビル入り口に来た。陽動まかせたぞ」
「まかしてくれって!で、どのぐらいやっちまいますか?」
「おいおい、デカだぞ?気を引いて逃げるだけで十分だから、メンドくせぇことするなよ?」
「へいへい、りょーかいっす」
電話はそこで切れた。それと同時に、遠くの道路に二台の車が走ってくるのが見えた。
「お、来たな…」
南は三度携帯で通話を行おうとしたが、後ろから何者かの気配を感じて振り向いた。
「…おいおい、脅かすなよクランチ」
「悪いな。少しお前の働きっぷりが気になったもんで」
クランチはそう言いながら、南に近づいた。
「夜通し飲んでたんだろ?少しは休んだ方がいいんじゃないか?」
「お前に心配される筋合いはない。ほら」
クランチはそう言うと、缶コーヒーを南に渡した。
「悪いな…で、本当の目的は何だ」
南はそう言って缶コーヒーを開けた。
「…お前は、今後も何でも屋として中立的な立場をとり続けるつもりか?」
「…愚問だぞ、クランチ。俺は誰かに尻尾振るのが大嫌いなんだ」
「そうか…だが、お前は俺たちの仕事をよく引き受けてくれる」
「それは、お前等悪魔が金を積んでくれるからだろ。金を貰った以上仕事で返す。当たり前の事をしているだけだ」
「俺たちマフィアに属する者だって同じだ。俺たちはボスの奴隷じゃない。働けば対価として金は貰える」
クランチはそう言って、タバコを銜えたて一服した。
南はクランチが何を言いたいのか、ある程度の察しはついていた。
「…俺の出す条件を一つ飲むなら、話を聞いてやってもいい」
「その条件とは?」
「月200万だ」
「大きく出たな」
クランチはそう言って、少し馬鹿にしたような笑顔を見せた。
「それだけ貰えるならお前等贔屓の何でも屋になってやる」
だが、南はあくまで冷静にそう言い放った。
「その額だと流石に俺一人じゃ決められない。後日どうするかを伝えに行く」
「ああ、待ってるぞ」
クランチはタバコを銜え直し、その場から去って行った。
南は缶コーヒーを床に置くと、再び双眼鏡でブルークレイの監視を始めた。
すると、ブルークレイの駐車場入り口から一台の赤いスポーツカーが爆音をあげて出てきた。
「運転席には…マジかよ」
運転席に座っていたのは、Dragon Familyのコモド・ジョーだった。
南は瞬時に何が起こったのかを察知し、フレイに電話を掛けた。
「フレイ、一通り監視が終わった」
「おう、どうだったよ」
「竜の頭はやはり明日のレースに出るらしい。PLCの車を使ってな」
「なるほど、PLCはそれで同盟守ろうって考えかよ。面白れぇ」
「車のナンバーはVU2948。ボディ色は赤。車種はスポーツカーってことぐらいしか分からん。恐らくレッドブリックに戻るつもりだ」
「りょーかい。さて南、追加注文だ」
フレイの言葉を聞いて南はにやりと笑った。
「オーダーを聞こうか」
「ビスカントは明日、ジョーが事故死するんじゃないかと思っているらしい」
「ほう、それはレース中の不慮の事故か?」
「そうかもしれねぇな。もし観衆の前でジョーの死が起こったら、PLCと竜の同盟はなくなったも同然、それどころか竜の所は力を完璧に失っちまうだろうし」
「確かにな…それこそレース中に車が大爆発なんてしたら、皆衝撃を受けるだろうな」
「ヘッ、そういうことだ。金はどのくらいがいい?」
「40万でどうだ?相手はあのコモド・ジョーだ。それぐらいないと割に合わない」
「いいだろう。後の作戦はお前に一任するぜ。金は1割前払い、いいな?」
「了解っと。んじゃ、しっかり金を用意しとけよ?」
南はそう言って電話を切った。
「…爆弾か。アレにこしらえてもらうのが手っ取り早そうだな」
「あ?次は爆弾だぁ!?」
街の北側にある変電所入り口で、PSG-1と電話を持ったDACBが大声をあげた。
「ああ、車一台に仕掛けられるスイッチ式がいい」
「ったく、いくらの話だそれ?」
「そうだな…40万もらえることになっているが、お前の働き次第でその六割まで持って行っていい」
「おいおい…一体何を仕留めるつもりだ?」
「ジョーだ」
「マジかよ!?そんなでけぇ話をなんでてめぇが…」
「この街でこんなデカい仕事任せられるのなんて俺ぐらいだからな」
「クソ…なんで俺様じゃなくて…!分かった、やってやるよ!ただし、仕留めるところまで俺様にやらせろ!それで六割だ、いいな!?」
「…しくじるなよマジで。ミスったらこの街のマフィア全員を敵に回す恐れがある」
「お、おうそうか…ま、任せやがれ!」
「よし、じゃあ詳しい作戦内容に入るぞ」
それから一通りの作戦内容を聞いたDACBは電話を切り、変電所を去った。
DACBはこれから行う大きな仕事に対し、わずかな緊張と高揚感を得ていた。
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