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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月九日
2012/12/31(月)00:03:09(12年前) 更新
Boundary between the Justice of Truth and False ~CPAO編~
街の平和を守り、市民の安全を確保する「CPAO」
しかし、警察内ではある問題が起きていた。
正義とは一体何なのか、考える暇はもうなかった・・・
朝日が優しく体を包む。
目を開けると、其処には白い天井が広がっていた。
Chaonate市立中央病院。この街での怪我人は大抵此処に運ばれる。
「・・・まだ死んでなかったみてぇだな」
ベッドに横になったまま、ザヌサーが呟いた。
体の至る箇所には包帯が巻かれていたが、痛みはなかった。手術が上手く行った証拠だろう。
その時、彼の病室に一人の女性警官が入ってきた。
「あ、おっはよー!」
「リリーか・・・相変わらず元気なこった」
「まぁねー」
リリーはそう言いながら、ザヌサーのベッドの近くの椅子に腰掛けた。
「リリー、早速悪いが昨日の事件の捜査状況を聞かせてくれ」
「えっとー・・・一応脱獄囚及びその支援を行った侵入者のデータは分かった感じ?」
「それだけ分かっているなら十分だな。で、脱獄囚は何人だ」
「一人だって。七日に刑務所に入ったアーネストって男だったはずだよ」
「ああ、あの男か・・・やっぱり見逃せなかったみてぇだな。リリー、そいつから押収した麻薬はどうなってる?」
「え?ちょっと待ってねっと・・・」
リリーはそう言いながら、手帳をペラペラとめくった。
「昨日、事件のあったほぼ同時刻に、麻薬取締官のウィリーが調査用として持って帰ったんだって」
「ウィリー・・・流石にあの腐れ柿が絡んでくる可能性は少ないな。ウィリーに関しては何もないのか?」
「何も連絡がないって事は、大丈夫なんじゃないかな?」
「成程・・・悪いな、手間かけさせて。今後の指示についてはもう全員出てんのか?」
「刑務所の徹底捜査と脱獄囚の捜索、追って侵入者の捜索だってさー。怪我人に関しては退院後即捜査に加わる、とのこと」
「ヘッ、だとしたら俺は少し暇になりそうだな・・・リリー、お前もそろそろ行かないとならねぇんじゃねぇのか」
ザヌサーの言葉を聞いたリリーは、自身の腕時計を見てはっとした表情を浮かべた。
「あ、ルナとの待ち合わせ時刻過ぎてるや。じゃあ、私はそろそろ行くねー」
リリーはそう言って立ち上がり、病室から去って行った。
「・・・俺も、歳なのかもしれねぇな・・・あんなミスを犯しちまうなんて」
夕方、ごんぎつねの店内ではクロスが一人料理の仕込みを行っていた。
そこに一人の男性がやってきて、そのままカウンター席に着いた。
「いらっしゃいませ、ソルさん。ご注文はどうしましょうか?」
と、クロスは包丁で魚を捌きながら言った。
「うーん、今日は少し考えさせてもらおうかな」
「ええ、いつでも好きな時に注文を申し付けてください・・・」
その時、もう一人の男性が見せにやって来た。
「いらっしゃいませ、南さん」
クロスが南という単語を放った瞬間、ソルの顔が一瞬固まった。
「あ、悪いなクロス。今日はちょっとそこの男に話があるだけなんだわ」
南はそう言いながら、ソルの隣に座った。
「・・・昨日の報復か?」
と、ソルが呟いた。
「前も言っただろ?この店ではそういう話は一切無しだって」
「じゃあ何なんだよ」
と、ソルはかったるそうに言った。
「おいおい、つれねぇな。せっかくお前にとって美味しい話を持ってきてやったってのに」
「悪いけど、薬はやらない主義だから」
「ん、もうそっちの件が回ってたか。でも、それじゃないんだよな」
「もったいぶらないで、早く話してくれって」
「・・・もう少ししたら、Dragonの頭のモーが南東の海岸にやってくるんだってよ」
「ふーん、この時期に海水浴とかするのか?」
「カチコミに巻き込まれないようにするためだってよ。精度抜群の盗聴器で聞いたから間違いない」
「・・・それを態々俺に知らせて、何が目的?」
「一大マフィアの頭ともなれば、賞金も高くなるんだろ?こんな美味しい話、この街じゃあそうそうないと思うぜ」
南の話を聞いたソルは、しばらく黙ったまま座っていたが、顔を上げた後椅子から立ち上がろうとした。
しかし、南はすかさずソルの左腕を掴んだ。
「おいおい、まさかこの街でタダの情報があるとでも思ってんのか?」
「そっちが勝手に話してきたんだろ?」
「でも、お前はその情報を活用しようとしてるじゃないか。まぁ、これから帰って寝るってんならさっきの話は忘れてくれ」
「・・・いくらだよ?」
「そうこないとな。そうだな・・・賞金の二十分の一でどうだ」
「まぁ、そのぐらいなら・・・後払いでいいか?」
「ああ、大丈夫だ。毎度ありっと」
「にしても、この店で仕事の話は無しなんじゃなかったのか?」
「立場のいざこざとかの話が無しなだけで、取引は別にオッケーって感じだ。クロスもその辺は気遣ってくれて、席を外してくれるからな」
ソルが店内を見渡すと、クロスの姿は何処にもなかった。
「流石、この街で店を構えてるだけの事はある」
「裏話は耳にしただけで命を落とす危険性があるからな。クロス自身、今までこうやって店を続けていられることが奇跡みたいなもんだし」
南はそう言って、ソルの腕を放した。
「じゃ、また後で」
ソルはそう言った後に店を後にした。
そして、店の前に止めていたスポーツバイクにまたがると、キックでエンジンを起動した。
「南東の海岸か・・・まだ行った事無いけど、大丈夫だろう」
ソルはそう呟き、バイクのアクセルを全開にして道路を南に下っていった。
既に太陽は西の空に沈みかけており、海はオレンジ色に光り輝いていた。
数十分ほどバイクを東側に続く海沿いの道路を颯爽と走らせ、ソルは道路の脇にバイクを止めた。
「結構急な崖になってるなぁ・・・」
ソルはそう言いながら、崖の上に立ち、下を覗いた。
どうやら崖の下は洞窟のようになっており、中に入ることが出来そうだった。
「いかにも誰か隠れてそうな感じだ」
ただ、飛び降りれば帰ってこれるかどうかは分からない。最悪極寒の海を泳ぐ羽目になるかもしれない。
しかし今更引き返す訳にもいかない。ソルは意を決して崖の下に飛び降りた。
地面で受身を取り、素早く立ち上がったソルは、ポケットからタバコを取り出して火をつけた。
そしてタバコを加えたまま洞窟の中に入っていった。
「空気の通りが良いって事は、出口があるんだろうか」
と、ソルは洞窟内を歩きながら言った。タバコの火は依然として消えない。
洞窟の壁にはフジツボや海藻がこびり付いており、潮が満ちればこの洞窟が水没することを示唆していた。
ソルはいつでもグロックを抜けるように右手をホルスターにかけつつ、ゆっくりと洞窟の奥を目指した。
「・・・一本道がひたすら続くだけか・・・どうやらこれは人工の洞窟みたいだ」
と、ソルが呟いたそのとき、洞窟の奥で何かが落ちる音が聞こえてきた。
ソルは素早くタバコを地面に捨てて火を消し、グロックをホルスターから抜いて構えた。
たった一つの明りが消え、辺りは真っ暗になった。だが、遥か奥にはうっすらと光が見える。
誰かが確実にいる。ソルは全神経を尖らせて、一歩ずつ慎重に前を目指そうとした。
その瞬間、ソル目掛けて何かが凄まじいスピードで飛んできた。
ソルは素早くグロックの引き金を引き、それを撃ち落した。
「これは・・・剣か?」
地面に落ちていたのは曲剣の一種だった。誰かが投げつけてきたのだろう。
だが、ソルはそんな攻撃に臆することも無く更に奥を目指した。
道中、いくつもの曲剣が飛んできたが、ソルは的確に撃ち落しながら前を目指した。
そして、ぼんやりとした明りが近づいてきたその時、洞窟内に声が響いた。
「こ、こっちに来るな・・・!」
もちろんそんな忠告お構い無しに、ソルはがつがつと進んだ。
すると、明りに照らされた一人の男の顔が目の前に浮かび上がった。
「おお、やっぱり此処にいたか。コモド・モー」
「な、何者なんだ、お前さん・・・悪魔の回し者か!?」
モーと言う男は、左手にライトを持ったまま、ソルのほうをおびえた目で見つめていた。
「残念ながら全然関係はないから安心してくれって」
「な、なら一体・・・」
「じゃ、改めて聞くけど、お前はDragonの頭のコモド・モーで間違いない?」
「だ、だから何だってんだ・・・」
「もう一度聞く。お前はコモド・モーだよな?」
「うるさいなぁ・・・そうさ、俺はコモド・モーだ!」
「オッケー、確認が取れた。じゃあ、お疲れ様」
ソルはそう言うと、グロックをモーの頭に突きつけた。
「ヒィィ!?やっぱり俺の命を狙ってたんじゃないか!!」
「まぁね。で、最後に何回言いたいこととかある?」
「・・・俺がDragon Familyという一大マフィアの頭だってこと、良く覚えておくんだなぁ」
「残念、脅し文句は俺には効かない」
「俺が死ねば、戦争が始ま・・・!」
モーが最後まで言葉を発するのを待たずして、ソルは引き金を引いた。
暗い洞窟に眩しいフラッシュが拡散し、それと同時にモーが地面に倒れこんだ。
その衝撃で、ソルの服に何かの液体が飛び散ってきた。
「・・・あ、潮が満ちてきちゃったか」
洞窟の地面には、かすかに水が張っていた。
ソルはグロックをしまうと、辺りを見渡して脱出口がないかを探した。
すると、壁にはしごが備え付けられているのを発見した。
「ラッキー、何とかなるもんだ」
ソルは素早くはしごを掴むと、スルスルと上を目指していった。
そして、はしごの一番上まで来ると、のっかかっていた蓋をどかして外に出た。
どうやらどこかの路地のマンホールから出てきたようだった。幸い辺りには誰もおらず、怪しまれることなくソルは脱出に成功した。
日は既に沈んでおり、周りの民家には明りが付き始めていた。
ソルは携帯電話を取り出すと、どこかに電話を掛け始めた。
「・・・はい、こちらCPAOです」
「うーん、何か恥ずかしいけど、一応言っておこうか」
ソルはそう言って、一度深呼吸をして、再び携帯を口に近づけた。
「・・・太陽が役目を終えて沈んだ時」
「・・・月が残りの役目をするために昇る」
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