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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月十日
2015/08/15(土)13:05:03(9年前) 更新
Boundary between the Justice of Truth and False ~CPAO編~
街の平和を守り、市民の安全を確保する「CPAO」
しかし、警察内ではある問題が起きていた。
正義とは一体何なのか、考える暇はもうなかった・・・
「はぁ…」
昼前、机の上に山積みになったファイルを前にして、亜貴は深くため息をついた。
ファイルの背表紙には、様々な事件の名称が書かれていた。
「二月に入ってから事件が起き過ぎている…いくらなんでもおかしい」
元々大きなマフィアグループが一つの街に複数存在しているこの街は、過去幾度となくマフィアがらみの事件は起きていた。
しかし、ここ最近の状況は異常なレベルだった。それを証明するように、ファイルの表紙には重大事件であるという目印である星印が複数つけられていた。
亜貴はその中の一つのファイルを手に持ち、読み始めた。
「2月4日、人身売買事件。八名の子供が恐らく取引中のトラブルに巻き込まれ逃走。発見できたのはうち二名のみ」
「この街における人身売買事件は記録上ではたった三回しか発生していない。しかも子供が扱われたケースはこれが始めて…」
そう言いながら、真利亜が亜貴の所に歩いてきた。
「真利亜、あなたもこっちで仕事?例のPLCメンバーを追いかけなくて大丈夫なの?」
「今は真利亜達の部隊の一部が追跡中だからそちらは大丈夫。それより流石にそれぞれの事件をまとめておかないとてんやわんやになりそうで」
「ならあたしと一緒にファイル整理やってくれない?完成版をコピーして渡すから」
「それ賛成!じゃあ向こうの休憩用テーブルでやろっか」
真利亜と亜貴はファイルを抱えて、四席のテーブルの所へ向かった。
「さて人身売買事件についてだけど、現在は捜索する人手が足りていないのが現状なのよね」
と、亜貴は席に座りながら言った。
「確か発見された二名の子供はリリーとルナのペアが探し出したんだっけ。あの二人の捜索方法を利用できれば、上手く探せ出せるかも…」
真利亜はそう言って、近くに置かれたコーヒーメーカーでコーヒーを二カップ注ぎ、テーブルに置いた。
「ん、ありがとう。そうねぇ、あの二人には捜索のほうに優先的に回しましょうか」
亜貴の言葉に対して真利亜はうなずくと、次のファイルを手に持って席に着いた。
「これは2月5日、Roo Familyボス、リラ・ルー来国事件ね」
「リラ・ルーは日本の指定暴力団のトップ。そんな彼がわざわざこちらに出向いた上に面倒なことをしでかした」
「真利亜達と、亜貴やザヌサーさんで空港の一件は収めたけど、結局その件はザヌサーさんの良く分からない思惑でお咎めなしになったのよね」
「それに関してはザヌサーさんから話を聞かないとだけど、彼も負傷しちゃったしこの件は後回しにするしかないのよね」
亜貴はそう言いながら別のファイルを手に持った。
「2月8日、Chaonate市立刑務所襲撃事件。2月6日にヘロイン密輸で逮捕されたアーネスト・エミューの脱獄を、PLCのメンバーが手引きした」
「PLCのメンバーで本事件に関わったのは、本名不詳、通称クリムゾン、元警察のビット、真利亜達の部隊が追跡中のネイキッド・バンディクー、そして現在身元を調べている男と女が一人ずつ」
「刑務所襲撃に、脱獄扶助…警察側も死傷者多数ととんでもない大事件をしでかしたものね」
「PLCにクリムゾンやネイキッドという要注意人物が所属していること自体は分かっていたものの、此処まで大きな事件を起こしたのは初めてだったはず」
「こちらは優先的に捜査を進めなければだけど…昨日は更にとんでもない事件が起きてしまった…」
亜貴は持っていたファイルを閉じ、新たなファイルを持った。
「2月9日、Dragon Familyボス、コモド・モー暗殺事件。コモド・モーの邸宅が何者かに襲撃を受け、更にコモド・モーの死体が南東海岸沖で発見された」
「その事件、どうしてモーの死体は遠く離れた南東海岸で見つかったんだろう?」
「それについては捜査中ね。とにかく、マフィアのボスの死亡はこの街でのマフィア間のバランスが崩れることを意味するから、今後街のパトロールを引き締める必要があるわ」
「やることいっぱいだね、ホント」
その時、真利亜の身に着けていた無線から声が聞こえてきた。
「…こちら真利亜。…了解、撤退して」
「真利亜、どうかした?」
「ネイキッドにまかれたって。彼等、隣の隣の州まで逃走して行方をくらませたそうよ」
「そう…残念だけど、今はやれることから手を付けていきましょう。真利亜達の部隊もしばらくは我々と合同で動いて頂戴」
「ええ、分かった」
午後、ショッピング街の通りをルナとリリーの二人がパトカーで巡回していた。
「いいのかしら、私たちはパトロールしてて」
と、運転席に座っていたルナが言った。
「亜貴の指示だからいいんじゃなーい?それに私たちのパトロールだって、逃走犯を見つけるために必要なお仕事だし」
助手席に座っていたリリーはそう言いながら窓から外を眺めていた。
「それもそうね。さてと、そろそろ三時だし休憩する?」
「うんうん!私ホットなココアが飲みたい!」
「じゃあ道脇に止めるから、リリーは喫茶店で飲み物買ってきてくれる?私は何でもいいから」
「分かったー!」
ルナは道路の脇にパトカーを停め、リリーは助手席から降りて近くの喫茶店へと走って行った。
「相変わらず、リリーは元気ね…」
ルナはそう呟き、道端を眺めていた。
スーツを着たビジネスマンたちは皆忙しそうに道を行き交う。
此処では何か事件に関係することはなさそうだと、ルナは思っていた。
「…あれ、パンチさん」
ふと、ルナは対向車線の向こうの道を歩くパンチの姿を見つけた。
ジャージを着ていた彼はうつむきながらトボトボと歩いており、明らかに元気がないようだった。
「何かあったのかしら…でも、あまり彼と関わるのも良くないだろうし…」
その時、パンチの肩に何者かが手をかけた。
ゆっくりと振り向いたパンチは、その何者かと嫌そうに言葉を交わしているようだった。
あいにく相手は深々とソフト帽をかぶり、サングラスを掛けていた為誰かは分からなかった。しかしパンチと並んでも見劣りしないぐらいがっちりとした巨体だったため、ボクシング関係者なのかもしれない。
しばらくした後、二人は近くのビルの中へと消えていった。
「ルナー、ただいまー」
リリーの声と扉の開く音で、ルナは我に返ってリリーの方を向いた。
「お、お帰り。あと飲み物買ってきてくれてありがとう」
「ホットコーヒーで良かったよね?」
「うん」
ルナはリリーからコーヒーカップをもらい、一口すすった。
「ねぇねぇ、あっちのビルを見てたけど、何かあったのー?」
「いや、パンチさんがビルの中に入っていったのを少し見てただけ」
「へぇー、あのビルに?いつ見てもおっきいビルだよねー。さすがこの街一番のマフィアのお抱えビルなだけあるよね!」
リリーの言葉を聞いたルナは、ハッとしてもう一度ビルの方を見た。
「そうだ、あのビル…Devil Familyのグリーンウッドじゃない…!」
「まぁでも、あのビルっていろんなお店が入っているから、ただ買い物しに行っただけかもね」
「そう…かしら。それならいいのだけれど」
ルナはパンチに声をかけた謎の男のことが気掛かりで仕方なかった。しかしだからと言って正体を突き止める事は、ただのパトロール警官である二人の権限ではできそうにもなかった。
もう一口コーヒーを飲んだルナは、カップ立てにコーヒーを載せてハンドルを握った。
日も沈みかけたころ、ショッピング街の最南端にあるガソリンスタンドにソルがいた。
ソルはガソリンスタンドのATMでお金を降ろしているところだった。
作業を終えたソルが後ろを振り返ると、そこには見慣れた顔があった。
「…暗証番号、見てないよな?」
「心配すんなよ、そんな端金に興味ないから」
「ほら、南。例の金だ」
ソルはそう言って、札束を南に向かって投げた。
南は素早くキャッチし、札束の枚数を数え始めた。
「…1万五千だと?お前どんだけ割のいい仕事引き受けてんだ」
「標的は仮にもトップだから、このぐらいもらわないとやってられないだろうに」
「ヘッ、警察と組んでるって話だがらあまり関わるのはやめておいた方がいいかもしれないと思っていたが、気が変わった」
南はそう言って、ズボンのポケットから一枚の紙切れを取り出してソルに渡した。
「…電話番号?」
「ああ、それはビジネスで手を組まないかっていう証だから」
「手を組む…?」
「ああ、お前が殺したい相手がどこにいるか俺が捜してやる。分け前は今回同様20分の1で十分だ」
「成程。ちなみに手を組まずに捜索依頼を出した場合はどの程度取るつもりだ?」
「さぁ?相手によるけど、地位が高かったり、中々顔を出さない奴にもなると2万ぐらいもらうかもしれねぇな」
「そいつはぼったくり過ぎじゃないか?まぁいい、その話乗ってやる」
ソルがそう言うと、南は少し笑った。その顔は明らかに何かをたくらんでいる顔だった。
「あー、ついででいいんだけど、俺の仕事も少し手伝ってくれないか?」
「どうせ薬関係なんだろ?」
「そうそう、お前に小売人をやってほしい」
「面倒なこと押しつけやがって…いくらだ?」
「売りさばいた量の2割。俺がタダでお前に薬を渡して、その売り上げを後で納める形でいいから、な?」
「…しかたない、やってやるよ」
「よし、商談成立だ。ウィリー、持ってきてくれ」
南はそう言って、近くに停めていたワゴン車に手を振った。すると中から一人の奇妙な男が黒いリュックを手に持ってやってきた。
「おーおー、さっそく顧客を見つけたのか!あ、自己紹介を忘れていたぜ。俺はウィリー・ワンパ・チークス、あんたは?」
「ソルだ。よろしく頼む」
「こいつを金に変えるのがアンタの仕事だ。中身はジョイント100本。相場は一本30ドル程度だが、その辺りの価格設定は任せるぜ」
「ジョイント…“葉っぱ”のタバコか」
「まぁ初めのうちはこのぐらいの方が売りやすいだろ?じゃ、金は南の所に持って行ってくれよな?」
ウィリーはそう言って、そそくさと車の方へ戻っていった。
「…あいつ、南の手下か?」
「いや、麻薬取締官」
「流石この街だな…色々腐りきってる」
「そのほうが俺たちにとっては都合がいいけどな。んじゃ、これから上手くやっていこうや」
南はそう言って、ウィリーの乗っている車の方へ向かった。
「俺も早速売ってくるか」
ソルはリュックを背中に背負い、自身の乗ってきたバイクの元へ歩いて行った。
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