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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月一日
2012/05/17(木)01:42:04(12年前) 更新
Evil to Defeat the Evil ~PLC編~
街を変えたい、そんな思いの果てに出来た組織「PLC」
決して善い行いではない、しかし悪を倒すために日々努力する彼等。
そんな彼等に絶好のチャンスがやってくる・・・
Chaonate City西部のリゾート地。その南側にあるカジノは夜と言うこともあり大賑わいしていた。
黒のタキシードで決めた男や、きらびやかなドレスを着た女がワイワイ言いながらスロットを回したり、ポーカーをしたりしていた。
そんな中、ただ一人場違いな格好をした男がカジノのエントランスから出てきた。
「ああ・・・全部溶けちゃったよ・・・」
男はそう言って深くため息をついた。
男の名前はクラッシュ・バンディクー。オーストラリアの田舎で育った彼は、一攫千金を夢見て遥々アメリカのこの街までやって来ていた。
しかし、どうやらカジノで所持金を全て費やしてしまったようだ。
「ど、どうしよう・・・もう帰りの飛行機代しかないよ・・・」
クラッシュは焦りながらそう言って、カジノから離れていった。
下を見てトボトボと、夜の街を歩いてき、気がついたら裏路地に入っていた。
裏路地には華やかな街の風景とは裏腹に、ゴミが乱雑に捨てられ、如何わしい文字が羅列されている看板がいくつも設置されていた。
しかしクラッシュはそんなことにも気づかず、道をずっと歩き続けた。
その時、クラッシュは道に置かれていたゴミ箱に思いっきりぶつかってしまった。
「イタッ!」
クラッシュは後ろに倒れ、ゴミ箱もその場で倒れた。
「な、直さないと・・・」
クラッシュは急いで立ち上がり、ゴミ箱を持とうとした。しかし、クラッシュは地面に散らばったゴミの中に、光る何かを見つけた。
クラッシュは気になってその物体を手に持った。
「キミ、何しているんだい?」
突如、クラッシュの後ろから声が聞こえた。クラッシュは驚いて後ろを振り返った。
そこには背がやや低くて黒髪の男性と、鼬顔の男性が立っていた。
「い、いや、別に何もしてないけど・・・」
と、クラッシュが言ったが、鼬の男性がクラッシュの手に握られていた宝石を見つけた。
「ビットさん、こいつ俺達のダイヤを持ってますぜ」
「・・・ホントだ。キミ、もしかしてそれを奪おうとしてたのかい?」
と、ビットと呼ばれた男性が言った。
「お、おいらはたまたま見つけただけで・・・」
「こいつ、何か怪しいっすよ!ちょっと連れて行ったほうがいいと思いますぜ!」
「確かにそうだね・・・キミ、ちょっと悪いけど僕達について来てくれないかな?悪いことはしないから・・・」
ビットが言葉を続けようとしたその時、突然銃声が路地に鳴り響いた。
そして、それと同時に鼬の男性がその場でバタリと倒れた。
「うわ!!な、何!」
クラッシュは驚きながら言った。
「チッ、感づかれたか・・・キミ、早くこっちに!」
ビットはそう言って、クラッシュの手を掴んで路地の出口に向かって一目散に走り出した。
クラッシュも何とか走っていった。
「だ、誰が銃を撃ったの!?」
と、クラッシュは走りながら言った。
「誰って言われても、名前を言ったところでキミには分からないさ!」
ビットがそう言った時、再び銃声が鳴り響いた。
ビットはとっさにクラッシュを押し倒し、腰に差していた刀を素早く抜刀し、近くにあった看板を切り倒した。
すると、倒れた看板が壁となり、弾丸を弾く事が出来たのだ。
「よし、今のうちに!」
ビットはそう言ってクラッシュを無理やり立たせて、また路地を走っていった。
そして、遂に路地から脱出した。
表通りには、一台の車が止まっていた。
「早くこれに乗り込んで!」
ビットはそう言うと、運転席に素早く乗り込んだ。
「う、うん!」
クラッシュは後ろの席に乗り込んだ。
「飛ばすから、しっかり捕まっててよ!」
ビットはそう言って、車のエンジンをかけ、アクセルを思いっきり踏んだ。
すぐに車はその場から発進した。
「ふぅ・・・これで一安心かな」
ビットはそう言って、車のバックミラーを見た。ミラーには凄まじいスピードで追って来る車の姿が映っていた。
「しつこいな・・・キミ、足元にケースがあるよね?」
と、ビットが運転しながら言った。
「ちょっと待ってよ・・・」
クラッシュは足元を見た。すると、銀色の大きなケースが置かれていた。
クラッシュはそれを持ち上げた。
「その中に銃が入ってるから、それで後ろの車を撃ってくれない?扉を開けてさ」
「えー!?そんなのおいらできないよ・・・」
「ま、そりゃそうか」
ビットはそう言って、ハンドルを思いっきり右に切った。車は勢いよく右にカーブした。
「うわわ!」
クラッシュは車の天井で頭を打った。
「じゃ、中の銃を僕に渡して」
と、ビットが言った。
「うん・・・」
クラッシュはケースの蓋を開けた。中には大きな銃が置いてあった。
クラッシュはそれをビットに渡そうと前に出した。
ビットはその銃を左手で受け取ると、ハンドルを放して両手で弾丸を装填した。
「シカゴタイプライターか・・・ちょっと重たいなぁ・・・」
と、ビットは呟くと、左手でハンドルを持ち、右手にシカゴタイプライターを持つと、足で扉を蹴り開けた。
そして、上半身を外に乗り出し、後ろを走る車に向かって引き金を引いた。
「ちょ、そんなことして大丈夫!?」
と、クラッシュが言った。だがビットには聞こえてなかったようだ。
その瞬間、後ろのほうで轟音が鳴り響いた。
クラッシュはとっさに後ろを向いた。なんと後ろの車が横転していたのだ。
「ふぅ・・・なんとかなった」
ビットはそう言って、車の中に戻り、シカゴタイプライターを助手席に置いた。
そして、扉を閉めると何事もなかったかのように運転を再開した。
「ちょ・・・え・・・」
クラッシュは一連の出来事が理解できず、呆然としていた。
「本部までしばらく掛かるから、ゆっくりしてて」
と、ビットが言った。
「お、おいらどこに連れて行かれるの?」
「キミにはPLCの本部に来てもらうよ」
「PLC?何それ?」
「・・・もしかして、旅行しに来た人?」
「そうだけど」
「やっぱりか・・・なら、話は長くなりそうだ」
しばらくした後、車はある建物の前で止まった。
「さ、着いたよ。ダイヤを持って降りてきてよ」
ビットはそう言いながら車から降りた。クラッシュもダイヤを手に持って車から降りた。
そして、二人は建物の中に入っていった。
建物の扉を開けるとすぐに、一人の女性が立っていた。
「お帰りなさいませ、ビットさん・・・そちらの方は?」
と、女性が言った。
「いろいろあってさ。ティアさん、とりあえずピンストライプさんにバトンタッチしたいから行っていいかな?」
「了承」
ティアと呼ばれた女性はそう言うと、近くにあった階段を上り始めた。
「キミもついて来てよ」
ビットはそう言ってティアの後を歩いていった。クラッシュもその後をついて行った。
二階に上がり、更に三階に上がって廊下を進み、ある扉の前でティア、ビットが立ち止まった。
ティアが扉をノックした。すると、中から男の声が聞こえてきた。
「何か用か?」
「ビットさんが用事があるそうです」
「分かった、入ってくれ」
その声が聞こえた後、ティアは扉を開け、一礼して中に入った。それに続いてビットが入った。
「キミも早くこっちに」
と、ビットがクラッシュに向かって言った。
「うん」
クラッシュも中に入った。
部屋の中は非常に豪華だった。壁には様々な銃が飾っていた。
そして、窓際付近に様々なものが乗った机と、ふかふかの椅子がこちらを背にして置かれていた。どうやら誰かが座っているようだ。
ティアは扉の近くに、そしてビットは机の前に立った。ビットはクラッシュを手招きした。クラッシュはビットの隣に立った。
「ピンストライプさん、例の件を終わらしてきたよ」
「よくやった。何か問題は起きたか?」
ピンストライプと呼ばれた男が、椅子を回転させてこちら側を向きながらそう言った。
「部下が一人死亡。あと、ダイヤを持っていた男を保護したよ」
「・・・誰だ、お前」
ピンストライプはクラッシュを睨みながら言った。
「お、おいらは、ただ旅行しに来ただけで・・・」
「そうか、とりあえずダイヤをこっちに渡せ」
「う、うん」
クラッシュはそう言ってピンストライプにダイヤを渡した。ピンストライプは乱暴にダイヤを受け取り、机に置いた。
「ビット、部下は誰に殺された?」
と、ピンストライプが言った。
「銃声から察するにクランチだと思う。あと、車を見た感じ星野とペアで行動してたみたい」
「フン、悪魔の連中か・・・あいつ等のテリトリーでの仕事はきついものがあるな・・・まぁ、ビットが死ななかっただけ良かった」
「・・・でも、こうなることを予見して僕を派遣したんでしょ?」
「ああ、そうだ。このレベルの任務はお前が適役だと思ってな。ビット、今日はもう帰っていいぞ」
「分かった。それじゃあ、お先」
ビットはそう言って、部屋から出て行ってしまった。
「おいらも、帰っていいかな・・・」
と、クラッシュが言った。
「ああ、いいぞ。で、どこのホテルをとってるんだ?ティアに送らせるぞ?」
「・・・実は、おいらすっからかんなんだ」
「はぁ!?旅行しに来て文無しってどういうことなんだよ?」
「いやぁ・・・カジノで全部使っちゃって・・・」
「・・・ほぅ」
ピンストライプはそう言って少しにやついた。
「いい話がある。あることを条件に、金をやってもいいぞ」
と、ピンストライプが言った。
「条件?」
「身体能力テストってやつだ。合格したら契約書にサインして、金が貰える。簡単だろ?」
「そうだね!やるよ!」
と、クラッシュは自信満々に言った。クラッシュは身体能力だけは自信があった。
それで金がもらえるなんてまさに不幸中の幸いだ。
しかし、ピンストライプはそんなに甘くなかった。
「ティア、準備を」
「少々お待ちを」
ティアはそう言うと、壁に掛かっていた木刀を手に持ち、クラッシュに近づいた。
「こっちを向いて」
と、ティアがクラッシュに向かって言った。クラッシュはいやな予感がしつつも、ティアのほうを向いた。
その瞬間、ティアが素早く木刀を横に振り回したのだ。
「ちょ!」
クラッシュはとっさに木刀をしゃがんで避けた。
ティアは、まさか一般人が自分の剣術を避けられるとは思いにもよらなかった。
ピンストライプも、クラッシュの予想以上の身体能力に驚いた。
「・・・身体能力は十分かと」
と、ティアが言った。
「そうだな。よし、合格!ティア、契約書とペンを用意してくれ」
「分かりました」
ティアはそう言って木刀を元の場所に戻し、机の近くにあった棚から紙とボードとペンを取り出した。
クラッシュは訳が分からないまま立ち上がった。
「これを」
ティアはそう言ってクラッシュに三つのものを渡した。
クラッシュは早速紙を見た。
「えーと・・・PLCへの入職!?」
「ああ、そうだ。お前は今日からPLCとして働いてもらう」
「そんな・・・でもおいら国外に住んでるんだし・・・」
「その心配は要りません」
ティアはそう言うと、クラッシュのポケットから少しはみ出していたパスポートを素早く盗んだ。
「あなたには契約書通り、しばらくここで働いてもらいます。その間、パスポートなど個人情報を証明できるものはこちらで預かり、この街の住民として登録させてもらいます。お名前は・・・」
ティアはクラッシュのパスポートを捲って行った。
「・・・クラッシュ・バンディクーさんで、間違いないですね」
「は、はい・・・」
「しっかりと働けば一ヶ月毎に一万ドル、お支払いしましょう」
「い、一万ドル!?」
クラッシュは一万ドルと言う大金を聞いて驚愕した。どう考えても危険な契約だが、今のクラッシュは金がとにかく欲しかった。
「や、やるよ!」
クラッシュはそう言うと、手早く契約書にサインをしてしまった。
「では、正式にあなたをPLC部員として登録します」
ティアはそう言って契約書を受け取った。
「寝泊りはいいところが見つかるまでここでしていけ。二階の空き部屋ならどこを使ってもいいぞ」
と、ピンストライプが言った。
「分かったよ」
「今日は夜も遅いし、もう寝ろ。明日、新人研修をティアにしてもらうからな」
「う、うん。それじゃあ」
クラッシュはそう言って、部屋から出て行った。
「・・・ピンストライプ様、あのような方を何故PLCに?」
と、ティアがピンストライプに向かって言った。
「・・・目だ」
「目?」
「あいつの目、夢に満ち溢れていた。夢を持つ野郎は、強いんだよ」
「・・・すみません、私にはよく分かりません」
「あとは、何かと面倒事に利用できそうだからな。さ、俺はそろそろ寝るとする。ティアも帰っていいぞ」
「分かりました。では、お先に失礼します。おやすみなさい」
ティアはそう言って、部屋から出て行った。
「・・・フッ、面白い野郎が手に入った。これからどうなっていくか楽しみだ」
と、ピンストライプは呟いた。
寒く、暗い外の空には、満月が怪しく光っていた。
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