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Individual Way of Life ~個々の生き様~
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二月二日
2012/05/17(木)01:42:37(12年前) 更新
Evil to Defeat the Evil ~PLC編~
街を変えたい、そんな思いの果てに出来た組織「PLC」
決して善い行いではない、しかし悪を倒すために日々努力する彼等。
そんな彼等に絶好のチャンスがやってくる・・・
古汚い部屋の中で、クラッシュは冬場にもかかわらず、パンツ一丁でベッドの上で寝ていた。
カーテンの隙間からは日光が漏れていたが、クラッシュはそんなことお構いなしでぐっすり寝ていた。
その時、誰かが扉をたたく音が鳴った。しかしクラッシュは寝たままだ。
するとドアをたたく音はやみ、今度は扉の開く音が鳴った。
中に入ってきたのはティアだった。
ティアはクラッシュの寝ているベッドに近づくと、クラッシュのかぶっていた毛布を引っぺがした。
寒さがクラッシュの体を襲い、クラッシュは瞬時に 飛び起きた。
「さ、寒い・・・」
クラッシュはパンツ一丁の姿でがたがたと震えだした。
クラッシュの惨めな格好に一切動じず、ティアはクラッシュのほうを見た。
「これからクラッシュさんには新人研修を受けてもらいます。監督は私、ティアが担当します」
「研修かぁ・・・どんなことするの?」
「詳しい内容は順次お伝えします。まずはあなたの制服を用意しました」
ティアはそう言って、右手をパチンと鳴らした。するとすぐにPLCの部員の一人が、服を持って入ってきた。
「これを」
PLC部員はそう言って、クラッシュに服を渡した。
「これを着たらいいんだね」
クラッシュはそう言って、服を着始めた。その際もずっとティアは近くにいたままだった。
そしてしばらくして、クラッシュの着替えが完成した。
するとすぐにまたPLC部員が姿見を押して入ってきた。
クラッシュはその前に立ち、自分の姿をチェックした。
「何だか、堅苦しいなぁ・・・」
クラッシュの着ていたのは、紺色のピシッとしたスーツだった。
「新人の方はその紺色のスーツ、一般の位の方は灰色、私や幹部といった方々は黒、そしてボスのピンストライプ様は赤のスーツを身に着けています。役職の確認の際に参考にしてください。そして、こちらがあなたの会員証です」
ティアはそう言って、ポケットからカードを渡した。カードにはクラッシュの顔写真が貼ってあった。
クラッシュはカードを受け取って、ポケットに入れた。
「では、準備は完了しました。私について来てください」
ティアはそう言って、部屋から出て行った。クラッシュもその後を追っていった。
建物から出る途中で、クラッシュはビットに出会った。
「あ、PLCに入ったんだ」
と、ビットが言った。
「うん」
「じゃあ、改めて自己紹介しとこうか。僕の名前はビット。PLCの幹部を務めてる。よろしく」
「おいらはクラッシュ!よろしく!」
「クラッシュか・・・これから新人研修?」
「そうだけど」
「監督はティアさんか・・・」
ビットはそう呟くと、クラッシュに近づいた。
「いいかい、ティアさんは今まで数多くの研修の監督をしてきたんだ。そして、その研修を受けた新人の半分以上が、研修が終わった時点でPLCをやめてる」
「え、えぇ・・・」
「ティアさんはああ見えて、皆が恐れる鬼教官だってこと、肝に命じといた方がいいよ」
「う、うん・・・」
「ま、がんばって」
ビットはそう言って、どこかの部屋に入っていってしまった。
「クラッシュさん、早く行きますよ」
と、二人の会話が終わるのを待っていたティアが言った。
「うん」
クラッシュがそう言った瞬間、ティアがクラッシュに近づき、なんとクラッシュの腹を右手で殴ったのだ。
「ウグッ!ちょ、いきなり何・・・!?」
クラッシュは何故殴られたのか訳が分からなかった。
「あなたはPLCの新人。立場というものをしっかりと弁えるように」
「う、うん・・・」
クラッシュがそう言うと、今度はティアが腰に差していた刀に右手を添えようとした。
「は、はい!」
クラッシュは慌てて言葉を言い直した。するとティアは右手を引き、外に向かって歩いていった。
「こ、怖いよ・・・」
クラッシュはそう呟いて、ティアの後を追った。
外に出ると、目の前に一台の車が止まっていた。そしてその横に灰色のスーツを着た男が立っていた。
男はティアの姿が見えるとすぐに、車の後ろの扉を開けた。
ティアは車に乗り込んだ。クラッシュもその後に続いた。
男は扉を閉め、運転席に乗り込んだ。
「さっき言った場所に」
ティアがそう言うと、男は頷き、車のアクセルを踏んだ。
「ティアさん、これからどこに行くんですか?」
と、クラッシュが言った。
「これからもう一人の幹部の家に行きます。その方は特に厳しい方なので、礼儀には注意するように。これは特に注意すべき点を書いておいたメモです」
ティアはそう言って、メモをクラッシュに渡した。
クラッシュは渡されたメモを読んだ。
「えーと、不必要に体に触らない・・・家の物に触れない・・・料理を食べる際はいただきますとごちそうさまを必ず言う・・・食べ物を粗末に扱わない・・・こ、細かい・・・」
「すぐに着くので、それまでにしっかり頭に叩き込んで置いてください」
しばらくして、車はある家の前に止まった。
家の周りはどの建物もボロボロで、人が住んでいるのかどうかも怪しかった。
「ここに、誰かいるのかな・・・」
と、クラッシュが呟いた。
「PLCの本部などがある北側は、かつては港町として栄えていたんですが、南側に貿易港が出来てから、この辺りは寂れる一方で・・・今は普通の人なんて一人も住んでいないんですよ」
ティアはそう言って、車の扉を開けて外にでた。クラッシュも外に出た。
ティアとクラッシュは、家の玄関の扉の前に立った。
ティアは扉をノックした。
しばらくすると、中から男の声が聞こえた。
「・・・誰だ」
「PLC秘書のティア・バンディクーです。新人研修のために尋ねました」
「・・・入れ」
その言葉の後に、ティアは扉を開けて中に入った。クラッシュもその後に続いた。
二人は廊下を進み、ひとつの扉を開けた。
「来たか」
リビングの中には一人の男性がソファーに座っていた。男は白衣を着ており、瞳の色は赤く、不気味な雰囲気をかもし出していた。
「失礼します」
ティアはそう言って、リビングの中に入った。クラッシュもその後に続いた。
男はゆっくり立ち上がると、クラッシュに近づいた。
そして、クラッシュの目をじっと睨んだ。クラッシュは男の威圧感に内心ビビッていた。
「俺の名前は・・・まぁ、クリムゾンとでも言っておこう。とにかくよろしくな」
と、クリムゾンと言う名の男が言った。
「よ、よろしく・・・」
クラッシュがそう言うと、ティアがクラッシュの足を踏みつけた。
「イイッ!よろしくお願いします!」
「・・・相変わらずの鬼教育だ。別に俺に対しては敬語じゃなくてもいいぞ。形式ばっているのは嫌いだからな。とりあえずソファーに座っておいてくれ」
クリムゾンはそう言って、リビングから続いているキッチンへ歩いていった。ティアとクラッシュは、ソファーに座った。
リビングの中は男性とは思えないほど整理されており、床には埃ひとつ落ちていない。綺麗過ぎて逆に気味が悪いくらいだ。
クラッシュは、壁に変なマークがついていることに気がついた。
「バイオセーフティレベル4のマークです。クリムゾンさんはここで様々な実験を行っているのです。個人でレベル4の研究所を所有しているのは、恐らく彼だけでしょうね」
と、ティアが言った。
「そんなちゃちなマークひとつで警察からいくらでも言い逃れできる。便利なものだ」
キッチンからクリムゾンがそう言いながらやってきた。手にはお盆とコーヒーを持っていた。
「悪いな、生憎食材を切らしていて、コーヒーぐらいしかないが」
クリムゾンはそう言って、ソファーの前のテーブルにコーヒーカップを三つ置いた。
そして、クリムゾンはソファーに座り、コーヒーを飲み始めた。
「いただきます」
「いただきます・・・」
ティアとクラッシュもそう言って、コーヒーを飲み始めた。
コーヒーを飲み終えた後、クリムゾンがコーヒーカップをテーブルに置いた。
「それで、これから何をするつもりだ?」
と、クリムゾンが言った。
「彼はまだ武器を持っていないので、例の店を紹介してもらいたいと思いまして」
と、ティアが言った。
「いいだろう。ちょうど俺も新しい武器を頼んでおいたところだからな」
クリムゾンはそう言って立ち上がった。
「では、私の部下に送らせます」
と、ティアが言った。
「それは助かる。それじゃあ、行くか」
クリムゾンはそう言ってリビングから出て行った。ティアとクラッシュも立ち上がり、リビングから出て行った。
家から出た後、三人は車に乗り込んだ。
「例の店まで頼む」
と、クリムゾンは運転席に座る男に言った。男は頷き、車を運転し始めた。
「新人、そう言えば名前を聞いてなかったな」
と、クリムゾンがクラッシュに向かって言った。
「おいらはクラッシュ・バンディクー・・・です」
「クラッシュか。お前は何故PLCに入った?」
「何故って言われても・・・うーん・・・」
「・・・金ですよ」
と、ティアがクリムゾンに向かって言った。
「金か、面白みのない野郎だ」
と、クリムゾンははき捨てるように言った。
しばらくして、車はある建物の前で止まった。
クリムゾンはそこで車から降りた。ティアとクラッシュも車から降りていった。
三人は路地に入り、錆付いた扉の前で止まった。
クリムゾンはその扉を開け、中に入った。二人もその後に続いた。
建物の中は、ちょっとしたバーのような感じになっており、カウンターの奥に一人の男が立っていた。
「・・・客か。とりあえず座れ」
男はそう言って、三人のほうを見た。
三人は言われたとおりカウンターの近くに設置されていた椅子に座った。
「南、仕事のほうは相変わらずか?」
と、クリムゾンが南という名の男に向かって言った。
「ぼちぼちってところだ。それより今日は三人で来たのか。ティアまでついて来るなんて珍しいこともあるもんだな」
「今日は新人研修の監督ですので」
ティアはそう言って、クラッシュのほうを見た。
「研修ねぇ・・・この間抜け顔がPLCでやって行けんのか?」
「間抜けって言うな!」
と、クラッシュが言った。その瞬間ティアがクラッシュ
の後頭部を平手でたたいた。
「グッ!す、すみません・・・」
「相変わらず怖い女だ。で、お前の名前は?」
「おいらはクラッシュです」
「クラッシュか。俺のことは南とでも呼んでくれ。ここで何でも屋をやっている。それでクリムゾン、今日は例の件か?」
「ああ、あれを頼む。あとクラッシュに合う武器を探してやってくれ」
と、クリムゾンが言った。
「分かった。じゃあクラッシュ、お前もちょっと俺と来い」
南はそう言って、近くにあった階段から二階へと行った。
クラッシュも立ち上がり、二階へと行った。
二階に行くとすぐに目の前に扉があった。
南は扉の鍵を開け、中に入った。クラッシュもそれに続いた。
部屋の中には、ありとあらゆる種類の武器が所狭しと並べられていた。
「何でも屋、って言ってもこんな街での仕事なんて武器の調達ぐらいしかねぇんだよ。お前も適当な武器を探してみるといい。ま、ある程度アドバイスはしてやるから」
と、南が言った。
「う・・・はい、分かりました」
「おいおい、俺の前で敬語なんて使わないでくれ。調子が狂っちまうからな」
「わ、分かった」
クラッシュはそう言って、近くの武器を見始めた。
クラッシュはまず大きな銃を手に持った。
「そいつはM16。悪いことは言わないから拳銃にしておけ」
「う、うん・・・」
クラッシュは武器を選びながらあることを考えていた。
これまでの出来事からある程度予想はしていたが、PLCというのはもしかしてかなり危険な組織なのではないのだろうか。
と言うか武器を所持させる時点で何かしらの戦闘があるのは確かだ。
クラッシュはこれから起こるであろう出来事を思い浮かべ、ため息をつきながら一つの拳銃を手に持った。
「そいつはベレッタM92F。オードソックスな拳銃だからオススメだぞ」
「ホント?じゃあこれにする」
「今回はタダにしといてやる。銃弾もセットでつけといてやるよ」
南はそう言って、近くに置かれていたアタッシュケースを開けた。
その中には新品のベレッタと、三つのマガジン。そして弾丸の名前が書かれた箱が入っていた。
「全部揃っているな。いいか、街で拳銃を見せびらかすようなことはするな。そしてこの銃の仕入先も絶対に言うな。それだけを守ってくれ」
南はそう言ってアタッシュケースを閉め、クラッシュに渡した。
南は更にもう一つのアタッシュケースを手に持った。
「よし、じゃあ降りるぞ」
二人は部屋から出て、下の階に下りた。
「クリムゾン、例のモスキートだ」
南はそう言って、席に座っているクリムゾンの前にアタッシュケースを置いた。
クリムゾンはアタッシュケースを開け、中に入っていたモスキートを手に持った。
「そんな銃、今まで仕入れたこともなかったぜ。何てったって練習用の拳銃だからな」
と、南が言った。
「片手で使う分には練習用の小口径がちょうどいい」
クリムゾンはそう言ってモスキートをアタッシュケースにしまい、白衣のポケットから札を取り出し、南に渡した。
「・・・確かに三百ドルいただいた」
「これで今日の買い物は終わりだ。またな」
クリムゾンはそう言ってアタッシュケースを手に持って立ち上がった。
「クラッシュさんの武器代はいくらですか?」
と、ティアが南に向かって言った。
「そいつは俺からのサービスだ」
「ありがとうございます」
ティアはそう言って立ち上がり一礼した。
「これだけサービスしたんだから、これからも贔屓にしてくれよ?」
「うん、また来るよ」
と、クラッシュが言った。
「行くか」
クリムゾンはそう言って外に出て行った。二人も外に出て行った。
「・・・果たしてあのアホ面がどんなことをやらかしてくれるのやら」
と、南が呟いた。
三人は車の前に立った。
「ティア、今度はどこに行くつもりだ?」
と、クリムゾンが言った。
「次は練習場に行こうかと」
「そうか、じゃあ俺はもう帰ることにする。クラッシュ、研修が終わってお前と仕事を行うのを楽しみに待っているぞ。またな」
クリムゾンはそう言って、自分の家に向かって歩いていって行った。
「クリムゾンって・・・何だかよく分からない人だなぁ・・・」
と、クラッシュが呟いた。
「さて、次の目的地に行くので車に乗り込んでください」
ティアはそう言って車に乗り込んだ。クラッシュも車に乗った。
「練習場へ」
ティアがそう言うと、運転手が頷き、車が動き始めた。
「次に行くのはPLC特設の練習場です。ここから更に北側にある砂浜を改築したものです。そこではPLCの中でも特に戦闘に特化した部員が毎日訓練をしています。決して邪魔をしないように」
「はい・・・で、そこでおいらは何をするんですか?」
「PLCの戦闘部隊隊長との挨拶、そして簡易的な射撃訓練。後は隊長次第といったところです」
「隊長ってどんな人なんですか?」
「・・・ネタバラシしすぎても面白みがないでしょ?」
「は、はぁ・・・」
しばらくして、車はある場所で止まった。
「着きました。アタッシュケースを持ってきてください」
ティアはそう言って、車から降りた。クラッシュもアタッシュケースを持って降りた。
車の目の前には金網が張り巡らされており、その先には砂浜があった。
砂浜の上で、何人もの男達が組み合っているのが見える。恐らく訓練をしているのだろう。
二人は金網の扉を開け、中に入った。
するとすぐに一人の男がこちら側を見た。
「訓練やめ!ティア・バンディクーさんに向かって敬礼!」
男がそう叫ぶと、他の男達も訓練を即座に中止し、ティアに向かって敬礼を行った。
ティアは叫んだ男に近づいていった。
「隊長は?」
と、ティアは男に向かって言った。
「隊長は今射撃訓練場にて演習中です!今すぐお呼びしてきます!」
「いや、その必要はないです。私達の方から向かうので」
「さようですか!失礼いたしました!」
「では、引き続き訓練に励むように」
ティアはそう言って、男から離れてクラッシュのところに戻ってきた。
「行きましょう」
ティアはそう言って歩き始めた。クラッシュも歩いていった。
しばらくすると、射撃音がどんどんと聞こえ始めた。
そして、男達が的に向かって銃を撃っているのが見えた。
ティアは銃で的を撃っている一人の男に近づいた。男は迷彩服を着ていた。
「ネイキッドさん、新人研修に来ました」
と、ティアはネイキッドと言う名の男に向かって言った。
男は射撃をやめ、銃の安全装置をかけて銃を置いた。
「射撃訓練やめ!ティアに向かって敬礼!」
ネイキッドがそう言うと、他の男達も射撃をやめ、ティアのほうを向いて敬礼を行った。
ティアはクラッシュのほうを見て手招きをした。クラッシュもそこに向かって行った。
「お前がルーキーか。名前は?」
「おいらはクラッシュ・バンディクーです」
「クラッシュか。俺の名前はネイキッド・バンディクーだ。ま、よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
「礼儀正しいな。もうティアの研修の効果が出ている。それで、ここに何をしに来た?」
「彼の射撃訓練を行いたいのですが」
と、ティアが言った。
「いいだろう。で、銃は?」
「これです」
クラッシュはそう言ってアタッシュケースを見せた。
「セッティングは俺がしてやろう。貸してくれ」
と、ネイキッドが言った。クラッシュはアタッシュケースを渡した。
ネイキッドはその場にしゃがんでアタッシュケースを置き、中身を開けた。
「ほう、ベレッタか。無難なところを選んだな」
ネイキッドはそう言いながら、素早くベレッタのセッティングを終えた。
そしてアタッシュケースを閉め、クラッシュにベレッタを渡した。
「使い方は追々慣れればいい。詳しくはそこの奴に聞いてくれ」
ネイキッドはそう言って、射撃場に立っていた男を指差した。
クラッシュは頷き、その男のほうに行った。
「ティア、あの男について少し話がしたい」
と、ネイキッドがティアに向かって行った。
「ええ、私が言える範囲なら何でも話します」
「じゃあ、あそこのベンチに座るか」
ネイキッドとティアは、近くのベンチに座った。
「・・・何故あの男をPLCに入れたんだ?」
と、ネイキッドが言った。
「ピンストライプ様が言うには、彼の目が良かったからだそうです」
「目か。全く、毎回面白い理由で部員を採用するなぁ」
「ピンストライプ様らしいですよね」
「だが、いくら目が良くてもあの体じゃあとても仕事は務まりそうにないぞ」
「いえ、彼はああ見えても身体能力が高いんです。私の抜刀術を避けたくらいですし」
「あの細身の体でか・・・意外だな。だが、本格的な戦闘はしたことがないんだろ?」
「ですので、あなたの場所に訪ねたのですよ」
「・・・ならば、一日彼を預かるぞ」
「所詮は捨て駒レベルでしょうし、適度な技を教えるだけで十分ですから」
「・・・分かったよ、鬼教官」
「では、私は帰ります。彼には私の新人研修は終わったと伝えてください」
ティアはそう言って立ち上がり、ネイキッドに一礼してからその場を去っていった。
この時のティアにはまだ、クラッシュのこれからの成長を知る由もなかった。
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