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クラッシュ・ウェスタン2 ~Leute beim Edelstein~
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第五章
2012/05/30(水)22:07:19(12年前) 更新
これより下は本編です
「最悪だ・・・なんでこんなことになってしまったんだー!」
早朝のアップルタウン。街は壊滅状態になっていた。アーネストは北門で頭を抱えて叫んでいた。
「村長さん・・・おいら何も出来なくてごめんなさい・・・」
クラッシュはアーネストに言った。
「保安官さんは何も悪くない・・・僕が下手に宝石の情報を公開したから・・・すべて僕の責任ですから・・・」
アーネストは呟いた。
「と、とりあえずおいらは生存者の確認に行ってきます」
クラッシュはそう言って他の生存者たちの所に行った。
「まさかザジさんにまた会えるとは・・・」
「もう少し早く来ていれば、被害はもう少し抑えれたのかもしれなかったんですが・・・申し訳ないです」
「ザジさんが謝る必要ないですよ」
ココとザジは生存者が集まっている場所で会話をしていた。
そこでは、怪我をした人が手当てを受けていたり、最低限の食糧の配給を行っていたりした。
ココとザジが会話している中に、シクラメンが入ってきた。
「あの、乾パンとスープ持ってきました」
「ありがとう。そうだ、紹介するね。こちらの方はザジさん。一年前にもこの街に来て、いろいろ手助けしてもらったの」
「初めまして」
ザジはそう言って一礼した。
「ザジさん、ですか。私はシクラメンという者です」
シクラメンも一礼した。
「あなたはクランチさんの店で働いていたんですか?」
ザジが聞いた。
「そうです・・・クランチさん、大丈夫かなぁ・・・」
シクラメンはそう言うと深くため息をついた。
「今すぐ助けに行きたいんですが、今はリーダー格のクラッシュさんの命令を待ちましょう」
ザジはそう言うと配給の乾パンを口に入れた。
ココとシクラメンも乾パンを食べた。
「ポトリゲス・・・ちょっと来てくれ」
南はポトリゲスに向って手招きをした。
「何だ?」
ポトリゲスは南のところに行った。
「保安官の野郎が俺のことを探してたらこう言ってくれ。しばらく抜けるってな」
「南・・・お前あの宝石を取り戻す気か?」
「ああ。あれを奪うってことは向こうもかなりヤバイことを計画してる。今回ばかりはポトルーズの時みたいに簡単に行きそうに無いぞ」
「一体あの宝石に何の秘密があるって言うんだ?俺様が見た感じただのオパールだったけどな」
「秘密ってのは言ったら秘密にならないだろ?じゃあな。また会えたらいいな」
南はそう言うと刀二振りを左の腰に差し、ガバメント三丁をホルスターにしまい、その場を立ち去ろうとした。
「南、一つ言わせてくれよ」
と、ポトリゲスが言った。その言葉を聴いて南は振り返らずに立ち止まった。
「死ぬな。ただそれだけだ」
ポトリゲスはそう言った。南は黙って右手を挙げた後、その場を立ち去った。
「あの・・・皆さんの中で戦いが出来るって方がいたら、おいらのところに来てくれませんか?」
生存者が集まっている中でクラッシュが言った。しばらくすると、何人かがクラッシュのところに行った。
「えーと、とりあえず一人一人名前を言ってください」
集まった中にはクラッシュが会ったことの無い人もいた。
「ボクはクロック、こいつの兄だ」
「あたしはココ、クラッシュ兄ちゃんの妹」
「俺はウォーラス。この街で宿屋をやっていた」
「私はシクラメン。酒屋で働いていました」
「俺様はポトリゲス。このアホ保安官の手伝いをやってた」
「私はザジ。理由はどうとあれ、戦いには自信はあります」
「俺はロック。フェアーと一緒に一攫千金狙ってやってきたらこの様だ」
「私はヘルゼル。今回の件は無視できそうにも無いからな・・・」
「僕はリタイラル。酒の邪魔されるのも嫌いだけど、一番嫌いなのは悪の心だ」
「合計九人か・・・あれ、南は?」
クラッシュが聞いた。
「南の奴、先に行ったぜ」
ポトリゲスが答えた。
「えぇ~!?なんでそんな自分勝手なことするかなぁ・・・」
クラッシュがため息をついた。
「で、クラッシュ。どういう作戦だ?」
クロックがクラッシュに聞いた。
実際クロックはクラッシュが何をしようとしているか大体見当がついていた。
「もちろん、クランチを始めとする住民の救出。できれば一人で行きたかったけど、今回の相手はいろいろきつそうだから、皆の手助けが必要だと思って・・・」
クラッシュが答えた。
「もちろん助けるくらいなら出来るけどよぉ、敵はどこにいるんだ?ポトルーズの時みたいに目的地がはっきりしてるならまだしも、Vaterの本拠地を知ってる奴はいないだろ?」
ポトリゲスが言った。確かに、この中にVaterの本拠地を知る者はいない。
「それなら大丈夫。タイニーさんが色々知ってるって言ってましたから」
シクラメンが言った。その言葉を聞いてクラッシュは驚いた。
「タイニー!?ザジさんに撃たれたって聞いたけど・・・?」
「初弾は催眠弾。ワルサー使いの基本です」
ザジが答えた。実はザジがタイニーに撃ち込んだのは催眠弾という所謂非殺傷弾だったのだ。
「催眠弾・・・?基本・・・?とりあえずタイニーは無事なんだね!」
「そう、タイニー元気!」
いきなりクラッシュの後ろから声がした。クラッシュはびっくりして後ろを見た。
「びっくりさせないでよ!それよりタイニー、何か敵について知ってるんだったら聞かせてくれよ」
「タイニー、みんなを怪我させたこと、謝る!」
タイニーはそう言って頭を下げた。
「あの状況じゃ仕方なかったしな。別に謝ることねーよ。な?」
ロックが言った。
「タイニー、そう言われるとうれしい!」
タイニーはロックの優しい言葉に喜んだ。
「それで、タイニーさん。Vaterのことを何か知ってる?」
ココがタイニーに聞いた。
「タイニー、あんまり覚えてないけど、あいつら南の町がどうとか言ってた!あいつ等、南方向に向ってる!」
「南方向ねぇ・・・もしかしたら僕が此処に来るまでに寄ったことのある町かも」
リタイラルはそう言った。
「本当!?じゃああいつ等はその町に向っているのかな?」
クラッシュはそう言うと腕組みをした。
「南の町と言っても、此処から南だと二つ町があるぞ。私はどちらにも寄ってないが」
ヘルゼルが言った。
「そうそう。うち一つの町は元々俺が住んでた所だな。もしかしたらそこから船に乗ってかなり遠くまで行く可能性もあるな・・・」
ウォーラスも話に入った。ウォーラスは昔その町で漁師をしていた。クラッシュも彼が漁師だったことくらいは知っていた。
「うーん。南はそのことを知ってて先に行ったのかな・・・せめておいらたちに教えてくれたらよかったのに。はぁ・・・」
クラッシュはまたため息をついた。
「南のことだからな、恐らく俺様たちには来て欲しくなかったんだろう。それより保安官、詳しい作戦説明頼む」
ポトリゲスが言った。
「分かったよ。それじゃあ今から皆は戦いの準備をしてきて。一時間後に北門に集合。そこからまずは一つ目の町に行く。そこで一晩過ごして次の日港町に行く。そこで何とかしてVaterの情報を掴む。そこまでが今考えてる作戦。じゃあ解散!」
クラッシュがそう言った後、皆は準備のために去っていった。
「保安官さん・・・本当に行くんですか」
アーネストがクラッシュのところにやってきた。
「はい。絶対に助け出して見せます」
「そうですか・・・これ、渡しておきます」
アーネストはそう言うと何かを取り出した。それは黒色の回転式拳銃だった。
クラッシュはそれがすぐに何か分かった。
「これって・・・ビロードさんの」
アーネストが出したのはビロードがかつて使っていたブラックホークだった。
「そうです。あなたは一人じゃない。皆と言う仲間がいる。そして、ビロードさんも常に見守っています。僕はどうすることもできませんが、絶対にあなたたちが帰ってくることを願っています」
「ありがとうございます・・・でも、おいらはその銃を持っていくことはできません・・・」
「そうですか・・・じゃあ、ビロードさんと一緒に待っています」
アーネストはそう言ったあとその場を去った。
一時間後、北門にクラッシュ、ココ、ウォーラス、クロック、ヘルゼル、ザジ、ロック、リタイラル、シクラメン、ポトリゲスの十人は集まり、門を出て行った。
荒野で車を走らせている集団がいた。
「ホント何にも無いところ!つまんない!」
「そう言うなって。別に俺たちデートに来てるわけじゃないんだし、何も無くていいだろ」
「あんたとデートなんて絶対嫌だ」
「俺だってお断りだ」
最後尾にはフレイとニーナの乗ったオープンタイプの車が走っていた。
車はフレイが運転していた。
「にしても何で他の連中を違う車に乗せてあたいら二人だけにしたのよ」
「あんな男臭い連中乗せたままでよかったのか?」
「だねー。あいつら暑苦しいしね」
「でもカタパルトをあんなところに何で降ろしたんだ?」
「あたいの予想ではタイニーはやられて、あの街の連中の何人かはあたいらを追ってやってくるはず。だからカタパルトに足止めを頼んだって訳」
「なるほどねぇ」
「殺せ、とは言ってないけどあいつのことだから皆殺しにしそうね」
「だな」
フレイとニーナの乗った車はいつの間にか他の車と大きく離されていた。
「ちょっとフレイ!他の奴等もう行っちゃってるじゃないのよ!もっと飛ばしたら!?」
「この車、スピード出したら凄いぜ?」
「どうでもいいから早くしな!」
「・・・ヘイヘイ」
フレイはアクセルを思いっきり踏んだ。車のスピードはどんどん上がっていく。
「そうよ!この速さが欲しかったのよ!」
「風が気持ちいいぜ・・・って!」
フレイは突然急ブレーキを踏んだ。車はブレーキ音を立てて何とか停止した。
「フレイ、何考えてるのよ!?」
「だってニーナ、前見てみろよ」
「何々・・・人を轢きそうになったって訳ね」
「そういうこと」
車の目の前には一人の男がいた。男は白衣を着ていた。
「危ねぇじゃねぇか!ちゃんと前見ろよ!」
フレイは男に向って怒鳴った。フレイたちが悪いのは言うまでも無い。
「・・・Vaterか」
男が呟いた。
「何だって?どーでもいいから道開けろってんだ」
フレイはクラクションを何回も鳴らした。
「ちょっと待ちなよフレイ。こいつあたいらのこと知ってるみたいよ」
「マジ?何で知ってるんだ?」
「おーい、誰かは知らないけど、あたいらに何か用?」
ニーナが男に対して言った。
「昨夜、アップルタウンで宝石を盗んだだろ、お前達」
男が言った。
「そのことを知ってるってことはアップルタウンの回し者ね!フレイ、やっちまいましょ」
「敵からわざわざやってくるなんて何てありがてぇんだ」
フレイとニーナは車から降りた。
「残念だが、アップルタウンとは何も関係ない。用件だけ言う。宝石を渡せ」
男はそう言うと右手にハンドガンを持ち、フレイたちに向って構えた。
その時、フレイは男の瞳をしっかりと見て、驚いた。
「ニ、ニーナ!やばいぜこりゃ!」
「はぁ?何のことよ?」
「昨日の俺の話覚えてるか!?」
「何か言ってた?ハンバーガーの話くらいしか・・・あ!」
ニーナもあることに気づいた。
「フレイ、もしかしてこいつってあんたの言ってた・・・」
「ク、クリムゾンだ!」
フレイが叫んだ。
白衣を着た長身の男性、真紅の瞳を持つ彼はクリムゾンだった。
「名前を知ってたとは光栄だ。で、怪我しないうちに宝石を渡した方が賢いと思うが」
クリムゾンはハンドガンを構えながら言った。
「ニーナ、どうする?」
フレイがニーナに聞いた。
「あんたは任務を裏切って自分の命をとるか、自分の命を捨てる勢いで任務を全うするか、どっちが賢いと思うのよ!?」
「・・・後者だな。てか前者を選んでも結局消されそうだし」
「じゃあどうするかは一つ!」
ニーナはそう言った瞬間左手をクリムゾンに向って伸ばした。クリムゾンはそれを右に避けた。
「交渉決裂か。仕方ない」
クリムゾンはハンドガンをしまうと、今度は右手に棒状の何かを持った。
「科学者だから何を出すかと思ったら、ただの棒じゃねーか。笑わせやがって!」
フレイはそう言うと空を飛び、右手にグロックを持った。
「棒、か。これでも棒と呼べるか?」
クリムゾンがそう言った瞬間、棒の先端から直線の光が飛び出した。
「・・・レーザーだと!?あんなもん当たったらヤバイぜニーナ!」
フレイが空を飛びながら言った。
「当たったら、でしょ?」
ニーナはそう言ってクリムゾンに向って突進した。クリムゾンは今度はそれをジャンプして避けた。
そして瞬時に左手にハンドガンを持つと、後ろを向いた状態のニーナの頭に突きつけた。
「宝石さえ渡してくれたら命は見逃してやっていいんだぞ?」
クリムゾンが言った。
「渡す訳ないでしょ!」
「そうか」
クリムゾンは左手のハンドガンを引こうとした。
「させるか!」
フレイは急降下しながらクリムゾンの後ろから突っ込んだ。しかしクリムゾンはいとも簡単にそれを右に避けた。
フレイはニーナを掴むと、また空高く飛んだ。しかし、ニーナを担いでいることもあって高い高度で飛ぶことは出来ず、地上からでも大きくジャンプすれば届きそうな勢いだった。
「油断するなっつーの」
「フレイ、このままの状態でひたすら空を飛びまわるのよ!」
「そんなことしたらスタミナが持たねーよ」
「うるさい!さあ、これでも食らいなさい!」
ニーナはフレイに掴まれた状態で右手をクリムゾンに向けると、ガトリング攻撃を開始した。
クリムゾンは走って避けるが、フレイはそれを空から追いかけた。
「手を改造か。あいつも中々下種いことをしやがる」
クリムゾンはそう呟いた後左手に爆弾を持ち、フレイ目掛けて投げた。
「やっべ!二ーナ、撃ち落とせ!」
「分かってるわよ!」
ニーナは右手を飛んでくる爆弾に向けた。弾丸は爆弾に当たり、空中爆発を起こした。
「ふぅ・・・ってやべぇ!」
フレイが息をつく暇も無く、爆発の黒煙の中からクリムゾンがレーザーソードを構えて跳んで来た。
「クソ!」
フレイは何とか避けれたが、ニーナを落としてしまった。
ニーナは落下時、足を少し痛めてしまった。
「痛いわねもう!」
その隙にクリムゾンがレーザーソードを構えて突っ込んできた。ニーナは何とか避けようとしたが遅かった。レーザーソードはニーナの上半身にヒットした。
「い、痛い・・・」
ニーナの肩にレーザーソードによる傷跡がくっきりと付いていた。ニーナはその場にうずくまった。
「常人なら即死するレベルだが、それに耐えるとはなかなかだ」
クリムゾンはそう言いながらニーナにレーザーソードの剣先を向けた。
「だが、次はそうはいかない」
クリムゾンはレーザーソードをニーナに突き刺そうとした。
「おっと、それはさせねぇぞ!」
フレイが再び急降下してクリムゾンの後ろから突進しようとした。
しかし、クリムゾンはさっと振り返り、左手にハンドガンを持ち、フレイに向けた。
フレイはクリムゾンの目の前で急停止した。
「・・・これでもまだやるか?銃を捨てろ」
クリムゾンはそう言うとニーナを羽交い絞めにし、頭に銃口を突きつけた。
「畜生・・・」
フレイは悔しそうにそう言いながらグロックを地面に捨てた。
「俺だって無駄な殺生はしたくないんだ。このガキの命と、小さな宝石一個、どっちがお前にとって大事かな?」
クリムゾンはそう言うと引き金に手をかけようとした。
「・・・フレイ、あたいのことはいいから、絶対に宝石を渡さないで・・・」
ニーナが小さな声で呟いた。
「・・・宝石は渡す。その代わりニーナをこっちに返せ」
フレイはニーナの言葉を無視した。
「悪くない判断だと思うぞ。さぁ、渡してもらおうか」
「ほら、受け取れ」
フレイはそう言うとポケットからオパールを取り出すと、クリムゾンの足元に投げた。
「そうだ、それがほしかったんだ。ほら、約束だ」
クリムゾンはそう言ってニーナから手を放すと、オパールを拾った。ニーナはフレイの懐に飛び込んできた。
「馬鹿、何で渡したのよ・・・」
「・・・一時撤退だ。行こうぜ、ニーナ」
フレイはニーナを助手席に座らせると、自分は運転席に座り、エンジンをかけた。そして、アクセルを勢いよく踏んで、南方の地平線へと消えていった。
「・・・Vaterか。向こうも必死らしいな」
クリムゾンはそう呟くとその場を後にしようとした。
「おっと、お前に宝石を貸した覚えは無いぜ?」
突然クリムゾンの後ろから声がした。
その人物はクリムゾンの後頭部に銃を突きつけていた。
クリムゾンは左手にオパールを持ったままゆっくり両手を挙げた。
「・・・お前も、Vaterか?」
クリムゾンが謎の人物に聞いた。
「違うな。悪いが宝石は持ち主に返してもらうぞ」
「断るって言ったらどうするつもりだ?」
「もちろん力ずくで返してもらうさ」
「そうか・・・」
クリムゾンはそう言った瞬間手を下げ、ハンドガンを手に持つと振り返った。
「ハッハッハ・・・誰かと思えばお前だったか、南!」
クリムゾンはそう言うと数歩後ろに下がり、南と間合いを取った。
「ん、俺そんなに有名人だっけか?クリムゾン」
「お前も奇麗事言いつつも結局は宝石目当てなんだろ?この力を知ってないのにお前がこんな面倒くさいことするわけが無い」
「・・・どうでもいいだろ。とりあえずお前等糞科学者どもにその宝石渡したってロクな使い方しないだろ?だから俺が預かりに来た」
「ふん、まあいい。とりあえず我が計画を邪魔するなら、死んでもらう」
クリムゾンはそう言った瞬間ハンドガンの引き金を引いた。
南は右手のガバメントをしまい、左手に鞘を掛け、右手で刀の柄を持つと、一気に抜刀した。刀身は弾丸を捉え、真っ二つに割った。
「相変らず手を出すのが早すぎだぜ」
南はそう言うと一気にクリムゾンとの間合いを詰めた。
「クソ、そう来やがるか」
クリムゾンは急いでハンドガンをしまい、レーザーソードを構えようとしたが、南のスピードの方が勝った。
南はクリムゾンの左手に握られてるオパールを瞬時に盗み出すと、再び後ろに下がった。
「手元がすっかすかだぜ?」
南は刀を納め、オパールをしまうと、右手にガバメントを持った。
「・・・貴様・・・その宝石を返せ!!」
クリムゾンは今まで発したことの無い大声で叫んだ。
そして、レーザーソードを構えると物凄いスピードで南に迫った。
「おお怖い怖い。これだからマッドサイエンティストは相手にしたくないんだよ。じゃ、新作銃弾の効果検証といくか」
南は地面に向ってガバメントの引き金を引いた。銃弾が地面に当たった瞬間、あたり一面に濃い煙幕がかかった。
クリムゾンは煙幕の中でひたすら南を探したが、どこにもいなかった。
「・・・絶対に奪い返してやる」
クリムゾンはそう呟くと、その場を後にした。
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