STORE WARS〜3新人の毎日〜


シャドウクラッシュ!さん作

第1話☆恭亮たちの入社式

それは、ごく普通の3月下旬の平日の事であった。
恭亮:う〜ん、やっと大学卒業かぁ〜。
今度は仕事を探さなきゃぁな・・・
そんな日の夜、恭亮はいつものように
近所のスーパーへ買い物へ行った。
スーパーは、毎日のようににぎわっていた。
恭亮:俺も、自分の店を持ってみたいなぁ・・・
そのときだった。このとき、ふと呟いたこの一言で、物語は幕を開ける。
恭亮は、いつものように自宅へ帰り、いつものように料理をした。
そんな時両親が、一人暮らしの恭亮の元へやってきた。
大学の卒業祝いである。
(ピンポーン)恭亮:はいはーい。あっ、父さんと母さんじゃん!
両親:おう、恭亮か?あがるぞ。
両親が部屋に入ってきた。
父:恭亮、卒業おめでとう。きょうは、その祝いに来たんだよ。
恭亮:あぁ・・・ありがとう。
母:もう就職先は決まったの?
恭亮:いやぁ・・・それが、実は・・・
恭亮は、両親に話した。
父:ほうほう、あの「マーケット星夜」で働きたいと。
母:あそこは「事件のマーケット」と呼ばれるほど、
ハチャメチャしたスーパーだそうよ。
おっちょこちょいの恭亮が・・・大丈夫かしらねぇ?
恭亮:俺は自分の店を持ってみたいんだ!
父:おお!よく言った!それでこそワシの子!
その後は、持ってきた弁当や、恭亮の手料理、そして酒などを頬張り、
夜遅くに両親は地方の実家へ帰った。
父:それじゃ、がんばるんだぞ。ヒック・・・
母:ひょ・・・恭亮・・・ヒック。
恭亮:あんれまぁ、2人とも酔っ払っちゃって。
タクシー拾ってやるからそれで帰りなよ。
恭亮も、酔いつぶれて、そのまま眠った。

翌朝。寝起きの恭亮は、ゴチャラとした食べ跡を、
必死になって片付けた。そして、
マーケット星夜に電話をした。(TRRRR・・・)
電話受付:こちらはマーケット星夜野倉市店でございます。
恭亮:あの、わたくし南川 恭亮というものです。
マーケット星夜に就職したいのですが。
電話受付:少々お待ちくださいませ。
そして数分後・・・
電話受付:それでは、明日の夕方、マーケット星夜野倉市店までおこしください。
恭亮:はい、分かりました。(ガチャ)
こうして、面接のアポが取れた。あとは、もう入社したも同然。
今日は、どこへも出かけず、家でゆっくりすごした。

翌日。恭亮は、おろしたてのスーツを礼儀良く着て、
時間通りに社長室まで通された。
恭亮:(コンコン)失礼いたします。
社長:キミかね?入社希望は。
恭亮:は、はい。そうです。
少し緊張しながらも、30分にわたる面接を終え・・・
面接官:お疲れ様でした。後は、普通にお帰りください。
後日、もう一度連絡いたします。
恭亮:ありがとうございました。
恭亮は、安堵の気持ちになって、そのまま帰宅した。

翌日。一人で昼ごはんを食べていたとき・・・
(TRRRR・・・)恭亮:はい。
電話受付:こちらはマーケット星夜野倉市店でございます。
南川 恭亮様の就職登録が完了いたしました。
恭亮:そうですか!
電話受付:明日からあなたは、マーケット星夜野倉市店員となります。
しっかりやってください。
恭亮:はい、分かりました!
電話受付:失礼いたします。(ガチャ)
恭亮:ついに・・・きた・・・
しっかりやるぞぉ〜〜!!
恭亮は、自分の夢への第一歩を踏み出した!

翌日の午前中。朝ごはんを済ませた恭亮は、
スーツを着て、マーケット星夜へ颯爽と向かった。
歩いて10分。恭亮は、マーケット星夜の前で・・・
???:あれ?あなたも、ここに就職されたんですか。
恭亮:あ、あなたは?
祐一:わたしは藤本祐一いいます。今日からここの新入りです。
恭亮:そうだったんですか。お互いがんばりましょう!
祐一:そうですな!!
恭亮と祐一は、同期として仲良くなった。
そして店に入り、裏口へと入り込んだ。
恭亮&祐一:おはようございます!!
店員:あなた達、新入りだよね?
2人:ハイ、そうです。
店員:社長室へ向かいなさい。入社式を行うからさ。
2人:ありがとうございます!
2人は、小さい歩幅で社長室へ向かった。そのとき・・・
???:あなた達も新入社員なの?
祐一:あ、あなたは?
実:わたしは白井実っていうの。宜しくね。
恭亮:あぁ、宜しく!
3人は、同時にノックをして、社長室へと入った。
(ガツッ!)恭亮:わあぁぁっ!?
ドテェ〜ッ!!
恭亮は、社長室のドアの段差に足を引っ掛けたのだった。
祐一:ありゃ〜・・・
社長:ん?何だね?騒々しい・・・
恭亮:も、申し訳ありません。
3人:わたしたち、今日からここ、マーケット星夜の店員として、
身を粉にして尽くします!!
社長:うむ。それでは、入社式を行おう。礼!!
こぎれいで少し狭い社長室で、入社式は行われた。
3人は、制服をもらい、早速隣の更衣室で着替えた。
社長:うむ。なかなか似合っておる。さて・・・
私が社長の梶田雅義だ。今後よろしく。
3人:宜しくお願いいたします!!
雅義:いい気合だ。では、大島君!!
直弥:お呼びですか、社長?
雅義:この新入り3人をオリエンテーションに連れて行ってやりたまえ!
直弥:承知しました。ではそこの3人、付いてきなさい。
3人は、部下長である大島直弥について、店内をまわった。
直弥、ここがレジだ。分かっているとは思うが、
ここで商品の会計をするんだ。
くれぐれもボタンを押し間違えたりしないように!
3人:はい!!
直弥:そしてここが、魚介類のコーナーだ。
生ものを扱うので常に衛星に気を配るんだ。
3人:はい!!
直弥:そしてここは、手作りパンのコーナーだ。
われわれ店員が、お客様の目の前でパンを焼くんだ。
常に客の目を気にしないと、大変な事になるからな。
3人:はい!!
直弥:最後にここが、試食コーナーだ。
ここで仕事をするものは、美味しそうな音やにおいでお客様を呼びとめ、
試食をしていただく。その後は、話して話して話しまくって、
「買わぬなら買わせてやる」という根性が必要だ。
もちろん、つまらなそうな顔はタブーだ。分かった?
3人:分かりました!!
直弥:よろしい。これで一通りの説明は終わりだ。
まだ何か分からない事があったら、私に聞きに来るがよい。
3人:ありがとうございます!
こうして、説明を受けてから、控え室に帰った。
控え室といっても、売り上げの計画表や、クリーナー完備の
まるで基地のような控え室であった。
直弥:仕事待ちのときは、この部屋を使うのだ。
なぁに、ここのスタッフなら遠慮はいらん。
そこの空の机を使いなさい。
3人:ありがとうございます。
直弥:質問はあるかね?
恭亮:はい!内部の仕事についても教えていただけませんか?
直弥:おお、そうだ。店の外側に対して
内部的な仕事もたくさんある。早速だが、付いてきなさい。
3人:はい。
3人は、休む暇なく直弥について回った。
直弥:ここがトラックの入り口だ。ここで
商品の入ったダンボールをおろしたりするんだ。
そして・・・下ろしたダンボールは、こっちにある・・・
商品倉庫に積んで保管するのだ。
また、商品の点検も仕事の一つだ。われわれは
公約として、点検を徹底的にしているのだ。手抜きはしないように!
3人:わかりましたぁ!!
直弥:まぁ今日はこのくらいでいいだろう。
ところで、自己紹介がまだだったな。ははは・・・
私は大島直弥という者だ。ここでかれこれ10年間働き続けている。
実:じゅ、10年間ですか!?
恭亮:やっぱり、入ったときから夢みたいなものがあったんですか?
直弥:さよう。私がここに入ったときは、まだ25だったからな・・・
当時私は、ここマーケット星夜で買い物をしてて、
商品をテキパキ整理する店員に惹かれて・・・
かっこいいなぁ、と思ったわけよ。
それで、親に相談したんだけど、相当心配していたよ。
祐一:失礼ですが・・・大島先輩も昔はうっかり者だったのですか?
直弥:まぁ・・・その通りだ。入社式のとき、廊下で躓いちゃってなぁ・・・
恭亮:俺の入社式とそっくりだ・・・
直弥:ホウ!そうかい?まぁ失敗は誰にでもある。気にするなよ。
3人:はい!
直弥:ところでキミ達にも、自己紹介をしてもらおうかな。
恭亮:俺は南川恭亮といいます。
祐一:ぼくは藤本祐一といいます。
実:わたしは白井実といいます。
3人:宜しくお願いします!
直弥:こちらこそ、宜しく。
・・・そんなこんなで、今日1日は自己紹介とトークで終わった。
PM6:00〜
直弥:お、もうこんな時間か!
そろそろ、私たちも晩飯を食べに行くか!
実:え?ここに届いた商品はダメなんですか?
直弥:うむ。あくまで商品だからな。
私たちも金を出して個人的に買っているのだ。
恭亮:店員が店の品物を買うって・・・
直弥:それより、外食行くか?おごってやるぞ。
3人:ありがとうございます!
直弥:ちょっと待った!!外出するときは私服に着替えて、
裏口から出て行くのだ。
こうして、入社式の1日は終わり、3人は、外食をした後帰った。
今日は、直弥ら先輩が、残業を任された。
PM10:00〜
直弥:ふぅ〜今日は久々に話し込んじゃったな〜。
南川君たちはなかなか面白い奴だったな。
なんか疲れも吹っ飛んじまいそうだな・・・
ま、明日からがんばってくれよな!
残業が終われば、社長に報告し、あとは自由解散。
明日からは、恭亮たち新人が暴れ出す!!(第1話 完)

戻る