「もう1つの」ドリームハント冒険記


シャドウクラッシュ!さん作

第3章〜南極にて〜

・・・そして一晩たったころ、飛行機が南極に着いた。
了治:あ、全然寒くないや!すげぇな!
マッシュ:ぶるぶるぶる・・・がちがちがち・・・・・・・・・
マッシュは防寒具など着ていない、むしろ薄着だ。
私と夜理子で、荷物を漁っていたら、セーターが1着ずつ出てきたので、マッシュに貸した。
マッシュ:すいません・・・あわてて何の準備もしてなくて・・・
了治:それより・・・早速友達を探そう!名前と服装は?
マッシュ:名前は「ジャック・ジャクソン」、緑色のコートを着てるはずです。
了治:よし・・・じゃ、どの辺ではぐれたか・・・・・・知るわけないか。
マッシュ:はい・・・彼はケータイを持ってるので、発信音で探しましょう!
夜理子:ここ南極よね。ケータイ繋がるかしら?
マッシュ:え・・・?・・・・・・あっ!アンテナが無いから繋がるわけが・・・
了治:しまった・・・そうだったか。なら仕方ない、歩こう!
夜理子&マッシュ:はい!
そして歩く事半日・・・っていうか、昼も夜も分からない。
日本が真夏ならこっちは真冬。太陽さえ昇ってくれない。真っ暗で、ちょっと不安だ。
こうなったら歩き続けよう。眠ったら死ぬかもしれない・・・雪山ではないが。
私はテントを担ぎ、夜理子は彼女自身の荷物、そしてマッシュに私の荷物を任せることにした。
だが、懐中電灯はいつ切れるか分からない。こうなったら暗中模索だ。
何日かかるだろうか。まず、ジャックを探すことに。
これでフュエルも探すとなれば、軽く2〜3ヶ月はかかるだろう。
・・・何時間歩いただろうか。私は、くたくたで日記を書く気力さえない。
やむを得ず、テントを張って休む事にした。
夜理子も、マッシュも、一瞬でパタリと寝てしまった。

夜が明けた・・・だろうか。少し明るくなってきた。
良かった。これでジャックを探しやすくなる・・・
マッシュ:あれ?あんなところにイスとカメラが置いてありますよ?
了治:きっと写真家が遭難したんだ。かわいそうに。
夜理子:それより・・・ここからは崖だから、気をつけて。
マッシュ:あ、そういえば・・・帰る前に崖を渡った気がします・・・
了治:なるほど、崖を渡った先に・・・
マッシュ:ジャックがいるかも・・・早速、渡りましょう!
クレバスに落ちたら生きて帰れない・・・覚悟を決めて、私たちは崖をわたり始めた。
どうやらあと少しで渡りきれそうだ、と思った矢先・・・
(ガタン)マッシュ:あわわわわ・・・・・・うわぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!
了治&夜理子:マッシュ〜〜〜〜〜
了治:しょうがない、降りるぞ!
夜理子:そんな無茶な!・・・・・・まぁ仕方ないわ、行きましょ!
了治&夜理子:それっ!!
・・・・・・うっひゃぁ〜〜〜〜!!!
・・・・・・・・・・・・あまりの高さに、3人とも気絶してしまった。
・・・・・・見た感じかなり高かったので、死ぬかと思った・・・が、雪のクッションで助かった。
目が覚めると、クレバスに人が1人いた・・・!?
了治:あっ、あれは・・・?
マッシュ:あ゛っ!!アクションスターのトミー・ブラウンだ!!!
私は、拍子抜けにずっこけてしまった。
了治:なんだ・・・人違いじゃないか・・・・・・
マッシュ、ちょっと翻訳機を貸して!
マッシュ:OK!
ブラウン:や、やぁ・・・ボクはご存知、トミー・ブラウンだ・・・
夜理子:あ、この人見たことあるわ・・・
了治:いや、そりゃ当たり前でしょ!
ブラウン:じ、実はこの間まで、ここ南極で最新映画「22世紀少年〜青い機械ネコ〜」の
実写版の撮影をやってたんだ・・・
私は一瞬、それは某日本の国民的アニメのパクリではないかと思ったが・・・まぁどうでもいい。
ブラウン:撮影中に風に飛ばされて・・・・・・
気が付いたらここに倒れていた、というわけさ。
マッシュ:大ファンなんですけどみたいな!大ファンなんですけどみたいな感じで
やってます的な!!!!
了治:うるさい、キン○オブコ○ディじゃないんだから・・・
ブラウン:それより・・・あなた達、どこから来たの?
了治&夜理子:俺(わたし)たちは日本から。
マッシュ:ボクはアメリカから!
ブラウン:へぇ〜・・・わざわざ日本から?ようこそ・・・と言いたいところなんだけど・・・
いったい何のためにこんな最果てまで?
了治:話すと長くなるんだけどね・・・
・・・私は、総理からじきじきに「グリーンフュエル」を頼まれた事を話し・・・
了治:・・・というわけで、ここ南極へやってきたんだ。
ブラウン:じゃ、あなた達、冒険家なんだね!頼もしい!
そこで、1つ頼みたいのだが・・・
マッシュ:何ですか?
ブラウン:ボクをクレバスから救い出し、ロケの現場まで連れ戻して欲しい・・・
夜理子:・・・わかりました。・・・・・・でも、どうすれば・・・
了治:そうだ・・・少し気が遠くなりそうだが・・・・・・
3人:???
(ザクッ、ザクッ・・・)
マッシュ:・・・もしかして、クレバスの上まで階段を作る気ですか?
了治:そうだよ!だって、縄持ってないんだから・・・
あっ!!荷物に入れ忘れた!!私は今更気づいた。
こうなったら日が暮れるまで階段を掘り続けようじゃないか。
まだ食料には余裕がある。大丈夫だ。
ブラウン:そういえば、あなた達の名前を聞いてなかったね。なんていうの?
了治:俺は杉下了治っていうんだ。よろしく!
夜理子:わたしの名前は窪野夜理子です。よろしく!
マッシュ:ぼ・・・ぼ・・・ボクは、ジョージ・マッシュです!サインください!
了治:そんな場合じゃないだろ!
ブラウン:ハッハッハ、お安い御用。ただし・・・ボクを助けてくれたらね。
彼は、アクションスター風にウィンクした。横で、マッシュがフルパワーだ。
私も、負けてはいられない。掘るぞ。

・・・どれほど掘っただろうか。さすがに疲れてきた。
夜理子、マッシュ、そしてブラウンも、疲れを隠せずにいる。
マッシュ:す・・・少し休みませんか?
おお!ナイスタイミング!・・・といわんばかりに、私はテントを張って、4人で寝る事にした。
ブラウン:ハァ〜疲れた・・・でも、スタントシーン1つあたりの撮影に比べれば・・・
まだまだ全然大丈夫!
夜理子:さ・・・さすが、アクションスターというだけあるわ・・・
了治:さぁ!持ってきたサプリメントを、1人1粒ずつ・・・
・・・と、栄養補給サプリメントを出し、飲もうとした瞬間・・・
(ガラガラガラガラ・・・・・・)
4人:うわああぁぁ〜〜〜っ!!!
了治:みんな、急いで逃げるんだ!!
マッシュ:うぐっ・・・!(のどに詰まった・・・)
(ガラガラガラ・・・ガッシャ〜〜ン!!)どうやら、掘った穴のおかげで、なだれが起こったようだ。
マッシュ:ぜぇ、ぜぇ・・・(飲んだサプリメントを吐き出した。)
了治:くそ〜〜〜・・・雪崩を頭に入れてなかった・・・
マッシュ:しかも、作った穴はふさがれて元の壁に・・・これじゃ上れない・・・
夜理子:せっかくだから、クレバスを探検してみない?
私たちは、穴掘りに夢中で、クレバスの探検を忘れていた。今回の私はかなりボケてるな・・・
了治:で、でも・・・今日は疲れたから、ゆっくり休んで、明日にしないか?
3人:賛成!
了治:よし、じゃここで寝よう・・・
4人とも、やはり一瞬でぐっすりと寝た。よほど疲れたのだろう・・・

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