「もう1つの」ドリームハント冒険記


シャドウクラッシュ!さん作

第7章〜了治と夜理子とマッシュと・・・〜

目が覚めた。食料はまだ少し残っている。
1週間は、来る冒険に備えてゆっくり休みながら、持ってきたメモ帳に
フュエルの手がかりを書き記すつもりだ。
まずは・・・持ってきた資料、ジャックがくれた資料、そして映画スタッフからもらった写真を基に、
フュエルが埋まっている位置を定めることにした。
私は、まだぐっすり寝ている夜理子のバッグから、コンパスや虫眼鏡などの
道具を拝借し、徐に調べ物を始めた。
了治:えーーと・・・何々、この暗号・・・・・・
「猛者のありし穴より出でて、南に2000歩、西に3570歩・・・
そびえし4つのコンパス岩の中心を掘れ」・・・・・・ふむふむ・・・
えーーと・・・?・・・何々・・・・・・(さっぱり分からん!)
というわけで、夜理子が起きるまでは少し私も休もう・・・

・・・30分ほど寝て、すぐ起きた。
今度は私が夜理子に起こされたようだ・・・私としたことが。
まぁどうでもいい・・・調べ物を始めるとしよう。
夜理子:・・・了治君、了治君・・・起きてよ・・・・・・
了治:う〜〜んむにゃ・・・おっと!早く起きすぎて逆に寝てしまった・・・
さて、早速調べ物を始めようか。
夜理子:うん・・・えーと・・・バッグから資料を出して。
私はバッグを探した。凍てついた缶詰、ビリビリに破れたドル札、そして
ビリビリに破れた歴史書・・・・・・・・・・・・えっ!?
夜理子:どしたの?
了治:・・・歴史書が破れてる・・・
私は、表紙くらいならマシだと思い、中を見てみたが・・・
了治:こりゃひどい。ほとんどのページが読めない・・・
夜理子:どうしよう・・・わたしも少ししか代わりの資料を持ってないわよ・・・
これは調べ物どころではなかった。ひとまず調べ物を中断し、
荷物の整理から始めることにした。テントの中はえらく散らかってきた。

・・・・・・1時間たった。集まった資料は、映画スタッフがくれた写真、
ジャックがくれたレポート、そして私がこっちで写し書きしたメモ用紙。
了治:・・・とりあえずこれで調べてみよう・・・
夜理子:うん・・・・・・でも、調べ終わるのに何日かかるだろう・・・
私たちは少し落胆した。なぜなら、日本で3週間かけて作ったレポートも、全て
ボロボロになってしまったわけだから。
だが、とりあえずマッシュが帰ってくるまで、ここを動くわけにはいかない・・・
了治:えーーと・・・
夜理子は書物やレポートを読み、私は道具を借りて、
暗号や地図の解読に、それぞれ徹することにした。
了治:南に2000歩・・・1歩がおよそ1メートルとして・・・(サーッ)
夜理子:何々・・・「南極の先住民らが鉱石を保管す」・・・
ねぇ了治君・・・ひょっとするとこれは・・・
了治:おお、そこは・・・今調べてた場所だ。ふむふむ・・・

こうして調べ物が一段落。念のため持ってきたスペアのレポート用紙に、
今日調べたことは全て書き写し、だいぶフュエルの位置なども絞れてきた。
気づけば真っ暗だった。そして腹も減ってきた・・・
了治:今日はもう遅いから、暖かいおでん缶でも食べて休もう。
夜理子:そうね・・・
外の吹雪も強まってきた・・・だが今のところ支障は無い。
今日はもう寝るとしよう・・・
ここのところ疲れてたのか、今日は熟睡してしまったようだ。
だがおかげで疲れはすっかり飛んだ。間もなく調べ物も終わりそうだ。
この調子でサクっとフュエルも発見できたらいいのだが・・・
いや、冒険はそんなに甘くない。それなりの覚悟を決めねば・・・
というわけで、マッシュが来るまでしばらく、しっかり休養をとることにした。
了治:ねぇ夜理子・・・あの後どうしてた?
夜理子:あの冒険の後でしょ・・・?えーとね・・・・・・
とりあえずガイド社は辞めて、考古学を学ぶための学会に所属したの。
でもガイド社と違って「仕事」じゃないのよ。
了治:え?じゃ、どうやって生計立ててるの?
夜理子:実は、東京の学習塾で歴史の講師をやってるの。
まぁバイトみたいな感じなんだけどね・・・
了治:ほぉ〜・・・さすが考古学者・・・って感じだな。
ちなみに俺は、あれから何度も冒険してたよ。
でも、国内だけだけどね・・・いろいろな人と出会えて楽しいよ。
夜理子:へぇ〜・・・どこへ行ったの?
了治:いろいろいったんだけど、中でも北海道の中の市が、寒くて困ってるみたいだったから、
そこでちょっと鉱山を掘ってきたんだ。
夜理子:さすが地元思いね!わたしなんてまだ親に頼りっぱなしで・・・
こんな歳でまだまだ未熟者なのよ、わたしは・・・
了治:だからこそ、今度こそここでフュエルを見つけて、
国を暖かくするのは勿論・・・ここでお金を稼いで、
もっとすごい場所へ冒険しようじゃないか!俺の冒険家としての夢だ。
夜理子:そうね!なんだか、ワクワクしてきたわっ!
・・・だが、気を抜いてはいけない。とにかく今はフュエルの発掘だけが目標だ。
夜理子:ところで・・・あれから数樹君はどうしてるのかしら・・・?
了治:あぁ、数樹か。こないだクレバスで会ったよ。
夜理子:へぇ〜、良かったわね・・・・・・って、えっ!?
了治:出てきたんだよ、奴の霊が。
夜理子:そんな・・・本当に見えるのね。まさか、了治君・・・
了治:え?
夜理子:まさかとは思うけど・・・幽霊が見えるの?
了治:いや、そんなことは無い。ただ俺には見えるんだ・・・
・・・自分でも不思議な気持ちになった。何故だろうか・・・
今回の冒険の間で何か分からないだろうか・・・たまらなくそんな気持ちになった。
この後もいろいろと砂漠の冒険の後の話で盛り上がり、1日が過ぎた。

さぁ、今日もすがすがしい朝だ。太陽がまぶしい。
そしてそろそろマッシュも来るに違いない・・・
私は、マッシュがやってくるのを今か今かと待ちながら、荷物の点検をした。
異常なしだ・・・・・・さて、もう夜になった。
明日当たりマッシュが来るはず。とういうわけでもう寝よう・・・・・・・・・
と思った矢先・・・・・・・・・
???:ウガォ。
了治:・・・?
夜理子:まさか・・・・・・
私は後ろを振り向いた。だが、誰もいなかった。おかしいぞ・・・?
???:ウガオ、ウガオ。
了治:・・・やっぱり怪しいぞ!誰だ!?
・・・・・・誰もいない。なんとも不気味だ。確かに今のは雪男の声。
夜理子:きゃ〜〜〜っ!!!
了治:ど、どうしたっ!?
夜理子:で、出たわよ〜〜!!!
了治:また雪男か。ちょっと待ってな、すぐこのナイフで・・・・・・
人魂:うぉぉ〜〜ん・・・・・・うらめしやぁ〜〜・・・・・・
了治:げげっ!?こ、こんなとこにまで幽霊が出るとは!!
人魂:わが住処を荒らしに来よう者は生きて帰さぬぞ〜〜〜・・・・・・
夜理子:りょ、了治君・・・
了治:な、何だ!?・・・・・・げっ!!
どういうことだ!?テントを取り囲むように人魂の集まりが・・・・・・
ま、まずい!テントに火がついてしまった!!急いでたたんで逃げよう!!
人魂:逃がさぬぞえ〜〜・・・・・・

だいぶ逃げた。人魂も消えてくれたようだ・・・よかった。
・・・・・・・・・ここはどこだ?・・・そして、今気づいたが・・・
夜理子がいない!?まさか、こんな時にはぐれたのか!?
どうしようか・・・もうすぐマッシュもやってくるというのに・・・
私は、元いた場所に帰ろうとしたが・・・・・・イテテテ。
さっき人魂に呪われたのか・・・体が思うように動かない・・・・・・
私は、しょうがないので地面を這って進むことにした。

・・・だいぶ調子が戻ってきた。そろそろ、立って歩けそうだ。
さて、さっきの場所へ戻ろう。

歩く事30分、誰かが手を振っているのが見えた。
???:了治〜〜〜!!!
了治:ん?あ!マッシュ!!やっと来たのか!
マッシュ:遅れてごめん。いや、それより・・・
了治:・・・え?
マッシュ:夜理子はどこ行ったの?
あ!そうか!忘れかけてた!
了治:分からん・・・話すと長くなるんだが・・・

私は、人魂に襲われはぐれたことを話し・・・
マッシュ:ふ〜む、なるほど・・・じゃ、もしかすると今頃・・・
了治:な、なんだ!どうしたというんだ?
マッシュ:いや、呪いとやらが解けて、歩き回ってるかもしれないぞ。
了治:ふ〜む・・・じゃ、ちょっと探してくるから、ここで待ってて。
マッシュ:了解!

私は、さっき人魂に襲われた時、夜理子と逆方向へ走って逃げた。
しかし、彼女がどっち方面へ進んだかは、なんとなく掴んでいる。
なので、そっちの方を探してみる事にした。

また1日ほど歩いた。私自身、どこにマッシュがいるのかも分からなくなってきた。
そんな時、青白い浮遊物体がたくさんいるのを見つけ、そっちへ走り出した。
???:助けてくれ〜〜〜!!!
???:きゃ〜〜〜!!!
???:お〜〜た〜〜す〜〜けぇ〜!!
あ、あの声は!?
了治:おぉ〜〜い、夜理子〜〜!!大丈夫か!?
夜理子:あ、了治君!わたしは平気よ。それより・・・
人魂A:きさま、幽霊のくせに下界へ降りてきやがって・・・
人魂B:改めて、呪いをかけてくれるわ!!
数樹:や、やめろ!お前らなんかに、この気持ちが分かってたまるか!
人魂C:なにぃ〜〜〜・・・
了治:こら!やめろっ!!オレのマブダチに手を・・・
いや、顔を出すな!
数樹:りょ、了治!?
人魂D:なぬ!?さっき呪ってやった男じゃないか!?どうなってんだ・・・???
了治:ゴチャゴチャ言うな!これでも食らえ!
私は、偶然リュックに入っていた、悪霊退散のお守りを差し出し・・・
人魂E:な、生意気な!!
了治:怨霊ども、覚悟!
人魂F:おっと!(フワッ)
な、なんということだ!奴の念力で、お守りが・・・数樹の方へ飛んでいった!(ビシャ〜〜ン)
数樹:ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!
了治:数樹〜〜〜〜!!!!!
人魂:フフフフフ・・・改めて、貴様らも呪ってやる!!
了治:くそっ、とっととこんなとこ逃げてやる!
夜理子:そ、それが・・・了治君・・・・・・
了治:?
夜理子:さっきから・・・怖さと冷たさで足が動かない・・・
って、これじゃ逃げられないじゃないか!私1人で逃げては元も子もないし・・・
人魂:さっきからうるさいぞ!さぁ・・・
???:やめろぉぉぉぉぉ!!!!!
誰かが突然やってきて、人魂を殴りだした!?さすがの私も度肝を抜かれた。
人魂:ひえぇ〜ん!うらめしやぁ〜〜〜・・・

・・・人魂が遠くへ飛んでいった。一安心。
???:了治・・・
了治:か・・・数樹!?どうしてここに・・・
数樹:ふふふ・・・さっきのお守りだけどね・・・
お前が知らないうちに、こっそり忍ばせておいたんだ。
もちろん、ニセモノだから、効果などない。
了治:か・・・・・・数樹〜〜〜〜!!!!
私は、思わず幽霊の数樹に抱きつこうとしたが、実体が無いのでこけてしまった。
数樹:喜ぶのは早い!さあ2人とも、仲間が待ってる場所へ急ごう!
了治&夜理子:うん!!
了治:あとはフュエルを見つけるだけだ。色々あったが・・・
夜理子:わたしたちの心配はしないで、ゆっくり休んで。
数樹:それじゃ・・・(スゥ〜〜ッ)
了治:・・・・・・数樹・・・
私は、また1つ数樹に希望をもらい、マッシュのいる場所へ急いだ。

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