「もう1つの」ドリームハント冒険記


シャドウクラッシュ!さん作

第8章〜グリーンフュエルを求めて〜

マッシュ:おお〜〜〜い!!!了治!夜理子!
了治:マッシュ!遅かったな!
夜理子:ごめん、ちょっと道草してたの。
マッシュ:冒険の準備が終わったから、早速行こう!
私たちは、3人で円陣を組み、徐に歩き出した。
今度こそはクレバスに落ちるわけにも行くまい、無事に通り抜けた。
了治:よかった・・・今のところ順調だな。
マッシュ:ん?今のところ・・・とは、どういうことだい?
了治:う〜ん・・・話すと信じてもらえるか・・・
マッシュ:忘れたのか?ボクらは仲間だろ?仲間を信じられないなんて、仲間じゃないよ。
・・・私は、なんとなくややこしくなったが、ごもっともだと思い、話した。
了治:え〜と・・・
私は、歩きながら人魂に襲われた話をすると・・・
???:ォィ・・・
マッシュ:そ、そんな・・・バカな・・・・・・ありえないよ。
了治:いや、それが・・・・・・
夜理子:ジョージ・・・後ろ見て・・・・・・
マッシュ:・・・・・・・・・・・・え?まさか・・・
人魂:うぅらぁめぇしぃやぁ〜〜!!!
了治:げぇ〜!!また出た〜〜っ!!!
な、なんということ!せっかく冒険が始まったのに!!
了治:えぇい!シッ、シッ!
夜理子:全然効いてないわ!!
人魂:何度も何度もわれらが住みかを荒らそうなどと考えおってぇ〜〜・・・
了治:ち、違う!お前らの住処を荒らすわけじゃない!ただフュエルを・・・
人魂:えぇい!そういうのを「荒らす」っていうんだよ!
人魂:貴様みたいな奴は呪わなければならんな・・・
了治:な、何を!!
マッシュ:逃げて!!
人魂:おっと、逃がさんぞ!
了治&マッシュ:ぎゃあっ!
夜理子:もう・・・人魂だからって許さないわ!!
了治:よ、夜理子・・・オレは・・・大丈夫だから・・・・・・1人だけでも逃げて・・・・・・
夜理子:そんなこと、できるわけないじゃない!
了治:何でさ!もし呪われたら、オレたち終わっちゃうよ!
夜理子:こないだクレバスに落ちたときのこと、覚えてる?
了治:え・・・??
夜理子:わたしが雪男に脚をやられたとき・・・あなたはわたしを放っていかなかったでしょ?
そしてあの時こういったのは・・・
「もし見捨てていったら、夢も希望も捨てる事になる」・・・・・・あなたじゃないの、了治君!?
了治:ハッ・・・
私は、また夢というもの、希望というものを忘れかけていた・・・
マッシュ:そうさ!ボクらは仲間だ!仲間ってのは・・・
ともに夢を追い続ける者・・・じゃなかったのか・・・・・・?
了治:2人とも・・・・・・
マッシュ:あぁ・・・冷たい・・・・・・ダメだ、凍えちゃうよ・・・・・・
夜理子:ジョージ!
了治:くそっ!立てない!!うぬぅ〜〜〜っ・・・
人魂:げへへ!!何ゴチャゴチャと言っておる!とどめを・・・
夜理子:させるものならさしてみなさい!!
人魂:げ・・・ちょっと怖ぇわ・・・
夜理子:ライターで暖めてやるわよ!
了治&マッシュ:・・・・・・え?
夜理子:こんな南極に何十年もいたら、身も心も冷えるわよね・・・
人魂:な、何だコイツ・・・
夜理子:かわいそうに・・・これであったまってね。
人魂:あぁ〜・・・なんだか暖かくなってきた・・・
夜理子:さぁ・・・つまらない恨みなんか捨てて、あの空を見て・・・
人魂:おお・・・輝いて見える・・・
人魂:母ちゃ〜ん・・・
夜理子:どう?
人魂:なんだか・・・どうでもよくなってきたな。
マッシュ:な、何が?
人魂:あんな石ころを必死で守り続ける我々がバカらしくなってきた・・・
夜理子:じゃ、もうジャマしないでくれる?
人魂:わかった。好きなようにしなよ。
人魂:なんか・・・安らかに天国へいけそうな気がする〜・・・
夜理子:じゃあね、人魂さん・・・
人魂:あぁ・・・これまで我々を暖かくしてくれた奴は・・・あんたが初めてさ・・・
人魂:よし、じゃあ早速、上へ行こうぜ!
人魂たち:じゃあな・・・

一晩たった。嘘のように空は晴れ、呪われていた体は驚くほど自由に動く。
了治:う〜ん、むにゃ・・・何があったんだろう?
マッシュ:すごく、暖かい夢を見させてもらったような・・・
夜理子:ううん・・・気のせいよ、きっと。それより、冒険がんばりましょ!
了治:そうだな、フュエルまではあと1歩!!がんばろう!!
マッシュ:オオオ〜〜〜!!!
私は、この夢のような出来事で、「仲間」の存在が分かった。
仲間とは・・・ともに夢を追いかける同志である。
仲間とは・・・ともに追いかける夢を、あらゆる人々に伝えることのできる者である・・・
仲間・・・とは・・・・・・そう、かけがえのない存在なのだ!
この一言を胸に刻んで、私たちは意気揚々と歩き出した。

3日ほど歩いた。私が調べた地点はもう目と鼻の先。
来る発掘の瞬間にそなえて、焦げかけたテントでぐっすり寝ることにした。
了治:なあマッシュ・・・
マッシュ:何だい?
了治:あのあと・・・ジャックはどうした?
マッシュ:ニューヨークシティの病院に1晩入院したら、すぐ元気になったよ。
夜理子:よかったわね。
マッシュ:そういえば・・・・・・飛行機を降りてから気づいたんだけど・・・
了治:え?
マッシュ:リュックのポケットの中に、こんなものが・・・
なるほど、コインくらいの大きさの石製の円盤の破片だ。
そして、よくみると・・・
了治&夜理子:・・・あ。
私たちのポケットにも、破片が入っていた。どういうことだろう・・・?
だが、冒険家の勘としては、何か重要なものに違いない。バラバラのまま持っていよう。

朝が来た。とてもさわやかな朝だ。
マッシュが持ってきたアメリカンビーフの缶を食べながら、身支度を済ませた。
そして歩く事30分、発掘地点へたどり着いた!
マッシュ:やったな〜〜!!!
了治:喜ぶのはまだ早い・・・フュエルを掘り出し、持って帰るまでが冒険だ。
夜理子:じゃ、さっそくこの山を掘りましょう。

私たちは、輝く未来を胸に、山を掘り続けた。
だが・・・夜になっても、フュエルが出てくる気配は無い。
了治:おかしいな・・・?確かに調べた地点に間違いは無いのに・・・
夜理子:でもめげる事は無いわ。また明日にしましょう。
マッシュ:そうだね・・・
・・・というわけで、掘りつくした山の隣に、テントを敷いて寝た。

あくる日も、あくる日も、付近の山々を掘り続けたが、一向にフュエルが見つかる気配はない。
それどころか・・・
???:グルルル・・・
了治:!?
雪男:グルルルルオオォォォォア!!
(この間はよくも、わが子分をかわいがってくれたな!!)
マッシュ:うわ!雪男の親分がっ!!
夜理子:発掘どころじゃないわ!逃げましょう!!
雪男:グホホッ、グホホッ!!(逃がすわけにはいくまい!)
ウラアッ!(くらえっ!)
3人:ギャウン!
私たちは、転んだはずみに飛び出した、例の破片をみて・・・
了治:そうか!そういうことだったのか!!
夜理子:どういうこと?
了治:じつはね・・・冒険に出る前、数樹が夢に出てきて・・・
それで、お告げのような事を言ってたんだが、こういうことだったのか!!
マッシュ:だからどういうことだい?
了治:ちょっと、破片を貸してくれる?
夜理子&マッシュ:はいよ。
了治:よし、合体!!(ビカ〜〜〜ッ)
雪男:ガフッ!?(何だ!?)
数樹:おお、了治・・・
了治:数樹!
数樹:ついに円盤を使ったね。こないだお前の夢の中で言ったが・・・
どうしようもなく困った時は、破片を合体させてくれと。
夜理子:数樹君!もう人魂もいなくなったんだから、ゆっくり休めばいいのに・・・
数樹:キミたちがこんなに困ってるのを、黙って見過ごせるわけないだろ!
マッシュ:・・・
数樹:いいか了治?今オレは天国にいるわけだが、今度の冒険でも仲間だ!
了治:数樹・・・
数樹:その仲間が困ってるのを放っていくなんて、仲間じゃないだろ?
夜理子:そうね・・・それじゃ、フュエルが中々見つからなくて困ってるんだけど・・・
数樹:そうか・・・全て天から見ていた。それじゃ、合体した円盤に力を込めるぞ。
私たちは、数樹が残した最後の光に、驚き口を開け放っていた。
了治:おお!円盤から一筋の光が・・・
数樹:その光を・・・追えば・・・・・・フュエル・・・が・・・・・・・・・見つ・・・・・・か・・・・・・
了治:数樹っ!!
数樹:もうオレの中の全ての力を使い尽くしたようだ・・・さらば・・・・・・
マッシュ:数樹さん!!
数樹:最後・・・・・・に・・・・・・ひと・・・こと・・・・・・・・・
夢という・・・の・・・・・・は・・・・・・・・・見るだけの・・・もの・・・・・・じゃ・・・ないん・・・・・・だ・・・
・・・・・・かなえる・・・・・・・・・べき・・・も・・・・・・の・・・・・・・・・
了治:数樹ィィィィィ!!!
こういって、数樹は再び空へと旅立った。

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