「もう1つの」ドリームハント冒険記


シャドウクラッシュ!さん作

第9章〜最後の戦い〜

了治:・・・・・・・・・
夜理子:・・・・・・・・・
マッシュ:・・・・・・・・・
了治:さぁ!数樹が残した言葉を胸に、もう一度出発してみようか!
マッシュ:うん!
夜理子:それじゃ、円盤を・・・
了治:おう。・・・・・・
私は、数樹のこと、能蔵町のこと、それから日本全国への想いを、
円盤に託した・・・
円盤が、ピカッと輝き、東の方向を示した。
了治:あれ・・・どうやら、オレたち、調べ物を間違えてたらしいな・・・
夜理子:でも、光の方へ行ってみましょう!

少し歩いた。円盤が激しく光る。間違いない、ここだ。
・・・だが、私たちももう体力の限界だ。食料ももう残っていない・・・
私たちは、3人がかりで、ローテーション式にフュエルを掘り出すことにした。
その間2人は、空っぽのテントで休息をとることとなった。
了治:まずマッシュ、この辺を掘ってくれ!
マッシュ:ここだね?オッケー、任してくれ!
・・・1時間たった。
マッシュ:ぜぇ、ぜぇ・・・ボクには・・・・・・ここまでしか・・・
了治:マッシュ、よくがんばった。ありがとう。
次に夜理子、頼んだよ!
夜理子:任しといて!
マッシュ:ぜぇぜぇ・・・了治・・・・・・お前は、何もしないのか・・・?
了治:いや、来る時を待って、休んでいるだけだ。
最後はオレ・・・・・・いや、オレたちの手で、フュエルを掘り出そうじゃないか!
マッシュ:そ、そうだね・・・

また1時間・・・
夜理子:はぁはぁ・・・限界よ・・・・・・思った以上に、深い・・・・・・わね・・・・・・
了治:それじゃ、オレが最後に行くよ。
・・・もう、ここまで来たからには、失敗は許されない・・・
私は、慎重に狙いを定めて、全力で掘り続けた・・・

また1時間。この私でさえも限界・・・・・・
こんなところで終わるなんて・・・・・・・・・私としたことが。そんな時・・・
夜理子&マッシュ:了治〜〜!!!がんばれ〜〜〜!!!
2人が、私を応援してくれてるようだ・・・
その声援を胸に、もう少しだけ掘り続けた・・・

・・・なのに、まだ出てこない・・・・・・さすがの私もあきらめかけてしまった・・・
了治:へぇ、へぇ・・・・・・もう、体力の限界・・・・・・一度引き返し・・・
夜理子:帰さないわ!
マッシュ:そうだ!ここまで来て帰るなんて許さないぞ!
了治:2人とも・・・
夜理子:ほら、日本中が豊かになって喜ぶ姿を・・・そして、
緑豊かな日本の景色を・・・・・・そして・・・
天国の数樹君が喜ぶ姿を・・・・・・思い出して・・・・・・・・・
マッシュ:了治・・・・・・
そのときだった。円盤が徐々に光を増してきた。もしかして、これが願いの力か!?
そうだ、違いない!天国から、数樹が力をくれたんだ!!
私の体に、なんとも言えない力がみなぎってくるぞ!!!
夜理子:やった!了治君が立ち上がったわ!!
マッシュ:ボクらには、キミを応援する事くらいしかできない。だから、必死で願うぞ!
夜理子:がんばれ〜〜!!!
マッシュ:ファイト〜〜!!!
不思議だ!一言一言が、私に力を与えてくれている!!
雪山は不思議なほど掘れていく。そして、何か手ごたえがした・・・・・・

了治:まさか、これは!?
夜理子:もうちょっと掘ってみて。
了治:・・・・・・・・・・・・・・・やったぁ!!間違いない、グリーン・フュエルの鉱石だ〜〜っ!!!
マッシュ:了治!ついにやったんだね!!!
了治:あぁ・・・ついに・・・・・・ううっ・・・
私は、まめだらけの手で、夜理子とマッシュに抱きついた。勝利の叫びだ。
そしてさらに掘っていき、フュエルはゴロゴロと見つかった。
了治:だが喜んじゃいられない!これを日本まで持ち帰らなきゃ!
マッシュ:ボク、物を運ぶのは得意なんだ!言い忘れたけど、運送屋をやってるからね。
夜理子:じゃ、ジョージに、飛行機のくる場所まで運んでもらって。
わたしが飛行機の場所で待つから、了治君はここでフュエルを掘ってて。
了治:よっしゃ!任しといて!!
・・・そして一週間がたった。マッシュが追加で持ってきてくれた食料のおかげで、飢えを凌げた。
そして、フュエルは全て運び終わった。
マッシュは、飛行機の操縦士に頼んで、荷物を積むトランクを借り切ることに成功。
そして、フュエルを積み終わり、南極を立とうとしたとき・・・
???:よぉ・・・覚えてるかい?
勿論覚えている、あのときの人魂だ。
人魂:あんたたち・・・すげぇじゃねえか。見くびってたぜ。
人魂:その石は全部あんたらにやるよ。
人魂:俺たちに暖かな夢を見させてくれて、感謝してるぜ!
夜理子:さぁ了治君!急ぎましょう!

・・・1晩たった。飛行機が、ニューヨークシティーに到着した。
ひとまずトランクからフュエルを運び出しておいた。
だが、体力も限界なので、空港の近くにあるマッシュの家に泊めてもらうことにした。
マッシュ:じゃ、上がって。
了治&夜理子:お邪魔します。
マッシュ:しかし、今回は大冒険だったね〜。
了治:早速悪いんだけど・・・この防寒服を捨てていいかい?
夜理子:わたしも・・・
マッシュ:うん!責任持って始末しておくよ。
それから、今暖かい料理を作ってくるから、少し待ってて。
台所から、楽しげな火の音がこだまする。
了治:さて、夜理子・・・このあと、どうしようか?
夜理子:とりあえず1〜2泊して、成田行きの空港までフュエルを運んで、
成田に着いたら町長さんに連絡を入れましょう。
了治:そうだね!町長は連絡を入れればすぐ来るよ。
マッシュ:お待たせ、暖かいグラタンを作ってきたよ!
了治:おお、うまそう!いただきます!
夜理子:わたしも・・・いただきます!
私は、まるで子供のように、マッシュルーム入りグラタンをむさぼり食べた。
了治:あぁ〜、生き返った・・・
マッシュ:ところで、これから日本に帰るんだよね?
ボクにも、フュエル運びを手伝わせてくれよ!
了治:もちろん!オレたち、仲間だものな!
夜理子:食べたら今日はもう寝て、明日体勢を整えましょう。
マッシュ:そうだね・・・じゃ、ごちそうさん。
了治:ごちそうさま〜。
そして、食器を片付けると、私たちは客用のツインベッドルームに駆け込んだ。

翌朝、さっさと朝食を平らげると、早速積み込み作業に取り掛かった。
まずは、ジェットを1つ借り切らなければならない・・・
了治:・・・というわけで、何とかいい方法は無い?
マッシュ:全然、たやすいことさ。ボクが入っている運送会社から、
運送用のジェットを1機借りてくるよ。
夜理子:でも、場所は・・・
マッシュ:うちと会社が近いから、直接運ぶ事にしよう。
了治:それじゃ、出発!
私たちは、マッシュが借り切ったジェットに、フュエルの鉱石をどんどん詰め込んでいった。
そして夜になった・・・やっと積み込み作業が終わった。
マッシュ:ぜぇ、ぜぇ・・・やっと終わったみたいだね。
夜理子:それじゃ、明日このジェットで・・・
了治:いや、もう1日だけ泊まっていい?
マッシュ:何泊でもいいよ!それじゃ、お休み。(バタン)
夜理子:・・・なんで?もうフュエルも積み終わったし・・・
了治:いや、マッシュのために、トミー・ブラウンのサインをもらってこようと思って・・・
夜理子:どうやって・・・?
了治:リポーターだ、取材をさせてくれ・・・といえば、簡単なことじゃない?
夜理子:そうかなぁ・・・ま、いいわ。
ここまでわたしたちのためにがんばってくれたマッシュのためにも・・・
了治:それじゃ、お休み〜。

翌朝。予定通り、記者の格好をして、ブラウンの所属する事務所へ行ってみた。
了治:Please speak to this machine.(この機械に向かってしゃべってください。)
マネージャー:はい、何ですか?
了治:記者のリョージというものですが、ブラウンさんの取材をしたいのですが・・・
マネージャー:ちょっと待っててください。
数分後、マネージャーが部屋から出てきた。
マネージャー:いいですよ。・・・ただし!ブラウンはうちの大人気スターですからね。
制限時間は10分とします!いいですね?
了治:十分です。
マネージャー:では、どうぞ!
私は、うまくマネージャーをだませた事に安堵し、ブラウンの部屋に入った。
ブラウン:やぁ、今日はどんなインタビューだい?
了治:違うよ、杉下了治だよ。覚えてる?
ブラウン:おお、あのときの・・・もちろん。
了治:あの、こないだのキノコヘアーの人が、あなたの大ファンなんだけど、
サインをいただけないかと・・・
ブラウン:ハッハッハ、お安い御用。ちょっと待ってて。
(サラサラサラ)はい。
了治:どうも、ありがとう!
ブラウン:しかし・・・このボクをクレバスから救い出すなんて、鮮やかなもんだ!
もしかして、冒険家をやってるのかい?
了治:うん・・・じつはちょっと前、砂漠に冒険に行ったとき・・・・・・
と、そのとき、ドアが開いてマネージャーが時間切れを告げた。
とりあえず目的の物はいただいたので、さっさと帰ることにした。

家に帰ると、マッシュは夜理子と何やら話をしている。
よく聞くと、前の冒険の話だそうだ・・・
夜理子:・・・というわけで、鉱物を発掘してきたのよ。
マッシュ:へぇ・・・了治って、思った以上にすごい冒険家だね・・・
夜理子&マッシュ:あ、了治(君)・・・おかえりなさい。
マッシュ:どこ行ってたの?
了治:あとで教える。
マッシュ:・・・・・・?
夜理子:(もしかして、トミーのサインを・・・)
了治:(うん。なんとかゲットしてきた・・・)
その後、私は町長に国際電話をかけ、成田まで来るように言っておいた。
了治:もしもし、杉下ですが。
町長:おお、杉下さん!発掘は成功しましたか?
了治:はい、大成功でした!どっさり取れましたよ。
町長:そりゃ良かったですね!それじゃ、早速成田まで行きますよ!
了治:はい、私たちもそろそろ行きます。ところで、今そちらは何時ですか?
町長:まだ朝6時です。今出発すれば夕方に着くはずです。
了治:はい、分かりました!(ピッ)
・・・というわけで、そろそろ出発しよう!
夜理子:そうね・・・今こっちは夕方だから、向こうは朝になったばかりのはずね・・・
マッシュ:そうか、もう行っちゃうのか・・・さびしくなるなぁ・・・
了治:それじゃ、マッシュ・・・今までありがとう。その気持ちを込めて・・・
(私は、ブラウンのサインを差し出し・・・)これを贈るよ。
マッシュ:こ、こ、こ・・・これは!?まさか、トミー・ブラウンのサイン!?!?
ど、ど・・・どうやって手に・・・・・・いや、それより・・・
ありがとう!素敵なプレゼントだ!こっちこそ、ジャックを助けてくれてありがとう!!
了治:それじゃ、最後に1枚、写真を撮っていこう。
私は、マッシュのカメラを借り、3人で記念撮影をして、徐に家を出た。
アナウンス:間もなく、成田行き1便が発進いたします。
了治:おっ、急げ!
マッシュ:ちょっと、了治!
了治:・・・え?もう行っちゃうよ!?
マッシュ:フュエルは、うちのジェットに積んだんだけど・・・
了治:あ、そうか・・・でも、3人座れる?
マッシュ:うん。4人まで座れるよ。
了治:でも、成田に止まれるの?
マッシュ:細かい事は気にしないで、早く運送会社へ!

そして、私たちは準備を済ませ、マッシュのジェットに乗り込んだ。
成田までは半日ほどかかるので、ジェットの中で寝ることにした。

・・・気づけば、半日ずっと寝ていた。もう日本は目前だ。
そんなとき、一通の電話が・・・町長からだ。
了治:はい、もしもし。
町長:おお、杉下さん!今成田に着きましたよ!
了治:そうですか!こちらもすぐ着きます。
町長:総理に報告して、トラックを3台借りてきましたぞ!
了治:ありがとうございます。
町長:それでは、第3ターミナル付近にて、待ってます!
了治:はい、どうも。
私は電話を切り、積み込み作業に向けて体をほぐす事にした。10分後・・・
マッシュ:そろそろ到着だよ!降りる準備をして!
了治:夜理子・・・もう到着するよ・・・起きて・・・
夜理子:う〜〜ん・・・あぁ、グッスリ寝てたわ〜・・・もう着くの?
了治:うん、もうすぐだよ・・・あっ、もう滑走路が見えてきたよ!
マッシュ:それじゃ、着陸するよ!シートベルトしまってる?
おおっ・・・うおおっ〜〜・・・・・・
ジェットがガタガタゆれている!大丈夫か!?

マッシュ:・・・どうやら、無事に着陸したようだ・・・
了治:ふぅ・・・
夜理子:それじゃ、まず町長さんに挨拶に行きましょう!
了治&マッシュ:うん!
私たちはジェットを降りて、ターミナルを探した。
町長:おお〜〜〜!!!杉下さ〜〜ん!!!
了治:あっ!(私たちは、町長のもとへ走り・・・)町長!ただいま帰りました!
町長:いやぁ、長い冒険、お疲れ様でした。もうこっちは冬に入ろうとしていますよ。
どうりで・・・町長が長袖を着ているわけだ。半そでは少し寒い・・・
町長:ところで、フュエルは・・・
了治:こちらのジョージ・マッシュ君に協力してもらいました。
マッシュ:どうも・・・了治さんにはお世話になりました。
町長:いえいえ、こちらこそ。ご協力ありがとうございます。
夜理子:今回の冒険は色々大変な事もありました。
でも、同時に少しわたしたち、強くなった気がします・・・
そうか!これが「希望」の力ってものか!私もまた、かつてない達成感に満ち溢れているのが分かる。
そしてその後、ターミナルを一部借り切って、1日がかりでフュエルを積み込んだ。
町長:では、出発しましょう!
了治:マッシュ・・・今度こそさようならだね・・・・・・
マッシュ:う、うん・・・・・・・・・ありがとう・・・
了治:・・・・・・・・・・・・
夜理子:とっても、楽しい冒険だったわ。
思えば・・・あなたがクレバスに落ちたおかげで・・・わたしたち、何か他と無いものを手に入れたわ・・・
了治:お前の・・・ジャックを思い、絶対助けようという思い・・・しかと受け止めたよ。
マッシュ:ほんとうに・・・ありが・・・・・・グスッ。
夜理子:やめてよ、ジョージ・・・わたしまで・・・・・・グスッ。
了治:別れを悲しんだってしょうがない・・・また・・・いつかきっと会える・・・・・・
そう信じようじゃないか。そのために・・・
夜理子&マッシュ:何?
了治:最後に、3人で握手を・・・
私たちは互いの手を、強く握り締めた。再開を誓う握手だ。
そして、マッシュは母国へと立った・・・
了治:・・・・・・さぁ、冒険もあと少し!最後までゲンキに行こう!
夜理子:そうね!これを、首相のところへ持っていくのね?
町長:はい・・・国会まで行ったら、あとは私がやりますので。
お2人は、先に帰ってよろしいですよ。
了治:それじゃ、出発!!
町長:任せてください!

・・・そのあとのことだが、私は所持金がなかったので、夜理子の家までついていき、
車で送ってもらうことにした。・・・半日経ち、久しぶりの自宅へ着いた。
もうクタクタだ・・・日記を書く元気もなくなってきた・・・
とりあえず、今日はもう寝よう・・・

目が覚めたら、朝になっていた。・・・そういえば、不思議な夢を見た気がする。
数樹がやってきて、お告げのようなことを・・・・・・・・・たかが夢だ。気にする事はない。
・・・あれ?前にこんなことがあった気が・・・細かい事は気にしない。

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