D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜


リボルバンディクーさん作

第七章 帰国

俺はウォンの部屋に入ってウォンを横に寝かせた。
近くにロープがあったのでウォンの腕に巻きつけた。
「さて、消毒液はどこだ?」
「待て、おっさん・・・」
「ウォン!何だ?」
「龍にやられた傷は消毒するだけじゃだめだ・・・」
「じゃあどうしたら?」
「死体安置室に注射器と薬品がおいてある。それを持ってきてくれ」
「わかった。あと、ひとつだけ言わせてもらいたいが」
「何だ?」
「俺の名前は村田清貴だ」
俺はそう言って死体安置室に向かった。
薬品どこだ?あった!
俺は薬品の入ったビンと注射器を持った。
突然巨大な破壊音が部屋に鳴り響いた。
「なんだ!?」
部屋の壁が壊され、外で殺したはずの龍がやってきた。
切り落としたはずの首がまたついていた。
「グオーー!!」
クソ・・・
俺はハンドガンを構えて後ろに下がった。
いったいどうしたらいいんだ・・・そうだ!
俺は龍と間合いを取りつつ無線機を手に持った。
「ヨン!こちら清だ」
「清さん!」
「今どこにいる!?」
「中国の飛行場です」
「戦闘機あるか?しかも大型の」
「あると思いますが・・・なぜですか?」
「ミサイルを積んで此処まで着てほしい。場所わかるよな?」
「わかりますけど・・・ミサイルとかだめですよ!」
「龍に襲われてるんだ!とりあえず着てくれ!俺ともう一人乗れる飛行機だぞ!」
「え、ちょっと待って・・・」
俺は無線を切った。
龍は襲ってくる気配を見せない。俺はウォンのいる部屋に入った。
「ウォン!治療は後だ!外に出るぞ!」
「わかった・・・」
俺はウォンを担いで外に出た。
ウォンを少し離れた場所に寝かし、薬品と注射器を渡した。
「ありがとな」
ウォンは注射器に薬品を入れて注射を自分の腕に打った。
俺は龍のいる方向にハンドガンを構えた。
ゆっくりと龍がウォンの家から出てきた。
「グオーーーーーー!!!!!!」
ヨンが来るまで持ちこたえなければ!
龍はまた近くに転がっている龍を食べ始めた。
食べ終わった瞬間目にも留まらぬ速さでこっちに向かってきた。
俺は間一髪避けることができた。
俺はウォンの刀を手にして龍を背中から切り倒してやろうと思った。
しかし龍は空高く飛んで俺の後ろに回った。
振り返った瞬間龍は爪で思いっきり引っかいてきた。
「グバ!」
俺は後ろに倒れた。龍が俺の上に乗りかかってきた。
「ギャアーーー!!!」
龍が倒れた。
「清貴!まだまだだな」
ウォンが刀を持って立っていた。
「大丈夫なのかお前!?」
「大丈夫だ!それよりこいつに攻撃されたのか?」
「ああ」
「これを腕に打つぞ」
ウォンが俺の腕に注射を打った。
「なんでこれを打たないといけないんだ?」
「ウイルスが体に回るからだ」
「ウイルス・・・まさかお前ウイルスのことを最初から知っていたのか!?」
「詳しいことは後だ。またこいつが蘇るぞ!」
龍がまた立ち上がった。

ダダダダダダダダダダダ!!!

機銃の音が鳴り響いた。
「ギャアーー!!」
龍が倒れた。
「清さん!つかまって!」
上を見ると飛行機が飛んでいて、浮き輪が落ちてきた。
「ヨン、早かったな」
「早くつかまって!!」
俺とウォンは浮き輪につかまった。
ロープが引っ張られて俺たちは飛行機の中に入った。
「2人ともそこの椅子のシートベルトを締めて!」
俺たちは椅子に座ってシートベルトを締めた。
飛行機の扉が閉まって動き出した。
「後ろに龍確認!揺れるからしっかり椅子につかまって!」
機体はものすごい速さで飛んでいる。しかし龍もそれに負けない速さで飛んでいるようだ。
「逃げれるか?」
「無理ですね・・・仕方ない。殺ります」
飛行機はUターンして龍のほうを向いた。
「ミサイル発射!」
機体からミサイルが発射された。見事龍にヒットした。
龍は木っ端微塵に吹き飛んだ。
「やったな!」
「とりあえず中国の飛行場に戻ります」
飛行機はまた進み始めた。
「ウォン、ウイルスのことだが・・・」
「分かった。お前の知りたいことを全部言ってやるよ」
ウォンが喋り始めた。
「一年前・・・確か日本の島にアメリカが゛あの゛爆弾を落としたときくらいかな」
「・・・あのことか」
「そうか、お前たちWPKもその島に行ってたんだったな」
「そんなことまで知っているのか!?」
「ニュースになってたじゃねえか」
「そうだったかな・・・とにかく続きを」
「その事件から一ヵ月後、村に一人の男が来たんだ」
「男?」
「歳はまあまあいってたかな。そして片目に眼帯をしていた」
「眼帯・・・」
「その男は俺にあるものを渡してきたんだ。それがこれさ」
ウォンは死体安置室にあった注射器と薬品を見せた。
「その男は俺にこう言った。もし変な生物に怪我を負わされたらこれを打て。と」
「ほお・・・」
「そしてその男が村を去った後、俺たちが戦ったような奇妙な生物たちが出現しだしたんだ」
「そうなのか」
「そしてその約一年後に清貴が来たって訳だ」
「・・・あまりいい情報にはなってないけどな」
「うるせえよ!!」
「ヨン、後何時間でWPKにつく?」
「まずこの飛行機を返すために中国の基地に行きます。そこにWPKから超高速大型戦闘機が来ているということなのでそれに乗り換えてWPKに戻ります。なので恐らく5時間くらいで着くと思います」
「5時間!?そんな早く着くのか?」
「超高速、ですからね」
じゃあなんで俺の乗った飛行機はのろのろしたやつだったんだ!?
「清、俺はどうなるんだ?」
「WPKで保護した後何かするだろう。心配はしなくていい」
「良かった・・・」
ウォンはそう呟いて目蓋を閉じた。
ラゴン中国社で発見できた資料は一つ。新種のドラゴンウイルスの存在。
次はアメリカか・・・今回みたいに一筋縄ではいかないだろうな・・・

《第一部 完》

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