D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜


リボルバンディクーさん作

第二章 死闘

MRDはこっちに向かって物凄い速さで飛んで来た。
俺は頭部に一発銃弾を当てた。しかし、分厚い装甲には傷一つ入ってないようだった。
「ジャン、全く効かねえぞ!」
俺は運転しているジャンに向かって叫んだ。
「どこか奴の装甲が薄い所があるだろ。そこを狙え!」
どこだよ!俺は狙撃銃を適当な箇所に撃ち続けた。だがまったく歯が立たない。
MRDはこっちに向かってバルカン砲を発射してきた。
「ジャン!」
ジャンの運転技術で何とか避けることができた。
「若造、なんとかしてくれ・・・」
そんなこと言われてもどうすることもできねえよ。
弱点はどこなんだ・・・
「若造!前も頼む!」
俺は運転席の方向を見た。銃を持った龍達が空を飛んでいた。
俺は一体ずつ撃ち落していった。
その時、ジープに物凄い振動が走った。
「チッ!」
ジャンは急いでハンドルを切ったが無駄だった。ジープは転倒し、俺たちは投げ飛ばされた。
恐らくMRDが突進してきたんだろう。俺は急いで立ち上がり、狙撃銃を手に持った。
「ジャン、大丈夫か!?」
俺はジャンを探した。
「若造・・・助けてくれ・・・」
ジャンの声をするほうを見た。ジープの下敷きになってやがる・・・
「すぐに助け・・・れない・・・」
ジープの後ろにはゆっくりとMRDが迫っていた。ジャンをターゲットにしているようで俺には一切見向きもしなかった。
落ち着け・・・奴は半分機械なんだ・・・
「目だ!」
ジャンが叫んだ。目・・・だと・・・
俺はMRDの目に標準を合わせた。どうやらセンサーのようになっているようだ。
俺は狙撃銃で目を撃った。目のセンサーが砕け散った。
MRDその場で停止した。やったか!?
「若造、早く助けてくれ・・・」
運良くジープは少し力を入れただけで動いた。俺はジャンを引きずり出した。
「助かったぜ。さあ、ラゴン社まではまだまだだ。ジープに乗れ」
ジャンはそう言ってジープを元に戻した。頑丈なジープだ。
俺たちはまたジープに乗って走り出した。
「赤外線モード故障。サーモグラフィモードに変更」
MRDからそのような声が聞こえMRDはまた立ち上がった。
「まだ死んでなかったのか!?」
俺はそう言ってまた狙撃銃を構えた。
俺はまたMRDの目を狙い、狙撃銃を放った。しかし、MRDはびくともしなかった。
「ジャン、きかねえぞ!」
「こうなったら一か八か・・・この先にはラゴンの発電所もある。その近くに行けば何とかなるかもしれない」
なるほど。MRDはほぼ機械だ。発電所の近くに行けば少なからず電磁波が流れていることだろう・・・多分。
「分かった!早くしてくれよ!」
俺はそう言ってジープにつかまった。
「おい、ちゃんと応戦してくれよ!」
ジャンが叫んだ。だが、あんな相手戦うだけ無駄だ。俺はジープにつかまり続けた。
ん?突然MRDが立ち止まった。様子がおかしい。
「ジャン、MRDが止まったぞ」
「あん?マジかよ」
ジャンは運転しながらMRDのほうを見た。
「おい若造!奴、ミサイル発射準備を行ってるぞ!」
「やばいじゃねえか!どうしたら・・・」
「撃ち落せ!その狙撃銃だったらできるさ」
無理だろそんなことよ・・・そう思いながら俺は狙撃銃を構えた。
MRDの翼部分からミサイルが四発発射された。
速い・・・上手く狙えるか・・・
俺は狙撃銃を撃ち放った。
ミサイルの一発に何とか着弾し爆発した。それに巻き込まれ、他のミサイルも次々に爆発した。
「やったか!?」
「すげえじゃねえか若造!」
ジャンはそう言って猛スピードでジープを走らせた。
「おい、まだ着かねぇのか!?」
俺は焦りながらジャンに話しかけた。さすがにコレが続いたら持たねぇよ・・・
「あと一キロ」
「はぁ!?」
一キロだと・・・!?
「マジで言ってるのか?」
「ああ・・・ってあの体制は、やべぇぞ・・・」
「ん?・・・何やってるんだあれ?」
MRDは再び立ち止まり、その場にしゃがみこんだ。
「・・・レールガン」
「レールガン?」
「レールガンを撃って来るぞ・・・」
レールガン・・・電磁誘導を利用して弾丸を放出するという兵器らしい。一応実用化に向けて試験がされているって聞いたことはあるが、まさか既に実用化されてたとは・・・
「おい若造よく聞け」
「あ?」
「ジープを捨てる。此処からは徒歩だ」
「何言ってやがる!?」
馬鹿なのか!?そんなことしたら奴に殺されるだろ・・・
「あのレールガンは対戦車用につけられたようなもんだ。ジープを撃つ事ができても人間くらい標的が小さいと狙うことができないんだ」
「・・・そうか。それでジープを囮にして俺たちは逃げると」
「ああ。それにレールガンの射出後にMRDは一定時間動くことができない。逃げるのは簡単だ。行くぞ!」
ジャンの掛け声で俺とジャンはジープから飛び降りた。そしてレールガンの射程範囲から遠ざかった。ジープはそのまま直進している。
そして、MRDからレールガンが発射された。爆音と電流とともに弾丸が飛んでいき、ジープに直撃した。一瞬にしてジープは木っ端微塵になった。
「ふう・・・危ない。大丈夫か、若造」
「ああ・・・」
俺とジャンは発電所に向かって歩き出した。

戻る