D・R・A・G・O・NU 〜Three Companys Three Evils〜


リボルバンディクーさん作

第三章 潜入

約一時間後、俺とジャンは発電所の前に着いた。
「やっと着いたな・・・ジャン、どうやって潜入したらいい?」
入り口には何個も監視カメラが付いており、そこから入るなんて問題外だ。また、発電所の周りは巨大な塀が立っており、よじ登るのも難しそうだ。ジャンなら何かいいルートを知っているかも知れない。
「そうだな・・・これしかないかもな」
ジャンはそう言って手に持っていた狙撃銃を構え、入り口の監視カメラを撃ち始めた。
監視カメラは次々と壊れていき、発電所内のサイレンが鳴り響いた。
「おい、何してるんだ!?」
馬鹿だろこいつ・・・まじでふざけるな。
「監視カメラはあそこにしかない。中は恐らく警備の龍だけがいると思う」
「・・・質問に答えろよ」
「人間はいないと思うから思う存分暴れていいぞー。ほら来た!」
入り口から何体もの龍が飛び出してきた。龍はこちらを見た瞬間、銃を構えてきた。
「クソ!」
俺はアサルトライフルを構え、龍を次々と撃っていた。龍はどんどんと倒れていった。
「若造、行くぞ」
「分かったよ・・・」
もっと賢い方法あったと思うんだけどな・・・
俺とジャンは龍を撃ち殺していきながら発電所内部へと入っていた。
「此処の構造はどうなってるんだ!?」
「いろいろ施設があってややこしいんだが、発電所のタービンを止めるのが先決だ。まずは制御室に行くぞ!付いて来い!」
ジャンが前に立ち、龍を倒しながら前に進んでいった。
俺はその後につき、ジャンのバックアップをした。
龍の数は想像以上に多く、いたるところから飛んでくる。
「クソ!いったんストップだ!」
ジャンは急に立ち止まり、物陰に隠れた。俺もその隣に隠れた。
「どうした?」
「龍の数が多すぎる。ここで全員を倒してから先に進むぞ!」
ジャンはそう言うと狙撃銃のスコープを覗き、空を飛んでいる龍を撃ち落していった。
俺も地上で銃を撃って来る龍をアサルトライフルで倒していった。
何分にも渡る銃撃戦の末、俺たちは何とか龍を倒すことができた。
「これで終わりか?」
「まだ油断はできないが、とりあえず先に進もう」
ジャンと俺は立ち上がり、制御室へと向かった。
「ここだ」
数分後、俺達は制御室に着いた。
「どうして此処に来たんだ?」
俺は尋ねた。此処の電気を止めてどうするつもりだ。
「此処で作られた電気は地下にある研究所に供給されている。地下に入るためにはまず此処の電気を止めて、無人のセキュリティシステムを少しの間だけでも止める必要がある」
ジャンが答えた。
「研究所・・・だと・・・?」
此処の地下に研究所があったのか。発電所はそれを隠すためのダミーでもあり、十分な電力を供給するためでもあったようだな。
「そうさ。ま、こんなことしなくても研究所に人はいないと思うぜ」
「は?」
何言ってるんだこいつ。
「もう、此処の研究所は捨てられたも同然。お前、MRDを見ただろ」
「ああ」
「あいつみたいな危険な兵器がここらをうろちょろしてるのは、実験データを採取するためだった。そして実験終了後、MRDを本社に写すための準備をしていた。だが・・・」
「だが?」
「研究所で準備を行ってた時、MRDが暴走を起こしたんだ。そのせいで施設内はめちゃくちゃ。当然大量の研究員が死亡、生き残った奴等もすぐに此処を捨てていった。俺はその時も荒野で見張りをしてたから巻き込まれなかったんだがな」
・・・待てよ。ラゴンの奴等は全員ここから立ち去ったんだろ。じゃあ何でこいつは此処に残ったままなんだ。
「お前、何で此処にいる?ラゴン社の人間なんだろ」
「・・・忘れられていた、とでも言っておこうか」
忘れられてたってそれは無いだろ。これは何かあるな。
「嘘・・・じゃないよな?」
俺がそう言ったその時、突如巨大な音が聞こえた。
「何だ!?」
俺とジャンは外に出た。
何!?
俺達の目の前には何とMRDがいた。
「・・・ジャン、どうする」
「・・・逃げるぞ、若造」

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