DRIFT☆STREET


レッドゾーンさん作

第1話「紅の悪魔」

8月某日、神奈川県、箱根峠…
夏休みシーズンの今、箱根では毎夜バトルが行われている。
ギュイイイイン!
パシュウン!
「くそっ!追いつけない!」
バトルはチューンされたGC8インプレッサとほぼノーマルのAE86レビン…普通に考えてハチロクが敵うはずは無い…
ビュイイイン!
先にゴールラインを抜けたのはインプレッサ…大方の予想通りハチロクの負け。
「やったな!」
「無敗記録の更新だ!」
クルマから降りたインプのドライバーは颯爽と周りの走り屋仲間に祝福された。
「今、何連勝中だ?」
「28連勝」
「すげえな…」
そしてようやくハチロクがゴールラインを抜けた。
「畜生!」
「瞬佑、やっぱハチロクでインプに勝てるワケねーって…」
すると、瞬佑にインプのドライバーが迫る。
「インプ乗りのプライドに懸けてハチロクなんかに負けるわけにはいかねーからな、素人はとっとと帰れ」
「……」
瞬佑は、何も言い返せないまま、箱根を去った。

ー某ファミレスー
「なあ、涼一…」
瞬佑と一緒にいるのは、友人の河野涼一(こうの りょういち)だ。
「なんだ?」
涼一は瞬佑の問いかけに返事した。
「どうやったらバトルに勝てる?」
「うーん、そりゃあ、もっと良いクルマに乗り換えるしかねーだろ…4A−Gはチューンの素材としてはあまり良くないしな…
GT−Rとかに乗り換えたらどうだ?」
「バッカ!そんな金あったらなあ、とっくにR買ってるっつーの!俺はお前みたいに金持ちじゃねーんだ!だからハチロクに乗ってるのによ…」
「うーん…でも峠でインプは最強と言っても過言じゃねーし、ランエボ級のマシンじゃないとキツイしな…首都高もハチロクのパワーじゃ勝てっこねーしな」
二人は頭を悩ませた。
「…俺のエボで少し湾岸を流すか?」
「ああ」
そうして瞬佑は、涼一のエボを運転することになった。
ー首都高湾岸線ー
ギュイイイイン!
パシュウン!
シフトアップでマフラーからアフターファイアが飛び出した。
「なあ涼一、このエボ、馬力どんくらいあるんだ?」
「大体600馬力くらいだな」
「600馬力だと最高速はどのくらいなんだ?」
「まあ、トルクの配分にもよるけど…高回転よりの配分にすれば300キロはすぐに出る。
まあ、300キロの速度に耐えられる足回りとボディも必要だけどな」
「4A−Gをいくらチューンしても絶対手に出来ないパワーか…」
すると…
ヒュイイイイイイン!
「後ろからものすごい勢いで追ってくるクルマがいる!車種何だ?」
「RX−7…FDの後期型だ!」
「速いのか?」
「峠では速いけど、首都高ではイマイチだな…セブンはとにかく曲げる曲げるだからな…250も出したら…トぶだろうな…間違いなく」
「おいおい…今、軽く280出てるぞ…」
「え?マジ?」
「パッシングしてくる…」
「踏め!今ブーストを1・5に上げる!」
バシュウン!
ガアアアアアアアアアアアッ!!
「クッ…離れない!それどころか追い上げてくる!」
「バカな…REをそんなに回したらブローするはずなのに!」
現在、エボの速度は308キロ…だがFDはその速度を完璧に上回っている…そして…!?
「うわあ!抜かされた!」
こうして瞬佑は謎のFDにあっさりとチギられてしまった…
ー第2話へ続くー

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