DRIFT☆STREET


レッドゾーンさん作

第2話「ガレージ」

ヒュイイイイイイイイン!
エボはFDに抜かれてしまった。
「クッソ!追いつけない!」
ブーストを上げた状態でも差は開く一方だ…
ギュイイイイイイイイン!…グギャッ!!
エンジンから異音が発生した。
「や…ヤバ…」
ー某PA−
プシュウウウウウウウウ…
「悪い…壊しちまった…」
ブーストアップ状態でフルスロットルをかまし続けたせいで4G63はブローしてしまった。
「いいよ、ブーストを上げたのは俺だし、どうせ全損ではないさ」
「…」
「いやだからさ…そんなに気負わなくていいって…まだ自走できっから帰れるよ」
…沈黙が流れた。
暫くして瞬佑が…
「ん?オイ涼一…アレ、さっきのFDじゃねーか?」
「ホントだ…一体どんなチューンを施しているんだ?
350キロを楽に出してた…250で既にまっすぐ走れなくなるようなマシンで…さらにボディも半端無く補強されてるだろうな…」
「見てみるか?」
「ああ」
そうして二人は、FDに歩み寄った。
目の前にきて瞬佑は、
「ボンネットが空いてる…」
と、言った。
「ホントだ…」
涼一はボンネットの中をじっくり見ている」
「RENESISに載せ換えてある…一体誰が手を入れたんだ…?」
「どうなんだ?そのクルマ…」
瞬佑も、涼一ほどではないがクルマに詳しい。
だからこそ、FDの謎を解明したいと思っている。
「ダメだ…全然わかんねー…ひょっとしたら…どっか別の国で作られたのかもしれねーな…」
「おいおい、なんだよそりゃあ…」
「このクルマを作ったチューナーと接触出来ればな…作った本人も分からなかったらそのセンは強まる…」
そして、二人で悩んでるところに…
「俺のクルマの前で何やってんだ?アンタら…」
『うわああああああああああっ!!!?』
二人して飛び上がってしまった。
「ん?アンタらさっきのエボか?」
『は…はい…』
声をそろえて返答した。
「ふうん、壊れたのか?
「はい…」
今度は涼一だけが返答した。
「まだ自走できるか?」
「はい…」
「俺さ、こうみえてガレージ営んでんだ、直してやろうか?ただしこちとら商売でやってるからな…金は頂くぜ、デモカーの運転してバトルで勝てるってんなら別だがな」
とりあえず大井から出てガレージに向かうことにした。
ーガレージー
「自己紹介がまだだったな、俺は金森 剛(かなもり つよし)だ。
お前らは?」
「…赤島瞬佑です」
「…河野涼一です」
二人はまだ動揺していてあまり喋れなかった。
「さてと、エボの状態を見せてもらおうか」
そう言って剛は、エボのボンネットを開けた。
「ふうん、あまり酷くはないな、3日間程度で直せる。
んで、二人のうちどちらかはデモカーの運転してくれるのか?」
そう聞かれて瞬佑は、
「デモカーって…あの…」
「ああ、あのFDだ」
ここにきて涼一はやっと聞きたいことを質問した。
「あの…このFDはあなたが…?」
「いや、違う。
このクルマは5年前、暇つぶしに山に散歩しに行った時になぜか山奥に落ちていたんだ。
ご丁寧にキーまで刺さってな…
リアバンパーを見たらナンバーが付いてて、ひょっとしたらと思ってセルを回したらエンジンがかかったから、俺はFDで家に帰った。
だが後で調べたら既に車検が切れてたんで車検を通しに行った。」
「それで…車検は通ったんですか?」
話の途中で涼一が質問した。
「かなりのハイチューンのはずだったが、不思議なことに通ったんだ。
その後俺はFDを整備した。それで今のFDが出来上がった…っつーか元々出来てたんだけどな…」
〔山奥に落ちていた〕
その言葉を聞いて、二人は更にFDに対する謎を深めた。
「ま、宣伝してくれるってんならとりあえずそのFD乗ってみてくれ」
言われるままに瞬佑はFDに乗った。
イグニッションキーを渡され、セルを回した。
キュルルルル…ヒュイイイン…
静かなREサウンドがガレージ全体に響き渡る。
ギアを入れてクラッチを繋ぐ。
FDは今、1速でゆっくりと動き出した。
「待ってくれ瞬佑!俺も乗る!」
FDがガレージを出る直前に涼一が引きとめた。
コオオオオオオオオオ…
「で?どこに行くんだ?」
「俺ん家が整備工場だってのはお前も知ってんだろ?
バトルをする上で一番大事なのはとにかくクルマを知る事だ。
まずシャシダイ計測で馬力を測る、その後俺がこのFDを細部まで見てやるよ」
「分かった」
ビュイイイイイイイイイン!
瞬佑は言われた通りに涼一の家に向かった。
ー翌日ー
『RX−7改 DATA
13B−REWからRENESISに換装
ボルトオンターボ(ツインターボ、ややビッグサイズ)
高性能ラジエター
パワートレイン全般を強化
4輪Sタイヤ装着
インチアップ
GTウイング装着
C−FRPエアロボンネット』
「これ以外にも様々な改造をしてるけど、キリが無いからココまでな」
「このFD…予想以上に色んな改造がしてあるんだな…」
「今夜はどこを走るんだ?」
「環状線(C1)に行く」
「なるほど…直線番長かどうかを試す訳か、分かった!じゃあ今夜9時にお前ん家行くから待っててくれ」
「おう!」
ー第3話に続くー

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