DEATH DREAM


金色さん作

第1章『夢』



ドンドン滅びていく…
「おい!!生き残ってるやつはいないのか!!??」
だが返答はなくむなしく風が吹きどんよりとした雲が雨を降らせようかとしているだけであり人の気配などまったく感じなかった
「ちくしょう!!!!!何故だ!!!なぜ…」
ジリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!!
「うわぁ!」
チュンチュン…ピピピピピピ…
のどかな朝だ…
小鳥は歌い、太陽は俺を照らし、全てが夢とは違う
だがあの夢も6日連続となると仕事に行くのも嫌になる
「さて…」
そう一人で呟くと買っていた菓子パンを口に詰め込んで洗面所に向かった。
寝癖を直し、歯を磨き、顔を洗って、用を済ませる
「行くか」
たった一日の休みでは、体も心も休まらない
全く医者も大変なものである
朝から人が大量に死ぬ夢を見ると体がだるくなる
だが行かなくてはならない
スケジュール長を見ると
11:00 オペ
15:00 昼食
15:20〜 診察
……………
嫌になる
この一言で全てを片付けてしまいたい
夢の世界も嫌だが現実も嫌になる
むしろ夢のほうがいいかもしれない
ただ死亡診断書を書けばいい
いや
人の死はそんな軽いことじゃない
そう自分に言い聞かせ家を後にし、国立病院に向かった



案の定朝なのに病院に患者は溢れていた
「あっおはようございます菅野英司(かんのえいじ)先生」
「おはよう」
朝から挨拶する気にもなれない
あの夢のせいで最近うなされて起きることが多い
「おはよう菅野君」
「おはようございます楠山院長」
でた
楠山(くすやま)院長
こいつは入ったときからどうも好かない
まぁ十人十色と言うのだからかみ合わない人間がいるのもしょうがないのだが
挨拶を早々に済ませ時計を見る
『11時17分』
「やべ」
オペ室に急いで向かった
まだ始まっていないようだ
「遅れてごめん、さぁ始めようか」

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