DEATH DREAM


金色さん作

第2章『正夢』(前編)



すばやい手つきで腹部を切開
このまますんなりいけば良かった
だが…
「っ!!??」
「先生どうしました?」
「レントゲンに写っていなかったぞ、こんな腫れ物…!」
何故レントゲンに写らなかった…?
特に影になるものも無い
なら何故…
「一回腹部を閉じる!そしたらレントゲン室に運んでもう一回レントゲンを撮れ」
「は…はい…」
手早く腹部を閉じるとレントゲン室に向かわせた



アレは正夢なのか??
いや現実であんなことが起きるはずが無い
もし起きたとしたら地球は破滅に進んでいくぞ…!
いや
深く考えすぎだ…
等と考えてるとレントゲン結果を持った看護士が入ってきた
「…何故写ってないんだ?」
自暴自棄か?
とにかく今は院長に報告すべきだな
「この結果と詳しいことを院長に伝えて来い」
………もしこれが『正夢だとしたら』…世界はどうなるだろう



あのまま頭痛と言って家に帰ってきた
もうウンザリだ
わけが分からない
勘だと明日のオペもこんな調子だろう

携帯を手にとり病院に電話をする
「はい国立総合病院です」
「菅野です、今日オペをした内山さんいるでしょ、悪いけど採決して調べておいて」
一方的に用件を伝えて切った
…やることが無い
…何もしたくない
ボーっとしているうちに『悪夢』の夢の中に引き込まれていく菅野だった



「次の方どうぞ〜」
「昨日から、例の症状が出始めているのでワクチンを…」
「すみません、市役所のほうから聞いてるでしょ、この町にワクチンが回ってくるのは3週間も先だって事」
「そこを何とか…」
「何とか言われても無いものは無いの、後3週間我慢してください、はい次の方〜」
「俺のは…人に移るタイプ…らしいぜ」
「ふ…ふざけるな!!!!!!!!!」
待合室からは悲鳴と泣き声が聞こえてきた、だがすぐに聞こえなくなった
皆死んだのだ

「っ!!??」
どうやら夢のようだ
これが続くと俺は不眠症で倒れてしまう……
もう何が夢で何が現実だが分からない
電話です、電話です、電話です…
名前を見ると小川真理子看護士だった
「はい菅野だが、昨日の採決結果でたか?」
『その件なんですが…どうやら新種の感染型ウイルスのようなんです、今患者の腹部はウイルスで一杯で、空けたら菌ごと外に出てしまいそうなんです』
「何!!??そこまで重症なのか?…国立病院でどうにもならないとなると海外に移すしかないな…院長に聞いておいてくれ」
『分かりました』
「詳しいことが入ったら連絡してくれ、後悪いが今日は休む、オペが入ってると思うから空いてる先生に頼んでおいてくれ」
『分かりました』
通話時間は短かったのにとても疲れた
「新種となるとお手上げだな……………待てよ…もしあれが正夢だとしたら…」
電話です、電話です
真理子看護士からだ
「どうした?」
『先生大変です!、今患者がおう吐したら菌が外に出たみたいで…感染者が続出しています!先生早…グッ…ゴホ!!ゴホ!!ゴホ!!ゴホ!!…ゴボッ!!!』
「真理子看護士!!??」
『グボ…っ!』
ツー…ツー…ツー…
どうやら感染すると…
おう吐や血を吐いて死ぬようだ
「このままだと…!」

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