ゲームの中の不思議な冒険


宗さん作

僕の名前は、服部 和也。小学6年だ。
スポーツとか得意じゃないし、勉強も全く出来ない。おまけに友達もいない。
だが。
僕にはひとつだけ取り柄がある。それは。
ゲーム。その中でも得意なものは、クラッシュ・バンディクーシリーズだ。
そのシリーズで持ってないソフトは無い。もちろん全部クリアしてある。
・・・というのは嘘。まだカーニバルをプレイ中なのだ。あと少しで、4面のボス、オキサイドと戦える。昨日のうちに、ワープルーム4のステージは全てやっておいた。後は、もう戦うだけである。
学校から帰ってきて、すぐにゲームのある部屋に行った。ランドセルを乱暴に床に置き、PS2の電源を付けた。だが。
・・・なぜか付かない。テレビ画面に何も映らない。そのうち、ザーザー音とともに、文字が現れた。
「コントローラーを握れ」
少し怖くなった。でも、そのとおりに、コントローラーを拾って握り締めた。
その途端、体に電撃が走ったのだった。

そして気が付いて周りを見回すとそこは海岸だった。
来たこともないような場所のはずなのに、なぜか来たことのあるような・・・。僕はそう思った。そばには見覚えのある木箱、大きなカニが居た。
・・・ん?コレってまさか・・・「目覚めのビーチ」じゃないか!?
え、え、え、ちょっと待てーー!!何でゲームの中に〜!?
・・・でもまぁいいか♪クラッシュに会えるかもしれないし。
考えるのは後、後。今を楽しまなきゃ。そう思った。
そのときだった。草陰から物音がした。そして勢いよく何かが出てきた。
「・・・ディンゴダイル・・・?」
ディンゴは言った。「ん?誰だお前は?何でオレッチの名前を知ってんだ?
それより、お前焼いたら美味そうだな♪」
「えぇぇぇえ!?お、お、美味しくない美味しくないって!!」
急いで否定した。
「ん〜・・・、そうかぁ・・・。不味いのかぁ・・・。あ〜ぁ。腹減ったな〜・・・。」
とりあえずほっとした。
「ん?お前、迷子なのか??」
「ん?んん〜・・・。そうなんだ。」
とりあえず言った。
「良し、そうか、だったら、オレんちこねぇか??」
「ええ!?本当!?じゃぁ、付いてくよ!!」

・・・ということで、付いていくことになった。

続く・・・。

戻る