Crash Bandicoot ─One year when it was forgotten─


サムさん作

〜2月26日 午後3時〜


????「ここが‥‥タスマニア島、か。」

????「広い‥‥島だな。」

ここはタスマニア島と言われる島。
そこに、手にかばんをぶら下げた1人の男が立っていた。

????「ここなら、アイツらに気づかれずに実験ができる‥‥。」
????「とりあえず、ここがどういうところなのかを歩いてハッキリさせるとするか‥‥。」

男はとりあえず適当に歩き出した。
その途中、使われていた小屋のようなものを発見した。

????「このような所に小屋があるとはな。 ここをベースとして実験を始めるとしよう。」

そう言った男は、小屋に足を踏み入れた。
小屋の中は狭く、空虚だった。

????「ふぅ‥‥。」

男は壁にこしを掛けて、ぶらさげていたかばんを床に置いた。

「チュッ‥‥チュッ‥‥」

????「‥‥? どこからか、声が‥‥?」

その時、小屋の中から動物のような声が聞こえた。

男が自分の足を見下ろすと、そこに小さなバンディクーがいた。

「チュ‥‥チュッ‥‥」

????「‥‥おやおや、カワイソウに。 傷だらけじゃないか!」
????「待っておれ‥‥今、ラクにしてやる‥‥!!」

そう言って男はかばんから消毒液を取り出した。
その消毒液をバンディクーにぶっかけた。

「チュ‥‥チュウ‥‥!」

????「少し沁みるかもしれないが、ガマンしてくれ。」
????(そうだ‥‥このバンディクーを実験に使うとしよう。)

男は、再びかばんを開け、1つの書類を取り出した。
その書類には、《SG-9実験》を書かれていた。

????「ここをこうして‥‥ここを、こうと。」

男はポケットから小さな装置を取り出し、書類に書いてあるとおりの行動を行った。
バンディクーはその小さな装置のコードに取り囲まれていた。

????「スイッチ・オン!!」

ズバババババッ!!

男がスイッチを押すと、電流がコードに流れ、バンディクーは電流を浴びた。

「チューッ!!」

その時だった。 バンディクーが自然と2走方向に歩けるようになったのだ。

バンディクー「‥‥どういうことだ、これは? 2、2走方向で歩ける‥‥って、えッ!?」
????「実験は成功した、か‥‥。」

男は再び壁にこしをかけた。

????「キミは今、私の実験により2足歩行・日本語が喋れるようになったのだ。」
バンディクー「な、なんだって!」
????「実験に使って悪かったな‥‥キミの体を。」
バンディクー「‥‥おお!! これすっごくいいじゃん!! 4足歩行より便利だし、あなたと日本語で話せるなんて!!」
????「え‥‥?」

男は少しボーゼンとした。

バンディクーは二足歩行・日本語が喋れるようになり、大いにはしゃいだ。

????「君の名前は‥‥、何というのかね?」

男はそっけなくバンディクーに名前を問いた。

バンディクー「んぁ、いきなりどうしたのさ。」

バンディクーは男に問い返した。

????「‥‥なんでもない。 ただ少し気になっただけだ。」

男はぶっきら棒に問いを返した。

ゴールディ「まぁいいや。 オイラ、ゴールディ・バンディクってんだ。」

バルド「ゴールディバンディクー、か。 私はブライアン・バルドという。 よろしく。」

ゴールディと名乗ったバンディクーは、バルドの名乗った男と握手をした。

ゴールディ「これからよろしくな!!」

バルド「あぁ‥‥よろしく頼む。」

バルドにはこの状況がよく理解できなかった。

一方、場面はワルワルスクールという傭兵学校に変わる。

????「‥‥‥‥」

顔に髭をはやし、黄色い肌をした男がイスに座っている。

そして男は、目を閉じたままこういった。

ネオ「‥‥この世界は、全て我輩のものとなる。」

部下「ネオ・デスグリッシュルス様ッ!」

部屋のドアが開き、銃をかまえた男がやってきた。

ネオ「騒々しいな。 一体何の用だ。」

部下「はッ! 実は、我々エヌポーチ軍に裏切り者が現れたでありますからしてッ!」

男は敬礼をしてそう言った。

ネオ「誰だ‥‥? そのような不届き者は。」


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

それから一ヶ月が立った。

バルドとゴールディはタスマニアで仲良く暮らしていた。

━バルドの研究室━

ゴールディ「バルド博士!!」

ゴールディがいきなり大声を上げた。

バルド「‥‥どうした? ゴールディ。」

バルドは不思議そうに問いた。

すると、ゴールディが2人の小さなバンディクーを連れてきた。

ゴールディ「こいつらを見てくれ、オイラたちの子供だ。」

バルド「!?」

バルドは必然的に驚いた。

ゴールディ「なあ。こいつらもオイラみたいにしてくれないか?」

バルド「あの実験をするということか‥‥?」

ゴールディ「ああ。そうさ。 オイラもあの実験でこうして動けるようになった! 喋れるようにもなったんだから!」

バルドは考え込んだ。

バルド「しかし、あの実験の成功率はかなり低いのだよ‥‥。」

バルドは下を向きながら残念そうに言った。

ゴールディ「失敗したら‥‥どうなるんだ?」

バルド「‥‥‥‥。」

バルドは黙り込んだ。 そしてこう言った。

バルド「恐らく‥‥性格は凶暴になり、理性も保てなくなるだろう。」

バルド「それでも、実験をするというのか‥‥?」

ゴールディ「‥‥頼む。 こいつらにも、オイラみたいな喜びを与えてやりたいんだ。」

ゴールディは決断した。

バルド「‥‥いいだろう。」

バルドは実験で使ったキカイを取り出し、2匹を電流に浴びさせた。

「チュ──ウッ!!!」


実験は終わった。

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