クラッシュバンディクー トレインレーサーズ 1st STEAGE
ふぇにーちぇさん作
第14話
横浜駅。東海道線と京浜東北線のホームに4両の列車が並ぶ。103、HK100、181、883。言うまでもなく、103はクラッシュの車両。スタートの時間が来て、司会のふぇにーちぇが来た。
ふぇにーちぇ「そんじゃさっさと終わらしたいので、早速カウント行きまーす。5,4,3,2,1、GO!」
4両は一斉にスタートした。HK100が先頭、883,181,103と続く。
ふぇにーちぇ(あの103。やっぱり気づいてない。スーパーチャージャーを載せたにしては加速が遅すぎる。下手すりゃノーマル以下だ。)
クラッシュはどんどん広がる車間に焦りは不思議と感じなかった。塚口とのバトルでは相手は一人だったが、今回は3人が相手となる。その3人に同時に、あっけなく離されてしまえば、それは誰だって落ち着かなくなる。しかし、クラッシュの『暇つぶし』にやっているという心が焦りを消している。
柄沢(何故だ?何故あんなに離されている。ノッチをちゃんと入れてないのか?パンタが一機下がっていて、集電効率が悪くなったからか?俺のときはもっと加速したぞ!)
クラッシュ得意のノーブレーキコーナリング。連続で繰り出すも、相手との距離は離れるばかり。あっという間に3両のテールライトは見えなくなった。
ココ「このバトル。お兄ちゃんに勝ち目があるとしたら終盤戦よ。ご親切にもこのコース、最初はほとんど直線で占められている。だけど品川からは一転。コーナーの多い区間になる。お兄ちゃんはコーナーがすごく速いから、きっとその区間で巻き返してくれるわ。」
アクアク「そうじゃの。どんなに不利な状況立たされても、クラッシュはいつも勝っていた。コルテックス達との戦いを幾度となく見てきたわしが保障する。あやつは勝つ。」
クラッシュが更なる苦戦を強いられているころ、東京駅の特別に設けられた部屋で、怪しげなオヤジ達が実況中継を見ていた。コルテックス達だ。
コルテックス「ふふふ。苦戦しておるわい。どうやらわしらが相手をするまででもなさそうじゃな。」
エヌジン「しかしコルテックス様。油断は禁物ですぞ。あの車両、どうやらものすごく速いらしいですぞ。」
コルテックス「まあ、わしらの出る幕ぐらい作ってもらわんとな。こっちが困るわ。」
怪しげなオヤジ達が笑うそのころ、レースはとうとう終盤戦にさしかかろうとしていた。
用語解説
スーパーチャージャー:この装置を電車に組みこむと、加速性能が飛躍的に上昇する。加速し始めてからターボが掛かるまでの時間差が少ないため、こちらが主流になってきている。
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