クラッシュバンディクー トレインレーサーズ 1st STEAGE


ふぇにーちぇさん作

第16話

クラッシュは、バトルが終わるとすぐにホテルに戻り、寝てしまった。ちょうどそのとき、ココが参加している第二試合がクライマックスを迎えようとしていた。何と4両並んで品川駅を通過。全員がフルノッチで加速に入る。

ココ「残念ね。少なくとも加速性能では、私のほうがダントツね。」

徐々に差がついてくる。わずかにココのHK100がリード。岸辺の223、佐々木の205、赤渕の485と続く。ここで山手線の線路だけ、小さなS字となる場所がある。100キロ程度なら車重次第で大概何とかなる。しかしこのときは全員150キロほどで進んでいる。いくら車重があっても、これではオーバースピードとなってしまう。
しかも、そのときその線路にいるのは赤渕と岸辺。赤渕の列車の車輪はもう線路に食いつかなくなっていた。2両は同時にブレーキを掛ける。

赤渕「しまった!ブレーキが遅かった!脱線だ!」
岸辺「!!この位置じゃあ、避けられない!」

赤渕の485は線路から思いっきり吹っ飛び、隣の岸辺の223にぶつかった。車重の重い485は223もろとも脱線し、大量の砂埃と砂利をばら撒いてクラッシュした。

実況「お〜っと!ここで赤渕選手と岸部選手がクラッシュ!残るはココ選手のHK100と佐々木選手の205だけです。」

佐々木「ク・・・っ。モーターが・・・。オーバーヒートする・・・。もう限界かぁ!」

佐々木の205系は通勤型車両。低速で、短距離を走るために作られたモーターを搭載している。対してHK100は、駅間の長く、ある程度速度の速い路線を走るために作られたモーターを搭載。
このコースの前半で、佐々木は少しでも相手に食いつこうと無理にペースを上げていた。205系のモーターが本来たどり着くことのない領域にまで踏み込んでしまったのだ。
同じコース、同じ速度、同じ走り方、そして、違うモーター。限界を超えたモーターはオーバーヒートという悲鳴を上げた。

佐々木「くっ・・・ここに来てオーバーヒートかよ!ちきしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

佐々木はマスコンを「切」に戻し、このバトルを棄権する意思を示した。クラッシュに続き、ココも決勝戦進出を果たした。

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